あたり屋は主に人身事故に関する詐欺ですが、事故を装う詐欺の手口は様々です。長くこの業界におりますと、定番的な手口には必ず遭遇します。保険会社・代理店時代の2例を紹介したいと思います。  

○ 追突事故で腕時計が割れた!

 使い古された手口ですが、いまだに腕時計被害を訴えて相談会にやってくる者がおります・・・ネットを通じて詐欺方法が広く流布されているのだと思います。

 歩行中や自転車搭乗中、自動車に跳ねられて転倒した場合、腕時計の破損はありうると思います。しかし、自動車同士の衝突、それも軽微な追突事故で腕時計が割れることなど、あるのでしょうか? 

 実際、自動車の修理費20万円位の事故で、相手方が1週間後にもなって、割れた腕時計を持って保険会社にやってきました。ローレックスの代金80万円の請求です。保険会社担当は、「またかよ」と心で呟き、支払いを拒絶します。「事故の衝撃で腕時計をハンドルに打ちつけた」など、不自然極まりない説明です。さらに、事故直後に破損に気付かないわけはありません。「何日かしてから気付いた」などと言いますが、その間、1回も時刻を見なかったのでしょうか。ちなみに、割れたバッタもんのローレックスは東京・上野のアメ横で売っています。何の為に割れたまま売っているのか?・・。→ その調達に要した1週間かもしれません。  その後、すったもんだを繰り返して、諦めさせることが通例です。私の場合、本件事故は過失20:80でしたので、時計の修理代金の一部をみる代わりに、過失割合を有利に、加えて代車代を含めた賠償金を対案にして、相手保険会社に飲ませました。すっきりしない解決ですが、お客様第一は果たしたと思います。

 昔はヤクザ者や半グレなどが頻繁に使った手口ですが、今や堅気の衆がチョイ悪感覚で詐欺を行うことが多いのです。保険会社や警察に一層の対策が望まれますが、根本的には道徳の問題ではないかと思ってしまいます。  

○ 家が3回燃えた

 世の中には不幸な人がいるもので、今まで住んだ家が3度も全焼したそうです。当時、担当していたお客様の事故連絡を受けて、現場に駆けつけました。

 3回も不審な出火で全焼?そんなわけありません。やはりというか、焼け跡の実調に外部の損害調査会社の方がきまして、一通り見回った後に私に一言、「この人、3回目だ」と。

 このお客様、保険会社の窓口に自動車保険の車両入替手続きに来店、その手続きについて、たまたま支社に居合わせた私に振られたものです。それを契機に、後に自動車保険、火災保険の契約に繋がりました。火災保険の契約の際には、家財の貴重品について細かく設定しました。貴金属や書画・骨董品は「明記物件」として、予め保険契約の際に申告し、証券に記載します。やけに宝石類が多く、細かい人だなぁと思いつつも、基本通り丁寧に保険契約したつもりです。この時に(怪しいと)気付くべきでした。それから3ヶ月後の火事でした。

 火災後、調査レポートを受け取った保険会社は、頑なに支払いを留保しました。有責(支払う)とも無責任(支払わない)とも明言せず、ただひたすら「調査中です」との回答です。その間、保険会社側は私に繰り返し契約の経緯を聴取してきました。今思うと、「代理店もグル」のケースもあるので、わずかに疑われていたのかもしれません。(代理店さんは気をつけた方が良いです。いざとなったら、保険会社は代理店ごと切捨てることもあります)

 そしてさらに3ヶ月、業を煮やした仮被害者さん(としておく)は、私を事務所と言うか倉庫に呼びつけ、物騒な若い衆数名でぐるりと囲みながら、「何故、火災保険金を払わないのか」と尋問です。当然ですが、一営業マンに支払いの権限などありません。私も「保険会社は調査中とのことです」としか答えられません。逆に、こちらからも「何故、過去2回も火災がありながら、黙っていたのですか!」と怒りの追及です。対して、「お前はどっちの味方だ!」とキレまくる始末。なんとか(「支払います」との)言質を取ろうとしているのでしょうか、不毛な恫喝が繰り返されます。このようなやり取りが2時間、世間では「監禁」と言うそうですが。

 その後、相手が保険金請求訴訟をしてきてもビクともしない情報を集めたのか、保険会社の態度は毅然としたものでした。そして3ヶ月、仮被害者さん事務所に行くと、引越して跡形もなくなっていました。何も言わずに去った・・この辺では顔を知られすぎたのでしょうか、新しい職場?を求めて他地域に移ったようです。

 この仮被害者さんの奥さん・ご家族、経営する会社の従業員(若い衆)のすべてにお会いしたわけですが、誰もが自ら放火した保険金詐欺と薄々わかっていたはずです。それでも、沈黙をもって、詐欺的請求を容認する人間模様をみた感があります。詐欺を行う人間の性質を鑑みるに、どうも、「偽装事故でも証拠さえなければ、本当の被害事故である」と定義する、確固たる信念を持っているように感じます。犯罪心理学的には、「行為障害者」の類でしょうか。道徳的な内省など皆無、「自分さえ良ければ他人は関係ない」利己主義の突き抜けた状態です。    いずれにしても、このような小悪党、職業的な犯罪集団の存在が、保険金の損害率を不当に悪化させ、善良な請求に対しても疑いをもつ=保険会社の支払姿勢を硬化させる原因となります。このような輩に弁護士はじめ、関係する業者は絶対に肩入れはできません。「社会全体をもって締め出す」、このような共通認識が必要かと思います。  

