先週の東京相談会は厳しい残暑にも関わらず、8名のご参加を頂きました。参加された皆様、大変お疲れ様でした。毎度のことですが、既に弁護士に相談中、又は契約中のご相談者様が3名もおりました。    いずれも、賠償交渉以前の段階で難儀していながら、弁護士の先生に相談しても埒が明かない、不安が解消できないことから、相談会に参加となりました。つまり、交通事故で困って専門家に依頼したものの、相談先の先生では何も解決できないのです。それは、弁護士が法律の専門家であり、決して交通事故の専門家ではないことを示しています。加えて、この現象は交通事故業界の構造的な問題と考えています。交通事故の解決に必要な作業として、当然に弁護士先生の賠償交渉は必要です。しかし、交通事故は賠償交渉のみですべてを解決できるものではありません。百万遍の言葉を重ねてもわかりづらいと思いますので、8年前に作成した図を使った説明を試みたいと思います。  

1、交通事故発生から解決までの作業一覧

 1 事故発生から5 解決まで、被害者に課せられる作業です。人身事故を対象としていますので、病院の役割も下段に整理しました。ケガの痛みや入通院の苦難を抱えて、これらの作業を被害者がたった一人でやらなければなりません。ご家族の助けがあるにせよ、初めての事故で混乱することばかりです。だから、相手保険会社の言いなりに進んでしまうのだと思います。なにせ、保険会社は治療費を病院に払ってくれますし、事故車も見に行ってくれますし、休業損害まで払ってくれるのです。被害者にとって、これらは当たり前の事かも知れませんが、本来、被害者自らがきちんと立証書類を突きつけて請求する作業です。電話での感じは悪いながら、大変便利な相手保険会社におんぶに抱っこ・・後の賠償交渉でそのツケ(安い示談金で解決)を払わされることになります。

 実は交通事故の80%以上は、相手保険会社に囲われた状態で解決です。もちろん、その全てがダメとは言いません。多くはそれも省力的・合理的な解決方法と思います。しかし、後遺症が残るような重傷者の方はそうは行かないはずです。

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 先週土曜日は、法律家の為の実務講座・第10回でした。毎年8月が恒例ですが、今年は6月、東京、大阪の2都市です。    今回のテーマは、高次脳機能障害、脊髄損傷、遷延性意識障害の3大重傷・後遺障害について、弁護士の目指すべき裁判解決です。それぞれ、象徴的な判例を紐解き、介護費用の獲得例をクライマックスとした好取組みを分析しました。本テーマはまさに弁護士マター、私の担当するところではなく、専ら一聴講生となりました。大変、勉強になったことは言うまでもありません。全国各地の弁護士先生からも、現在取り組み中の案件を交え、事例研究、情報交換の場になったようです。

 交通事故裁判は他の民事事件に同じくか、それ以上に和解による解決です。画期的な判例をだしている弁護士は、全国でほんの数人で、同じ先生が重ねて判例を獲得している傾向です。やはり、専門性の高い分野なのでしょう。とりわけ、被害者本人と家族、その人生がかかった重度後遺障害の場合、「弁護士なら誰でもOKではない」事実を表しています。

 一つ残ったことは、判例を獲得している弁護士先生を直接に講師としてお迎えできないか?です。これは来年度以降の宿題としたいと思います。だって、判例をとった先生に直接教えを乞いたいじゃないですか。 「被害者救済の芽を次世代に」・・・交通事故賠償を変えた、優績先生の英断を待ちたいと思います。  

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 今年の交通事故死亡者数の統計がでました。弊所でも昨年は3名の受任がありました。死亡ですと後遺障害の立証の必要がなく、調査・申請業務はかなり限定されます。手続き事務のみとなりますが、被害者家族にとっては取り返しの付かない大事です。近年の減少傾向は歓迎すべきです。早速、傾向を見てみましょう。    警察庁によると、2017年の全国交通事故死者(速報値)は累計3694人となり、前年比では210人減、現行基準の統計開始翌年の1949(昭和24)年の3790人を下回る、過去最少数となりました。

 うち65歳以上の高齢者は累計2020人となり、前年比118人減となっていますが総数の54.7%を占め、同統計開始の1967(昭和42)年以降、2016(平成28)年の54.8%に次ぐ高い値となっています。

 つまり、ここ数年の努力で死亡者数が減っています。昭和40年代は現在の自動車登録数の半分しかない状態で10000人超が続き、16000人が亡くなった年(昭和45年)もあったのです。それに比べれば5000人を割る数字は良い傾向です。その要因ですが、以下が挙げられます。

1、安全意識の向上(とくにシートベルトの着用率の向上=しない場合の厳罰化) 2、交通インフラの向上(道路も標識も信号も年々向上しています) 3、医療技術の進歩(救急救命の向上で即死が減り、延命術の進歩も影響) 4、飲酒運転者の減少(近年の厳罰化) 5、自動車の安全装置の向上(エアバックが大きい) 6、比較的、事故率の高い若年層ドライバーの減少(スピード超過は減っている)

 統計数字からも、人口比率が高齢化したことにより、高齢者ドライバーの事故比率が上がったこと、被害者としての高齢者増加がうかがわれます。  

■ 2017年交通事故死者数(速報値)

【月別】3694人[うち高齢者2020人] ・ 1月:282人(-67) [161人(-36)] ・ 2月:288人(+27) [149人(+ 5)] ・ 3月:303人(-18) [157人(-28)] ・ 4月:244人(-65) [123人(-48)] ・ ...

