先日、注目すべき判決と新型保険発売のニュースを目にしました。

少し前の事故で覚えている方も多いと思いますが、”認知症患者が線路内に侵入し死亡、その処理で鉄道会社に損害を与えた事故”です。

鉄道会社が認知症患者の家族に損害賠償請求を起こしたことについて、世間ではその是非について、議論が絶えませんでした。判決が定まった後、その背景について、示唆に富んだ記事がyahooニュースに掲載されましたので、その抜粋を紹介したいと思います。

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認知症患者による鉄道人身事故損害請求訴訟

 JR東海が敗訴した民事訴訟を振り返る。この事故は2007年12月7日、東海道本線の共和駅で起きた。アルツハイマー型認知症の91歳、要介護4認定、認知症高齢者自立度IV認定の男性が徘徊し、ホーム先端のフェンス扉を開けて線路に侵入。列車にはねられて死亡した。事故の影響で東海道本線の列車20本に約2時間の遅れが発生した。

 JR東海は、振り替え輸送などの費用719万7740円について、亡くなった男性の妻と4人の子に対して損害賠償の民事訴訟を起こした。名古屋地方裁判所はJR東海の請求を認め、男性の妻と長男に全額の支払いを命じた。理由として、男性自身に判断能力がなく責任を負えないとしつつも、妻には男性の徘徊に対する予見と注意義務、長男には監督義務があったと認定した。

 男性の家族側は名古屋高等裁判所に控訴。家族側はJR東海の過失を指摘している。ホーム端のフェンスが施錠されていれば、男性は線路に降りなかったと思われるからだ。しかし、名古屋高裁の判決はJR東海の過失は認めなかった。一方、長男は別居していたため監督義務はなく、同居していた妻には注意義務があったとし、JR東海への支払額を359万8870円へ減額した。当時85歳だった妻も要介護1認定だった。それでも名古屋高裁は妻の監護能力を認め過失を認めた。具体的には、過去の徘徊の経験から、当時も徘徊を予見可能であり、徘徊を察知するセンサーのスイッチを妻が切っていたからであった。

 2016年3月の最高裁で、判決はJR東海の請求を退けた。家族側逆転勝訴、JR東海の逆転敗訴と報じられた。本件の主な争点は、認知症患者とその家族の監督・注意義務であった。高齢化社会の到来にともなって、認知症は社会問題であり、世間の関心を集めた。JR東海に対する弱者いじめという批判もあった。JR東海の立場を思慮した論考は少なかった。

 yahooニュースより (杉山 淳一様 記事) 

次回完結

最高裁で負けたJR。だが狙い通りだった?JRの狙いが凄すぎた

 

 

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 最近は事務所内で月1~2回勉強会を実施しています。実践的な知識は即、業務の役に立ちますが、知識の根底となる理論を固めておくことも大事です。

 それでは、昨日の「自賠法と民法」のテーマから、よく質問されることについて、質疑応答形式で回答しましょう。 c_n_10

(質問)  交差点で出会い頭の衝突事故にあい、頚椎捻挫になり通院をしています。また、車の修理費も40万円ほどかかるそうです。相手保険会社の担当者は20:80と、私にも20%過失があると言っています。しかし、ケガの治療費は何故か全額払ってくれるそうです。

 どうして、相手の保険会社はケガの支払いは過失減額しないで払ってくれるのに、車の修理費は20%減額するのですか? 人身と物損で過失割合が違うなんて、納得できません(プンプン#)   (回答)  それは自賠責保険が優先的に適用されているからです。ケガの場合、任意保険会社は対人賠償保険で支払いを代行しますが、120万円までは自賠責保険から回収できます。但し、物損に関する支払いは対物賠償保険で支払います。物損には自賠責からの支払いはありません。

 自賠責は被害者の過失が7割以上もあるような事故でもなければ、過失減額なしに100%支払いを受けられます。だからこそ、自賠責の限度120万円までは、任意保険会社は過失減額なしに支払ってくれるのです。

