秋葉事務所は、単なる書類の取りまとめを行っている事務所ではありません。画像分析と医療調査、そして解決までのプランを示すこと、つまり、交通事故解決の中核的な作業を担っています。

 今日はタイトルにあるように、医療調査の基本軸である、病院同行・医師面談について語りたいと思います。    「被害者側の医療調査業」とは、行政書士資格をとっただけで”交通事故専門”を名乗る事務所とは一線を画しており、交通事故に強いと宣伝する弁護士事務所に勝る専門性を自負しています。弁護士事務所から信頼いただき、ご依頼を受ける専門家は一朝一夕では生まれません。被害者側の医療調査は簡単な仕事ではないのです。まず、病院同行するメディカルコーディネーターの研修期間は1年以上かけます。どうにか研修生を卒業となるのでは、年間120件の医師面談を3年以上が絶対です。それでもまだまだ経験不足、実戦経験を積む毎日です。

 基本的に被害者さんの診察に同席し、一緒に主治医からお話を伺います。そして、検査のリクエストを行い、診断書の記載内容まで踏み込んでいます。なぜこの作業を重視するのか?・・・医師は治す事が仕事であり、治療者の観点から患者の障害を評価します。それは時として、保険会社側が要求する情報と食い違ってしまうからです。具体例を挙げましょう。     (実例)鎖骨骨折後、鎖骨の変形に関する評価   医師 「鎖骨の癒合はよく、問題ありません。そろそろ症状固定でもいいですよ。」

被害者「先生、任せている行政書士さんから、鎖骨の変形で後遺症が認められると聞きましたが・・」

医師 「これ位は日常生活に影響ないよね。変形とまでは言えないよ。」

被害者「そうですか・・・」 やっぱりダメかと、とぼとぼ退散します。

・・後日の診断日、今度は秋葉が同行しました・・

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佐藤イラストsj佐藤もびっくり

 頚椎捻挫や腰椎捻挫で14級9号を狙う方には、通院回数についてアドバイスさせていただきます。    「医師の指示のもと、リハビリを続けてください。その結果、症状の残存があれば後遺障害申請を進めましょう。」  弊所では整形外科でのリハビリを推奨しています。しかし、整形外科は混みますし、遅い時間や土日祝日はやっていない。会社勤めの方には非常に通院するのが厳しい状況です。そのような中、夜遅くまで営業し、尚且つ土日祝日も営業している接骨院や整骨院は頼れる味方です。リハビリの内容や対応もサービス精神旺盛でついつい通いたくなるのです。私も小学生の時に骨折した際には、接骨院でリハビリに励みました。

 しかし、後遺障害申請の14級9号に関しては、あまりいい結果を生みません。保険会社(自賠責調査事務所)は病院(整形外科)の通院回数を重視しています。例え、医師の指示により接骨院でリハビリをしていたとしても・・厳しい評価となります。相談会にいらした方や、お電話での相談を受けた方にも、整形外科での通院をお勧めしています。もちろん、接骨院や整骨院に腕のいい先生はたくさんいらっしゃるので、効果を否定しているわけではありませんが・・・。

 なぜ、自賠責ではこのような現象が起こるのでしょうか。先日お電話で相談があった案件を再現いたします。   弊所 「今までの治療経過を伺ってもよろしいでしょうか?」

相談者「はい。受傷から5ヶ月間は自由診療で整形外科と整骨院を併用して治療を行ってきました。整形外科に週1回程度、整骨院には週2回~3回程度です。その後は健康保険に切り替えて、立替払いで整形外科のみ通院しています。」

弊所 「なぜ急に健康保険で立て替え払いになったのですか?」

相談者「保険会社さんから連絡がありまして…。どうやら整骨院からの請求が異常に高額だったようです。確認したところ、通院回数も水増し請求しているようでした。」    このようなことが多発したため、施術料の支払いはもちろん、後遺障害申請における通院実績として判断してくれないのかもしれません。