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 今月は7日と21日に相談会を開催します。おかげさまで、明日の予約も10名を越えています。

 やはり、事故直後からの相談は助かります。これからの解決に向けて、余裕を持った作戦会議となるからです。一方、相手保険会社から治療費打ち切りを迫られている段階では、急いで対策しなければなりません。当然、検査等が後手に回ることになり、不利な状況は否めません。最悪は後遺障害の申請後、もしくは認定後の相談です。この場合の多くは立証作業が不足しており、認定結果に不安を残すことになります。そして、結果が思わしくない場合は、成功率わずか6%の異議申し立てを検討するはめになります。    被害者さんは日夜、ネットで情報を集めて、各々解決策を練っていると思います。しかし、残念ながらネット情報は玉石混合、間違った情報を鵜呑みにすると大変です。ネットの世界では、誰もが交通事故の専門家です。しかし、あるべき解決へお手伝いができる者は、ほんの一握りと思います。    私達もその一握りであるために、日夜、正しい知識の習得と実戦経験を重ねています。その成果・実力は、まず実績ページをご覧になって頂きたいと思います。そして、なんと言っても毎月の無料相談会へ参加して欲しいのです。参加された被害者さんの多くから、高いご評価、驚きと納得を持ち帰って頂いています。私達の交通事故・無料相談会とは・・   1、実際の事故現場を大型モニターで描出し、ミニチアで衝突状況を検証、弁護士が過失割合を分析

 判例タイムス(過失割合の例が載った定番本)を広げて、のんびり理屈をこねているだけではありません。立体的に事故状況を把握し、実戦的な対策を検討します。   2、骨折箇所や脳出血の画像分析、骨格モデルでの病態解説

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 たいてい、逃げます。 もちろん、ひき逃げは少数例ですが、「自賠責保険で勘弁して下さい」と泣き崩れるか、「お金はありません」と居直ります。

 道を走っている自動車の5台に1台は任意保険に入っていません。日本の任意保険付保率は世界で上位ながら、無保険車の数はかなり多いと感じます。毎回、相談会に1名はおりますので。多くの被害者は加害者からの補償を期待しますが、20%は報われないのです。すると、相手の強制保険である自賠責保険だけが頼りとなります。しかし、ご存知のように自賠責には限度額があり、ケガで120万、後遺障害・死亡で3000万(介護状態で4000万)までとなります。自賠責だけでは補償が足りず、また、慰謝料なども最低金額で、がっかりすることになります。

 したがって、あらゆる保険をフル動員しなければなりません。まず、通勤途上・業務中であれば労災を適用、治療費と休業給付を確保します。後の後遺障害の請求も視野に入れます。労災の適用外であれば、当然に健康保険を使って治療費を圧縮します。治療費が一定額を超えれば高額医療費の請求を、休業が長期化すれば傷病手当金を請求します。 

 そして被害事故で最も役に立つ保険は、ご自身が加入している自動車保険の人身傷害や無保険車傷害です。できれば、自身向けの補償もしっかり備えておきたいものです。交通事故の解決には、加害者や相手保険会社に期待せず、また、弁護士や業者を選ぶ以前に、まずは自ら保険にしっかり加入しておくことが大事です。

 最悪例は、相手が無自賠(車検切れで自賠責未加入の状態)で、さらに、ご自身も人身傷害・無保険車傷害などの自動車保険が未加入、弁護士費用特約なし、その他、傷害保険や共済の加入もないケースです。最後の砦として、政府の保障事業への請求が残るのみです。ここから自賠責保険と同等の補償を確保できますが、重度の障害を負った場合、焼け石に水です・・。    ここまで、様々な無保険車対策を挙げました。さて、本来責任を取るべき加害者はどこへ行ったのでしょう? 私の交通事故業務26年の歴史で、「私が悪うございました。きっちり賠償金を払います」などと言った、頼もしい?無保険の加害者に会った事がありません。冒頭で言いました通り、加害者の資力、支払い能力など、ほとんど期待できません。お金持ちで誠実な人なら、そもそも、しっかり賠償保険に加入しているものです。

 それでは、加害者に辛うじて支払い能力があった場合ですが・・これも当てになりません。裁判で勝って、月額○円で分割支払としても、大抵、3ヶ月目から入金が途絶えます。そして、本人との連絡も途絶えます。つまり、夜逃げか、行方をくらまします。加害者はこれからの人生、毎月○万円を支払うことなど真っ平ごめんなのでしょう。弁護士は一様に「裁判に勝っても回収が・・」と嘆きます。  ない袖は、  

 最後に、実際にあった例を一つ。

 ある保険未加入の加害者は、障害を負った被害者から3000万円もの請求を強いられ、自己破産しました。「びた一文払えん」と、ケツをまくったのです。この加害者は確か土地・建物を持っていたし、ベンツに乗って、それなりに現金も持っていたはずです。むしろ、羽振りのいい自営業者さんでした。

 その加害者の言い分ですが、「離婚して、女房に全財産を持っていかれた」とのことです。しかし、夫婦仲は悪いわけではなく、こっそり一緒に住んでいるようです。つまり、計画的な財産隠匿です。賠償の支払いを逃れるために財産を奥さん名義にした後、離婚し、自己破産したのです。ほとぼりが冷めれば、また籍を戻すのでしょう。

 このように、汚い人もおります。いえ、むしろ、人間は追い詰められたらこんなものです。性悪説を実感する瞬間です。

 最近は、このあからさまな債務逃れに鉄槌するような、厳しい司法判断も聞きます。それでも、周到な準備の上、夫婦が別居して、こっそり会っている程度では、回収は困難、手も足も出ません。    最後に本ケースにはオチがあります。この奥さん、自己名義となった財産をもって別の男に走りました。主人が主人なら奥さんも奥さん、皆、悪党です。もう、ぐちゃぐちゃ。  