 保険会社の対人賠償保険約款は民法を基にしつつ、自賠法を優先適用している側面があります。保険会社担当者は腹の傷まない自賠責の範囲で支払いを済ますこと、これを常に目標にしています。  20120120続きを読む »

佐藤イラストsj前回のつづき  今回は腱反射テストをご紹介いたします。この検査は行われることが非常に多いため、経験ある方も多いはずです。    腱反射テストとは、正式には深部腱反射テストといい、医師が書類に記載する際にはDTRとなっている場合もあります。(Deep Tendon Reflex)の略です。頚部の場合には上腕二頭筋、腕橈骨筋、上腕三頭筋の3か所を検査することが一般的です。上腕二頭筋はC5/6(主にC5)、腕橈骨筋はC5/6(主にC6)、上腕三頭筋はC6/7(主にC7)と言われています。

 検査方法としては打腱器(ハンマーのようなもの)で対象となる腱を叩きます。叩くことによって腱が急激に伸張され反射が誘発されます。 c_kei_7

 結果としては亢進、軽度亢進、正常、低下、消失の5パターンがあり、亢進(+++)、軽度亢進(++)、正常(+)、低下(±)、消失(-)で表示されます。  末梢神経に異常があるときには低下、消失が出現することが多く、脊髄に異常があるときには亢進、軽度亢進が出現することが多いとされています。

※亢進とは異常なほどに反応が出てしまうことを指します。

 しかし、体質や個人差によって反応が出やすい方とそうでない方がいますので、14級であればあくまで参考程度でしか判断されないことが多いかと思われます。  

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佐藤イラストsj 今更ながらムチウチの検査について

 交通事故の後遺障害申請を行う大半の方が頚部痛、腰部痛いわゆるムチウチです。今回はムチウチの方が知っておくべき検査を記載いたします。    今回は一番行われているであろう「ジャクソンテスト」、「スパーリングテスト」をご紹介いたします。

 「ジャクソンテスト」とは、神経根が通る椎間孔を圧迫して神経根症状が起こるかどうかを見るテストです。 医師が、患者の頭部を後ろに倒しながら、さらに頭部へ圧迫を加えます。この圧迫により、神経根の支配領域に放散痛があるかどうかを医師はみています。決して痛みのみをみているわけではないので、知っておきましょう。  また、医師が書類に(+)、(-)と記載する場合がありますが、(+)は陽性、(-)陰性を表しており、放散痛が出現している時には陽性となります。 c_byo_k_6  同様に「スパーリングテスト」とは、医師が患者の頭部を左右押して、圧迫を加えます。痛みや痺れがある側に圧迫を加えることにより放散痛があるかどうかをみています。この検査も上記にある通り、(+)が陽性、(-)が陰性を表しています。

※ 椎間孔とは、椎骨と椎骨の間にできる空間であり、神経根の通り道のようなものです。 続きを読む »

 夏の日差しが弱まるように心に影が射した~ (EW&Fより竹内まりや!)    夏の疲れがどっと押し寄せている今日この頃、本日は近況を少し。  usagi11  ようやく朝晩の風が軽くなりました。事務所一同、灼熱の病院同行に体力を奪われ、涼風を待ちかねていました。連日、事務所は大車輪で業務を進めていますが、やや遅れ気味、お待ちの皆様にはご迷惑をお掛けしています。     今月から毎週のように相談会が続きますが、既に弁護士に依頼していながら・・の相談が目立ちます。交通事故の解決場面は賠償交渉に限りません。しかし、弁護士が賠償交渉以外の事務を一切助けてくれないために、被害者さんは依頼した後も諸々の手続きで難渋しているようです。

 正直、代理人がいながら相談を受けるのは・・やり辛くて仕方ありません。多くは弁護士さんに話を通さずに相談してくるのです。信頼関係は何処へやら、代理人たる者、しっかりして欲しいです。