 被害に遭ったときから後遺症の事を考える方は、ほぼいません。接骨院・整骨院で完治するのであれば、それもいいかもしれません。ただ、障害が残ってしまった場合には要注意です。いつの日か両者が和解する日が来るのでしょうか。 jusei002続きを読む »

 仕事柄、毎日のように診断書をみていますが、どうして医師は左右間違えて書くのでしょうか?    ケガをした脚は右脚なのに、左脛骨骨折。 足関節の可動域制限は骨折した左足首なのに、左右逆に角度を書く。 醜状痕は右腕なのに左腕にキズを図示。 右耳難聴なのに左耳聴力低下。 

 信じられないと思いますがこのような間違いは頻繁に起こります。だからこそ、診断書の記載内容はよく見てから受け取るべきで、まして保険請求や障害審査の場合は慎重に確認してから提出すべきです。もちろん、単なるミスであることがわかれば、保険会社や審査機関は修正のために返してくれます。しかし、不自然でなければそのまま審査されることもあり、ぞっとする話です。なぜ、専門家である医師がこうもよく間違えるものか・・間違いの原因を考えてみましょう。   1、忙しい

・・医師は毎日、多くの患者を診ています。当然ですが、まず症状を良く観察すること、適切な処置をすること、要するにケガや病気を「治す」ことが最優先なのです。診断書の記載は、言わば雑務でしかありません。急患が入れば、昼食もとらずに診察を続け、夜はくたくたに。したがって、診断書は週末にまとめて記載する医師が多いようです。溜ってしまえば、診断書を書くまで数ヶ月も待たされることもざらです。やはり、診断書の記載は気が抜けてしまうのでしょうか。 c_h_77 2、患者に向かって右は人体の左側?

・・医師は患者と正面から向かい合って診断をします。したがって、医師から患者に向かって右は人体の左側です。カルテの記載も画像読影も基本的に左右逆の状態が続きます。これも左右の間違いが多い理由の一つではないかと思います。 20140508_6 3、医師が書いていない?

・・ここに書く事が躊躇われますが、診断書を医師が書いていないことがあります。医師によっては手術をするような重傷患者を診ることなく、軽傷の診察が中心となります。整形外科の個人開業医や内科の個人クリニックがそうです。打撲捻挫や風邪の類で診断書を毎日のように依頼されます。すると、それらの記載を看護士や事務方に任せてしまうことが珍しくないのです。おじいちゃん先生の記載のはずが、丸文字=もろ女子!をよく目にします。もちろん、医師が最終的に記載内容の確認後、署名・印をすると思いますが、それすら怪しい病院もあります。そのような場合、患者を診ていない者が記載するので、やはりミスは起こりやすくなるはずです。    いかがでしょうか。自らの保険金、障害等級、それらの軽重もあるかと思いますが、自らの運命を決める一枚はこのような危うい状況を経ているのです。最近も、提出の直前に左右が逆に書かれた診断書に気付きました。医師の間違いに患者が気付かなければ・・・診断書を精査する私達の仕事ですが、潜在的ながら重要であると改めて思いました。

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山本さんイラストsjシリーズを続けます   ⑥ 関節面に異物が入ってしまった場合

 交通事故で関節を脱臼する方もいらっしゃいます。しかし、それだけではなく、脱臼と同時に骨折する方も中にはいらっしゃいます。診断名には脱臼骨折と記載されています。脱臼骨折の場合も治療方法は、基本的には脱臼や骨折と同様、関節をはめて(整復)、骨の癒合を目指すことになります。  

<脱臼の整復~肘関節の場合>   ①           ②           ③ IMG11続きを読む »