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 今月等級が認定された依頼者さまは、事故からおよそ7年、ようやく症状固定の末に今月、等級認定となりました。

 長い年月、5回の手術とリハビリの毎日でした。働き盛りの貴重な時間のすべてを交通事故とその療養で費やしてしまいました。難治性骨折や開放骨折後の感染症となった被害者さんは、症状固定まで3年などざらです。その他、高次脳機能障害でてんかん発作の危険の去らない患者さん、小児の時の頭部外傷で将来の障害の懸念から症状固定をためらう両親・・症状固定を急くことができません。

 これらの被害者さんに対して、相手保険会社は悠長に治療費や休業損害を払い続けてはくれません。目安とする治療期間が過ぎれば、「あとは後遺障害の認定をして、今後の治療費などは逸失利益で充当して下さい」となります。被害者にとっては、支払いを渋る残酷なものに聞こえます。しかし、冷たいようですが、この判断には一理あります。症状固定すれば、治療費も休業損害も失われますが、その代わり、後遺障害が認定されれば逸失利益が得られます。治療費と休業損害の確保に躍起になって症状固定を延ばせば、年齢を重ねるごとに逸失年数が減り、結局、逸失利益の賠償金が減ります。重い等級の場合、治療を1、2年延ばすより、はるかに損失が大きいケースもあります。

 さらに、長い治療努力が実る事は喜ばしい事ですが、後遺症が軽くなれば後遺障害等級が下がり、やはり、慰謝料+逸失利益が数10~数100万円も減ります。治療を延ばした期間の治療費と休業損害のお金は得てして、これを下回りますから、賠償金のトータルでは損をします。つまり、損得勘定の面からも、適当な時期にすみやかに症状固定&後遺障害審査に進めるべきなのです。    毎度、依頼者さまとこの損得勘定をしています。被害者は戦略的な視点をもって、事故の解決に望むべきだからです。もちろん、治療上の事由、とくに手術の予定から将来の見通しが立たないケースは除きますが、多くは感情面や経済面から症状固定の決断ができない被害者さんです。「治るまで、治療費を請求するんだ!」「休業損害を絶たれたら生活できない!」と・・。

 前者は予想される後遺障害保険金(賠償金)から、症状固定&後遺障害申請に進める利を説きます。後者は、無理のない段階的な就労復帰を計画し、健保での治療継続と傷害手当金の請求など、様々な補償をかき集め、少なくとも自賠責の後遺障害保険金が入るまでの対策を講じます。総じて「自分は被害者なのだから・・」という甘えを遮断させなけれなりせん。そもそも、ケガは加害者によるもので、加害者側に保険会社が存在するからお金が入るのです。「もし、これが病気だったらどうするのですか?」と投げかけます。

 事故で人生を費やすのは無駄です!

 被害者は交通事故という人生のアクシデントに流されず、日常生活を取り戻す努力が必要です。治療、リハビリ、就労復帰、そして実利ある賠償金を得て、事故を終わらせなければなりません。

 しょせん、私達はお金を取るお手伝いの仕事です。それでも、交通事故の解決では、被害者さんに対しても厳しい態度で向き合う時があります。同情することは容易いですが、被害者さんの人生を一刻も早く再建するためにも、「前に進める」推進力が必要なのです。  

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 ほとんど毎日、交通事故相談のお電話を頂いております。最近はネット上で、それこそ何十何百の相談ページが存在し、どこも無料相談を実施しています。被害者さんは相談先が豊富にあり過ぎて迷ってしまいますね。

 どこも商売ですから、「我こそ専門家!」「お任せあれ!」の姿勢で待ち構えています。また、HPのコンテンツも10年前と比べ物にならない位、充実しています。とくに、交通事故の後遺障害についての解説は、「交通事故110番」はじめ数件のサイトが情報量・質共に突出していた状態から、弁護士事務所HPの大量参入で、もはや横並びです。さらに、莫大な資金をかけたリスティング広告により、大手法人事務所の優位が続いている状況です。

 その中で、被害者さんは何を基準に相談先を選ぶべきでしょうか? もちろん、複数の事務所に問い合わせを行い、電話で感触を探る事は必要かと思います。いくつかの弁護士や相談員と話してみれば、驚くほど回答に違いや力量差を感じるはずです。私達の場合、常に心がけていることは、まず、ご質問や困っていることにしっかりと回答することです。交通事故相談と名乗る以上、交通事故の解決に向けて、最良の方策を提案することに徹しています。    そこで本日は、電話相談での注意点について、いくつか危険例を挙げます。ご参考にして頂きたいと思います。そして、迷ったら、弊所含め、複数の弁護士・専門家が集結した無料相談会をご利用いただければと思います(結局、我田引水かい!)。   1、電話のオペレーターがいかにも事務職員で詳しくない。なのに、回答できる専門家に電話を代わってくれない

 これらは、大量受任+大量処理の事務所であり、契約までは熱心ですが、その後の対応は量産ラインの流れに乗せられるだけです。弁護士と話すのは最初の1度だけ、あとは事務員が担当します。健保や労災の手続きは被害者任せ、後遺障害の立証も被害者自身で行い、異議申立となっても「ご勝手にどうぞ」と言われます。総じて、細かい議論抜きに早期の交渉解決を推奨されます。紛争センターや裁判での解決は手間や時間がかかり、ベストな解決策との判断ではなく、採算に合わない理由から避けます。これで満足のいく結果となれば問題ありませんが・・。   2、最初に「弁護士費用特の加入は?」と聞いてくる

