むち打ち、14級9号「局部に神経症状を残すもの」の認定が毎度のことですが、これは、広く人体のすべての部位にも当てはまります。自賠責保険は”症状の一貫性”などから、障害を認めることがあります。ただし、今回の相手は自賠責ではなく、個人賠償責任保険です。自賠責同様の検討を促すことになります。

 作業は、検査を重ね、しっかり医証を集め、後遺障害診断書の記載には医師面談を行い、弁護士に託して交渉・・毎度のルーチンワークをするだけです。問題は兵庫県伊丹市ということだけ。新幹線代は弁護士費用特約から捻出して頂きました。

 全くもって、事故の解決には保険会社の存在が欠かせません。今回も相手と自身加入、双方の保険会社に助けられたと思います。
 
伊丹まで出張となりました

個人賠償 14級9号:第3指関節打撲(10代男性・兵庫県)

【事案】

自転車で走行中、対抗自転車とすれ違いに接触、転倒したもの。以来、左中指の痛みと上肢のしびれが続いた。


 
【問題点】

相手自転車に個人賠償責任保険の加入があったが、過失はせいぜい50:50との考えから賠償には消極的であった。

症状についても、健保で治療を続けたが改善が進まなかった。相談を受けて、神経伝導速度検査をするようアドバイスしたが、神経損傷等はみられなかった。
 
【立証ポイント】

骨折や神経損傷など、症状を裏付ける診断名がなくとも、症状の一貫性から14級9号に標準を合わせた。相手は個人賠償責任保険なので、その賠償社の自社認定に付すことになる。病院同行を行い、診断書類を完備させた。次いで、連携弁護士に集めた書類を託し相手保険会社に諮ったところ、14級が認定された賠償提示となった。

後は過失割合と逸失利益の交渉が課題。当方弁護士は、相手自転車の右側通行等から30:70まで相手の譲歩を引き出した。逸失利益は5年間が相場ながら、中学生であるところ18歳高校卒業を想定せざるを得ず、賃金センサスの1年となった。これは、正当な賠償計算であり、当方弁護士と相手損保も容易に合意となった。