 また、医師の曖昧な診断に振り回され、保険会社の打ち切り攻勢でフラフラになっている被害者さんも相変わらずです。

 被害者さんの境遇は大変厳しいものです。できるだけ、お手伝いの手を伸ばしていきたいと思います。それには、何といっても「人材」です。高潔な精神と志、そして体力、これらを備えた新人さんを待っています。技術や知識はいくらでも教えられますが、根幹がしっかりしていなければ、倒木してしまうものです。来春までに良い出会いを期待しています。    まぁ、肩の力を抜いて、今夜は一息します。 英気を養い、秋の相談会シリーズを乗り切りたいと思います。頑張ろう!  

 

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山本さんイラストsj前回の続きです

 味覚について、保険手続上で代表的な検査として、①電気味覚検査、②ろ紙ディスク法検査、があげられる。

① 電気味覚検査とは、簡単に言ってしまうと、舌に電気を流して神経が正常に働いているかどうかを確認する検査です。

 手順は以下の通りです。

・首に極線の首輪をはめます。 ↓ ・舌の前後左右の表面に電極を当てて電気を流します。 ↓ ・びりびりと感じたら手持ちのスイッチを押して、その舌の部位の神経が働いていることがわかり、逆にびりびりと感じなかった場合、電気が流れていることがわからず、スイッチを押さないままとなり、舌の神経が働いていないことがわかります。

 なお、舌の後ろ部分の味覚を支配している神経は舌咽神経、舌の前の部分の味覚を支配している神経は鼓索神経です。検査表にはこれら2つの神経支配領域をさらに左右に分けて4部位で検査します。   c_g_m_3 ② ろ紙ディスク法検査とは、ある味のついたろ紙をピンセットでつまんで舌の左右にそれぞれ付けることで何の味かを当てる検査です。

 味は、基本となる、甘味・塩味・酸味・苦味の4種類にわけられます。

 味の濃さのレベルについては、薄い味から濃い味まで5段階あります。

 なお、検査で何も感じなければ、味がしない旨を伝えます。

 上記各検査で、味覚を減退したと認められれば14級相当が、味覚を脱失したと認められれば12級相当が認められる可能性があります。

 味覚の減退は、上記基本の4種類の味のうち、1つ以上を認知できない場合を指し、味覚の脱失は、4種類の味のうち、すべてが認知できない場合を指します。  

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山本さんイラストsj山本、今日は熱海へ

 交通事故でにおいがわからなくなった、あまりにおいを感じなくなった、または味がしなくなった、味がわかりにくくなった、と相談されることがあります。

 味覚障害の原因は、交通事故等の外傷によるものから、加齢による味蕾の機能低下や唾液分泌の低下、亜鉛不足、ストレス、その他病気によるもの等、様々な点があげられます。他方、嗅覚障害の原因も、交通事故等の外傷によるものから、単なる鼻づまり、加齢、ストレス、その他病気によるもの等、様々です。

 交通事故で鼻や顔面の骨折、脳挫傷等がされていれば、神経や脳がやられている可能性があり、疑われることは少ないですが、そうではない場合、保険会社は高い確率で疑います。

 相談者も整形外科の方の治療費は出してくれるが、味覚・嗅覚の方は治療費を出してくれないこと、後遺障害の申請で、嗅覚障害が認められないこと等で相談に来られることがあります。

 しかし、上記相談をした方々は、大抵の場合時間が経過しすぎたために認められない場合が多くあります。

 味覚・嗅覚障害は他の怪我の場合と同様、交通事故の後に発症した場合には、直ちに医師や保険会社に相談してください。症状を早く明らかにすることはどの怪我の場合でも同じですが、器質的損傷が認められない場合(鼻や口の怪我、脳、神経の損傷がない場合)の味覚・嗅覚障害は特に大切です。整形外科の医師に相談しても、大抵の場合はそのままにせず耳鼻咽喉科を紹介して頂けます。

