鬱の検査です
 
 交通事故では、精神面にも影響が出てしまうことがあります。後遺障害申請の場面で必要とすることはあまりないかもしれませんが、精神科の病院などを受診すると、入口としてこの検査を実施することがあるようです。

 SDSとはSelf-rating Depression Scaleの略で自己評価式抑うつ性尺度と呼ばれています。この検査では患者さんが20の質問に答えていく心理検査で、うつの程度を客観的に数値化することができるようです。主観的な心理検査なので、SDSの結果でうつ病が診断できるわけではないようですが、症状の程度を推測することで、治療方針や治療効果の判定に生かすなどを目的として用いられているようです。この検査の原案を作ったのは、デューク大学のツアン教授ですが、日本においては1965年に福田一彦さん、小林重雄さんらで日本語版の作成に至りました。作成時から大幅な改定もありませんが、古くなるということもなく妥当性を得られている検査なので、未だに多くの医療機関の心理検査として実施されています。
 
 SDSはうつ症状による心身両面の特徴的な症状を質問(下記の表)し、点数の高さである程度の状態判断をします。


 
 次の表がその質問に対応する評価です。

 
 
 最低点が20点、最高点が80点となるこの検査ですが、40~47点を軽度、48~55点を中等度、56点以上を重度と判断し、中等度以上の場合、治療をしてもいいのではないかと考える医師が多いようです。しかし、整形外科でいう「自覚症状」と同じ評価のため、立証としては不十分ではないかと感じてしまいます。新型コロナウイルス感染の蔓延により「うつ病・うつ症状」の人の割合が2倍以上に増加したとも言われています。通院を検討する前にまずは、ご自身でこの表に回答してみてもいいのではないかと思います。
 
※ 弊所はあくまでも交通事故に特化した事務所でありますので、お悩みの方はプロフェッショナルである精神科医にご相談ください。