事務所設立時は確か600円、その後800円に+郵便手数料でしたが、世の値上がりの流れでしょうか、以下の通り発表されています。   <自動車安全運転センターHPより>   証明書交付手数料改定のお知らせ   2025/04/01 重要なお知らせ   令和7年10月1日(水)より、各種証明書交付手数料を改定いたします。     ○ 運転経歴に係る証明書  670円 →  800円     ○ 交通事故証明書   800円 → 1,000円   ※10月1日(水)以降に申請される際は、料金改定に伴う新たな申請書(新料金の記載あるもの)により申請をお願いいたします。    👉 自動車安全センター  

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 交通事故で、相手保険会社の対応がありながら労災を併用するケース、弊所では頻繁です。    復習 👉 通勤中の交通事故の場合、労災と相手保険のどちらに請求すべきか?    後の賠償交渉において、相手保険会社に賠償請求する際、総損害額から既払いの労災金額を差し引く必要があります。相手の過失が大きい場合、労災は既払い分を相手の自賠責保険に真っ先に請求(求償)します。自賠責保険の保険金では足りない場合、相手の任意保険会社にも請求することになります。

 いずれにしても、相手に賠償金を請求する時に、労災の既払い額を把握する必要があります。その場合、労基から被害者(労災の場合は被災者と呼ぶ)に届く、療養費や休業給付の支払い明細(ハガキ)を揃えてもらえばよいのですが、失くしてしまう方も多いようです。そこで、改めて金額を確認する場合、労災に「支払証明書」を請求することになります。

 支払い内容まで細かく確認する場合は、明細書の開示手続きになり、それなりの面倒と期間を食いますが、支払い額だけを調べるには「支払証明書」が簡単です。書類1枚を担当部署に送るだけ、経験では10日~2週間で届きます。    手続きについては、以下、労災のHPから抜粋します。  

支払証明について

 労災保険給付等の支払振込通知書を紛失した方などに対して、支払証明の発行を行っております。支払証明をご希望の方はこちらの労災保険給付等支払証明願に必要事項を記入の上、以下の送付先まで郵送してください。なお、記入にあたっては記載例及び注意事項をご確認ください。   【注意事項】   1.この証明願をもとに交付する証明書は、これまで実際にお支払いした労災保険給付額を証明するものです。未だ支払われていない給付等についての証明はできませんのでご了承ください。     2.この証明願は、労災保険給付等の受給者本人が請求することを原則としますが、本人が請求できない等やむを得ない事情がある場合は、相続人及び法定代理人等が請求することも可能です。 請求人が相続人の場合は受給者と相続人の関係がわかる書類(例として戸籍謄本)、法定代理人等(注)の場合はその資格を証明できる書類(例として登記事項証明書)に加え、住所が記載されている本人確認書類(例として運転免許証、マイナンバーカード(表面のみ))の写しを添付してください。    (注)法定代理人等の例は以下のとおりです。    ・親権者  ・未成年後見人  ・成年後見人    ・保佐人  ・補助人  等   3.労災保険給付等を給付された時期や給付の種類によって、支払証明書を交付する証明機関が異なりますので、各々に応じ証明願を提出する必要があります。  ご不明な場合は、管轄の都道府県労働局又は労働基準監督署にお問い合わせください。 (平成23年5月以前の休業・費用・アフターケア通院費、一時金は実際に支払った局又は署で支払証明を行うことになります。)   4.この証明書で証明する事項は、労災保険給付等の受給者の氏名及び住所、給付の種類、給付期間又は支払日、支払金額及び給付を特定する補足的事項です。 続きを読む »

 16条請求とは、自賠法16条の定めによった保険請求の方法のことで、一般には「被害者請求」と呼ばれています。交通事故で後遺障害が残るようなケガの場合、被害者にとって検討すべき手続きと思います。この場合の「被害者請求」を正確に言いますと、受傷から症状固定まで、相手保険会社に治療費の病院への直接支払いをお願いして、後遺障害の申請から被害者請求に切り替える手法を指します。一般的には、被害者が弁護士へ委任することは少なく、解決まですべて相手保険会社に任せることが大多数ですから、「事前認定」が多くを占めています。

 20年前に比べると、交通事故に力を入れている弁護士なら、普通に「被害者請求」を選択するようになってきました。一方、受任しながら「事前認定」に任せている弁護士も少なからず存在しています。そこで、かつての記事を加筆修正して再UPしたいと思います。    これまで、何度も双方のメリット・デメリットを語ってきました。    👉 事前認定vs被害者請求 最終決着します!     この記事を読んでいただければ、双方のメリット、デメリットがご理解いただけると思います。被害者の立場とすれば、できれば16条請求が望ましいはずです。そこで被害者請求を選びますが、楽なケースとやたら面倒なケースに分かれます。    治療費などを加害者側保険会社が「自由診療で一括払い」(病院に直接、自由診療の治療費で払ってくれる)してくれれば、その損保会社の担当者は自賠責に求償する必要から診断書・診療報酬明細書を病院から取得、所持しています。被害者は、それら申請に必要な診断書類および事故証明書のコピーをもらうことによって、ほぼ書類は揃います。画像の貸出しは微妙で、拒否されることが多いようです。    一方、健保、労災が絡む件、一括払いを拒否された件は絶望的に面倒な手続きを強いられます。その労苦とは・・・   1、健保、労災で治療費を確保した場合、あらためて病院に通院期間の自賠責用診断書・診療報酬明細書をお願いしなければなりません。