 なお、味覚障害か嗅覚障害となった場合、双方を患っている場合があります。その場合、味覚、嗅覚それぞれの傷害を併せて治療・検査を耳鼻咽喉科で出来ますので、併せて紹介状を作成して頂くことができます。

 しかし、病院先によっては、治療はできても検査が出来ず、今後の立証に影響が出ることがあります。必要な検査ができる病院も抑える必要があります。  c_n_2 c_n_5続きを読む »

佐藤イラストsj佐藤です

 心臓震盪という言葉をご存知でしょうか?    私も依頼者様から伺って初めて知った傷病名です。脳震盪はよく聞くのですが、心臓震盪…。

 心臓震盪とは、「胸部に衝撃が加わったことにより心臓が停止してしまう状態」だそうです。※1比較的弱い衝撃によって起こることが多いらしく、スポーツ中のお子様や若年層に多い症状ですが、一般的に広く知られてはいないようです。

※1:「比較的弱い衝撃とは、胸骨や肋骨が折れたり、心臓の筋肉が損傷するような強い衝撃ではなく、子どもが投げたボールが当たる程度の衝撃です。」

 心臓震盪は衝撃の力によって心臓が停止するのではなく、心臓の動きの中で、※2あるタイミングで衝撃が加わったときに、※3致死的不整脈が発生することが原因と考えられています。

※2:「あるタイミングとは、心臓の収縮のための筋肉の興奮が終わり始める時で、心電図上でT波の頂上から15-30msec(15-30/1000秒)前のタイミングです。」

※3「致死的不整脈とは、心室細動を起こしている状態です。」

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 約款とにらめっこの8月でしたが、10年前と大きく違うことは・・各社、内容のバラつきが進んでいることです。

 保険会社は、昭和の時代から長らく「護送船団方式」と言って国の保護の下、「同じ内容・同じ掛金・同じ約款」で競争することなく、全社、守られてきました。その後、ご存知の通り、金融ビックバン・自由化を迎え、「自社の体力に応じて、補償内容・掛金を設定する」ことになりました。それでも、横並びが一瞬で解消することなく、同じような約款と大差のない掛金が続きました。

 しかし、近年、各社独自の特約の設定はもちろん、特に人身傷害特約での違いが顕著になりました。弁護士費用特約(以後、弁特)も然りです。 弁特は割りと簡素な約款でしたが、読み込むと各社、条件の違いが進行しています。    (例)タクシーやハイヤーなどのドライバーさんが仕事中、追突事故にあい、ケガをしました。相手との交渉を弁護士に依頼したいと思い、自身が加入しているマイカーの保険会社に問い合わせました。さて、仕事中の車両の事故でも弁護士費用特約は使えるのでしょうか? f_c_027

(答)このようなケースで弁護士費用特約が適用できるか? 約款を確認しましたが、免責規定に明記している会社もあれば、不明瞭な会社もあります。そこで、保険会社(サービスセンター)に直接聞いてみました。

1、ソニー ⇒ 「業務で使用する自動車は、常時使用する自動車となり、免責です。」

2、損保ジャパン日本興亜 ⇒ 「とくに免責事項になく、適応OKです」    私見では、「業務中および業務使用」の自動車にマイカーの保険が適用されるはずはない? との認識でした。しかし、このように保険会社によって違うのです。この違いが、保険約款の読み込みをより一層、ハードな作業にしています。    いずれ、「業務中および業務使用」の自動車に自家用車の弁護士費用特約が適用できるのか、について一覧表にしなければなりません。一覧表は弁護士さんから、非常にありがたいと好評ですので。  

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 先週の大阪研修会の前夜は心斎橋で飲みました。

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 研修会の準備は大方、東京会場で済んでいましたので、前日の打ち合わせはそこそこに、大阪の夜を満喫しました。写真から事務所全員おのぼりさん状態がうかがえます。

