もう、これは毎年300件の病院同行をしている経験からのため息です。 交通事故外傷で、珍しい傷病名であるはずの診断名、例えば、脊髄損傷、TFCC損傷、手根菅症候群、関節唇損傷、胸郭出口症候群・・・これが、町の個人開業医の診断書からみられるのです。もちろん、診断した医師の診断名が正しいこともあります。しかし、半分以上は疑いをもってみています。おそらく、保険会社の対人担当の熟練者や自賠責保険・調査事務所の皆さんも同じく、毎度のごとく懐疑的に見ているはずです。
つまり、医師が必ずしも検証を重ねた診断名をつけているわけではなく、恐らく「○○の疑い」の域を出ていない診断名だと思います。毎度、肩腱板損傷、膝の半月板損傷の診断名に際し、その手術適用を視野に専門医を訪ねます。専門医は症例数が桁違いで、多くの患者さんを診ていますし、手術数も相当です。ところが、専門医ほど診断名の断定に慎重なのです。まず、CTやMRIだけでは判断しません。初診で患者から、問診(質問)で入念に症状を聞き取ります。続いて触診などを行い、もう1度、画像を撮ります。丁寧にMRI画像と比較しています。初診では断定せず、数日の検査・検討の後に診断名と治療方針を打出します。
豊富な経験と高度な診断力を持つ専門医ほど、軽々しく予想的な診断はしないのです。その点、なんで個人開業医の先生は、簡単に診断名を口にする、あるいは、診断書に書くのか・・・。診断名を聞いた患者は、すっかり自身を○○損傷と信じ込みます。これが、後の賠償問題を紛糾させる原因となります。てきとうな、否、疑いレベルの診断名によって被害者と保険会社が対立、保険会社から医療調査で真偽をせまられると、当の診断した医師は手を返したように「○○の疑いかなぁ?」と逃げ腰になります。こうして、はしごを外された患者は取り残されるのです。
このような診断名を巡る争いが、交通事故賠償の世界では日常茶飯事です。医師の診断名を信じるな!とは言いませんが、専門医でもない、あくまで最初に観る一般の整形外科医は、もっと謙虚な態度で診断すべきと思っています。実際、優れた医師ほど専門性を要する患者には、セカンドオピニオンを含め、自身より専門性の高い医師にコンサル(紹介)を行います。経験・実力のある医師や、誠実な医師ほど安易に診断名をつけないのです。

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後遺障害の診断、その診断書も医師はあくまで臨床上の判断で記載します。症状が残っているのだから後遺症、臨床上はそれでよいのですが、自賠責や労災が認める後遺障害は、その証拠を必要としているのです。主治医の判断だけを鵜呑みに等級認定はしません。また、医師の心情的にも、「一生懸命治そうと頑張って治療してきたのに・・・治らなかった証明書を書け?」、積極的な訳はありません。ある医師は「書きたくない診断書No.1」とおっしゃいました。
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(1)死亡診断書、2つの意義


【薬理】
医師との折衝、検査の依頼、そして、正確な診断書の確保・・これらは交通事故・損害賠償請求の根幹です。まず、診断書の早期取得が交通事故解決へ向けての最初の壁に感じてしまいます。



どんな優秀な弁護士でも、医師が1度書いた診断書を直す事は至難の業です。どんなに後遺障害に詳しい行政書士であっても、「どこで検査できるか」「どの病院に通うべきか」、地域の医療情報に暗く、必要な検査ができる病院に誘致できなければ、その知識は絵に書いた餅になります。実動なく、机に座って被害者さんに指示するだけ・・これで解決できる簡単な事案なら苦労はしませんが・・。


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