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 あたり屋とは、以下の説明の通り、事故を装ってお金をせしめようと画策、それをほとんど生業としている人です。偽装事故による詐欺は様々ですが、、ここでは名前のごとく、体を張って損害を請求する「あたり屋」の手口と末路についてお話ししましょう。   ○ あたり屋とは? (wikipediaから引用)

端的な説明としては、よくまとまっていますので、まず、確認してみましょう。

概要

当たり屋は故意に交通事故を起こし、人身事故における治療費や慰謝料、物損事故における修理費、またはこれらの事故の示談金や保険金などを請求するものである。事故による精神的動揺に漬け込んで行われる犯罪である。

犯人と共謀した者が第三者を装って出現し示談を勧誘する事例もある。

保険金を目的とする場合は保険金詐欺に該当するが、交通事故を起こした原因が過失であるか故意であるかの証明は、場合によっては非常に困難になるため、警察による保険金詐欺の捜査や、保険会社の調査部門による保険調査も、非常に慎重に行われるのが通例である。  

事例

物損事故に見せかけるもの

車(自転車も含む)や人体に当たって、眼鏡やスマートフォン、腕時計などの持ち物を落として破損したなどと、物品の弁償や修理代の支払いを迫る。また、駐車場などで軽く車を接触させ、修理代を要求するものもある。

 割れたローレックス(多分バッタ物ですが)が代表です。

イタリア北部などではドアやサイドミラーへの接触事故を装った当たり屋の事例が報告されている。   人身事故に見せかけるもの

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 他記事からの引用で恐縮ですが、損保会社の気になる新システムです。完全普及と言えそうなスマホを活用した新システムは、各分野で近々の課題となっています。弊所でも応用したシステムが望まれます。本格的な導入は無理としても、アイデアは参考にしたいものです。   「視界共有システム」の全国展開  ~迅速な損害調査でお客さまを全力でサポート!!~

 MS&ADインシュアランスグループのあいおいニッセイ同和損害保険株式会社(社長:金杉 恭三)は、ICT(Information and Communication Technology) を活用した商品・サービス強化の一環として、2016年度よりスマートフォンを活用した「視界共有システム」を、一部の提携修理工場との間でトライアル導入を進めてきました。6月より全国の修理工場へ対象範囲を拡大し、動画と音声によるリアルタイムな損害調査を実現し、これまで以上に迅速な対応でお客さまを全力でサポートしていきます。

1、「視界共有システム」導入の背景

 当社の損害サービス業務は、゛お待たせしないサービス゛、゛親身な対応゛、゛プロフェッショナルの安心゛を提供する「全力サポート宣言」を掲げ、サービスの向上に努めています。とりわけ、事故車両の見積業務の精度向上と修理期間短縮を目指して取り組んできました。  事故車両の損害調査は、技術アジャスター(物損事故調査員)が修理工場などに出向き損害を直接確認する方法、工場から伝送された静止画像にて確認する方法、または写真プリントで損傷を確認する方法を用いていますが、いずれの方法も損害確認・修理開始までに一定の時間を要していました。

2、リアルタイム損害調査を可能にした「視界共有システム」

 スマートフォンを活用した「視界共有システム」は、高品質な動画映像により、静止画像では確認が困難であった細かい線傷やパネルの歪みなどが確認でき、遠隔地の修理工場ともリアルタイムで修理内容の打合せ・決定が可能となります。その結果、修理工場はお客さまへ修理 内容・金額を早期に案内することができ、迅速な修理着工・納車や保険金支払いが可能となりました。

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 4年前の古いニュースからで恐縮です。 ご存知の通り、アジア各国の中間層に自家用車の購入・所持が増大しています。中国もかつては富裕層に限られたマイカー所持でしたが、当然に中間層の所得が向上、自動車は上向き産業となっています。  自動車の増加に付随して交通事故問題が浮上することは、歴史の必然です。今後、自賠責保険の整備と自動車保険の販売増がアジア各国で軒並み進んでいくことでしょう。日本は人口減の局面ですので、すでに自動車登録台数も下り坂となっています。自動車保険も成熟産業から斜陽産業へ・・保険の個人マーケットでは、国内損保の目は海外へ向いているのです。

 中国は日本のように、自賠責保険がどこの会社であっても関係なく、どの保険会社(任意社)でも一括払いができる・・この融通が利きません。ご存知の通り、任意社は、先行して対人賠償の対応・支払を行い、後に自賠責保険に求償します。一見、当たり前のようで、これは被害者にとって請求先が2ヶ所にならずに済む、便利な制度なのです。

