最後にCグループです。
 
 すでに三井住友さんは、3年前の改定で交通乗用具の範囲を限定し、支払い内容も定額払いとしていました。それ以降の注目は、他社もそれに続くのか?でした。以下の表に整理しましたが、交通乗用具に関しては、他社に改定の動きはありませんでした。 その他、大きな改定として、長らくCグループの特徴としていた「支払基準」が変更されていました。
 
 👉 人身傷害・今年の約款改定 ② ~ 三井住友、交通乗用具やめるってよ
  


  
◆ 支払基準がAグループ化

 Cグループのグループ分けとしていた支払い基準、かつての 「人傷基準 → 納得できなければ協議 → それでもだめなら裁判」 が改められました。裁判基準差額説に則った、ほぼAグループの約款になりました。この旧い基準は、大同火災さんにだけ残っています。
 
 Cグループの支払い基準、かつての整理 👉 人身傷害の約款改悪シリーズ 夢の全額補償が破壊された ①
 
◆ 悪名高かった「過失分限定払い」

 「過失分限定払い」とは、人傷先行した場合、加害者に賠償社の存在があれば、全額ではなく、「想定される過失分だけ払います」、とのルールです。つまり、「夢の全額補償」が破壊されたのです。

 かつて、三井住友さん、あいおいさん他、Cグループの各社が採用していましたが、この条項は削除されました。過失減額分だけと言っても、その支払い最低金額は自賠責保険なので、自賠責保険の重過失減額(※)に至らない限り、過失分だけ払うケースは起きないことになります。ほぼ、自賠責保険金額を立て替えて払うだけとなります。あまり意味のない条項でしたので、それに気づいたのか、数年で改められました。 これも、大同火災さんにだけ残っています。沖縄の契約者さん、大丈夫か?

※ 自賠責保険は過失減額が優しい。下表の通り、自身に70%の過失があっても20%しか減額しません。


 
◆ 上限規定の採用

 アクサさん、SBIさん、チューリッヒさんは、損J、あいおいさんに同じく上限規定を加えています。上限規定とは、「裁判の結果となれば、裁判基準で計算するも、支払い保険金は人身基準の総額が限度です」との規定です。仮に、自分の過失が大きい事故で、賠償金が1000万円を超えるような場合、相手と80:20で示談後、人身傷害に自身の過失分80%(800万円)を請求しても、人身傷害の基準で計算された賠償総額が500万円なら、それが限度額ですから、支払い余地は500万円までとなります。つまり、満額回収が困難になります。 裁判基準での支払いを認めない、保険会社の執念を感じます。
 
 つづく ⇒ 補償内容の削減