 脳脊髄液減少症の相談は大分少なくなりました。MTBIの相談はその診断を下す医師の引退のおかげで、ほぼなくなりました。    交通事故外傷では時折、大流行する謎の傷病名があります。その2大傷病名が前述の脳脊髄液減少症とMTBIです。臨床上、脳脊髄液の漏出で重い不定愁訴で悩まされる患者さん、軽度の衝撃でも脳障害が生じる患者さん、いずれもその存在は報告されています。しかし、多くの執刀数をこなす脳神経外科の医師、脊椎はじめ神経科、精神科医の専門医のほとんどが懐疑的です。それらの傷病名は未だ科学的に解明されていないからです。専門分野の医師を科学者と読み替えれば、臨床上になんらかの症例が存在しようと、あいまいな定義からその傷病名の存在を肯定できないのです。もちろん、障害を調査・立証する私達としても医学の進歩を待つしかありません。

 現在、脳脊髄液減少症は低髄圧液症候群と名前を変え、以下の基準で診断されています。

 ⇒ 日本神経外傷学会による基準

 この基準全てを満たす患者さんに、未だ出会ったことがありません。極めて少数となるはずです。    それにしても、それら傷病名の信憑性を最も貶めていることは、”流行り廃り”があることではないでしょうか。一時期、相当数の患者さんが相談会に参加され、それが地方相談会でわかるのですが、各地に波及していきました。だいたい、インフルエンザじゃあるまいし、事故外傷による症状が流行するのでしょうか? 急に増えたり、下火になったりするわけはありません。

 また、根底に別の力が働いているのではないでしょうか。脳脊髄液減少症は、健保対応になったり、自由診療になったり、その都度、傷病名が変わりました。この謎の傷病名に熱心に取り組んでいる医師もいる一方、どうも政治や金の臭いがしてきます。ある特定の医師の診断を受けたら、その患者のすべてがMTBIになってしまうのもおかしなものです。その傷病名の存在が深刻であれば、もっと多くの医師から声が上がってくるはずです。そう言えば、一時期、積極的に取り組んでいた弁護士・行政書士も(傷病名を主張して争った裁判の連敗からでしょうか?)すっかり大人しくなってしまったようです。

 これらの傷病名について、事務所のスタッフへの指導や、研修会で弁護士先生から質問を受けた時、このように答えています。    「UFOは存在すると思いますか?」    ・・未確認飛行物体は確かにあるでしょう。空にある物の全てが常に確認できるものではないからです。問題はUFOは宇宙から宇宙人が乗ってきたと推定することが、認識の飛躍なのです。未確認=必ず宇宙人なのでしょうか? 光の反射、たまたま確認できない飛行機他、たくさんの可能性があるでしょう。それらを排除して宇宙人とは、まったくもって短絡的な決め付けです。どうして、そんなロマン溢れる説明に飛躍してしまうのでしょうか。 

 つまり、症状を訴える患者さんは存在するとして、その謎の症状のすべてをある傷病名に断定してしまうことがおかしいのです。 症状を訴える患者さん達は、別の疾患、更年期障害、神経症状の一環、心因性の関与等が多く含まれており、実はほとんどこれらが原因との指摘もあるのです。 yjimage2HG2MA3F  医学上、まだ研究段階にあるものを追いかけることは、私達の仕事ではないと思います。障害の立証作業は、ある種の謙虚さが必要です。病名はともかく、事故外傷・症状の深刻さを主張するお助けはできますが、不確定な傷病名を振りかざすなど、僭越極まりないと思うのです。  

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佐藤イラストsj年間120件の病院同行は伊達じゃない!    先日、依頼者とともに個人整形外科へ同行したときのことです。後遺障害診断書と今までに撮影したレントゲンを依頼したところ、後遺障害診断書はすんなりOK。しかし、画像については改めて医師面談の予約を取ってからでないと渡せないとの事でした。本来、患者さんの個人情報なので、本人が希望すればいいのではないか?と心の中で思いつつ、医師の指示に従い再度予約を取り、医師面談へ。  ところが、「今まで被害者側の調査員から画像を要求されたことがないし、今まで治療費を支払っていたのは保険会社だから、患者側に画像を出すことはできない。」と態度が急変してしまったのです。(前回、お邪魔したときは医師面談さえしてもらえれば画像は出せると仰っていたのに…。)