 このパターンも多数です。多くは、弁護士費用特約があれば、「あなたはお金がかからないのだから早く契約を!」との流れにもっていかれます。お金のことも大事ですが、まず検討すべきはその事務所の力量ではないでしょうか。最初に弁護士費用特約を聞いてくる事務所は、間違いなく商売優先、拝金主義です。最近もある被害者さんから聞きました・・「無料相談と聞いて電話をしたのですが、真っ先に弁護士費用特約があるか聞かれ、あると答えると、『では、委任状を送ります』と、無料相談のはずが、契約内容の説明に終始されて困った」そうです。   3、質問に答えず、とにかく契約を迫る

 年数を積んだベテランだろうが、○○会の理事だろうが、100人の弁護士が在籍しようが、都心の一等地に事務所を構えていようが、まったく関係ありません。肩書きや規模で交通事故は解決しません。結局は、個人の経験・実力です。相談者の質問に高い精度で回答できるか否か・・実力を知りたいのです。回答の精度を計らずして、そこに任せるべきか検討できません。解決までの方策を説明できない先生は、実は何もわかっていない素人先生かもしれません。   4、その事務所のHPに書かれていることについて質問してみる

 おかしな話ですが、自分でホームページを書いているマメな先生はごく少数です。多くは、業者に依頼してHPを作成し、中身のコンテンツも雛形として買ったものです。したがって、HPの中身を質問しても、電話の向こうの先生はまったくわかっていない頓珍漢な回答、もしくは小難しい話でごまかす・・このような珍妙な現象が起きます。    相談先の選定、被害者さんに課せられた最初の仕事と思います。

 私達も日々の勉強を怠らず、電話での相談、相談会での対応に全力を尽くしています。

   

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 毎度、セミナーでは色々なご質問を頂きます。それらに回答をすることで、セミナーをする側も大変に勉強になっています。勉強会を重ねることに、私達も鍛えられているのです。    前回の質疑応答を1つご紹介しましょう。(守秘義務に則り、内容を改変しています)   Q1) 物損事故で、当方・相手の保険会社同士で話し合いが進められています。ところが、相手側が交渉内容に納得せず、自分の保険を使わないと言い出しているそうです。相手保険会社の担当者も、「契約者が保険を使わないと言っている以上、当方は何もできません」と言っています。私は保険会社同士の話し合いに任せたいと思っています。どうしたら良いでしょうか?   A1) 相手はグズリ得を狙っているのでしょうか。また、相手保険会社の担当者の言う「契約者が保険を使わない=保険会社は何もできません」は一見、納得しそうな話ですが、納得してはいけません。そんな、理不尽は許せませんし、相手保険会社に引っ込まれては困ります。したがって、相手の任意保険の「直接請求権」を発動させます。これは、被害者が、相手契約者抜きに、相手の保険会社に直接賠償請求できる約款条項です。しかし、この直接請求権には発動条件があり、一部には相手の意向も絡むので、少しコツがいります。以下の条件をもって、相手保険会社を再度、引きずり出すことができます。   ① 保険者が損害賠償請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額について、被保険者と損害賠償請求権者との間で、判決が確定した場合または裁判上の和解もしくは調停が成立した場合

② 被保険者が損害賠償請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額について、被保険者と損害賠償請求権者との間で、書面による合意が成立した場合

③ 損害賠償請求権者が被保険者に対する損害賠償請求権を行使しないことを被保険者に対して書面で承諾した場合

④ 法律上の損害賠償責任を負担すべきすべての被保険者について、次のア.またはイ.のいずれかに該当する事由があった場合

ア.被保険者またはその法定相続人の破産または生死不明

イ.被保険者が死亡し、かつ、その法定相続人がいないこと。

 ④の相手の死亡は別として、②~③のように、相手の同意ありきなので、すったんもんだしている間に、結局、相手が折れて通常通り保険使用となることもあります。また、相手のグズリに屈して自損自弁(お互い自分の車は自分で修理)となることも多いようです。つまり、実際にはこの条項が発動されることは稀です。そのせいか、信じられないことに、この保険約款の存在すら知らない保険担当者がおります。多くはすっとぼけているのではなく、本当に知らないのです。

 直接請求権を理解するには、実例での解説が必要です。以下のストーリーを熟読して、解決までのロードマップを敷いて下さい。    ⇒事故の相手が保険を使ってくれない①~⑥   続きを読む »

 本日は千葉県東部での研修会でした。   

入り口でPepper君がお出迎え。大分、普及していますね

 毎回、様々なご質問を頂きます。平素、被害者の視点に沿った質疑応答に終始しますが、加害者側からの質問・相談です。立場を替えて回答しました。以下はその質疑応答の概要です(守秘義務がありますので、内容を改変、一般化しています)。

 お金を頂くプロである以上、依頼者本位が原則です。しかし、被害者・加害者どちらの立場であろうと、悪者は共通の敵だと思います。「こんな人たちに負けるわけにいかない!」     Q) 交差点の信号待ちで、ブレーキペダルから足を離してしまい、前車に軽くコツンと追突してしまいました。相手の損害はバンパーにキズがついた程度です。それでも、相手は救急車で搬送され、毎日のように通院しています。しかも、通院に毎回タクシーを要求してきます。事故から3ヶ月ですが通院は当分続きそうです。当方は恥ずかしながら、任意保険に加入していませんでした。相手から今後、ずっと請求が来るのかと思うと不安です。どのように対処していったら良いでしょうか?  

