【事案】

原付バイクで直進中、路外からの自動車と衝突、頭部を受傷、硬膜下血腫の診断。

【問題点】

幸い、言語障害や麻痺等の症状は残らず、順調に回復が進んだ。医師も「出血も微量で問題はない」との認識。周囲からまったく後遺症を感じさせず、些細なことは高齢からくる衰えにみえた。

しかし、家族にしかわからない微妙な変化が散見された。また、障害を明らかにしようにも、高齢であるが故、神経心理学検査が制限され、検査の数値も年齢相応の衰えを考慮すると、判定は非常に難しい。

【立証ポイント】

受傷直後からご依頼を受けており、「微妙な変化」について丁寧に観察を続けることができた。検査はWaisだけ施行した。年齢を差し引いても、軽度の注意機能低下が診断された。また、家族からは活力低下(元気がなくなった、疲れ易くなった)のエピソードを聴取、わずかながら性格変化や易疲労性について、主治医と共有するに至った。

一見、まったく障害を感じさせない状態でも、些細な変化を9級10号と評価することに成功しました。家族・医師とのコミュニケーションを促進、見逃さずに済みました。

(令和2年6月)