意識が戻らない遷延性意識障害では、特別に障害を立証する検査はありません。しかし、弊所でお手伝いすることは山ほどあります。呆然自失のご家族が諸手続きを独力で進めていく・・あまりにも酷です。弁護士とタッグを組んで、フォローする必要があります。

 そして、弁護士選びを間違えると、数千万円単位の損失に繋がります。ご自身やご家族の人生がかかっているのです。億単位の保険請求や訴訟を相当件数積んでいる弁護士でなければダメなのです。安易に弁護士を選ばないよう、注意喚起も必要です。   裁判以前に、手続きや申請がたくさんあります  

(別表Ⅰ)1級1号:遷延性意識障害(30代男性・愛知県)

【事案】

職場からの帰宅途上、交差点を横断中に自動車の衝突を受け受傷した。頭部外傷により、事故以来、意識が戻らない。加害車両は逃走(飲酒の疑い濃厚)。   【問題点】

加害者は後に逮捕となったが、任意保険は免責であり、相手からの賠償は期待できなかった。途方に暮れるご家族の元に駆け付け、労災(通勤災害)適用と、諸制度の申請に奔走する。

そして、早急に刑事事件への対応や、損害賠償請求の準備、後見人設定の為、弁護士契約を急いだ。ご家族の自動車保険の無保険車傷害保険へ、訴訟基準での賠償金を獲得する為にも訴訟は必須となる。   【立証ポイント】

遷延性意識障害と保険請求について、実績ナンバーワンの事務所へ繋ぐべく、愛知県のご自宅からweb通信にて契約を進めた。

弊所では、弁護士の作業と並行して、労災、身体障害者手帳、障害年金、NASVA・・諸制度の申請手続きを担った。また、当面の費用確保の為、自賠責保険の被害者請求も急いだ。愛知の病院にも2度同行、すべてスムーズに進める為、現場の作業が必要であった。

そして、裁判の和解にて、無保険車傷害保険金を限界まで獲得した。事故から実に5年の月日が経っていた。  

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 先週末、判決がでました。生活保護費の減額は違法か適法かが争われた注目の裁判でしたが、最高裁は27日午後、減額は違法とする判決を下し、国側の敗訴が確定しました。

 これまでも、全国で31件、原告の数およそ1000人に上る生活保護引き下げの取り消しを求める訴訟となっていました。高等裁判所の判決が言い渡されたのは12件。「違法」が7件、「違法ではない」が5件と判断が分かれるなか、最高裁は27日「違法」とする統一的な判断を示しました。今後、類似の裁判において、指標になると思います。    憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」

 日本国憲法第25条の「生存権」とは・・国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ必要な保護を行い、最低限の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とした法律です。     この精神から、国の財政(の悪化)に関わらず、一旦決まった金額は下げてはいけない・・ことになります。    憲法25条から、優しい日本が実現できていると思います。しかしながら一方で、ろくに納税していない外国人にまで支給するケースは問題視されています。私もネパールの方で、生活保護の支給を目当てに一族が続々と来日しているケースを目にしました。また、計画的に離婚してシングルマザーとなり、生活保護を受けている方もいました。実態としては、分かれた夫と夫婦同然の生活をしているのです。

 このような、制度の悪用を防ぐ手立てを強化する必要があると思います。また、度々議論される、「国民年金との逆転現象」は喫緊の問題です。真面目に年金を払ってきた人への年金支給額に、生活保護の支給額が接近しています。これは、年金など払わずに老後は生活保護を受給した方が得である・・とんでもない不公平を構成するのです。現在、年金を支払っていない層が、次々と老後になって生活保護を受給することになれば・・もう、支給額の減額は避けられない事態になります。財源には限度があります。結果として、”途中から下げられないのであれば、最初から下げる” 運用になりかねません。    将来の支給額はどうなるのか、対して憲法の精神をどこまで守るのか・・・実は、この問題は始まったばかりと思っています。  

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 少し古い統計ですが、身体障害者手帳を取得した方の世代別の統計です。当然に年齢に応じて増加しており、70歳以上では全体の6割を超えています。外的なケガと対比すると、内部的疾患の割合が増加傾向のようです。それは、慢性疾患と、それに加えて高齢化が影響していることを示しています。     <LIFE&MONEYさま記事より引用>

「所持者はどのくらい?」 ~ 「身体障害者手帳」の所持者数と傾向を確認

 厚生労働省が公表している「令和4年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」をみていきましょう。