A)受傷機転やケガの程度から、明らかに不当な請求と判断できます。本件の相手は、過去に被害事故を経験しており、事故慣れをしているのかもしれません。本来、このような被害者に対処するためにも任意保険の加入が望まれます。間に入った保険会社は、長期間の治療費は支払いませんし、必要性のないタクシー代も支払を拒否します。

 しかし、あいにく、保険に未加入・・・

 このような場合、私はまず第一声でこう言います。

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 今日は特急ひたちに乗って水戸まで。  関東各県でのセミナーも好調です。目的は宣伝活動ですが、商売先行では聴講する皆様に響きません。やはり、被害者救済を大前提とすべきです。その為に何が必要か、何が出来るのか、まずは知識面を満たしていただくことからスタートです。

 本日も多くの「気付き」を持ち帰っていただけたと思います。 茨城の皆様、ありがとうございました。 続きを読む »

 先日、「ご依頼者様からのお叱り」とのタイトルで記事を書きました。

 弁護士事務所の多くは、賠償交渉以外の事務、とりわけ後遺障害の経験が手薄であることを訴えました。HPでは派手に「後遺障害に強い!」と謳っていますが、実際は宣伝通りに思えません。なぜなら、セカンドオピニオンがあまりにも多すぎるからです。このHPでも、毎度、愚痴っています。

 被害者の多くは、事故の初期に弁護士に契約したとても、等級認定までの諸手続きを被害者自身がやらなくてはならず、”弁護士は賠償交渉の段階まで待っている”ことが常態です。これを事務所開設前から数年に渡って問題視してきました。私は「弁護士が賠償交渉以外の事務をしないのなら、秋葉がやりましょう!」との意気から、事務所を開設したとすら言えます。現在まで、およそ16事務所、延べ40人の弁護士先生と仕事をしてきました。その数では、わずかな抵抗でしょうか、被害者さんの環境は不変に思います。改めて、問題点を整理してみます。         被害者さんは、人身事故にあって、法律事務所のドアを叩くのですが・・以下、二分します。     1、弁護士費用特約がなければ、受任留保。「等級が取れてから、また来て」

 弁護士費用特約がなければ、昔ながらの「等級が取れてからまた来て下さい」との対応になります。しかし、被害者さんは事故直後から、様々な問題に直面します。事故直後に、警察・保険会社・病院窓口での折衝があります。続いて、公的保険の併用の場合、健保の第三者行為届け、または、労災の申請手続きが続きます。さらに、その他保険請求、転院やリハビリ計画の相談、検査の手配、最後に後遺障害診断書の依頼など、やることがたくさんあります。この間、精神的に最もキツであろう相手保険会社との交渉が続きます。

 各局面で弁護士に相談するも・・契約するのかどうか煮え切らない態度です。これでは、相談者はその事務所へ二度と戻らないでしょう。    2、弁護士費用特約があれば、即、契約も「等級が取れるまで、のらりくらり」

 どの事務所も、弁護士費用特約のある場合はすかさず受任してくれます。なぜなら、等級がどうなろうと、保険会社から着手金を確保できるからです。しかし、ここから事務所の実力や経営方針によって、被害者さんの運命は左右されます。健保や労災については、「それぞれの役所窓口で聞いて下さい(弁護士事務所がわかるわけないでしょ!)」、「早く、医師に診断書を書いてもらって下さい(医療には面倒なのでタッチしません)」との生ぬるい対応に終始します。着手金さえ入れば・・冷めてしまったのでしょうか。

 例によって電話をしても担当弁護士がつかまらず、事務員対応でなんら解決しません。稀に弁護士がつかまっても、場当たり的なアドバイスで、ほとんどの手続きは依頼者任せ、等級がでるまで待っています。仮にこれらの事務が弁護士先生にとって専門外であっても、依頼者さんの失望は免れないでしょう。このような場合、多くの依頼者さんは他の事務所に走るのです。  

 これがセカンドオピニオン激増の理由です。弊所としても、もっと弁護士先生の理解・協力を広めることが必要であると痛感しています。    弁護士&行政書士、この連携業務の受益者は、結局、被害者さんに他なりません。多くの弁護士先生に連携を呼びかけるのは、利益追求からの動機ではなく、求める声に応える仕事がしたいからです。  

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 秋葉事務所は、単なる書類の取りまとめを行っている事務所ではありません。画像分析と医療調査、そして解決までのプランを示すこと、つまり、交通事故解決の中核的な作業を担っています。

 今日はタイトルにあるように、医療調査の基本軸である、病院同行・医師面談について語りたいと思います。    「被害者側の医療調査業」とは、行政書士資格をとっただけで”交通事故専門”を名乗る事務所とは一線を画しており、交通事故に強いと宣伝する弁護士事務所に勝る専門性を自負しています。弁護士事務所から信頼いただき、ご依頼を受ける専門家は一朝一夕では生まれません。被害者側の医療調査は簡単な仕事ではないのです。まず、病院同行するメディカルコーディネーターの研修期間は1年以上かけます。どうにか研修生を卒業となるのでは、年間120件の医師面談を3年以上が絶対です。それでもまだまだ経験不足、実戦経験を積む毎日です。

 基本的に被害者さんの診察に同席し、一緒に主治医からお話を伺います。そして、検査のリクエストを行い、診断書の記載内容まで踏み込んでいます。なぜこの作業を重視するのか?・・・医師は治す事が仕事であり、治療者の観点から患者の障害を評価します。それは時として、保険会社側が要求する情報と食い違ってしまうからです。具体例を挙げましょう。     (実例)鎖骨骨折後、鎖骨の変形に関する評価   医師 「鎖骨の癒合はよく、問題ありません。そろそろ症状固定でもいいですよ。」

