テーマは、「決して見逃してならない後遺障害3選」。顔面醜状痕、鎖骨骨折、むち打ちから3問出題、弁護士の解説を加えました。セミナー会場は雨の日も安心の駅直結です。
とくに、参加された損保代理店の方で、ちょうどご自身が転倒して肩鎖関節を脱臼し、その脱臼部分が出っ張っているとのことです。傷害保険に加入しており、通院などの保険金は受け取っているものの、後遺障害の申請をしていないそうです。早速、後遺障害診断書を記載頂き、鎖骨の写真を添えて提出するよう指示しました。死亡保険金額が1000万円なので、おそらく12級5号の認定から、その10%である100万円が支払われるはずです。
前回 👉 妊婦の死亡事故 、胎児への罪
「妊婦の死亡事故」に関する記事に、追補する必要を感じましたので、以下、任意保険の面から続けます。
(1)事故による、胎児の流産・死産、中絶の場合
お母さんに対して、通常の慰謝料に表のように加算されます。これは人身傷害保険の規定ですが、この金額を基準として、対人賠償でも考慮されているはずです。その他、傷害保険に同様の規定は、各社・保険によってまちまちです。
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ミカムロ(日本ベーリンガーインゲルハイム)
長時間、作用する新しいタイプの配合剤
血圧を上げる体内物質をおさえる作用のある成分と、体の血管を広げて血流が流れる際の抵抗を減らし血圧を下げる成分の2種類の有効成分からできている薬です。2つの成分が同時に作用することで、血圧が下がる効果が高まります。また、心臓の収縮をおさえて休ませる働きなどもあり、心臓や腎臓の負担も軽くなります。
この薬は、2つの有効成分の配合バラナンスが異なる「AP錠」と「BP錠」の2種類が用意されています。 ● 有効成分:テルミサルタン、アムロジピン ● ジェネリック:テラムロ 各社から後発薬が発売されています。
ブロプレス(武田薬品工業)
血圧を上げる成分をおさえ、血管を広げることで血圧を下げる
比較的新しいタイプの薬で、通称ARBと呼ばれる血圧治療主力薬です。心臓の収縮力を高め、細動脈を収縮して血圧を上昇させる体内物質をおさえる作用があります。それにより、体の血管が広がって血流がよくなり、体内の水分や電解質などの濃度が調整されて血圧が下がります。心臓や腎臓の負担も軽くなるでしょう。
主に高血圧症の治療薬として使用されていますが、症状によっては心不全などの心臓病や、腎硬化症などの腎臓病にも有効だと考えられています。緩やかに血圧を下げるので、初めて服用した時は、血圧が下がったと実感するまでに1~2週間ほどかかるかもしれません。車の運転や高所での危険な作業などを行う時は、注意が必要です。
また、これらの症状は徐々に慣れることが多いでしょう。血圧がなかなか下がらないからといって、自己判断で服用する薬を増量したり、服薬を中止したりしないで下さい。適正な血圧には年齢や性別などによって個人差がありますので、心配な場合は医師、または薬剤師に相談しましょう。 ● 有効成分:カンデサルタン ● ジェネリック:カンデサルタン「あすか」(あすか製薬)など
アムロジン(大日本住友製薬)
高血圧を解消するために、血管を広げて、血圧を下げる
体の血管を広げ、血流をよくする作用があります。血液が流れる際の抵抗が減り血管への圧力が下がるので、血圧が降下。また、心臓が過度に収縮することをおさえ、心臓を休ませる効果もあります。主に高血圧や狭心症の治療に使用されています。
この薬は、血管の壁にある筋肉の細胞内にカルシウムが取り込まれ、血管が収縮することに拮抗する、カルシウム拮抗薬に分類されます。食べ物や飲み物からカルシウムを摂取しても、そのカルシウムが細胞内に入ることはないので、サプリメントなどのカルシウムは血圧上昇に影響しません。
高血圧の治療薬として初めに選択されることが多い薬です。ゆっくりと効き目を発揮し、作用する時間が長いのが特徴です。服用開始後、頭痛や動悸などの副作用が出る場合があります。他の薬との飲み合わせには注意は必要です。服用期間中にグレープフルーツジュースを飲むと、薬の血中濃度に影響を与えることがあります。ただし、飲む量や体質にもよりますので、心当たりのある方は薬剤師に相談するとよいでしょう。 ● 有効成分:アムロジピン ● ジェネリック:アムロジピン「JG」(日本ジェネリック) 多数のメーカーからジェネリック医薬品が発売されています。
これから再請求をする被害者さんは、まず通知の理由を取り寄せ、しっかり分析してから臨んで下さい。 異議申立について ② つまり、「自身が何等級であるか」を分析する知識と、対策を講じる冷静さがないとダメなのです。まず、1.認定理由を理解し、2.不足した検査を補充し、3.新しい診断書や意見書を記載頂き、4.審査員が再調査をするに納得できる文章を書くことが必要です。この4段階をクリアする必要があります。実践的な話に移ります。 <異議申立の進め方>
① 認定理由をよく読む
残存する症状について、なぜ認められないのか、症状別に細かく書いてあるはずです。そこをしっかり読み取って下さい。