※ この調査は、前回2016年に行われて以来6年ぶりの実施であるため、2022年と2016年との比較である調査結果となります。   【2022年】障がいの種類別にみた身体障害者手帳所持者数について   ※( )内は全体の割合

 ・総数:415万9000人(100.0%)  ・視覚障がい:27万3000人(6.6%)  ・聴覚・言語障がい:37万9000人(9.1%)  ・肢体不自由:158万1000人(38.0%)  ・内部障がい:136万5000人(32.8%)  ・不詳:56万2000人(13.5%)    障がいの種類別にみた身体障害者手帳所持者数について、ポイントを2つにしぼって解説します。   続きを読む »

 12月20日にネットニュースで自賠責保険のことがやっていましたので、記載してみたいと思います。(読売新聞参照)    国土交通省は、交通事故による重度後遺障害者の支援を充実させるため、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料に車両1台あたり年100円程度を上乗せし、財源とする方針を固めた。2023年度実施を目指し、来年の通常国会に関連法の改正案を提出する。現在の保険料は自家用車1台で2万10円(2年)。人身事故の補償が目的で、うち「賦課金」(約32円)と呼ばれる徴収金は加害者が不明のひき逃げ、無保険車による事故の被害救済に使われる。この部分に100円程度加算し財源とする。今は01年度まで実施されていた自賠責保険の政府再保険制度による運用益を財源に、年140億円程度の予算を確保している。残高は約7500億円あるが、今後の増加が見込めない上、うち6000億円余りを国に貸し付けており財源として制約があった。一方、重度後遺障害者を受け入れる病院は老朽化が進み、施設も足りていない。親が子を介護するケースも多く、社会の高齢化で入所希望者が増えることも予想される。国交省は病院や施設の整備を図る方針だ。    自賠責保険は車やバイクの全所有者に加入が義務づけられている。対象車両は国内約8000万台で、100円上乗せで新たに年約80億円の財源が確保できる。    ◆重度後遺障害者=遷延性意識障害(いわゆる植物状態)となったり、脊髄損傷で介護が欠かせなくなったりした人。交通事故で障害を負った人には、国土交通省が専門病院で受け入れるなど支援している。    悲惨な事故は後を絶ちません。重度後遺障害者の支援として独立行政法人自動車事故対策機構(通称NASVA)があり、療養センターを国内に4ヵ所(千葉療護センター、東北療護センター、岡山療護センター、中部療護センター)、療護センターに準じた治療と看護を行う委託病床を国内7ヵ所(中村記念病院、聖マリア病院、泉大津市立病院、湘南東部総合病院、藤田医科大学病院、金沢脳神経外科病院、松山市民病院)に設置・運営しています。1台につき100円~150円で困っている被害者を救えるのであれば安いものですね。

 今後、車の所有台数は減少していく一方だとは思いますが、交通事故被害者や無保険、ひき逃げの件数は減らないような気がします。年々、国民の負担は膨らむばかりで辟易としますが、久々にこれなら上乗せで払ってもいいと思えるようなニュースでした。   現在、弊所のご依頼者でも、NASVA施設に入院の方が1名おります。  

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 介護保険は公的制度です。利用以前にまず、自助努力が望まれます。かく言う、私の家でも父の認知症の進行と共に、支援を受け始めた次第です。この機に介護保険をもっと勉強しようと思っています。

 制度自体は老人介護向けです。交通事故被害者で介護状態となった場合、いわゆる介護保険ではなく、自治体から身体障害者・精神障害者の認定受けて、公的補助を受けることになります。実際の介護を担うのは、介護事業者です。これは高齢者の介護保険適用事業者と被ります。手続きも介護計画と介護認定を進める上で、ケアマネージャーさんとの打ち合わせから始まります。仕組みや利用の流れ、色々と交通事故被害者向けの公的介護と同じに思います。むしろ、違いを覚えた方が理解しやすいかもしれません。    <秋葉家のケース>

 東京に住む私が週1程度で埼玉の実家に戻って、独居となっている認知症の父の面倒を見ております。健康面は問題なく、体力も年齢以上にありますから、介護状態ではないことになります。ただし、独力でできないことは多く、洗濯や掃除その他家事をみていました。幸い、食事や炊事は自立までいかなくも、独力で食べて健康を維持できます。行き届かないことが多い中も、なんとか父の独居生活は成り立っていました。私としては、毎度トイレはじめ水場の掃除はそれなりの負担で、本来、休息をとるべき週末に、掃除の為の帰宅はキツいものでした。