 そこで、今回の事情を説明すると、「保険会社の担当者に画像を提供していいか聞いてみて許可が出れば、出しますよ。」と態度が軟化しました。事務の女性も被害者請求の事が分かっていないだろうと思い、担当者への伝言をお願いし、待合室で待機することに。数分後に院長からお声が掛かり、「保険会社の許可が出たので今回は特別に画像を渡します。」と画像を頂く事が出来ました。

 もちろん患者さんに優しい病院や、医師もたくさんいらっしゃいますが、後遺障害申請に協力的な病院や医師はそうそういらっしゃいません。さらに保険会社とのやりとりも関係してきます。加害者は保険会社という大きな味方に守られていますが、被害者は一人で戦わなければならないのです。少しでも被害者の味方が増えるように、また被害者が一人で戦わずに済むような世の中になるといいですね。今後、交通事故で苦しむ被害者が少なくなるように、私も日々精進していきます。

 20070418  医師は診断書や画像の手配が面倒なのです・・特に保険会社がらみの患者は  

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山本さんイラストsj連続で!

⑤ デビロービング損傷による場合

 これまでの可動域制限について後遺障害が認められる場合として、骨折や靱帯損傷等の他覚的、客観的な所見が認められる場合に信用される旨、説明してきました。

 今回は骨折も靱帯損傷、神経損傷もない場合の可動域制限についてです。

 デビロービング損傷とは、広範囲皮膚剥脱をいい、交通事故の場合ですと、交通事故の際に皮膚を巻き込んではがれてしまう場合を指します。はがれた皮膚を外傷後すぐに合わせればそのまま再接着して元に戻ることがあります。しかし、損傷があまりにもひどい場合や、皮膚がはがれた後、摩擦熱などで火傷した際に皮膚の再接着・再生ができない場合があります。再接着できなかった場合の手術方法として、植皮術(別の部位から皮膚を切り離して移植する方法)、皮弁術(損傷した皮膚の隣接部位から血流のある皮膚を覆いつなげる移植方法)があげられます。

 皮膚がうまく皮下組織に接着したとしても、大抵は醜状痕が残ります。そこでも等級は認められる場合がありますが、手術後、皮膚が固まってしまい、関節が動かなくなることもあります。 この場合、骨折等をしていない部位であっても、デビロービング損傷によって他覚的、客観的な所見が認められることになります。

 皮膚を原因とする可動域制限はレアケースですが、弊所の記録にあります。⇒ 足関節の機能障害  

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山本さんイラストsj久々の登場!

④ 神経が切断された場合

 交通事故外傷により、身体を強打し、治療後リハビリを開始しようとしても、関節が動かないもしくは腕や足そのものが動かないことがあります。交通事故外傷により腕や足を動かすための神経が切断もしくは、絞扼(こうやく=締め付けられて)され、神経の通りが悪くなり、程度によっては完全に四肢が動かなくなります。また、麻痺の結果、関節が曲がり切らないことがあります。神経のケーブルが引き抜かれた場合、とくに「引き抜き損傷」といいます。 20151708_2

 このように神経がうまく働かないと、運動神経麻痺や感覚神経障害などが生じ、関節が動かず、拘縮が生じ、関節が曲がらなくなることがあります。ひどい場合には神経が損傷した上肢や下肢がやせ細った状態で拘縮することがあります。  なお、診断名に神経叢(しんけいそう)損傷とある場合がありますが、これは、神経の集まり部分が損傷したり、引き抜かれたりする場合の診断名です。

 治療としては、脊髄造影、神経根造影、自律神経機能検査、電気検査などを行って神経がやられているかを確認し、確認できましたら、早期に神経縫合や神経移行術等を受ける必要があります。

 外観上(骨折していたとしても)、神経がやられているかどうかは不明確です。軽度の引き抜き損傷の場合、ムチウチのような症状として現れることもありますので、上記した検査を受けられる病院で専門医に診て頂く必要があります。  

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山本さんイラストsj 靱帯損傷の場合は?