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 27~28日は大阪会場でした。 前日から全国のチーム行政書士の皆さんと合流、軽く会議を行いました。 OLYMPUS DIGITAL CAMERA  1日目は画像ソフトを使った分析、その後、交通事故外傷概論、高次脳機能障害と続きました。  これらは何度も繰り返し研修のテーマとしてきたタイトルながら、最新情報が満載、時間がいくらあっても足りない位でした。

 2日目は保険約款の一日でした。普段、自動車保険に接していない方には、非常に難解な内容です。特に人傷(人身傷害保険)は近年、各社共に約款の改定が進み、23社の支払基準を一覧表にする作業に何十時間も取られました。

 大阪では弁護士先生のみならず、事務所のパラリーガル・事務員さんも参加されていましたので、理論・判例だけではなく、自動車保険の基本構造から説明しました。よくぞ眠らずについて来て下さったと思います。 続きを読む »

これから弁護士研修会(大阪会場)に向けて、事務所全員で移動します。

本日午後から土日まで大阪滞在の為、お急ぎの連絡は秋葉携帯まで。それ以外はメールにお願いします。

東京会場での経験と補足を盛り込み、最新・最強の研修会にしたいと思います。なにより、日頃電話のみで疎遠となっている、西日本の先生方との再会が楽しみです。

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佐藤イラストsj久々に投稿!

 リハビリってどんな整形外科に通院すればいいの?と迷ってしまう方も多いはずです。今回は弊所が気付いた、ちょっとしたことをお話いたします。     毎月たくさんの病院や整形外科等に伺うのですが、初めて同行する際にはまず、病院の受付の方に注目します。受付は患者さんが真っ先に向かうところです。その受付の方たちの対応でその病院や整形外科の雰囲気や先生の感じまで分かってしまうのです。もちろん数多くの病院へ同行している弊所だからこそわかる部分も多いのですが、被害者の方でも少し分かる部分があるかと思います。

 例えば、受付の方がいつも笑顔で、楽しそうに仕事をしていたり、患者さんとのコミュニケーションもしっかりしている、仕事もテキパキしている、初めての方への対応も丁寧で優しい等です。あとは受付や事務の方々の年齢層も私はよく見ます。  若い方々のみでも年配の方々のみでもなく、いろんな層の方々が一緒に働いているところはいい病院が多いと思います。

 ただ、やはりそのような病院や整形外科は大抵人気があるので、待ち時間が長いというデメリットもあります。皆様がどの点に重きを置くかはそれぞれのご判断でいいとは思いますが、後遺障害申請を狙うのであれば、病院や整形外科の雰囲気に着目してみてはいかかでしょうか。  f_u_42  

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 交通事故を扱う業者は数あれど、被害者救済業と呼べる業者は限定的です。    昨今、弁護士事務所を中心に「交通事故はお任せを」とのホームページが大氾濫しています。もちろん、交通事故の解決とは、主に金銭解決を計ることで、この交渉は裁判も含め、代理権を持つ弁護士の仕事です。しかし、交通事故解決の業務は裁判や示談交渉に限りません。範囲を広げれば、現場検証をする警察、自動車を修理する板金工場、ケガを直す病院・医療機関、各種補償を支払う保険会社・・たくさんの機関が関わります。

 これら機関が、サービス業のように被害者に親身にケアをしてくれれば被害者の負担は軽減するでしょう。しかし、現実は被害者自身で情報を集め、相談を繰り返し、各窓口で折衝を強いられ、慣れない書類の山と格闘し、そして何より、仕事や日常を犠牲にして治療に通うのです。   c_b_25  そこでコーディネーターのような案内役が望まれます。これを弁護士事務所が被害者へのトータルケアとして、組織的にサービスを行ってくれれば、依頼者は大変助かるはずです。ただし、宣伝で「交通事故はお任せを!」と謳ってはいますが、受傷初期はのらりくらりと相談を受けてくれるものの、治療終了後までこれと言って動かない事務所が大半です。解決の最後の局面でようやく損害賠償金の計算と請求・交渉を担うだけで、それまでの作業にはほとんど手を差し伸べてくれません。治療先の選定も、健保切替えの手続きも、労災の請求も、検査の誘致も、医師との折衝も、自賠責保険はじめ各保険の請求も、一連の後遺障害の立証作業や異議申立ても、ぜ~んぶ、被害者がご自身でしなければならないのです。   c_y_25  これが多くの弁護士事務所の実態です。中には行き届いたフォローを行っている事務所もありますが、極めて少数です。なぜなら、毎度の相談会にて、”既に弁護士事務所に依頼中、もしくは相談中にも関わらず、何かと困って参加される被害者さん”があとを絶たないからです。