 ところが、ケアマネージャーさんが言うには、「よく頑張っている方」とのこと。男手(息子)女手(娘)共に、別居している子達は、ほとんど実家に戻らず、老父母を放置しているのが現実だそうです。私レベルでも、ましなのだそうです。要支援に該当する条件は満たしているとのこと、加えて「息子さんの負担も限界で」と市役所に申請して下さいました。これで、要支援1に、公的サービスの助力が得られます。自宅に週1でヘルパーさんが派遣され、掃除の補助が得られます。これだけでも、私の負担は減ります。また週1の見守りにもなります。一人では苦しいことも、誰かの手が一つあるだけでも心強く、大変に助かります。    先のケアマネさんの言葉には続きがあります。別居の子供は最初から親を放置か、介護保険に頼るだけで・・少々引いてしまうそうです。公的保険だからと横柄な態度や、図々しい要求をする人達もいるようです。また、同居している場合であっても、まったく面倒をみない子供たちも少なくないそうです。とくに、近年は親の年金で食っているニートさんが多いそうです。高齢者の介護問題に、若者のニートやコロナ失業、非正規労働者増加が加算していると言えます。介護の深刻度によりますが、要支援レベルだと、同居していては介護サービスは受けられないか、相当制限されるそうです。もはや、高齢者を支え切れな若年層=高齢化社会の縮図をみるようです。    10年前に介護制度を解説しましたが、理屈的、数字的な事より介護の実際を取り上げていきたいと思います。今後、ケアマネさんから色々教えて頂こうと思います。      

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4.保障金一部立替貸付とは、自動車事故による被害者の方で、政府の保障事業の保障金の支払いを受けるまでの間に対して無利子の貸付を行なっています。    貸付申込者は、ひき逃げや無保険車による事故の被害者の方で、政府の保障事業に保障金を請求しており、支払いを受けていない方です。

 貸付金額については、10万円以上290万円以内の額。但し。支払われるべき保障金の額の2分の1の範囲に限るようです。返還方法は、保障金が支払われたときに貸付金と相殺して返還することになりますので、保険会社等から支払われる保険(共済)金の請求及び受領について、NASVAに委任することになります。    申込手続きについては、必要書類が種類あります。

1.貸付申込書(全国に支所があり、そこで取得可能です。)

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3.後遺障害保険金(共済金)一部立替貸付とは、自動車事故による被害者の方で、後遺障害が残る場合に自賠責保険(共済)の後遺傷害保険(共済)金の支払いを受けるまでの間に対して無利子の貸付を行なっています。

 貸付申込者は、自動車事故により後遺障害が残り、その後遺障害について自賠責保険(共済)金の請求をしているが、その支払いを受けていない方です。

 貸付金額については、10万円以上290万円以内の額。但し。支払われるべき保険(共済)金の額の2分の1の範囲に限るようです。返還方法は、保険(共済)金が支払われたときに貸付金と相殺して返還することになりますので、保険会社等から支払われる保険(共済)金の請求及び受領について、NASVAに委任することになります。    申込手続きについては、必要書類が種類あります。

1.貸付申込書(全国に支所があり、そこで取得可能です。)

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2.不履行判決等貸付とは、自動車事故による被害者の方で、確定判決や和解等の結果が出ていても、損害賠償を受けられない方に対しての貸付です。

 貸付申込者は、自動車事故による被害者の方で、損害賠償について※確定判決などの債務名義を得ていながらその弁済を受けることができない方(人身損害に限る。)

※ 確定判決などとは・・・

1.確定判決、2.仮執行宣言付給付判決・支払命令、3.執行証書、4.訴訟上の和解調書、5.調停調書 

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おひさしぶりです

 交通事故被害者(ご家族、遺族も含みます。)の中にはお金に困窮されていらっしゃる方もいるかと思います。そこで、今回はそんな方々を支援する独立行政法人自動車事故対策機構(通称NASVA)の取り組みについてご説明します。

 

 NASVAにはある一定の基準を満たす方に下記のような生活資金の貸付(無利子)を行っております。   1.交通遺児等貸付

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 各種存在する障害申請の中でも「お金」の多寡にもっとも影響する3大申請は、    自賠責保険、労働災害保険、障害年金 ではないでしょうか。    交通事故で重い後遺障害を負った場合、それも通勤中であれば労災も絡み、その3つに申請を行うことになります。一番細かくシビアであるのは自賠責だと思います。もちろん、傷病名や障害の類別によって、労災の方がシビアであったり、障害年金も油断できない部位があります。それぞれの審査基準には違いがあるので、一概に言えないかもしれません。