③ 関節の靱帯を断裂した場合

 靱帯とは、骨と骨とを結びつける結合組織繊維の束からできているひも状のものをいいます。この主成分はコラーゲンなどです。

※ 骨と骨格筋(骨を動かすときに使う筋肉)を繋ぐのは腱といいます。

 靱帯は関節の位置を形成し、正常な関節の動きを保つ働きをします。

 もし靱帯を完全に断裂してしまいますと、関節を動かすことができず、関節の可動域制限が生じることもあります。しかし、靱帯を外傷によって完全に断裂した場合、激痛で動けなくなるレベルです。医師もすぐに調べ、靱帯が断裂していることが確認できれば、すぐに手術をするのが通常です。

 靭帯を完全に断裂すると再生は非常に困難であるため、周辺の腱を切り取って靭帯の代わりにする再建手術を行う必要があります。そして、手術後リハビリをすることで関節が動くようになります。ただ、損傷がひどい場合、事故から半年後等、症状固定時期になっても完全に回復しきれない場合があるため、関節の可動域制限が生じることがあります。

 完全に断裂している場合、MRI画像で明確に描出されます。  肩腱板損傷← 肩の靱帯(棘上筋)断裂のMRI・T2画像

 他方で、靱帯が完全に断裂するレベルに至らなかった損傷の場合もあります。

 その場合、ある診断名では深層断裂という表記になっておりましたが、その時に診て頂いた相談者の主治医の話では、その相談者の靱帯損傷は外傷性によるものではなく、既に痛めていたところを、交通事故がきっかけで痛みが生じることがあるという説明でした。

 この完全断裂しなかった靱帯損傷が画像上明確であれば、可動域制限がなかったとしても、疼痛から12級13号の等級が、また、事故が引き金で疼痛が発生したような場合であれば14級9号が、それぞれ認定される可能性があります。

※ 靱帯が断裂するに至らなかったが、伸びてしまい、靱帯としての機能を果たせなくなる場合もあります。例えば、膝の前十字靭帯を損傷した場合、関節を動かすことそのものは可能なので、関節の可動域制限はリハビリ不足による筋拘縮がない限り、そこまで問題になりませんが、逆に関節が緩んでしまい、動きすぎてしまうことがあります。

 この場合は可動域制限の検査ではなく、徒手検査やストレス撮影によって、靱帯の働きが悪くなっていることを後遺障害診断書に記載して頂く必要があります。

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佐藤イラストsj佐藤です。 前回記載できなかったものを列挙致します。   FLAIR:Fluid Inversion Recoveryの略で、IR法(反転回復法)の一種です。自由水(細胞内外を自由に移動できる水)の信号を抑制する撮像方法で、水を黒くしたT2強調画像です。T2強調画像では病変も脳脊髄液も高信号になり区別し難いことが多いのですが、脳脊髄液が低信号のT2強調像が得られるため、脳溝や脳室に接する病変の診断に特に有効です。   DWI(拡散強調画像):Diffusion Weighted Imageの略で体内の水分子の微細な拡散運動(ブラウン運動)を画像化したものです。拡散の低下した場所が白く写ります。超急性期の脳梗塞を描出できるので注目されています。脳梗塞の超急性期には神経細胞の浮腫が起こるとされており、細胞外液が細胞内に移行するために病変部の拡散が低下するとされています。その他に、脳膿瘍と脳転移との鑑別、類上皮腫とくも膜嚢胞の鑑別に有効とされています。脳炎の初期像の検出にも有用とされています。   Fat-Sat(脂肪抑制画像):T1とT2それぞれにありますが、T1では抑制前後を比較することで、病変内の脂肪成分が確認できます。T2では損傷や炎症などによる異常信号を見やすくする効果があります。関節などでは骨髄、皮下脂肪が抑制されるので炎症や骨折などの評価が容易になります。 プロトン密度強調画像:膝関節などで半月板、軟骨損傷などを見るのに有用です。T1強調画像とT2強調画像の中間的なコントラストを示します。