被害者「先生、任せている行政書士さんから、鎖骨の変形で後遺症が認められると聞きましたが・・」

医師 「これ位は日常生活に影響ないよね。変形とまでは言えないよ。」

被害者「そうですか・・・」 やっぱりダメかと、とぼとぼ退散します。

・・後日の診断日、今度は秋葉が同行しました・・

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 学生時代~就職~独立、すべての転機は4月からでした。多くの日本人にとって、4月はスタートの月と思います。    先週末は恒例の東京相談会でした。会場の往来、さくら通りの桜は小雨の中、5分咲きに。事務所から見下ろす祝橋公園の桜は少し送れて、3~4分咲きでしょうか。 2017040116540000

 近況ですが、年初から冷え込んでいた相談会のご予約や電話相談が、桜の開花に合せるように件数が増えてきました。ご相談の内容もうれしい事に、私達のHPを検索・閲覧をきっかけに、その実績・経験をからのご質問・ご依頼が多くを占めてきたことです。

 その相談者さまに共通している事は、まず、HPで大々的な露出をしている大手弁護士事務所に目を引かれ、電話や面談で相談を実施した後のアプローチです。つまり、何か腑に落ちなかったのでしょう。相談した専門家が必ずしも、専門的な知識があるわけではなく、何より類似の経験があるわけではありません。そのHPの多くは業者に作成を依頼したものです。書かれている内容全て、その事務所の、あるいは担当弁護士の知識・経験ではないかもしれません。

 対して、はかなげな弊所HPに目を止め、一度ご相談頂いた被害者様は、たちどころに先のもやもやが解消するようです。手前味噌ですが、実際に類似の傷病名について、等級認定~解決までを自らの経験・実例から説明しますので説得力が段違いです。その点、業界トップクラスの傷病種数に積み上げた実績ページの蓄積を誇りたいと思っています。

 事務所の知識、対応力、解決力、これら実力を示すものは宣伝文句ではありません。やはり、経験・実例・実績から導いた、「解決までの具体的な作業」を示すことに尽きると思います。

 費用をかけただけの宣伝攻勢に迷わされない、被害者さまの賢明な判断をいつも期待しています。  

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 関東の桜はもうすぐ開花しそうです。 

 明日は高崎相談会ですが、群馬県での相談会は久々となります。 

 今回は少な目の予約状況ですので、相談枠に余裕があります。近隣の方はこの機会に是非ともご利用下さい。お電話をお待ちしております。

 ご案内 ⇒ 高崎相談会  012-1  交通事故の解決には早期からの計画が大事です。一緒に解決までのロードマップを敷きましょう。      

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 先週の小田原相談会の会場はお城の3の丸の外側でした。天守閣の公園だけではなく、駅や商店街も町がすっぽり城内です。この町を囲んだ城郭都市を「総構え」と言うそうです。    2017022512190001会場並びの駐車場に遺構  駐車場が三の丸のお堀跡、背後の盛り土が城壁だそうです    2017022512190000続きを読む »

 毎年、2月の参加者は少なめです。それでも、なんとか先週の土曜日は8名様にご利用頂きました。

 久々の所感ですが、やはり、今年1~2月の傾向もセカンドオピニオンが多いようです。

 既に弁護士に依頼しながら、何故か相談にいらっしゃる。

 その相談内容は個人情報からお話できませんが、一般的な表現で書きますと・・   1、裁判を任せている先生とは別に意見書を書いて欲しい

2、裁判を任せている先生とは別に画像鑑定の手配をして欲しい

3、交渉を任せている先生の言っている事は正しいのか?    一体、何のために弁護士にお願いしたのでしょうか。これらは委任中の弁護士先生が手配・解決する問題ではないですか。信頼関係が破綻しているとまでは言いませんが、こんな相談を持ちかけられた当方も困惑するばかりです。紳士的な対応を心がけていますし、事案の進行具合から安易に解任など提案できません。    かつて、交通事故で高名な弁護士先生がこう言いました。

 「弁護士選定を誤れば被害者の2次被害となる。 残念ながらこれも被害者の運命。」    交通事故、それも大ケガを伴うような事故は一生でそう何回も起きないでしょう。代理人を選ぶ際にはくれぐれも慎重にして頂きたいと思います。少なくとも3事務所に伺い、じっくり解決方針を聞いて弁護士の力量を計るべきと思います。その審査眼に自信がなければ、早期に有用な相談会へ参加頂きたいと思います。手前味噌になりますが、私どもの相談会は弁護士の選定に関しても、数十人の弁護士と仕事をした経験から、忌憚のないアドバイスをしています。

 012-1    手遅れになる前に、是非、お声がけ下さい!  