 大事なことは、必要な検査を実施して、医師に漏らさず診断書に落とし込んで頂くことです。不足・不正確・不明瞭の診断書であっても、以後、客観的に証明された証拠として、一人歩きを始めます。これは審査上に悪影響をもたらし、その後の賠償交渉や裁判で正すことは絶望的に難しくなってしまうのです。今までも診断書の修正が最大の焦点となった件、覆せなかった悲劇を何度もみてきました。遺漏なき申請書類、とくに診断書が事故解決の趨勢を決するのです。

 経験上、医師が障害申請に熱心に取組み、万全の診断書を作成してくれたことは、非常に少ないものです。医師は治す事が仕事で、治しきれなかった患者など、関心は薄れます。保険会社も役所の窓口も基本、事務的です。むしろ、限られた財源からの支払増大を懸念してか、厳しく判断されていると考えるべきです。もちろん、好意的な判断もありますし、好悪両面において、審査員は良く見ているなぁと感心することもしばしばです。

 しかし、希少な障害の場合や、障害の箇所が複数に及び、本人・家族ですら把握しきれない症状を克明に主張することはそれなりに難しいものです。審査側が親切に不足書類や追加検査を指示してくれれば良いのですが、これも限定的なことと覚悟すべきです。多数の審査案件を抱えた担当者にとって、追加的な調査業務は負担になると思います。その審査員に対して、自分の親兄弟や子供をみるように熱心に審査してもらうなど、過剰な期待と言えます。

 重度の障害を追った被害者さん達にとって、障害○級の認定は今後の人生にとって命綱なのです。各申請はその緊張感をもって望むべきですし、そのお助けをしている私達を是非とも活用して頂きたいのです。できれば、診断書の記載をする前の段階で、周到な準備と十分な打合せをしたいと思います。私達の報酬は決して安いとは言えませんが、被害者さんの命綱を繋ぐべく、相応の働きをする覚悟です。  

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 今までも数々の障害年金の請求フォローを行ってきました。ただし、代理請求はもちろん、障害年金の諸事務を有償で行うには、社会保険労務士の資格が必要と聞いています。それでも、自賠責保険請求を目的として行った医療調査の諸事務、収集した書類・画像はそのまま、労災や障害年金の請求に転用できますし、何と言っても、私達は被害者さんの後遺症の全容を一番把握していることになります。

 多くの交通事故案件の場合、障害年金請求は最後の作業になります。それまでに豊富に揃った診断書・画像を基に、障害年金専用の診断書を医師に記載依頼し、必要な添付書類を指示し、その他の書類記載は年金の相談窓口に頼ればOKです。別途、手間賃や報酬を頂くまでもありません。私達にとって、行きがけの駄賃のような事務です。添付書類には、自賠責や労災の認定結果なども含めます。それらは当然、障害年金の審査基準と異なるものですが、今まで真逆の判断などなく、結果は安定したものでした。自賠責や労災の結果にも、参考程度にそれなりに目を通していると推測しています。

 ところが、昨年、自賠責の審査結果がでる前に障害年金を申請した件で、思わしくない結果が返ってきました。その依頼者さまは独力で申請を行ったのですが、再申請をしなければならなくなりました。そこで、障害年金申請を業務としている社労士先生、数件に相談を持ちかけたそうです。そこでのアドバイスで多く指摘されたことは、専用診断書に「別紙の通り」と記載したことがNGだそうです。社労士先生が揃って言うには、「障害年金は診断書に書いてあることのみで判断するから、別紙など見ない」そうです。診断書に到底書ききれない、検査結果や症状の説明は無視されるのでしょうか? 自賠責に比べると、審査精度が低いように感じてしまいます。そのような意見を聞くと、近年の「消えた年金」「労災の未払い」など、厚生労働省の杜撰な体制を思い出させられます。

 すると、「自賠責請求に際して細心の注意・緊張を持って完璧な申請と結果を出したのだから、後の障害年金など楽勝!」と思っていた、今までの姿勢を改める必要があります。最近も、障害年金の診断書に障害等級を左右する程の重要な記載漏れを発見、医師に追記をお願いする件がでてきました。まったく最後まで油断できません。