 結局、「等級が取れてから来て下さい」(それまで何もしないで待ってます)となるのです。

 秋葉事務所は弁護士ではありませんので、裁判や示談交渉は出来ません。医療調査を中心とした後遺障害の立証作業が主たる業務です。しかし、多くの弁護士事務所からお預かりした業務は後遺障害の手続きに留まりません。受傷から症状固定まで、上記に挙げた各種手続きを担っています。日々、病院同行はもちろん、書類の収集・作成に奮闘中です。この一貫した”被害者救済業”がトータルで被害者を助け、最後の賠償交渉を担う弁護士によい形でバトンを渡すことができるのです。     一生のうちで深刻な交通事故にあう事は少ないでしょう。依頼先を経験・比較することのない被害者にとって、自身を守るべき業者の選定はとても困難、運任せになりがちなのです。私達はホームページや相談会の宣伝で訴え続けていくしかありません。    このような環境ながら、口コミから相談や紹介が毎日のように事務所の電話を鳴らします。「思念、天に通ず」、大変ありがたいと思っております。時間のかかる道ですが、事務所一同、一つ一つ実績を積み上げていきたいと思います。  

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山本さんイラストsj鬱じゃない方の山本です  交通事故で後遺障害として認定される可能性が一番高いのが14級9号です。

 これは、交通事故で認められる後遺症の割合として大半を占めるのが、ムチウチや腰椎捻挫等であり、これらのうち14級9号が大多数で、12級13号が認められるケースは極少数だからです。

 ムチウチ等で14級9号が認められず、非該当となる場合も多くあります。非該当のムチウチの相談者が相談会で多く見かけます。

 ムチウチの多くは、骨折の場合と異なり、画像上明確な証拠がなく、症状が調査事務所に信用してもらえるかどうかにかかっています。

 MRIなどの検査を実施、かつそれを提出しているのか?、通院回数は症状固定時までに相当数あるのか?、神経症状としてしびれ等があり、かつ診断書上で記載されているのかどうか?等を多角的に検討して、それが将来にわたって治らないか、治りにくい怪我・症状かどうかを調査事務所は判断します。

 調査事務所が一度出した結論を覆すことは稀であることは前回述べました。ムチウチの場合も同じです。

 そして、ムチウチの異議申立をする場合、症状固定後も通院しているかどうかは重要です。何故なら、後遺障害が認められる怪我というのは、上記したように、将来にわたって症状が治りきらない、または治りにくい症状を指すのであり、そのような怪我や症状に悩まされているムチウチの人は、症状固定後も自費(健康保険を適用して)で通院するのが自然と調査事務所はみているからです。

 相談者の中には症状固定後には全く病院に行かなくなった方や、異議申立をするにあたって、病院に通うことに疑問を感じる方もいらっしゃいました。しかし、原則として後遺障害が認められる症状とは、残存した症状が将来にわたって治らないか、治りにくいレベルです。

 繰り返しになりますが、明確な証拠が認められにくいムチウチの場合は、立証するにあたって、症状固定後の通院は重要な要素となります。  

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山本さんイラストsj 山本です。現在、異議申立案件を数件お預かりしております。    交通事故で治療しても、症状固定時期に症状が残存していれば、後遺障害の申請をして等級を認定する必要があります。