 診療報酬明細書については、病院はすでに健保・労災に発行しており、二重発行はできないと拒むケースが多くなります。診療報酬明細書とは病院にとって治療費の請求書なので、すでに健保・労災に提出して費用が精算されていれば、再び発行はできない・・・これは筋が通っています。経験上、それでも、文章代さえ払えば発行してくれる病院もあります。また、診断書を有償で請求する際、「診療報酬明細書のコピーを付けて下さい」とお願いしたところ、OKの病院もありました。

 この書類の流れや請求パターンを熟知している法律家は少なく、病院の医事課の事務員や健保・労災の担当者ですら、自分の所管する事務以外は把握していません。損保の人身担当者が一番詳しいと思います。    2、診療報酬明細書が入手できねば、健保・労災に診療報酬明細書の開示請求を行う必要が生じます。開示請求には開示申請、開示決定、謄写請求など、数段階の手続きが必要です。印紙代は300円~ですが、手間と何より時間がかかります。

 そもそも、病院による診療報酬明細書は月毎に翌月発行ですから、治療終了の1カ月後まで待ってから開示請求することになります。さらに開示請求後、労基は開示の許可を病院ごとに求めます。開示決定までに、さらに1~2カ月月待たされることが普通です。病院の回答が遅ければ、その分延びます。    👉 社会保険の開示請求について    👉 行政文章の開示請求 ~ 労災の診療報酬明細書の場合 Ⅰ    病院によっては、健保・労災で治療した患者に対して、1の自賠責用の診断書の記載すら拒みます。その場合、病院の事務方、医師へ説得が必要です。そして、記載が異常に遅い医師も存在します。常時、診断書を2カ月位ため込んでいたり、記載まで半年待たされることもあります。   3、画像の収集。病院によっては極度に画像の貸し出しを嫌います。また、ディスクなら500円~2000円で済みますが、なかにはXPフィルム(レントゲン)のコピーを1枚1000円で売る病院も存在します。最近も骨折が多かった被害者さんは220枚も買わされるはめになり、22万円+消費税を支払いました。CDに焼ける設備がありながら、院内のルールだそうです。こうなると病院の悪意を感じます(この院は数年前、ようやくディスク化OKとなりました)。    👉 画像代の価格を医師会が決めてくれないものか・・   続きを読む »

 15年前の記事を令和7年版にブラッシュアップします。事故の初期対応についての記事ですが、打つべき手を説明した内容です。

 令和になっても、初期対応ができていない被害者さんが実に多いのです。すでに弁護士に相談中でも、です。      弊所の事故相談が単なる法律相談と違うこと、それは解決までのロードマップを示すことです。「法律的にはこうなります」など、被害者の疑問にお答えするだけで終わらず、解決までの手続きや作業を列挙、具体的に指示します。    典型的な例をお話します。ある相談者さんは自動車で通勤途上、交差点で出合い頭事故で首を痛めて、会社を休むことになりました。日給月給で、当面の生活費に困っています。そして「無料相談」にひかれ、先に弁護士の無料相談に電話しました。過失割合などの回答は頂いたものの、労災や健康保険の手続き、自動車保険の請求に話が及ぶと「それは各窓口で聞いて下さい」と回答です。

 弁護士費用特約に入っていないので、弁護士はどうも委任契約を遠慮気味で、後遺障害等級が認定されるまで相談扱いのようです。つまり、様子見を決め込んでいるのです。本人の主張も、過失割合「20:80じゃ納得できない!」ばかりです。    この被害者さんが急ぎ打つべき手は・・・    1、労災申請。治療費の圧縮を図ります。まず労災のメリットを最大活用します。    2、自身加入の傷害保険や共済、日額払いの搭乗者傷害保険など、取れるものは速やかに請求します。    3、主治医と面談し、初診時から頚部の神経症状について、症状の訴えが一貫しているか確認します。追ってMRIの実施。後の後遺障害認定に備えます。    4、労災又は相手保険会社へ休業損害の請求。労災から確保できれば、不足額の請求は最終的な賠償交渉に棚上げで良いと思います。まれに労災の休業給付で足りない40%ほどの休業損害金を、保険会社が並行して支払ってくれる場合もあります。    5、加害者側保険会社と物損の示談。弁護士の介入以前に、相手から有利な提示がきていれば飲みます。紛糾する場合は、弁護士に託し、最後の賠償交渉に棚上げでもよいと思います。     このように、前半戦から必要な作業があります。弁護士費用特約がなく、法律家に依頼したくても経済的に困難であれば、他の傷害保険や搭乗者傷害保険の部位・症状別定額払いを充てます。とくに、部位症状別払であれば、治療日数が5日以上になれば請求可能です。自身契約の保険会社に連絡し、即6万円の支払を受けられます。これを使って法律家への着手金に充当すればよいのです。

 労災対応に切り替えたら、相手保険会社に労災切替の報告をします。労災治療は保険会社も歓迎するところで、今後の対応も和らぎます。相手保険会社にとっても、一括対応(治療費の支払手続き)をせずに済み、自由診療と違って安く上がりますのでメリットがあるのです。

 通勤中ではなく、労災の対象外であれば、健康保険の適用も検討します。最終的に、全ての賠償額から自身の過失分20%が差っ引かれます。ならば、健保治療で治療費を半額にすれば、最終的な受取額が増える計算です。労災治療に同じく、相手保険会社もにとっても治療費が安く上がります。