 私達もできれば専門の社労士先生を頼りたいと考えています。餅は餅屋のはずです。今までも社労士先生に連携の呼びかけを行う際、色々とお話を伺う機会がありました。ところが、書類の手続きに精通する先生も、医学的な知識が絶望的に弱いと知りました。例え手続きのプロであっても、肝心の中身=医療はハードルが高いようです。医学的な知識・経験は、あらゆる障害申請において最重要ポイントのはずです。障害年金を主業としている社労士先生と言えど、その受任数が年間30件ほどであれば、10年でやっと300件、経験すら不十分ではないでしょうか。書類の記載等手続きなどは、年金窓口でそれはそれは丁寧に教えてくれます。もし、社労士先生に依頼する場合は、何人かにあたって慎重に判断すべきです。これはどの業務においても、士業者に依頼する場合の鉄則です。

例えば、各関節の用廃を見極めるには、関節可動域の測定ができることが絶対です。 秋葉事務所は全員がマスターしています。専門は理学療法士でしょうか。  しかし、これを専門外である社労士、行政書士や弁護士に求めることは酷です。

   今後は、障害年金についてより勉強し、個別対策を練る事が望まれます。それでも、保険医療に精通している者なら、自賠責保険請求で精密に固めた書類と、その審査結果を一緒に提出するか、その内容をベースに診断書を作成することが有効かと思います。医師には、事前にそれら診断書の内容をスライドして専用診断書に記載頂く事が安全です。とくに珍しい傷病名や難しい後遺症などは必須で、障害年金の審査員は他の結果を踏襲しないまでも、意識すると思います。良くも悪くも横並び意識は、お役所体質に合致すると思うからです。    未だ、被害者さんを安心して任せられる社労士先生にめぐり合えていません。交通事故に限定すれば、わざわざ社労士先生に依頼するより、秋葉がフォローする方が適切だと思っています。  

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 秋葉事務所の力量を示す、好取組と思います。脊髄損傷の完全麻痺は、難しい立証作業などなく、誰が介入しようと1級です。解決の肝は等級申請ではありません。本件では3つの重要ポイントでお役に立ったと思っています。   1、奇跡を信じて治療継続

 まず、治らない障害だから治療費は無駄と考える保険会社 vs 奇跡を信じて治療を続けたい本人・家族 の構図が生まれます。本件の場合、20代と若く、わずかでも回復の可能性を感じていましたので、弁護士との連携によって、地元のリハビリ病院に次いで専門性の高い国立病院に転院させ、1年間の治療期間・費用を確保しました。これが、好結果を生むことになりました。完全な四肢麻痺が、たとえ1cmでも動くようになることは、本人・家族にとって涙が出るほどうれしいことです。保険会社に交渉を重ね、渋面ながら1年間治療費を持たせました。

2、膨大な諸手続き

 公的・民間の保険手続き始め、膨大な事務が生じます。ほとんど家族はこれで疲弊してしまいます。仮に、受任した弁護士先生が担うにも、それは大変です。ここは手続きのプロに任せてもらいたいのです。現在も各種手続きが進行中です。   3、介護費用の完全獲得がクライマックス

 経験のない弁護士に依頼すると、後の介護費用の請求で泣くことになります。脊髄損傷1級の判例に目を通すと、画期的な判例は同じ弁護士が相次いで獲得してます。これは、日本でほんの数事務所・数人の弁護士だけが、十分な介護費用を獲得できる事実を示しています。秋葉事務所はそのような事務所から教えを頂き、実践しています。経験のない事務所には決して依頼しないことです。大げさではなく、数百~数千万円も取りそびれます。

1cmでも本人家族にとっては希望なのです

別表Ⅰ 1級1号:頚髄損傷(20代男性・静岡県)

【事案】

ワゴン車に搭乗中、高速道路で併走車の割り込みを受け、側壁に衝突した。首を車内に打ちつけて頚椎を骨折、頚髄を損傷したもの。首から下はまったく動かず、感覚も失われ、自力排泄も不能、絶望的な四肢麻痺となった。

【問題点】

後遺障害について、立証するほどの作業はない。しかし、諸保険の請求手続きや転院等リハビリ環境の調整に加え、社会福祉をフル活用する必要がある。身体障害者手帳やNASVA申請など、賠償交渉以前の作業が膨大となった。

リハビリの目標は、電動車イスの自力操作。わずか数cm動く右上肢に望みを託すことになった。しかし、不可逆的(治らない)障害である以上、相手保険会社は早期の治療費打切りを切望、その折衝が続くことになる。