(東近江敬愛病院HP参照)   suiheidan    他にもMRA等ありますが、またの機会に説明させていただきます。  

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山本さんイラストsjつづき   ① 関節部分を骨折している場合について

 より具体的にいえば、関節部分の(1)骨折後の骨の変形や(2)骨折後の癒合不全、(3)骨の転移、等が原因として関節の可動域が制限されることがあります。   (1) 関節部分の骨折があり、その後の骨の癒合がうまくいかず、変形してしまい、関節の動きが制限されてしまっても無理はない状態などをいいます。   (2) 靱帯が剥がれてしまい、骨折しただけでなく、靱帯のバネの働きによって骨が引っ張られてしまったことが原因で、骨の癒合がうまくいかないこともあります。 この癒合不全により、関節を動かす際にどこかで引っかかったりする場合があり、物理的に関節が動かなくなることがあります。   (3) 骨折後の骨の転移(骨がズレること)により、関節が曲がらなくなることがあります。     弊所やその他交通事故に詳しい法律事務所や行政書士事務所はこれら(1)~(3)についてを画像(XPやCT等)で確認します。 c_g_l_62  骨幹部が折れても関節に影響はなく、痛みで曲げられないことは初期にはあるかもしれませんが、痛みは徐々に引いていきますので、ある程度になりましたらリハビリをする必要があります。    そのリハビリをさぼってしまうと、痛みで体を動かさないで筋肉が拘縮してしまい、可動域に制限が生じることがあります。これを一般的に廃用性拘縮といいますが、廃用性の拘縮については、治療努力が認められず、また、頑張れば骨は問題ないので生涯にわたって治らない怪我ではないとみなされてしまう恐れがありますので、ご注意ください。  

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山本さんイラストsj山本、前回のつづき

 可動域制限で後遺障害等級が認められるのは、以前に述べました通り(2015年12月1日の記事)、画像上、常識的に見て関節が動かなくなっても無理はないレベルの怪我であること、また、症状固定時期の画像上からそれぞれ明らかであることが必要です。    具体的には、   ①関節部分を骨折後、癒合不良や骨が変形した場合、 ②関節の脱臼後に転位が生じた場合、 ③関節の靱帯を断裂・損傷した場合、 ④神経が切断、損傷・圧迫された場合、 ⑤デビロービング損傷による場合、 ⑥関節面の不整が生じた場合、異物が残存した場合、    等に分類できます。

kansetu_8  次回から上記①~⑤について、より具体的に述べてしていきます。  

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 2つの神経伝達物質を増加させうつ状態を改善   トレドミン錠形:錠剤 薬価:錠 25mg1錠 33.4円 有効成分:ミルナシプラン ジェネリック:ミルナシプラン塩酸塩「日医工」      落ち込んだ気分を高揚させ、不安を和らげる効果を発揮する薬です。有効成分のミルナシプランがはたらきかけるのは、脳内で神経伝達を担うセロトニンとノルアドレナリンという2つの物質。セロトニンには気分を楽にする作用が、ノルアドレナリンには意欲を高める作用があるといわれています。これらの濃度を高めることで、うつ病やうつ状態を改善する薬です。このような薬は、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)といわれます。

 <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >     山本さんイラストsj 効力がマイルドである薬であり、副作用が少ない安全性の高い薬です。しかし、効果がマイルドであるため、症状が重い場合にはあまり効かないことがあります。症状の軽いうつ病の場合には、トレドミンが処方される場合があります。  

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 神経伝達をスムーズにして憂鬱な気分を緩和させる   レクサプロ剤形:錠剤 薬価:錠 10mg1錠 218.1円 有効成分:エスシタロプロム  

 SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれるジャンルに分類され、憂鬱な気分や不安をやわらげる薬です。神経に情報を伝達する働きを持つ脳内物質の濃度を高め、神経の伝達をスムーズにさせることで、うつ病やうつ状態に作用します。効果が発現するようになるのは、服用を開始してから2~3週間ほど経ってから。そこから、症状によって服用量が徐々に増量されていきます。眠気や口の渇きといった、従来の抗うつ薬による代表的な副作用が起きにくいといわれています。