 物損は、相手が妥協的な割合を提示するなら、さっさと示談し、修理費を払わせます。渋い回答のままなら、最後の賠償交渉に棚上げ、弁護士に任せても良いと思います。実は、弁護士が交渉するよりも、被害者の粘り強い交渉によって、早期に解決を図りたい相手の物損担当が妥協してくることがあります。    後は、半年後の症状固定日に向けて、間違いのない後遺障害等級認定へまっしぐらです。この間、被害者は治療やリハビリに専念、すみやかに復職すべきです。これが戦略的なロードマップです。ほとんどの弁護士先生は後遺障害が認定されるまで動きません。全体的な流れを示すこともありません。質問すれば、場当たり的なアドバイスはしてくれますが、後遺障害の結果がでるまで待機が普通なのです。弁護士の仕事は最終的な賠償交渉だからです。

 被害者自身も、いつまでも僅か数万円しか増減しない過失割合でだらだらもめていて、上記の手続きをしないとどうなるか・・・最大の賠償金となるであろう、後遺障害の立証が手遅れになってしまいます。

 

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   前回 👉 妊婦の死亡事故 、胎児への罪    「妊婦の死亡事故」に関する記事に、追補する必要を感じましたので、以下、任意保険の面から続けます。   (1)事故による、胎児の流産・死産、中絶の場合      お母さんに対して、通常の慰謝料に表のように加算されます。これは人身傷害保険の規定ですが、この金額を基準として、対人賠償でも考慮されているはずです。その他、傷害保険に同様の規定は、各社・保険によってまちまちです。    続きを読む »

 これから再請求をする被害者さんは、まず通知の理由を取り寄せ、しっかり分析してから臨んで下さい。    <異議申立に際して ②>

 つまり、「自身が何等級であるか」を分析する知識と、対策を講じる冷静さがないとダメなのです。まず、1.認定理由を理解し、2.不足した検査を補充し、3.新しい診断書や意見書を記載頂き、4.審査員が再調査をするに納得できる文章を書くことが必要です。この4段階をクリアする必要があります。実践的な話に移ります。    <異議申立の進め方>

① 認定理由をよく読む

 残存する症状について、なぜ認められないのか、症状別に細かく書いてあるはずです。そこをしっかり読み取って下さい。

 例えば、「頚部が痛い、重い」、「上肢がしびれる」、「関節が曲がらない」、「めまい、吐き気がする」・・・これらは自覚症状です。世の中の人間がすべて天使のように清純であればいいのですが、残念ながら嘘の症状、大げさな症状を訴える被害者も少なくありません。審査する側は、まず「疑ってかかっている」ことを肝に銘じて下さい。「なぜ、症状が信じてもらえなかったのか?」、足りなかった書類や検査を検討します。   ② 自覚症状と他覚症状を結び付ける    調査事務所 お決まりの非該当、決め言葉 1    「同部に骨折、脱臼等の損傷が認められず ~ 自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見に乏しいことから、自賠責保険が認める後遺障害には該当しないと判断します」    否定の理由ですが、つまり、他覚的所見が乏しいのです。これは、医師の診断、検査・画像所見の不足を指します。   ・ 不足している検査はないか?

 神経麻痺なら筋電図や神経伝達速度検査が必須となります。これら検査をしていなければ、等級を付けようがありません。   ・ 症状を裏付ける画像は?   

 骨折の場合レントゲンやCTでOKですが、靭帯損傷などはMRIでないと写りません。   ・ 可動域制限・・関節の角度は正しい計測か?

 間違った計測の場合は測り直す必要がありまが、そもそも、骨折や靭帯損傷など、器質的損傷が伴わないのに「曲がりません」と言っても信じてもらえません。神経麻痺で曲がらない場合は、筋電図や神経伝導速度検査など、検査での異常数値が無ければ信用されません。    ◆ 上記の検査結果が伴わない症状もあります。その代表がむち打ち、打撲捻挫の類です。骨折のように器質的損傷が画像に写らないものは、他覚的所見がそもそも無いに等しいのです。この場合、自賠責・調査事務所は全件を非該当とはせず、症状の一貫性や受傷機転、全体的な信憑性から14級9号認定の余地を残しています。それらを示す申請書類を揃える必要があります。      ③ その症状はいつから?    調査事務所 お決まりの非該当、決め言葉 2   続きを読む »

 新コーナー「保険の百科事典」の編集にて、過去記事のブラッシュアップを進めています。その中で、14年前の記事、「異議申立について」(自賠責保険・後遺障害の再請求)を大幅に改変しました。秋葉事務所の姿勢についても、より明確に説明し直しています。    一度申請して出た結果には、それなりの重みがあります。できれば、初回申請で遺漏なく書類を揃えて提出すべきです。ところが、保険会社が教えてくれる必要書類は最低限のもので、医学的に要求される検査や書類など、なんら指示はありません。そして、医師も何が必要なのか、知らされていません。治療者の立場からの診断書記載に留まります。したがって、不完全な申請となることは普通なのです。