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 これは、どの商売にも共通することと思いますが、ご依頼者が相談に訪れてきたら、まず、お話を傾聴し、信じることから受任者としての仕事を始めます。依頼を請け負うとは、相互信頼があって成立するものです。

 かつて保険販売の場面で、お客様のお話にどうも嫌な感じがして、契約を慎重に構えていました。上司に相談するも、「バカ、お客様を信頼しないでどうする!」と叱られたことがあります。至極、もっともなことです。しかし、とりわけ保険業界はそれ程単純ではありません。上司はこう続けました。「まず、信頼が基本だが、よく話を聞いて、慎重に契約判断をすることも大事だ」と。結局、契約を引き伸ばす私に見切りを付けて、そのお客様は去りました。後でわかったことですが、そのお客様は、(不自然な)保険金支払い歴が10回を越える要注意人物でした。今で言うところの、「保険支払、半端無い」保険会社が契約を拒んで当然のお客様だったのです。

 保険の営業マンは、このお客様を直ちに保険金詐欺者と断定する立場ではありません。それでも、正しい保険運営には、契約段階から未然に不当な支払を防ぐことが絶対に必要です。残念ながら、信頼してはいけない契約者、依頼者も一定数存在するのです。

 被害者救済業とはいえ、今もそのスタンスは変わらないと思います。交通事故の受任経験の少ない、若手弁護士さんなどが、依頼者を信じて受任してしまい、後に保険会社と裁判上で、(不正請求の)証拠を突きつけられて火達磨に・・少なからず聞いてきました。依頼者を信じるという、原則的な美徳を持ったこの弁護士さんを責めることはできません。しかし、迂闊に保険金詐欺の片棒を担ぐ事は、故意過失は無いにしろ、犯罪に加担することになります。その点、士業者は盲目的な受任を避けるべきで、犯罪を未然に防ぐ、助長を防ぐ、社会的役割があるように思います。

 昨年も、ある交通事故被害者さんが相談会にやってきました。相手保険会社の横暴な対応を切々と訴えています。実際、相手弁護士から債務不存在確認訴訟(「びた一文支払う言われはない!」と加害者側から逆訴訟されて・・)を打たれました。気の毒な被害者を救うべく、受任することになる寸前、「本当に助けるべき被害者なのだろうか?」私の頭を過ぎりました。・・・調べてみると、数度の保険金詐欺容疑で実刑判決を食った経歴がありました。本件事故の状況や経過も、過去の手口に類似しています。直ちに、弁護士に受任謝絶するよう伝え、事なきを得ました。

 依頼のお断りを伝えた際、その被害者さんは「今後、私は交通事故にあっても信じてもらえないのでしょうか?」と言いました。

 私はこう答えました。「そうですよ。イソップのオオカミ少年の童話を知っていますか? 人の信用を踏みにじった以上、仕方ありませんよ。 もっとも、まったく疑いのない事故状況で、それなりの大ケガをすれば別ですが。」

 実際にオオカミに食われるまで、信用の回復は難しいということです。

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 そんなわけはありません。年金制度は国と国民の信用の根幹、これが反故にされたら、もはや国民国家ではありません。

 とは、言いたいものの、12年前、日本中を震撼させた「消えた年金問題」・・ミスで相当数の記録が消されました。昨年9月にも、労災の休業給付のデータがミスで抹消され、大幅な支給遅れとなったことは記憶に新しいと思います。

 亡くなった私の祖父は年金に関する疑念が強く、自営でしたがとうとう国民年金に加入せず、老後は年金がありませんでした。当時、戦争(報道)で国に騙されたと思った世代は、国家・行政への信頼が薄いのでしょうか。「消えた年金問題」とは、その疑念が本当になってしまった事件です。決して間違ってはいけない行政の制度ですが、所詮人のやること、ミスはどうしてもでてしまうものです。いつも思うのですが、何故か間違って多く払ってしまったケースが少ないことです。それはともかく、再発防止の努力と迅速なリカバリーをお願いしたいと思います。

 また、昨日の記事の通り、当時、私もたった12年前の厚生年金記録を消された1人です。「昔の手書きデータを電子化する際に漏れた」との言い訳が利かない年数です。今回の労災記録抹消も、何故バックアップしていなかったのか不思議に思います。やはり、国のやることであっても万全の信頼を置くことなく、自らがチェックすることが必要ではないかと思います。記録を修正してもらうことは当然ですが、責任を追及する手間はそれなりに大変です。ここで行政側のミスを責めても、苦言を呈しても、問題提議しても、何の得にもなりません。何事も取引は相互確認が大切です。それは、買い物をして、お釣りを確認する作業に等しいものかもしれません。  