 <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >   

山本さんイラストsj SSRIの特異な副作用として「セロトニン症候群」があげられます。具体的には、混乱、発汗、体のぴくつき、ふるえ、けいれん、発熱等の症状神経過敏があげられます。また、不安感を生じたり、イライラしたりそわそわして落ち着かなかったり、さらには衝動的な行動をすることもあります。これらの症状が出た場合にはすぐに医師に相談ください。  

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 脳神経にはたらきかけてうつ状態を改善させる   ジェイゾロフト錠形:錠剤 薬価:錠 25mg1錠 101.3円 有効成分:セルトラリン    SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれるジャンルに分類され、うつ病やうつ状態、パニック障害に処方される薬です。脳内の神経を伝達するセロトニンという物質の濃度を高めることによって、不安な気持ちや緊張状態を緩和させます。24時間効果が持続するタイプの薬で、かつ副作用が出にくいのが特徴です。

 うつ病から立ち直っても再びうつ病に陥ってしまう症状を再燃と呼びますが、この薬はその再燃を抑制する効果が認められた、日本初の抗うつ薬です。薬の効果が実感できるまで2~3週間かかることがあり、そこから徐々に服用量を増量していきます。自己判断で服用を急に中止すると副作用が出ることがあるので、用量・用法は厳守するようにしましょう。また、うつ症状のある場合、服用開始時や服用量が変更された際は、体調や気分の変化に注意し、医師や薬剤師と連絡を密にするように心がけるとよいでしょう。

<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >     山本さんイラストsj続きを読む »

 おだやかな作用の中間型抗不安薬

ワイパックス 錠形:錠剤 薬価:錠 0.5mg1錠 6.1円 有効成分:ロラゼパム ジェネリック:ロラゼパム「サワイ」(沢井製薬)

    抗不安薬と睡眠薬はまったく異なる薬というわけではなく、現在用いられているほとんどの薬が、ベンゾジアゼピン系とそれに似た化合物となっており、薬が効く仕組みの点からは同じ薬といえます。これらのうち、抗不安効果の高い薬を抗不安薬、催眠効果の強い薬を睡眠薬と呼んでいるのです。

 ワイパックスは、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬で、作用時間は中間型の約12~24時間となっています。肝障害のある人や高齢の人にも使われやすい薬です。不安を取り除く以外にも、筋肉の緊張をほぐす作用、けいれんを抑える作用も認められています。

 人によっては眠気が強く出ることがありますので、医師・薬剤師に相談するようにします。また、アルコールとの併用は悪影響を与えるため避けましょう。   <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >   山本さんイラストsj デパスの時にも説明しましたが、薬を飲む際には、アルコールの接種を控えることをお勧めします。抗不安薬であるワイパックスの場合も同様にアルコールとの効力・作用を互いに強めてしまします。ワイパックスとアルコールとは、相互に中枢神経抑制作用があり、増強すると、眠気等の低下を招く可能性、また、アルコール依存や薬物依存になりやすくなることもあります。

 薬と百薬の長を併せても薬のままとは限らないようです。  

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 うつや不安をおさえて気分を楽にする

パキシル

錠形:錠剤 薬価:錠 10mg1錠 100.5円 有効成分:パロキセチン ジェネリック:パロキセチン「AA」(あすか製薬)等      セロトニンは、人の感情に影響を与える脳内の神経伝達物質。足りなくなると不安を感じるようになったり、うつの症状が出たりします。パキシルは、このセロトニンの量を調節しているセロトニントランスポーターの働きを邪魔します。これによりセロトニンが増えて、神経の伝達が改善されます。その結果、うつ状態が良化し、気分が楽になると考えられます。

