以前、異議申立の草案の作成、つまり、私たちにとっては弁護士に引き継ぐ医療調査のレポートを兼ねての文章ですが、その作成過程で依頼者さんの不興を買ったことがありました。
異議申立(自賠責保険・後遺障害の再請求)書の完成と提出は、最終的に連携弁護士が行います。それまでは、秋葉は集めた診断書・検査結果・画像などから、調査報告書をまとめます。そこには当然に被害者さん本人の主張する「自覚症状」も綿密に盛り込みます。やはり、障害の出発点は、ご本人が困窮している、痛みやしびれ、関節が動かない、その他異常の訴えです。これらは「自覚症状」と括られます。対して、医師や検査結果は「他覚的所見」と呼び、これが自覚症状を裏付けることになります。
私は申立書の草案文章に、自覚症状以外の(被害者さんの)心情を盛り込むことがあります。ケガの困窮や家族の犠牲であったり、一番は誠意のない被害者、とくにひき逃げや飲酒運転による被害の場合は、被害者さん及びご家族の怒りは心頭に達しています。この気持ちは汲みたい、主張したいと思っています。ところが、ある連携弁護士は、この部分をばっさりカットした申立書に直しました。被害者さんは、「せっかく秋葉さんが書いてくれたのに、なぜ削るのですか(怒)」と食い下がりました。本件を担当する連携弁護士の返答は、「後遺障害の申請に必要のない情報ですから」です。
私も連携弁護士と同じく、この主張部分は後遺障害の審査に不必要であることは重々承知しています。確かに、読み手である審査側に「被害者意識が強いな」「恨み節ばかりで気が滅入る」など、審査に関係のないことをつらつら書けば、悪印象を持たれるかもしれません。その点にさえ配慮すれば、限度付きで被害者の心情を盛り込んでも良いと考えています。この件では、審査の不利にならない程度なら主張は残すべきと、珍しく弁護士に強く反論しました。結果は、弁護士が折れて、該当文章を戻すことになりました。
この連携弁護士の判断は合理的で、決して間違ったものではありません。それでも、依頼者の心情を汲まない仕事をすれば、結果がよくても満足度は下がると思います。だからと言って、代理人弁護士には賠償戦略があり、申立書もその一環で書くものです。その邪魔をしてもいけません。過度に心情を盛り込むことが不利と判断した場合、しっかり依頼者に賠償戦略や理由を説いて、ご理解頂ければよいと思います。その戦略が頷けるものであれば、依頼者さまの不興はありません。要するに、コミュニケーションの問題なのです。 現在の連携弁護士さん達、依頼者さま、医療調査を受け持つ秋葉事務所の3角関係では、常にコミュニケーションを大事に進めています。そして、審査の邪魔にならない範囲なら、被害者さんの主張やお気持ちは盛り込むべきと思っています。私達の書いた文章・レポートを読んで、「よくぞ書いてくれました」と、涙をこぼすほど喜ばれる被害者さんも多いのです。それを引き継いだ連携弁護士も、「できるだけ、ご主張を生かしましょう」と申立書を完成しています。これぞ、人の気持ちを汲んだ仕事ではないでしょうか。

言った言わないには録音です!
しかし、あるケースでは、間違えましたでは済まされない、大変なことでした。概要を説明します(個人情報なので脚色しています)。
事故で遷延性意識障害に陥った被害者さんがおりました。事故後9か月、意識が戻らない。医師も「奇跡でも起きなければ・・」です。このまま常時介護であれば、介護費用がかさむので、死亡より後遺障害の賠償金が高くなります。亡くなったらお金がかかりませんので、このようなケースは珍しくありません。

今まで関わってきた「ひき逃げ・当て逃げ」、その加害者の言い訳はいつも、「気が動転していた、パニックになった」、あるいは「気が付かなかった、何かに当たったと思ったが人(車)とは思わなかった」等、毎度、お決まりです。経験上、これらの言い分から減刑に寄与した、行政処分の点数が免れたことはないように思います。
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【1】転回車(四輪車)と直進(単車)の事故 <判例タイムス38より>

事案に応じて最適の弁護士を選びましょう
〇 労災事故はどこに相談したらいいの?
労災請求においても、後遺障害の立証が一番の山場です。これも専門事務所のノウハウが勝負を決めます。交通事故の受任件数1000件にもう少し、そのすべてにおいて医療調査を実施、鍛え抜かれた秋葉事務所の力量をお試し下さい!
〇 工事中の道路での被害事故、ペンション内の被害事故、子供のケンカによる受傷、ペットにまつわるトラブル、スキー場の衝突事故、ゴルフ場での事故・・・
それぞれ、経験のある弁護士と連携、数々のケースを経験しております。何事もまずはご相談を。
(3極構造の代表者?)
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そして、最も厄介なものは、「感情」です。ある日、交通事故被害で理不尽な目にあった被害者さんの怒りは、事故以来、詫びにも来ない加害者ではなく、保険会社にぶつけるしかありません。担当者の電話での口調や態度で、その怒りは心頭に達します。ついつい、激しい口調になるのが人間です。しかし、相手も人間です。よく、被害者さんの相談から、「保険会社担当者の態度が悪い」との相談を聞きますが、実は、その原因は被害者さんの口調にあることが多いようです。担当者を、「お前」呼ばわり、「ふざけるな!」などのライト暴言、「あんたじゃ話にならない、上の者をだせ」、「女じゃだめだ、担当者代われ」・・・これを言われた担当者は、紳士路線を捨てて、合わせ鏡の対応に切り替えるでしょう。担当者だってアウトレイジ化するのです。
② それでは、自営業の方は?
20年ほど前に、「対物全損差額費用」(対物超過費用など)特約ができたおかげで、加害者がその特約に加入していれば、どうしても修理して乗りたい被害者さんには、50万円を限度に時価額を超えてかかる修理費を出してくれます。法律の原則を特約でカバーする、この柔軟な特約のおかげで先のバトルは減ったと思います。
さらに、20:80など、被害者側にも過失がある場合は、より硬直した態度です。各社口をそろえて、「過失がある場合は代車代を支払いません」と言います。これは、業界で口を合わせていることは明確です。普通に考えて、「修理費で相手の責任分(例えば過失80%)しか出さないのはわかる。だったら、代車代だって過失分だけでいいからもらえないの?」と言いたくなります。




私達に任せて!