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 よくある質問です。厚労省のHPからの引用で恐縮ですが、非常にわかり易いのでほとんどコピペに近い状態でまとめました。   Q.後遺障害となって障害年金を受け取る場合や、死亡で遺族年金などを受け取る場合、労災の年金と(厚生・国民)年金、両方を受け取ることはできるのでしょうか?     A.年金は全額受け取れますが、労災年金は調整されるため全額を受け取ることはできません。    例えば、障害厚生年金と労災の障害補償年金の両方を請求・受取る場合、労災年金の額は減額され支給されることになっています。しかし、障害厚生年金はそのまま全額支給されることになります。ただし、この減額に当たっては、調整された労災年金の額と厚生年金の額の合計が、調整前の労災年金の額より低くならないように考慮されています。   (調整の考え方)  これは、両制度からの年金が未調整のまま支給されますと、受け取る年金額の合計が、被災前に支給されていた賃金よりも高額になってしまうからです。また、保険料負担について、厚生年金保険は被保険者と事業主とが折半で、労災保険は事業主が全額負担していることから、事業主の二重負担の問題が生じてしまうためです。

 この表から分かるように、障害厚生年金を受け取っている人が労災の障害補償年金を受け取る場合、障害厚生年金を全額受け取ることができますが、労災年金は0.83の調整率がかけられ全額を受け取ることはできません。しかし、障害厚生年金を受け取っている人が労災の(死亡で遺族が受取る)遺族補償年金を受け取る場合、調整は行われません。従って、厚生年金・労災年金ともに全額受け取れます。

 

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 公的年金加入者で、障害を負った方に支給される障害年金、これは年金が単なる貯金ではなく、保険を兼ね備えたすぐれた制度であることを示しています。

 近年、支給者が増加しており、特に若年層の精神障害が増えているそうです。障害年金の手続きを扱う社労士の先生からも、その傾向を聞きました。身体の障害は、車イスの使用など、割と外見上はっきりしています。比して、精神障害は、その程度は外見からではわかりづらいものです。もちろん、専門医の診断なくして障害認定はありませんが、本人の訴え=自覚症状が出発点です。心療内科の医師は、仮に、患者本人が大げさな症状を訴えても、無下に否定はしません。患者の声に耳をかたむけることが治療の前提だからです。もしかすると、医師を欺き、大げさに装うことが成功するかもしれません。生活保護も含め、公的な補助制度はある意味、詐病者の温床との指摘もあります。

 かつて、相談会に参加した、精神障害2級の被害者さんは、どうみても、それほど重くは見えませんでした。しかし、心療内科の医師が書いた診断書は2級相当、就労不能の内容でした。「えっ、そんなに重いの?」、私は専門医ではないので、単なる素人見立てかもしれませんが・・。この方、2級ながら、その支給金でパチンコはじめギャンブルに勤しみ、ドライブが趣味で海外旅行も行き、ナンパをして飲み歩きもしています。ただし、月に1回はフラフラになって心療内科に通っています。医師の前で「夜、眠れません」「幻覚が・・」と言うそうです。 今度は(軽微なケガの)交通事故で賠償金請求の相談です。

 本当に障害者なのでしょうか?

 以下の毎日新聞の記事を見て、まず、ターゲットは弱年層の精神障害認定者ではないかと思いました。詐病者は論外としても、若年層は比較的、回復しやすく、薬やカウンセリングで、就労・日常生活が可能な患者も多いはずです。  

障害年金 1000人打ち切りか 審査集約、戸惑う受給者

<5/29(火)毎日新聞 記事より抜粋>

 日本年金機構が障害基礎年金の受給者約1000人余りに対し、障害の程度が軽いと判断して支給打ち切りを検討していることが判明した。対象者には、特例的に1年間の受け取り継続を認めつつ、今年度中に改めて支給の可否を審査するとの通知が届いている。都道府県単位だった審査手続きが全国で一元化された影響とみられるが、受給者の間には「症状は改善していないのに困る」と戸惑いが広がっている。

 障害基礎年金は、20歳前から難病を抱える人や、国民年金加入者が障害を負った場合などに、年80万円程度を下限に支払われる。機構や関係者によると、通知を受け取ったのは1010人で、いずれも20歳前から障害がある成人という。