例えば、「頚部が痛い、重い」、「上肢がしびれる」、「関節が曲がらない」、「めまい、吐き気がする」・・・これらは自覚症状です。世の中の人間がすべて天使のように清純であればいいのですが、残念ながら嘘の症状、大げさな症状を訴える被害者も少なくありません。審査する側は、まず「疑ってかかっている」ことを肝に銘じて下さい。「なぜ、症状が信じてもらえなかったのか?」、足りなかった書類や検査を検討します。
② 自覚症状と他覚症状を結び付ける
調査事務所 お決まりの非該当、決め言葉 1
「同部に骨折、脱臼等の損傷が認められず ~ 自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見に乏しいことから、自賠責保険が認める後遺障害には該当しないと判断します」
否定の理由ですが、つまり、他覚的所見が乏しいのです。これは、医師の診断、検査・画像所見の不足を指します。
・ 不足している検査はないか?
神経麻痺なら筋電図や神経伝達速度検査が必須となります。これら検査をしていなければ、等級を付けようがありません。 ・ 症状を裏付ける画像は?
骨折の場合レントゲンやCTでOKですが、靭帯損傷などはMRIでないと写りません。 ・ 可動域制限・・関節の角度は正しい計測か?
間違った計測の場合は測り直す必要がありまが、そもそも、骨折や靭帯損傷など、器質的損傷が伴わないのに「曲がりません」と言っても信じてもらえません。神経麻痺で曲がらない場合は、筋電図や神経伝導速度検査など、検査での異常数値が無ければ信用されません。 ◆ 上記の検査結果が伴わない症状もあります。その代表がむち打ち、打撲捻挫の類です。骨折のように器質的損傷が画像に写らないものは、他覚的所見がそもそも無いに等しいのです。この場合、自賠責・調査事務所は全件を非該当とはせず、症状の一貫性や受傷機転、全体的な信憑性から14級9号認定の余地を残しています。それらを示す申請書類を揃える必要があります。 ③ その症状はいつから? 調査事務所 お決まりの非該当、決め言葉 ...
新コーナー「保険の百科事典」の編集にて、過去記事のブラッシュアップを進めています。その中で、14年前の記事、「異議申立について」(自賠責保険・後遺障害の再請求)を大幅に改変しました。秋葉事務所の姿勢についても、より明確に説明し直しています。 一度申請して出た結果には、それなりの重みがあります。できれば、初回申請で遺漏なく書類を揃えて提出すべきです。ところが、保険会社が教えてくれる必要書類は最低限のもので、医学的に要求される検査や書類など、なんら指示はありません。そして、医師も何が必要なのか、知らされていません。治療者の立場からの診断書記載に留まります。したがって、不完全な申請となることは普通なのです。
また、「むち打ち、頚椎捻挫」などの場合は、「初回では等級はくれないな・・2度目で認定の覚悟」の申請もあります。とにかく、後遺障害申請は奥が深いものです。弊所でも再申請の50%は認定をとっていますが、毎度、大変な手間暇となります。改めて、14年前の意見展開を令和Va.でUPします。 異議申立について ① 異議申立てについては、等級変更の可能性のある件だけをお引き受けします。 弊所&連携弁護士は仕事の基本を、「受傷から解決までを間違いなく案内する船頭たるべし」としているからです。「駄目元で再申請したい」、「気持ちの整理の為に、もう一度申請したい」・・そのような動機だけでの受任に対し、ご依頼者の貴重なお金と時間を頂くことが忍びないからです。
中には、どうしても異議申立(再請求)をやらざるを得ない、お気の毒な被害者さんが存在します。限定的ですが、お引き受けすることもあります。最初からお任せいただければベターなのですが、相手保険会社任せ、あるいはご自身で動いた結果、つまづいた・・厳しい状態からのスタートを覚悟しなければなりません。
また他の選択肢として、異議申立てに積極的な事務所、完全成功報酬制で着手金0円(等級が変わらなければ0円)の事務所もあるようですから、そちらをご検討いただいた方が良いと思います。お金だけ取られて同じ結果は目も当てられません。 さて、今年数件の異議申立て、再異議申立て、自賠責紛争機構への異議申立てといくつか手がけました。およそ50%は成功していますが、再請求が不調となった件については、「なぜ、認められなかったのか?」を分析します。失敗の原因を浮き彫りにしましょう。 <異議申立てが不調となる理由> 1.非該当、もしくは認定された等級の理由書を読んでいない。
自賠責保険調査事務所は必ず「理由」を明示しています。自賠法16条の4および5 (最下段参照)で決められているからです。ですから、その理由に対しての反論が必要です。それなのに、「なぜ私のケガが○級なのか! 非該当はおかしいのではないでしょうか! 審査に納得がいきません、どうしてなんでしょうか?」・・・単に怒っている、愚痴をいっていっている、文句を言っている、再質問を繰り返している文章が目立ちます。認定されない理由に対しての感情論に終始、的確な反証をしていません。これでは再審査になりません。
2.
