年始に医療機関との提携を誇示することについて批判的な記事を書きました。私たちのように医証を集め、障害を立証する立場の業者には公正性が必要で、医師との関係には一定の距離、緊張感が必要と説きました。まったく我ながら生真面目です。さらに言わば、賠償交渉を弁護士に引き継ぐ、つまり案件を弁護士に紹介する、または紹介される場合にもある種の緊張感が必要と思います。例えば、特定の1~2事務所のみと提携し、案件を同じ事務所としかやり取りしない・・これも生真面目な私からすれば不健全なスタイルと考えています。

 もちろん、その事務所が交通事故に盤石の実績があり、事務所を挙げて注力している弁護士ならある程度、信頼を置けます。しかし、年に交通事故の受任が10件程度の経験しかない弁護士、何でも屋事務所、つい最近までクレサラばっかり扱っていた事務所では心配が尽きません。受任数多い大型法人事務所であっても、結局は担当する弁護士の経験・力量がものを言います。
 私たちは被害者と一緒に病院に同行、障害の立証に艱難辛苦を共にします。本当に苦心惨憺の末、後遺障害等級を確定させるのです。その後、賠償交渉で生ぬるい戦いをされたら困るのです。引き継ぐ弁護士は誰でもいいということではないのです。

 現在の連携先8事務所、30人ほどの弁護士は交通事故に集中し、土日返上、連日夜遅くまで頑張っています。しかし、残念ながら途中で案件を返していただいた弁護士、もしくは連携関係をお断りした弁護士も存在します。これらの弁護士は交通事故に造詣が深いと自負があるだけで、まったく知識・経験不足、または本質が見えていない、総じて謙虚さに欠けるきらいがあります。「資格を持っているだけで実務ができるとは限らない」・・どの仕事でも共通する格言です。やはり、交通事故を相当数扱っていなければ弁護士とて素人同然なのです。

 連携先にも厳しい目で臨みますし、逆にこちらの仕事にも厳しい目で見て頂く必要があります。被害者の為、時にはケンカをいとわないぶつかり合いも必要です。つまり、連携業務にはある種の緊張感があって然りと思うのです。提携関係と言えど、お互い馴れ合いや妥協があってはなりません。最近の弁護士・行政書士・治療機関の連携ブーム(?)から強く感じています。