 1010人は2017年、症状に応じ数年おきに必要な更新時期を迎え、医師の診断書を提出した。機構は同年12月~今年1月、「障害基礎年金を受給できる障害の程度にあると判断できなかった」との審査結果を通知。ただし17年度は支給を続け、18年度に改めて審査した上で「診断書の内容が同様なら支給停止になることもある」と示した。

 1000人規模の支給打ち切りが過去にあったかどうか、機構は「データがない」と明らかにしていないが、経過措置を設ける通知を出したのは初めてという。厚生労働省幹部は「影響の大きさを考慮した激変緩和の意味もある。審査をし直した結果、継続が認められる可能性もある」と話す。

 背景にあるのは審査手続きの変更だ。以前は都道府県ごとにあった機構の事務センターが認定業務を担当し、それぞれ地域の医師が診断書をもとに審査していた。しかし、不認定の割合に地域差があると問題視され、機構は17年4月に認定業務を東京の障害年金センターに集約。審査する医師も変わった結果、不認定の割合が増えたという。

 機構の担当者は「審査業務の変更という特別な事情を考慮し、今回の診断書だけで障害の程度を判断するのは適切でないと考えた。対応は妥当だ」と説明する。【原田啓之】

   障害基礎年金・・・20歳前や国民年金の加入時などに病気やけがで障害を負った人に支給される年金。障害の程度によって1、2級に区分される。年間支給額は1級が約97万円、2級が約78万円で、子どもがいれば人数に応じた加算がある。受給者は2017年3月末時点で約184万人。初診時に会社勤めなどで厚生年金に入っていた人には、等級区分が異なる「障害厚生年金」が支給される。  

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 最近、労災事故であるのにも関わらず、「健康保険を使って通院しています。」という相談をよく耳にします。実はこの行動、健康保険法違反だということをご存知でしょうか?   第一章 総則

第一条 この法律は、労働者又はその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

第四章 保険給付

第五十五条 被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、傷病手当金、埋葬料、家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費若しくは家族埋葬料の支給は、同一の疾病、負傷又は死亡について、労働者災害補償保険法、国家公務員災害補償法又は地方公務員災害補償法若しくは同法に基づく条例の規定により、これらに相当する給付を受けることが出来る場合には、行わない。    要約すると、労災事故に関しては労災を使いなさいということです。

 労災を適用することによって、会社が不利益を被ることはないのですが、進んで労災を適用してくれる会社が少ないことも事実です。通常、労災は届出だけで使用できます。しかし、会社での立場等を考えて、自ら労災を適用しない被害者の方も多いようです。 c_h_22続きを読む »

 本日のニュースはSK氏の記者会見一色でしたね。やはり聴覚障害に触れないわけにはいかないでしょう。

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       さて、本件で問題となっているのは身体障害者手帳の等級です。

 自賠・労災よりはシンプルです。そして全ろう、それに近い重篤な難聴しか認定等級がありません。手続きですが、医師の診断書とオージオメーター(聴力検査)の検査表を市役所に提出すれば該当の等級が認定されます。問題はオージオメーターは本人の意思で嘘の検査値を出すことが可能な事です。これについては耳鼻科の医師によると、経験にもとづいて嘘を見抜くことはできると言っています。

 等級は以下の通り、平衡機能の障害と一緒の表になっています。  

等級

聴覚障害

平衡機能障害

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 昨日に続き先天性の体幹(骨)の等級表といきたいところですが、見ての通り体幹とは限定されていません。病気による障害も含むため、症状のカテゴリーが広範囲になるからです。また交通事故の自賠責、労災には先天性(生まれつき)という概念がないため、単純な比較は困難です。まったく別の等級表と思って下さい。?

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 上肢、下肢については割と労災・自賠責と同視できましたが、体幹(骨)からは独特のカテゴリーとなります。

 そもそも障害者手帳はケガのみならず病気のケースも含みます。また生まれつきである先天性、元気な人があるときケガや病気で障害を負うこともあります。交通事故は当然ながら「あるときに起きたケガ」なのでその程度・評価は限定的です。上肢・下肢では先天性と後天性の障害にそれほど差がないのでしょうか、同じ表となっています。しかし体幹では障害判定を分ける必要があるようで、障害等級は「あるとき」に負った後天性の障害と、「生まれつきの脳障害」である先天性の障害に区分されています。

 最初に体幹の定義ですが、一般に脊椎と胸骨、肋骨、肩甲骨、骨盤骨を指します。障害はそれぞれ骨折だけではなく、病気による変形(奇形)とそれに付随する運動障害(可動域制限)、荷重障害が該当します。

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