 また、「むち打ち、頚椎捻挫」などの場合は、「初回では等級はくれないな・・2度目で認定の覚悟」の申請もあります。とにかく、後遺障害申請は奥が深いものです。弊所でも再申請の50%は認定をとっていますが、毎度、大変な手間暇となります。改めて、14年前の意見展開を令和Va.でUPします。      <異議申立に際して>     異議申立てについては、等級変更の可能性のある件だけをお引き受けします。    弊所&連携弁護士は仕事の基本を、「受傷から解決までを間違いなく案内する船頭たるべし」としているからです。「駄目元で再申請したい」、「気持ちの整理の為に、もう一度申請したい」・・そのような動機だけでの受任に対し、ご依頼者の貴重なお金と時間を頂くことが忍びないからです。

 中には、どうしても異議申立(再請求)をやらざるを得ない、お気の毒な被害者さんが存在します。限定的ですが、お引き受けすることもあります。最初からお任せいただければベターなのですが、相手保険会社任せ、あるいはご自身で動いた結果、つまづいた・・厳しい状態からのスタートを覚悟しなければなりません。

 また他の選択肢として、異議申立てに積極的な事務所、完全成功報酬制で着手金0円(等級が変わらなければ0円)の事務所もあるようですから、そちらをご検討いただいた方が良いと思います。お金だけ取られて同じ結果は目も当てられません。     では、すでに異議申立をしたが、3度目となる再々申請を検討中の被害者さんへ、以下をご参考にして頂きたいと思います。「なぜ、認められなかったのか?」を分析します。失敗の原因を浮き彫りにしましょう。   <異議申立てが不調となる理由>   1.非該当、もしくは認定された等級の理由書を読んでいない。

 自賠責保険調査事務所は必ず「理由」を明示しています。自賠法16条の4および5 (最下段参照)で決められているからです。ですから、その理由に対しての反論が必要です。それなのに、「なぜ私のケガが○級なのか! 非該当はおかしいのではないでしょうか! 審査に納得がいきません、どうしてなんでしょうか?」・・・単に怒っている、愚痴をいっていっている、文句を言っている、再質問を繰り返している文章が目立ちます。認定されない理由に対しての感情論に終始、的確な反証をしていません。これでは再審査になりません。   2.

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 通勤災害での労災使用を総括します。しつこく、繰り返します。  

第4話 通勤災害で労災を併用する

(1) 相手に保険会社があるから労災は使いません

 交通事故の場合、真っ先に請求する相手は、加害者の保険会社ではないでしょうか。それは通勤災害、業務災害の場面でも同じかと思います。確かに、加害者が弁償するのが筋とは思います。しかしながら、交通事故で労災を使いたいと申し出ると・・・

   「相手(保険会社)のいる交通事故では、労災は使えません」

   又は

 「相手に保険があるので、自賠責の120万円の枠が終わってからでないと、労災を適用することはできません」    ・・・かつて労基ですら、このような対応でした。社会保障制度ですから、じゃぶじゃぶ使われると困ります。加害者に支払い能力がある=保険がある場合は、そちらを優先し、支払いを抑制しなければならない側面は理解できます。しかし、近年の労基は文句言わずに普通に使わせてくれます。なぜなら、健康保険に同じく、「使うか否か」、「その順番」でさえも、請求者の意思が第一と、法で定められているからです。   (2) 会社の責任は?

 通勤中の交通事故に対して、会社に責任があるわけありません。あくまで、加害車両の責任でしょう。あるいは、被害者となった社員にも過失が問われるかもしれません。したがって、通勤災害では、労災の掛金の計算、メリット制が除外されているのです。掛金は上がりません。安心して使えます。

 とくに、20:80など、被害者となった社員さんは、賠償金から20%差っ引かれます。治療費や休業給付は、事故後、全額支払われてきましたが、最後に慰謝料等から、20%引かれてしまうのです。労災を使えば、少なくとも、治療費などは全額確保できます。つまり、被害者にとって、過失案件での労災併用はマストなのです。

 会社になんらデメリットのない、通勤災害での労災使用、文字通り社員への福利厚生のための制度ですから、助けてあげても良いと思います。きっと、その社員は会社に感謝するでしょう。   (3) 労災利用で会社も「助かった~」の例   労災 14級の9 : 頚椎捻挫(20代男性・埼玉県)   【事案】

その日は、社有車で通勤の社員Aさん、赤信号で交差点に進入、右方よりのトラックと衝突、横転してしまった。たまたま積んでいた什器も壊れて修理費が100万円! 幸い、運転者の社員Aさんは頚椎捻挫で済んだのですが・・・。   【問題点】

 100:0事故です。車両保険に入っていないので、車両と什器の損害は合わせて200万円になった。社長はカンカン、社員の給与から差っ引くぞ!と息巻いて・・・。 Aさん「会社、辞めようかな」と秋葉に相談にいらした。   続きを読む »

 意識が戻らない遷延性意識障害では、特別に障害を立証する検査はありません。しかし、弊所でお手伝いすることは山ほどあります。呆然自失のご家族が諸手続きを独力で進めていく・・あまりにも酷です。弁護士とタッグを組んで、フォローする必要があります。

 そして、弁護士選びを間違えると、数千万円単位の損失に繋がります。ご自身やご家族の人生がかかっているのです。億単位の保険請求や訴訟を相当件数積んでいる弁護士でなければダメなのです。安易に弁護士を選ばないよう、注意喚起も必要です。   裁判以前に、手続きや申請がたくさんあります  

(別表Ⅰ)1級1号:遷延性意識障害(30代男性・愛知県)

