お仕事を持つ主婦が被害者の場合、その休業損害の請求方法は二分します。会社の休職分を請求するケースと、主婦の休業損害を請求するケースです。兼業主婦の休業損害について整理しましょう。
 
 前者は、会社に休業損害証明書のご記載をお願いし、事故前年度の源泉徴収票をつけていただきます。主婦の場合は、世帯全員の載った住民票が証明書になりますが、単に家族構成を説明するだけで足りることもあり、実に簡単です。

 余談ですが、世界では余程のお金持ちでない限り、完全な専業主婦は希少です。専業主婦を意味する単語も少ないそうです(英語ではfull-time housewifeと単語になっていません)。専業主婦とは、日本独自の職業と言っても過言ではありません。もっとも「専業主婦」とは、もはや昭和的な響きかもしれません。現在は共働き世帯が多く、結婚後も会社を退職せず休職、出産・育児後に復職する奥様も多くなったと思います。
 
(1)主婦or仕事、どちらで請求するか?

 パート兼主婦、会社員兼主婦の場合、どちらで請求するかは、1日あたりの賃金の額で判断します。主婦の収入は、自賠責や保険会社の基準ですと6100円/1日です。したがって、お勤めの賃金と比較して多い方を選ぶべきです。同程度の金額なら、休業損害証明書等、提出書類の面倒の無い主婦が良いと思います。


  
(2)主婦こそ、弁護士に依頼しよう

 さらに、弁護士が裁判基準で請求すると、10000円ちょっと/1日ですから、断然お得になります。この金額は、賃金センサスの額ですが、毎年、微増傾向です。1日あたり約4000円も多いので、通院日が30日もあれば12万円もお得になるのです。弁護士費用特約があれば一層、弁護士に頼まない手はありせん。

 労働実態が問われそうですが、旦那より遅く起きて、朝ドラから昼ドラまでお煎餅をかじりながらゴロ寝、掃除も洗濯も帰宅した旦那がしているという、グータラ主婦でも支払われます。家族内の家事負担など証明しようがないからです。主婦とは、総じて証拠のない、言わば収入証明の必要がない職業と言えます。
 
◆ ちなみに内縁関係の場合、同居の証明ができればOKです。保険会社は同じ住所に届いていることがわかる郵便物を見せるだけで信じてくれます。
  
(3)対する損保は?

 当然に家族構成を聞いてきます。ご主人だけではなく、勤労中の親、独身の子供などと同居していれば、主婦性は認められます。家計の担い手と同居していればOKです。

 基本的に、入院期間は家に居ないのですから全日認められます。通院日もまぁ認めてくれます。ただし、ケガの状態は当然に考慮されます。「打撲捻挫で数か月も一切家の家事ができないことはないでしょう」との反論は正しく、最初の1ヵ月は通院の全日を認めても、2カ月目以降から50%、4カ月目から30%など、逓減・減額(減らしていく)となります。重傷の場合や、腕の骨折や脚の骨折の場合は、通院日だけではなく一定期間、毎日みてくれることもあります。
 

 
 昔の損保の話ですが、「身体障碍者もスポーツができるのですから、脚の骨折でも仕事や家事はできるでしょう」と言われたことがありました。そりゃ、特別な訓練を積んだアスリートであれば可能でしょうけど・・。
  
 ⇒ 主婦の休業損害について整理します ~ 後編