通勤災害での労災使用を総括します。しつこく、繰り返します。
第4話 通勤災害で労災を併用する
(1) 相手に保険会社があるから労災は使いません
交通事故の場合、真っ先に請求する相手は、加害者の保険会社ではないでしょうか。それは通勤災害、業務災害の場面でも同じかと思います。確かに、加害者が弁償するのが筋とは思います。しかしながら、交通事故で労災を使いたいと申し出ると・・・
「相手(保険会社)のいる交通事故では、労災は使えません」
又は
「相手に保険があるので、自賠責の120万円の枠が終わってからでないと、労災を適用することはできません」 ・・・かつて労基ですら、このような対応でした。社会保障制度ですから、じゃぶじゃぶ使われると困ります。加害者に支払い能力がある=保険がある場合は、そちらを優先し、支払いを抑制しなければならない側面は理解できます。しかし、近年の労基は文句言わずに普通に使わせてくれます。なぜなら、健康保険に同じく、「使うか否か」、「その順番」でさえも、請求者の意思が第一と、法で定められているからです。 (2) 会社の責任は?
通勤中の交通事故に対して、会社に責任があるわけありません。あくまで、加害車両の責任でしょう。あるいは、被害者となった社員にも過失が問われるかもしれません。したがって、通勤災害では、労災の掛金の計算、メリット制が除外されているのです。掛金は上がりません。安心して使えます。
とくに、20:80など、被害者となった社員さんは、賠償金から20%差っ引かれます。治療費や休業給付は、事故後、全額支払われてきましたが、最後に慰謝料等から、20%引かれてしまうのです。労災を使えば、少なくとも、治療費などは全額確保できます。つまり、被害者にとって、過失案件での労災併用はマストなのです。
会社になんらデメリットのない、通勤災害での労災使用、文字通り社員への福利厚生のための制度ですから、助けてあげても良いと思います。きっと、その社員は会社に感謝するでしょう。 (3) 労災利用で会社も「助かった~」の例 労災 14級の9 : 頚椎捻挫(20代男性・埼玉県) 【事案】
その日は、社有車で通勤の社員Aさん、赤信号で交差点に進入、右方よりのトラックと衝突、横転してしまった。たまたま積んでいた什器も壊れて修理費が100万円! 幸い、運転者の社員Aさんは頚椎捻挫で済んだのですが・・・。 【問題点】
100:0事故です。車両保険に入っていないので、車両と什器の損害は合わせて200万円になった。社長はカンカン、社員の給与から差っ引くぞ!と息巻いて・・・。 Aさん「会社、辞めようかな」と秋葉に相談にいらした。 続きを読む »
お気づきと思いますが、HPに新コーナーを設置しました。過去の業務日誌の記事で有用と思われるものを項目ごとに整理した格好です。キーワードの検索では、なかなかたどり着けなかった記事を見つけ易くすることが目的です。タイトルも大仰に「保険の百科事典」としました。
百科事典ほどの情報があるのか?と言われそうですが、交通事故にまつわる保険の話題としては、他のネット情報をみても比類ない量と思います。独自の論点も多く、マニアックな方には一定の価値があると思います。実際、様々な保険・医療・書き込みサイトに引用、又はリンクもされているようです。 過去記事は古くなる一方で、情報は日々変化しています。常に、新情報へ更新を怠るわけにはいきません。逆に、古い話ながら、現在も有用かつ応用のきく記事も多いものです。それらを活かしつつ、記事のブラッシュアップを進めていきたいと思います。医療の進歩や、秋葉の考え方も変わってきている点、文章が稚拙な点、単に読みづらい点などからも、再構築の必要があるのです。
新情報・新記事への更新には、しばらく時間を要しますので、旧い情報については、是非とも現状の確認をお願いしたいと思います。とくに、規則、法令、保険約款は記事の日付時点のものです。ご注意の上、ご覧下さい。