【事案】

職場からの帰宅途上、交差点を横断中に自動車の衝突を受け受傷した。頭部外傷により、事故以来、意識が戻らない。加害車両は逃走(飲酒の疑い濃厚)。   【問題点】

加害者は後に逮捕となったが、任意保険は免責であり、相手からの賠償は期待できなかった。途方に暮れるご家族の元に駆け付け、労災(通勤災害)適用と、諸制度の申請に奔走する。

そして、早急に刑事事件への対応や、損害賠償請求の準備、後見人設定の為、弁護士契約を急いだ。ご家族の自動車保険の無保険車傷害保険へ、訴訟基準での賠償金を獲得する為にも訴訟は必須となる。   【立証ポイント】

遷延性意識障害と保険請求について、実績ナンバーワンの事務所へ繋ぐべく、愛知県のご自宅からweb通信にて契約を進めた。

弊所では、弁護士の作業と並行して、労災、身体障害者手帳、障害年金、NASVA・・諸制度の申請手続きを担った。また、当面の費用確保の為、自賠責保険の被害者請求も急いだ。愛知の病院にも2度同行、すべてスムーズに進める為、現場の作業が必要であった。

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 毎度毎度のことですが、自損事故に対しての支払いは、入通院を除き厳しいものです。入通院の保険金は、1日いくらと保険金が決まっており、病院に行った日をカウントするだけですから簡単です。日数が少なければ、診断書もいらず、請求書の通院日欄に〇をするだけで、迅速に支払われます。

 ところが、後遺障害となると話は別です。審査自体が難しいこともあり、自賠責保険・調査事務所に諮問(何級になりすかねぇと質問)することによって、ある程度の精度をもった回答を期待しますが・・初回は非該当か低い等級で返ってくることが多いのです。その原因は、担当者が後遺障害に慣れていないこと、保険会社の支払いが大きいこと、とくに、相手がいないのですから、相手の自賠責保険に求償はなく、全額が保険会社の出費になることが大きいと思います。

 保険会社とは、常に支払いに対して慎重なのです。どうしても、秋葉事務所の出番が多くなります。問題は、その相談が弊所に届かないことです。多くの方は、保険会社の(初回の)回答で、あきらめてしまうと思います。    そんな事例集 👉 ちょっとアーカイブ ~ 自分の保険への後遺障害請求   簡単にあきめずに・・ご相談をお待ちしております。  

自損事故 12級6号:橈骨遠位端骨折 異議申立(40代男性・大阪府)

【事案】

バイクでツーリング中、路上の陥没にタイヤを取られて転倒、右手首を骨折したもの。手術でスクリュー固定とした。後に抜釘したが、安定の為に一部のスクリューを残した。原因の特定まで及ばないが、手関節の可動域制限が残った。

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 本文は労災事故が起きた時、社長さんからよくある質問に対しての回答になります。労務災害に際し、会社側がとるべき対応を時系列で解説します。  

第3話 労災が円満解決・紛争化の分岐点

(1)まずは、労災適用

 (建設業を除く)中小企業は、掛金が上がることを考える必要など、ほとんどのケースでありません。速やかに、ケガをした従業員に労災適用を進め、労働者保護の姿勢を打ち出すべきです。労災では、治療費全額、最初の3日を除いた休業補償が適用されます。後に後遺症となった場合の障害給付も続きます。つまり、手厚いのです。ここで、変にぐずぐず労災適用を遅らせると・・・被災者は労基にたれ込むか、弁護士に相談する可能性があります。

(2)会社の責任は?

 労災事故、会社側に責任はあったのか・・・もちろん、会社側に明らかなミスがあれば、被災者から追及される立場です。しかし、前述(1)の通り、労災が適切に被災者を保護すれば、責任関係はぼやけることが多いようです。

 仮に、会社に明らかな問題があってもなくても、「安全配慮義務違反」が問われます。この「安全配慮義務違反」は、判例をみてもケースバイケースで、労災事故のすべてにあると言えばある、取って付けたように問われるものです。弁護士はその見立てをしますが、究極的には訴訟で明らかにするしかないと言います。このような法的判断を持ち出すまでもなく、労使間で穏便に済ませたいところです。   (3)労災の障害給付こそ、円満か紛争かの分岐点

 労災を含め適切な対応を進めてきた会社側であっても、被災者から更なる要求があった場合、それは金銭要求に他なりませんが、会社vs社員の構図は決定的です。労使間に対立が生じてしまえば、もう、この社員は会社に残ることはないでしょう。その決断のタイミングこそ、軽傷者であれば速やかな労災適用であり、重傷者の場合は、続く障害給付の提示でしょうか。これまでも、障害給付を手切れ金として退職、労使間の決着を付けてきました。仏の対応は労災提示までです。

 労災の障害給付の提示が、まさに分岐点と思っています。弁護士を使うにも、使用者賠償責任保険に加入しておけば安心です。それほど掛金は高くありません。   (4) 被災した社員を雇い続けること・・・

 善良な会社、温情のある社長こそ、障害を負った社員であっても、便宜を図って雇い続けてくれます。しかし、秋葉の経験では、結局は会社との関係が壊れて辞めるケースが多かったように思います。定年が近く、会社との人間関係が強い古参社員であれば、あと数年なので上手くいきます。しかし、若い社員に対して、障害を負わせた負い目を持ったまま雇い続ける・・・どうも上手くいかないのです。特別扱いは決まったようなもので、他の社員に対しての公平さを欠くことになりかねません。そして、一度被災者となった社員は、今後も何かとケガをして休む、何度も被災する傾向だからです。問題社員になる可能性が実に高いのです。社長さんは、残念ながら、そのような将来像を考える必要があると思います。    つづく ⇒ 通勤災害での労災使用  

