かつての記事に今頃アクセスが急増していますが、そうだったのか・・
  
 その記事 👉 「あしたのジョー」で高次脳機能障害を語る
 
 『あしたのジョー』の作者で、2024年には漫画家として初めて文化勲章を受章したちば てつや先生、10月22日に87歳で亡くなったことが発表されました。

 「あしたのジョー」とは、戦争孤児で少年鑑別所上がりの不良少年が、下町のドヤ街(禁止用語になるのでしょうか?)に流れ着き、ボクシングを始め、そこから世界チャンピオンに挑戦するまで這い上がるストーリーです。背景はバリバリの昭和です。もはや戦後は終わり、高度経済成長期の時代です。順調にサラリーマンになり所得が上がる人々、一方でそこからこぼれ落ちた人々が流れ着く山谷のドヤ街・・時代の影の部分と思います。スポ根漫画の中で、もっとも丁寧に労働者階級の機微を描いた、言わば東京下町の一大叙事詩です。

 実は、ジョーはアメリカンドリームの象徴「ロッキー」より早い作品でした(ジョーは1968年連載、ロッキーは1976年公開)。ロッキーもフィラデルフィアの貧民街からチャンピオンになりますが・・・ジョーは試合に敗れ、その後の生死すらわからず終了しています。
 
  
 
 それぞれの像を見比べると・・ジョーは台東区の土手通り、ロッキーはフィラデルフィア美術館と、その設置場所の違いが明確です。ジョーは山谷の街角に、ロッキーはフィラデルフィアの広場に、日米スポ根ヒーローの立ち位置の比較ができます。
 
 原作者である梶原 一騎 先生は、ご存知の通りスポ根漫画の元祖です。他にも、野球、空手、柔道、プロレスまで端広くこのジャンルを広げた先駆者です。しかし、ちば先生と組んたこの作品はちょっと特別です。漫画もアニメも同じく独特の影と郷愁があり、今でも人々の琴線に響き続けていると思います。世界的影響力では「キャプテン翼」に、画力では「スラムダンク」に、それぞれ及びませんが、これを超えるスポーツ漫画は未だに出ていないと思います。

 ラスト、”真っ白になった”シーンによって、ジョーのその後は観る人それぞれの解釈に投げられて・・永遠の作品になったと思います。
 
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