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 毎年の傾向ですが、2月の交通事故相談会への参加は少なめです。世間一般の2(月)・8(月)の売上減少とは思いませんが・・。

 いつも呼びかけていますが、交通事故の解決は「早期に解決までのロードマップ」を策定することです。2/18、2/25はまだ予約の空きがございます。自信を持ってご利用をお勧めします。

 あらためて相談会の流れを紹介しましょう。  

① 過失割合を検証

→ 大型モニターを使い、実際の現場を見ながらバーチャル現場検証 → ミニチュアを使い、事故状況を再現

まずは事故状況の詳細を確認します。過失割合の決着は最後の賠償交渉ですが、事故状況の調査、刑事記録の取り寄せなど、手を打つ必要があります。

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 ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」が大好評だそうです。話題につられて、普段ドラマを観ない私も途中から視聴しています。    ドラマの内容はご存知と思いますが、念のため・・妄想癖のある大学院卒業・高学歴女子の主人公みくりさんは就職活動が上手くいかず、派遣会社に就職も派遣切りで無職に。そこで、独身サラリーマン津崎さんの家政婦になりますが、成り行きで契約結婚とします。周囲には普通の結婚の外形を取り繕います。そして、二人の関係がリアルに変貌する経過を毎回、面白おかしく追っていきます。

 このドラマの人気は何ゆえか? 二人を中心に周囲の人達を群像劇として観れば、あることに気付きます。それは、役柄それぞれ、誰しも当てはまる、悩みや問題を抱えていることです。・・派遣切り貧困女子、結婚しない・できない男性、同じく独身女性、シングルマザー、性同一性障害、周囲との疎外感をもつ帰国子女、誤解されるイケメン男子、高齢化する親、そして、経営難の会社・・これらは、生きるか死ぬかのような深刻度ではないのですが、それぞれにとっては悩ましい問題です。その普遍性が視聴者の共感を生んでいるのでしょう。

 そのような人達に、作り手はユーモアたっぷりに暖かい視線を注いでいます。そして、劇中、お互いに理解を深め、助け合っているところが人間ドラマとしての完成度を高めているように思います。    さて、翻って交通事故被害者です。今年も既に274名のご相談を受けました。これはメール・電話相談を除き、実際に面談した被害者さんの数です。毎年300人面談が5年も続いていますので、この経験からも世相を語ることが出来そうです。    c_h_17-2   相談者の傾向ですが、年々、派遣やアルバイト等、非正規雇用者が増えているように思います。それも20代の若年層ではなく、30代~50代も少なくないのです。また、高齢者ではない、働き盛りの無職者も多い。邪推かもしれませんが、仕事をバリバリやっている層は事故にあうことが少なく、事故となっても、病院に通う暇が無いほど多忙のようです。そして、フルセットの保険に加入していることが多く、まさに「金持ちケンカせず」、もめることなくあっさり解決のケースが多いのです。社会的弱者に特に交通事故が降りかかり、また、その経済的環境から交渉も難航します。同程度のケガで比較しても、何故か社会的地位や所得の低い被害者は通院や休業期間が長いのです。あくまで印象であり、統計数字として断定するには、軽率かもしれませんが・・。    これら交通事故被害者さん達に、ドラマのような暖かい視線は注がれません。周囲の助けも期待薄でしょう。被害者を取り巻く環境、つまり、保険会社や病院、警察、職場、どれもそれぞれの職分を全うすればよく、一被害者に肩入れなどしません。特に保険会社は営利企業であり、被害者を救済するために機能してはいないのです。社会的・経済的に困窮しようと、扱いは平等、基準に則った機械的なものです。被害者の経済力を考慮した特別な配慮などされません。むしろ、「賠償志向の強い被害者」と断じ、冷たい対応になります。

 被害者さん達は圧倒的に不利な立場であることを、まず自覚すべきと言えます。

 周囲の助けをあてにしても、ドラマのようなハッピーエンドは起きません。実利ある解決は、現実と向き合い、しっかり戦った者だけが達成するものです。そこには1日も早く事故に算段をつけて、復職を果たし、仕事・日常を取り戻す努力が必要です。交通事故と言うドラマにも最終回を迎えねばならないのです。

 相談会は被害者さん達の不幸に同情する場ではありません。事故から卒業するお手伝いをする場と思っています。  

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 9月からほとんど毎週のように相談会を開催しております。

 先週末は神奈川県藤沢市でした。ここ数年の神奈川相談会の参加者は少なめです。毎月の東京相談会には、多くの神奈川県の被害者さんが参加されています。やはり神奈川は「首都圏」、交通の便もよく、こちらから出向かなくても、東京にいらしていただけるのでしょう。

 さて、恒例の所感ですが、この秋から数回の傾向をあげましょう。   1、社会保障に頼っている被害者さん、弱り目に祟り目

 事故前からの持病や既往症、心身症(鬱が多い)で仕事が順調にできない、もしくは休業中、失業中の方が交通事故に遭うと・・やはり、通院が長引く傾向にあります。唯でさえ弱っているところへ、交通事故受傷のダメージやストレスが加算されます。軽傷でも重篤な症状に陥ってしまうのでしょう。既に傷病手当、労災、失業保険はじめ社会保障に頼っている方も少なくありません。幸い日本は国民皆保険を実現し、等しく保険治療が受けられます。労災制度により、仕事中の傷病にも手厚い補償が得られます。

 しかし、交通事故被害者は社会が救うものではなく、原則、当事者間の問題なのです。相手方、多くの場合、任意保険会社ですが、彼らは被害者救済のために動いているわけではありません。任意社は加害者の責任を代行しているに過ぎず、せいぜい公正な支払いを前提として対応しています。当然、ケガに応じた平均的な通院期間や治療内容を参考にしますので、被害者の訴える症状や通院期間が平均以上であれば、冷たい目しか向けません。交通事故の補償請求は社会補償のように甘いものではなく、ある意味、戦いなのです。

 交通事故の損害賠償は金銭賠償です。今後の治療の継続や生活の維持には金銭の確保が第一でしょう。私達の仕事は損害を立証し、連携弁護士によりその金銭賠償を実現することです。もちろん、できるだけのアドバイスやフォローをしますが限界があります。何といっても被害者本人の社会復帰への意志や、前向きな気持ちが無ければ、この先、事故やケガ・病気が起きるたびに何度も躓くでしょう。 相談会では厳しく接することもあります。事故を解決するのはどこまで行っても本人なのです。医師も弁護士も私達もそのお手伝いしかできません。なんとか頑張ってもらいたいと思います。 f_c_025  2、依頼を受けた弁護士は何をやっているのか?