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 保険会社側の医療調査とは・・被害者さんの治療費を支払う立場の保険会社の目的は大きく3つです。この交通事故でケガをしたのか?、その治療行為や費用は正当か?、いつまで治療費を負担すべきか? でしょうか。

 正当な、妥当な、治療費の負担が保険会社の姿勢です。これらの為に、保険会社内部の医療調査班、あるいは外注の調査会社を通じて行われます。その調査費用は保険会社側が負担します。

 一方、私共が担っている医療調査は、この事故で必要となった治療や検査、期間について、相手保険会社の疑義が生じた場合、その証明を整える為に奔走します。それは医師面談、診断書や画像の回収になります。これらの作業は、長じて後遺障害の審査に繋がるものです。

 しかしながら、被害者さんの訴える症状について、医師から十分な診察や検査結果が得られず、相手保険会社(まず審査は自賠責保険)が後遺障害を認めない場合もあります。この場合、医療調査は苦しい作業になります。素人ながら、被害者さんの訴える症状を丁寧に聞き取り、患部を触り、とくに画像や検査データを拝見します。もちろん、これらの作業は”医師法に抵触しない範囲で”行います。同法から、勝手な診断や見立てをしてはなりません。

 今回もこの苦しい作業をもってしても、活路は見出せませんでした。専門医にお連れし、精査を重ねましたが、新たな診断名がつくような所見は得られませんでした。つまり、後遺障害の再請求を断念です。さらに、弊所にとっての厳しさとは、これら医療調査の費用が十分に確保できないことです。被害者さんにとって結果として賠償額が上がらなかった作業に、被害者さんのお財布を開いて頂くことに躊躇があります。そこで、担当弁護士さんから費用捻出頂くことが多くなります。ここで、被害者さんの自動車保険・弁護士費用特約から頂けないか? がポイントになります。

 しかし、弁護士費用特約、これが最も難関です。行政書士にも相談料など設定されていますが、保険会社の感触とは・・「医療調査? 何の?」と、まったくの想定外の作業なのです。冒頭、加害者側の医療調査には費用を捻出する保険会社も、弁護士や行政書士が医療調査をする?・・ピンときません。これは仕方ない事だと思います。私共は医師でもなく、医療調査ができる人とは思われませんし、「被害者にとっての医療調査?」、その必要性など考えも及ばないのです。

 結果として、本日の医療調査から新たな所見は得られず、弁護士に賠償交渉を引き継ぐことになりました。弁特社から頂けるのは、わずかな相談料だけです。これでも有難いとには変わりませんが、病院同行3回、うち専門医に誘致して、診断書類からMRI画像の精査など、手間暇、経費、技術、これら専門的な作業の対価には到底見合いません。ある意味、弊所の敗北なのです。

 それでも、医療調査が功を奏し、賠償金50万円だった事件が3000万円まで上がったなど、このような大幅に増額した件は何度もありました。これらは決して大げさな数字ではありません。私共の医療調査は報われることもあるのです。この点で、ギャンブル性が高い仕事と言えます。あまり、他の行政書士にお勧めできない理由かもしれません。それでも、毎年届くお中元・お歳暮を目にしますと、解決して何年経っても謝意を示して頂ける依頼者様がおります。それらを励みに、今日も病院同行を重ねています。

 

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 実力者揃いの柱の皆さん、来週公開の映画で大活躍と思います(私はテレビ放送まで待ちますが)。      やはり、「鬼狩りは障害者の集まり」でした。全員に等級を付けたかったのですが、残念ながら伊之助としのぶさん、蜜璃ちゃんは認定を逃しました。鬼殺隊最強の悲鳴嶼さんが、一番重い障害者とは・・。

 「鬼滅の刃」の人気は、荒唐無稽なフィクションでありながら、どのキャラクターも周囲にいそうなタイプ(実際はいませんが)に投影できる点があり、物語にどこか普遍性を感じるからではないでしょうか。    暑さ厳しき折、皆さまもご自愛下さい。  

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 柱の皆さん、その実力はもちろん、個性が障害レベルにすごい。ある種のサヴァン(※)と思います。

※ サヴァン症候群(savant syndrome) ・・・ごく稀に知的障害や自閉症などの発達障害等のある人の中で、ある特定の分野で非常に卓越した才能を発揮する症状の総称。サヴァン症候群は、ある特定の分野の記憶力、芸術、計算などで、定型発達者よりも高い能力を有する人を示す。幼児自閉症の児童の約10%がサヴァン症候群であるとされる。女性よりも男性の方が多く、発達障害者でも稀だが知的障害者はそれよりも遥かに発症率が低い。      残念ながら、しのぶさんは認定を逃しました。個人的には、精神面で暗部が深く、一つ間違えればマッドサイエンティストの毒使いに・・・一番怖い人に思います。    つづき ⇒ 続きを読む »

 「寝ても覚めても後遺障害」の秋葉です。ドラマや映画でケガ人を見ると、「〇級が取れそう」と一人呟いております。後遺障害の研修でも、ご依頼者様の実例からが説明し易く、聴講者にとっても理解が深まるものです。ただし、守秘義務からどうしても詳細を語ることはできません。そこで、架空の人物です。映画やドラマ、アニメやコミックからの引用なら大丈夫です。