 しかし、症状が残存しても、低い等級のみ認められた場合があり、最悪、等級が認められなかった場合(非該当)もあります。

 相談者の中には上記結論に納得がいかず、異議申立したいという者もおります。

 私たちは傷病名や残存した症状、画像、等を多角的に検討した上で、異議申立をするか否かを慎重に判断します。何故なら、全国の異議申立の成功率は約6~7%であり、調査事務所は一度出した結論を簡単に覆すことはないからです。

 その数%に該当するかどうかの判断基準としては、新しい医証が見つかるかどうか、提出しきれていない資料があるかどうか、がメインとなります。中には原因不明で、想定よりも低い等級認定や非該当となる場合もありますがこれは稀です。

 新しい医証が見つかる場合として、例えば、骨折した場合でも、レントゲンでは確認しづらい箇所であったことから、症状固定後に初めて骨折が確認できた場合やレントゲンやCTで骨折箇所を確認できずに放置していたが、実は靱帯や軟骨、半月板等MRIでないと確認できない(または確認しづらい)箇所が損傷していたという場合等があげられます。

 また、発見できなかった骨折箇所の怪我よりも他の怪我が重く、重い怪我を優先的に治療した結果、軽い怪我の骨折を見逃してしまう場合等もあります。

これらの例の場合、レントゲンではなくCTやMRIを撮って頂き、その画像所見を診断書にまとめて頂く必要がありそうです。 20140508_3  つづく  

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堀越さんイラストsj 堀越、初投稿!    「天は決して運命を作りはしない。人間同士を巡り合わせるだけだ」と、どこかの書物で拝読しました。果たして、そのチャンスを掴むか見送るか、或いはその無責任な罠にはまるか上手くかわすか、これは私たち人間の経験や努力と判断にかかっています。

 ましてや、ご自身が選定した人物に自分の生活、大げさに言えば、今後の命?人生?を預け、利益を分かち合うのですから、これから共に手を取り合い助け合っていくパートナー選びは非常に重要です。

 誰もが、交通事故が我が身にふりかかることなどあるまいと思い、事故をほとんど意識せずに、私たちは日常生活を送っています。 が故に、実際、我が身に事故や災難が起きた時にシドロモドロになってしまいます。

 人生においてツイていない時ほどジタバタするのが人間の悲しい習性であります。そんな時に限って無責任な人間に出会ってしまう・・まさに二次被害となります。不幸が不幸をよび、もがき苦しんで溺れそうになるとワラをも掴む思いで弊所に来られる被害者様をたくさん見てきました。もっと早く来られていれば・・相談されていれば・・と思ってしまう場面を多々見受けられます。

 上席がよく口を酸っぱくして言う言葉があります。「本当に困っている人ほど助けてあげなければ」と。 私利私欲にかられている人間に果たしてこの言葉の真意が理解できるのでしょうか。

 今後の自分の人生にかかわる問題です。 私たちは窮地に追い込まれた時ほど、自分自身の人生をまるで第三者のように冷静に横目で見据え、 慎重なパートナー選びをしなければならないと思います。  

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佐藤イラストsj 本日は佐藤が担当します

 先日、病院同行にて主治医が患者さんにこのようなことを仰っていました。

 「あなたは標準体型よりも太っているから、その分頚部に負担がかかっている。まずは減量をしてみてはどうか?頚部の痛み等も軽減する可能性がありますよ。」

 このように仰ったあと、主治医は患者さんのBMIを計測し始めました。

 BMIとは、Body Mass Indexの略で「ボディマス指数」や「体格指数」とも呼ばれているそうです。肥満度を表す指標として用いられます。肥満の基準は国によって異なりますが、日本の基準では以下のようになっています。

 日本肥満学会の肥満度判定基準(出典:日本肥満学会) 

BMI 肥満度判定 18.5未満 低体重(やせ) 18.5~25未満 普通体重 25~30未満 続きを読む »