 これは、度々この業務日誌で取り上げている現象です。「既に弁護士に依頼しながら、相談会に参加される」いわゆるセカンドオピニオンの被害者さんが、ほとんど毎回いらっしゃるのです。普通、任せている弁護士に相談すべきところ、何故、私達の相談会に参加されるのでしょうか。相談者さんに代理人がいる以上、私達も気を使ってしまいます。まずは、「なぜ、契約した弁護士に相談しないのですか?」から始まります。

 その理由の多くは、賠償交渉以前の「転院や検査等、治療方針」「健保、労災等、各保険手続き」、そして「後遺障害の立証」に難儀し、担当の弁護士からも適切な指示が得られていないようです。これらは損害賠償に至る前段階の事務となります。ここを丁寧にフォロ-している法律事務所が極めて少ないことがうかがえます。交通事故被害者の一番困っている場面はどこなのでしょうか? 被害者それぞれ場面は違うと思いますが、それでも、その場面ごとに適切な対処ができなければ専門家の名折れとなります。    さらに、私達は専門家の条件をこう考えています。相談者に対し、解決までのロードマップをひくこと。    どの段階で相談・依頼を受けても、解決までの各段階を示し、それぞれの場面で最適な手を打つ・・その一連の流れを説明することです。多くのセカンドオピニオン被害者さんに対して、受任済みの事務所はこれが圧倒的にできていないのではないかと思います。被害者さんは生まれて初めて交通事故に巻き込まれ、先が見えず、不安に駆られています。専門家に任せたつもりが、先行きの説明が曖昧で、目の前に迫った後遺障害立証の場面でも心もとない対応で・・まったく不安が解消されないのです。

 依頼先の対応に不満を漏らす相談者さんすべてに解任を勧める事などできません。そんなことをしていては業界から恨まれてしまいます。そのような意味でも、私達が標榜する「被害者側の医療調査」を、もっと法律事務所に浸透させなければならないと思います。要するに、事務所の体勢や方針によって賠償交渉前の事務ができないのなら、秋葉に依頼して欲しいということです。現在でも弁護士事務所からの依頼は毎月たくさんあります。しかし、今後、より一層の呼びかけが必要と痛感しています。

 私達は相談を終えた被害者さんが、解決までの展望を得て、前向きな気持ちでご帰宅の途についていただくことを目標としているのです。  012-1  

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 私達の仕事の主目的は後遺症の残った被害者さんに、間違いの無い後遺障害等級の認定をさせることです。

 そのような方針でずっとやってまいりました。したがって、主に相談の対象は後遺症の残る重傷者となります。それはこれからも変わらないでしょう。しかし、先週末の東京相談会は盛況で、後遺障害の対象ではなくとも、入通院期間の慰謝料や休業損害を巡った示談交渉を要望する被害者さんが多くみられました。    当然ですが、人身事故被害者の96%は後遺障害など残らない軽傷者です。後遺障害の対象は4%程度なのです。つまり、後遺障害を残す被害者さんは少ない。では、後遺障害の対象とならない被害者さんに対して、6ヶ月程の治療期間の慰謝料を巡る交渉は必要でしょうか?

 検証してみましょう。骨折の無い、6ヶ月の通院で示談の場合、保険会社の提示60~70万円に対して、弁護士が請求する裁判基準は80~100万円、その差は20~30万円程度といえます。仮に弁護士に依頼して20~30万円の報酬を払ったら、その差額は0円になってしまいます。下手をすると経費が別途かさみ、費用倒れの恐れもあります。

 したがって、軽傷者への有償対応は積極的とはなりません。以前、交通事故を主業とする他事務所さんいくつかとお話をする機会をもちました。「そもそも後遺障害の対象者は少ないので、軽傷者さんでもできるだけ募って受任する」ような方針を聞きました。マメなことだと感心する一方、商売に徹しているなぁとも思いました。以前もこのHPで語ったように軽傷者は、保険会社の提示額であっても、それほど損はなく、救済対象から遠いと思っているからです。

 それでも、弁護士費用特約(以後、弁特)の存在が20~30万円の差を埋めてしまうのです。弁特で報酬が支払われるのであれば、差額はそのまま被害者さんの経済的利益になります。「弁特があるから・・」とのような軽薄な仕事はしませんが、軽傷といえど、上手に示談交渉ができない、交渉によっては大幅に増額する被害者さんも少なからず存在します。これは弁護士の仕事として、一定数はお助けする余地があります。誤解のなきように言いますと、それは弁護士以外の、例えば自賠責保険手続きをする行政書士の仕事ではありません。その点、利益に走った無駄な自賠責申請などは慎むべきでしょう。

 まとめますと、軽傷者さんは保険会社との直接交渉で解決させることが自然です。その内一定数、代理交渉が必要な被害者さんは仕事の対象となります。そこには被害者さんの事情を斟酌すべきで、その受任判断には倫理感が必要となります。費用対効果だけで語ってはいけないように思います。

 この硬派な姿勢を堅持しなけければ、交通事故業務は(交通事故被害と言う)人の弱みに付込んだ、単なる金儲けに成り下がるでしょう。 pics260  

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部位別解説 後遺障害等級認定実績(初回申請) 後遺障害等級認定実績(異議申立)

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