 ちょうど来週から映画公開「鬼滅の刃 無限城編」を記念して、秋葉事務所が主要キャラに後遺障害等級を付けてみせましょう!    ケガの多くは労災・障害給付の認定等級にあたりますが、慣れた自賠責保険の等級に置き換えています。また、一部は、精神障害者手帳など公的な障害等級も織り込みました。ご存知、ラスボス鬼舞辻 無惨のセリフに「鬼狩りは異常者の集まりだ」がありますが、秋葉は「鬼狩りは障害者の集まりだ」と宣言します。      高次脳機能障害では、5級、7級、9級であっても、学校や会社などで通常の社会生活をおくっている方は珍しくありません。しかし、伊之助は一般社会では問題ありでしょう。それでも伊之助、障害者としては該当しない点が意外でした。      つづく ⇒ 柱のみなさん  

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 自賠責保険と労災の審査基準は95%一緒と思いますが、確かに違いがあります。その一つに「因果関係」があります。

 自賠責保険は、「事故受傷による直接の影響で後遺症が残った」ことに厳しくこだわります。一方、労災は、症状の残存を顧問医が診察して判断します。ケガと後遺症の因果関係はもちろん重視しますが、自賠責に比べれば、非常に甘いのです。保険の性質として、「証拠がないと認めない」賠償保険である自賠責保険と、「労働者を救済する」補償制度としての労災は、そこに温度差があります。

 本件は、その点をにらんで主治医面談と申請に進めました。腰椎、膝関節、双方の画像を観たのですが、もし本件が自賠責保険であったら併合12級になったと思います。

自賠責と労災、双方を熟知している事務所に任せて下さいね   

併合10級 11級の5:腰椎骨折、12級の7:前十字・内側側副靭帯損傷(60代男性・茨城県)

【事案】

トラックからの積み下ろし作業中、転倒したもの。腰を強打し、右脚を捻った。診断名は、それぞれ第1と第3腰椎骨折、ACLとMCL損傷。   【問題点】

受傷時に救急搬送されず業務を続けた点、画像上、腰椎に明確な圧壊がない点、膝に明確な靭帯断裂がない点、これらは自賠責保険では命取りとなる。それでも、歩行困難になり、受傷から症状が悪化していった。これでは労基署にも印象が決して良くない。

主治医に面談し、因果関係など触れずにシンプルに症状だけ記載をお願いした。後は、顧問医診察で勝負とした。   【立証ポイント】

顧問医は好意的に評価して下さった。

・腰椎は、顧問医診察にて「せき柱に変形を残すもの」11級の5の評価に。自賠責では画像上の圧壊が認められずに12級13号に落とされたと思う。

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 確固たる画像所見がないと、いくら脊髄損傷・頚髄損傷と診断名が並んだところで、14級9号に落とされるのが自賠責の認定基準です。本件の画像所見が弱いが故、非常に厳しい立証作業となりましたが、自賠責は鬼ではなかったようです。画像に固執せず、全体像から12級が容認されました。    また、連携弁護士による賠償交渉は、相手と自分の保険会社が一緒であることを突いて、本来15:85程度の過失割合ながら、0:100にしました。この理屈、わかる人にはわかるのですが・・。   人身傷害の請求をする弁護士を選ばねければ数百万円損しますよ    その理由 👉 ときに「人身傷害保険への請求が交通事故解決の最大の山場」となる ① 全額回収ならず  

12級13号:頚髄損傷(50代男性・神奈川県)

【事案】

二輪車で交差点を直進中、右方から一時停止無視の自動車と出合い頭衝突となった。直後から四肢が動かず、しびれが重篤であった。以後、長期間のリハビリを余儀なくされた。

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 事故の被害について簡単に保険会社が支払ってくれないケース・・・例を挙げますと、過失割合での主張、全損での損害額(修理費に満たない)、格落ち損害、双方に過失がある場合の代車代、業務での休車損害、法人経営者の休業損害、これらが代表的でしょうか。

   もちろん、損害が生じたことについては、丁寧に証拠を揃えて交渉します。場合によっては、弁護士などを介して進めることになります。筋の通った主張や、民法に沿った要求であれば、渋々保険会社は応じると思います。一方、どう考えても無理筋な要求、疑わしい損害額、法律上叶わない主張、これらはいくら弁護士を介しても、裁判で訴えても、ダメなものはダメです。

 問題は、ダメな理由を丁寧に説明しても、納得して頂けない方です。損保代理店の場合、それが契約を頂いているお客様となります。私も代理店時代、支払わない保険会社と、請求するお客様の板挟みになり、苦慮したものです。それでも、熱意をもってご説明することで、ご理解頂けたと思います。しかし、どれだけ丁寧に時間をかけて、心を込めて説明しても、ダメな方がわずかにおります。この場合、契約は落ちても仕方ないと思っています。100%他人を説得することなどできません。人は神ではないのです。