 相談会では外国籍の相談者さまもおり、1年を通して十数名程度いらっしゃいます。    お国も幅広く、中国、韓国は当然として、ヨルダン、パキスタン、ペルー、チリ、ブラジル、モロッコ、ギリシャの方の相談をお受けしてきました。来日してる就労者さんはアジア、南米が多く、比して欧米圏は少なく、本件のアメリカの方は2人目です。

 外国の相談者さまと言っても、ほとんどがなんとか日本語を解し、日本語がダメでも、知人の通訳が随行して下さいます。それでも、医師との折衝には明確なコミュニケーションが必要で、本件は可動域計測のやり取りが上手く行かなかった為、等級を取りこぼしました。

 外国の方で日本語が話せなくても、賠償交渉は外国人弁護士を使うことで解決します。しかし、後遺障害立証の現場では、言葉以上にコミュニケーションで勝負が決まります。  

12級5号⇒併合11級:肩鎖関節脱臼 異議申立(60代男性・神奈川県)

【事案】

自転車で走行中、後方よりの左折自動車の巻き込みで衝突、受傷した。肩鎖関節脱臼のGrade3、つまり完全脱臼で手術のレベルだが、 脱臼位のまま保存的加療に留まった。後遺症としては、変形に留まらず、9ヶ月のリハビリも肩関節の可動痛が改善していない。 47187cc4続きを読む »

 先日の研修会で23社の弁護士費用特約の比較を行いました。    補償内容・約款の比較は、各社細々と約款改定を行っていますので、実に大変な作業です。見落としはないか、チェックが今でも続いています。やはり、当日の研修会でも、弁護士費用特約の「労災免責」について、ソニー損保で該当条項の有無の検証が生じました。

 私達の認識では、ソニーさんは三井住友さんと並んで「労災免責」を採用していたはずです。「労災免責」とは、”通勤や業務中の交通事故は、労災適用事故なので、自身が加入している自動車保険の弁護士費用特約が使えない、但し契約車両に搭乗中は除く”との条項です。

 具体的な例で言いますと、「徒歩で通勤中、交差点で車にはねられても、自身が加入の自動車保険の弁護士費用特約は使えない」ことになります。

 以前、三井住友さん他、通販系の数社にみられる、この不合理な免責条項について、疑義を表明したことがあります。⇒ 弁護士費用特約にまつわるエトセトラ ⑩

 前述の通り、今回の研修会の為に最新の約款から、各社の比較を行いました。三井住友さんは相変わらず、この免責条項が健在でした。国内社では他に富士火災さんにも存在を確認しました。

 通販系はソニーさんとアクサさん、と承知していましたが、なんとソニーさんの約款にその記載が見当たりません。研修会では、「重要事項説明書では免責となっています!」とK弁護士先生がその場で調べて下さいました。その場では、「約款では不記載、しかし、重要事項説明書での免責記載は有効か?」との議論になりました。

※ 重要事項説明書・・・契約の際、契約者に説明・交付する、読んで字のごとくの書類

 早速、研修明けの昨日、ソニーさんの約款、重要事項説明書を数年間にわたり精査、さらに直接、ソニーさんに電話でも問い合わせを行いました。

 結果は、少なくとも2年前の平成26年4月以降版から「労災免責」の記載は消えておりました。

 何らかの理由で削除されました。ここは不合理を理由に削除されたと、好意的に解釈したいと思います。これが保険会社の自浄作用かもしれません。    さて、残るは三井住友さん、富士火災さん、アクサさんです。    もちろん、このような細かい約款規定を比較して、加入の選択をする消費者は存在しないでしょう。しかし、自家用車に保険をつけてのマイカー通勤ではなく、歩行・自転車・他の自動車で通勤している契約者は大勢います。いざ、事故に遭い、弁護士に頼ろうとも通勤中を理由に免責となり、せっかく掛金を負担した保険から払われない・・怨嗟の声は小さくないはずです。   20070119  

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