 従来の抗うつ薬に多い、口の渇きや便秘などの副作用が少ないのが特徴で、現在、うつ病の主要薬として広く処方されています。   <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >   山本さんイラストsj 神経伝達物質とは、神経の接合部のシナプスで神経から神経に情報を伝えるために分泌される物質をいいます。セロトニンはそのうちの一つであり、セロトニンの量が減ると前頭前野のはたらきが悪くなると考えられています。前頭前野のはたらきが悪くなると、意欲や自発性、社会性(理性的な行動をとること)が低下します。  

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 作用時間が長いベンゾジアゼピン系抗不安薬

セルシン 錠形:錠剤、散剤、シロップ剤 薬価:錠 2mg1錠 5.9円 有効成分:ジアゼパム ジェネリック:ジアゼバム「ツルハラ」(ツルハラ製薬)等      ベンゾジアゼピン系の抗不安剤です。ベンゾジアゼピン系の薬は複数ありますが、体内での作用は基本的には同じで、抗不安作用、睡眠作用、筋弛緩作用、抗けいれん作用などがあります。

 リーゼとの違いは、作用時間が長く24時間以上続くタイプであること。筋緊張緩和作用、抗けいれん作用が強く肩こりや頭痛、熱性けいれんの予防にも使われます。その薬効の高さから、精神科だけではなく、内科や整形外科などでも広く処方されています。

<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >   山本さんイラストsj 抗不安薬とは、不安やそれに関連する心理的・身体的症状の治療に使う薬をいい、精神安定剤と呼ばれる事もあります。

 上記作用の通り、1剤で複数の症状に対応できるため、とても便利な薬ですが、他方で、一つの症状のみ抑えたいときには、余分に作用が出るため、副作用も生じやすいことがあります。  

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 作用がおだやかで高齢者にも安心   リーゼ2錠形:錠剤、顆粒剤 薬価:錠 5mg1錠 6.7円 有効成分:クロチアゼパム ジェネリック:クロチアゼパム「トーワ」(東和薬品)等

   心身症(消化器疾患、循環器疾患)における不安・緊張・抑うつ・睡眠障害などの改善、自律神経失調症におけるめまい・肩こり・食欲不振の改善に使われる薬です。また、手術前の過剰な緊張をやわらげるためにも用いられます。

 特徴は、おだやかに作用し、持続時間が短いこと。また、めまいやふらつきといった副作用が出にくいため、高齢者にも向いています。神経症やうつ病など、精神的な要因で体に不調の出る心身症にも使われます。

 そのほか、筋肉をほぐす作用から、緊張型頭痛、腰椎症、肩こりなどに応用されることもあります。

 急に服用をやめるとリバウンド(反跳性)不眠が起きることがあります。眠れなくなったり、眠りが浅くなったりし、熟睡感が得られない状態です。これを避けるためには、医師の指示通り、ゆっくり薬の量を減らすことが大切です。自己判断で薬を飲むのをやめたり、量を減らすことは避けましょう。

<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >   山本さんイラストsj リーゼはチアノジアピン系の薬で、以前に説明しましたデパスもチアノジアピン系であり、効果や、急に服用をやめると不眠の副作用があらわれる等の点で共通しています。

 どのような薬でも、医師や薬剤師の指示をよく確認して服用をやめる必要があると考えられます。  

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 不安感をやわらげ、うつ病や心身症を改善

デパス 錠形:錠剤、細粒剤 薬価:錠0.5mg1錠 9.0円 有効成分:エチゾラム ジェネリック:エキゾラム(日医工)等

 

 おだやかに作用して、不安や緊張感をやわらげ、気持ちを落ち着かせる、チエノジアゼピン系と呼ばれるジャンルの緩和精神安定剤です。抗不安薬や心身安定剤とも呼ばれています。作用的には、ベンゾジアゼピン系というタイプと似ています。安全性が高く、依存しづらいのも特徴です。また、筋肉をほぐす作用があるので、緊張型頭痛や頸椎症、腰痛症、肩こり、けいれん症の病気などにも使われています。

<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >   続きを読む »

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