 姿勢としては、熱意とポリシーをもって臨むことです。被害にあったお客さまの心情を汲みつつ状況をご理解頂くこと、感情を理解しつつ冷静に考えて頂く事、それらを尽くしてもダメなら、お別れも仕方ないとした経営理念です。    損保マン(代理店)からの相談の一定数は、「請求は困難だが、お客様が納得しない」件です。秋葉としては、いつも以下のように対応しています。    「代理店さんはどこまでいってもお客様の味方でなければなりません。そこで、私のような部外者、あるいは法律の専門家である弁護士から、是非や対策を説明します。」    このような第3者の説明を尽くした結果、お客様は少しづつ冷静になって頂けます。このような人の機微を知って、”説得ではなく納得”を促すことによって、少なからずご理解下さいます。それでもダメな方・・・今後のお付き合いは考えた方が良いと思います。顧客との関係上、万事、お客様の要望に押される関係が良いとは思いません。わからず屋とは、結局どこかで関係は破綻します。早い見切りも大事かと思います。ベテランの損保マンは、皆これをわきまえています。  

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 先週末、判決がでました。生活保護費の減額は違法か適法かが争われた注目の裁判でしたが、最高裁は27日午後、減額は違法とする判決を下し、国側の敗訴が確定しました。

 これまでも、全国で31件、原告の数およそ1000人に上る生活保護引き下げの取り消しを求める訴訟となっていました。高等裁判所の判決が言い渡されたのは12件。「違法」が7件、「違法ではない」が5件と判断が分かれるなか、最高裁は27日「違法」とする統一的な判断を示しました。今後、類似の裁判において、指標になると思います。    憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」

 日本国憲法第25条の「生存権」とは・・国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ必要な保護を行い、最低限の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とした法律です。     この精神から、国の財政(の悪化)に関わらず、一旦決まった金額は下げてはいけない・・ことになります。    憲法25条から、優しい日本が実現できていると思います。しかしながら一方で、ろくに納税していない外国人にまで支給するケースは問題視されています。私もネパールの方で、生活保護の支給を目当てに一族が続々と来日しているケースを目にしました。また、計画的に離婚してシングルマザーとなり、生活保護を受けている方もいました。実態としては、分かれた夫と夫婦同然の生活をしているのです。

 このような、制度の悪用を防ぐ手立てを強化する必要があると思います。また、度々議論される、「国民年金との逆転現象」は喫緊の問題です。真面目に年金を払ってきた人への年金支給額に、生活保護の支給額が接近しています。これは、年金など払わずに老後は生活保護を受給した方が得である・・とんでもない不公平を構成するのです。現在、年金を支払っていない層が、次々と老後になって生活保護を受給することになれば・・もう、支給額の減額は避けられない事態になります。財源には限度があります。結果として、”途中から下げられないのであれば、最初から下げる” 運用になりかねません。    将来の支給額はどうなるのか、対して憲法の精神をどこまで守るのか・・・実は、この問題は始まったばかりと思っています。  

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 本シリーズは会社側の視点から解説しておりますが、弊所の業務上、圧倒的に被災者側からの相談が多いものです。それも、労災と交通事故が被るケースが一番です。会社側の「労災を使うと労災の掛金が上がる」呪縛について、もう少し掘り下げます。   (4)最初に結論します。通勤災害はメリット制に関与しません。

 労災掛金の割増引きの計算=メリット制において、通期災害での支給額は労災支給額に含まれません。端から、通期災害での労災使用と労災掛金の上昇は関係ありません (終わり)。     ちなみに、通勤災害は、非業務災害率(過去3年の通勤災害率および、二次健康診断給付に要した費用その他を考慮して定める率)になります。非業務災害率は、平成21年4月1日に、従来の1000分の0.8から1000分の0.6に改定されています。非業務災害率は、メリット制適用の計算に関与しますが、割増引きに影響はありません。    (5)通勤災害での労災支給の実際

 通勤災害での支給とメリット制は無関係です。これで議論は終わりですが、さらに補足しますと・・通勤災害で労災を支給したとして、加害者がいれば、その自賠責保険や任意保険に求償しますので、ある程度の回収が期待できます。回収金があれば、当然に労災保険としての支出額は少なくなります。

 とくに、自賠責保険は被災者の過失が80%を超えるほど大きくない限り、被災者へ100%支払われるものです。重傷でなければ、労災からの求償は、自賠責保険からで間に合いそうです。限度額の120万円までなら全額が、後遺障害保険金からも、逸失利益分を求償できます。年収が300万円以下の被災者さんは、労災支給額のほぼ全額が回収されているようです。   ※ 業務災害でも、第3者となる加害者の存在があり、(事故に主たる責任がある)加害者から追って賠償金が支払われた場合、その分について労災から求償されることになります。ただし、業務災害の多くは会社側に責任が問われるケースですから、第3者がいないことが多くなります。第3者の多くは、移動中や配達中の交通事故における加害者です。これら交通事故であれば、通勤災害に同じく、相手の自賠責・任意保険に求償の余地が生じます。   (6)通勤災害の現実 

 それでも、間違った知識が先行しているのか、会社側は通勤災害であっても労災使用を嫌がります。理由は相手から(相手の保険会社から)補償が支払われるので、「労災は必要ない」、と考えるからです。しかし、被災者にも過失がある場合、その分、治療費や休業損害、慰謝料なども差っ引かれることになりますから、せめて治療費などは100%支給される労災を使った方が、最終的に被災者のお財布に入る額は上がります。    その理屈 ⇒ 通勤中の交通事故の場合、労災と相手保険のどちらに請求すべきか?     このような事情があるにも関わらず、会社側の業務災害・通勤災害問わず”労災使用を抑制する”感覚が根強いのです。    つづく ⇒ 労災が円満解決・紛争化の分岐点  

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