 一方、中国では、自賠と任意、それぞれの会社に請求することになります。よって、自動車保険の契約者は、事故のときに面倒なので、自賠と任意を(一括払いし易くするため)同じ会社にしていました。これは、海外の保険会社の参入に致命的な問題です。自賠責は共産主義国のバリバリ国営企業です。いくら任意保険の販売の許可を得ても、中国の国民は自賠責と違う会社を選びません。したがって、自賠責保険の参入なくして、中国の自動車保険のマーケットなど、無きに等しいものだったのです。

 しかし、時代の趨勢でしょうか、中国はもはや「開放政策」などと呼ばなくなったくらい、市場の解放が進み、海外との貿易額はヨーロッパの資本主義国すら上回ります。4年前、ついに、自賠責保険の販売を日本の保険会社へ許可しました。欧米と日本の保険会社にとって、中国における自動車保険の自由化を果たしたと言えます。  

大手損保、中国で自賠責保険に参入へ 東京海上などが認可取得

  日本の大手損害保険会社が中国の自動車損害賠償責任保険(自賠責)市場に参入する。東京海上ホールディングス(HD)など大手損保3グループは日本での自賠責にあたる「交通強制保険」を取り扱う認可を12日までに中国当局から取得。損保各社は国内市場の伸び悩みを補うため、有望な中国市場の開拓を急ぐ。

損害保険ジャパンなどが傘下のNKSJHDと、三井住友海上火災保険などのMS&ADインシュアランスグループHDも進出の見通しが立った。いずれも中国当局から「商品販売」の認可を得て正式に販売を始める。

中国では事故を起こすと、任意保険と自賠責保険の申請手続きをする。別々の保険会社だと申請に手間がかかるため同じ会社の保険に入るのが普通だが、これまで日系損保は任意保険しか扱えず、苦戦を強いられてきた。欧米系損保は日本に先んじて認可を得ている。

中国の損保市場は2010年の約3900億元(6兆4000億円)から、13年には約6400億元(10兆5000億円)と急拡大している。  <日経新聞より引用>  

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 先日の代理業協会のセミナーから、反響が大きかったテーマを少し取り上げます。    私の保険会社での研修時代は、SC配属時も含め、徹底的に知識を詰め込まれましたが、何故か後遺障害の知識だけはポッカリ穴が空いたように、学ぶ機会がありませんでした。あたかも後遺障害だけを避けているかのようです。

 また、ある代理店さんから聞きましたが、「秋葉事務所は保険会社の支払を増大させる、リザルトを悪化させる立場の人間」であり、拒絶感をもっているそうです。しかし、講義を聴いた皆様はお分かりと思います。保険とは適正な支払と、それに応じた掛け金によって、制度が保たれているものです。支払いの増大は、掛金値上げ、あるいは補償内容の縮小で調整するものです。本来、保険会社が払い渋りをする必要などないのです。それなのに、保険会社や代理店さんが、自らのお客様に対して後遺障害を秘匿し、不当に低い支払いをすることは、むしろ、このバランス・均衡を阻害するものです。

 そして、真にリザルトを悪化させる者は不正請求者のはずです。この者達が共通の敵であり、保険会社や代理店さん、そして交通事故に携わる者すべてが、協力してその排除に注力すべきなのです。適正な保険金支払と、リトン・ベイシス・ロスレシオから適正な保険料が算出されること、これこそ、人智が生み出した保険と言うシステムだと思います。  

排除すべき被害者御三家

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 自賠責保険の資金、つまり、契約者から集めた掛金が勝手に他所に貸し出して、戻ってこない? 問題があります。

 簡単に説明しますと・・自賠責保険の支払い準備金は、所管の国土交通省、要するに国が管理しています。交通事故被害者救済のために貯めたお金ですが、割と余裕を持って貯めてこんでいるものです。これを、国が財政難の名目で、自由に使えるお財布へ一時的に貸し出しをしています。しかも、一向に返さない・・。この問題ですが、以下、毎日新聞さんの記事を読んでみましょう。  

度重なる延期 6000億円超の期限が来年度に 

 交通事故対策のために限定して集められた自賠責保険の資金が、国の歳入不足を補填するため一般会計に繰り入れられている。それを自賠責保険の勘定に繰り戻す期限が来年度に迫っている。ところが、来年度予算の概算要求額は4年連続で100兆円の大台を突破し、拡大に歯止めがかからない状態だ。その一方で、2019年10月に予定されている消費税率の10%への引き上げは、これまで2度にわたり繰り延べされており、ひょっとしたら3度目があるかもしれない。6000億円を超す自賠責の資金は一般会計に取り込まれたまま戻ってこないのではないかと、関係者の心配は募るばかりだ。

 一般に自賠責保険と呼ばれている自動車損害賠償責任保険は、交通事故に遭った被害者の救済を目的とした制度だ。自動車と原動機付自転車で公道を走る場合、自賠責保険に加入した車両以外は運転してはならないことから、強制保険とも形容されている。

 1955年の自動車損害賠償保障法施行に伴い開始され、あらかじめ自賠責保険に加入することで、被害者は被害者請求制度を使って交通事故の加害者を介さず、最低限の損害賠償金を被害者が直接受け取ることができる。

 自賠責保険に加入していない車両が引き起こした事故や、ひき逃げで加害者が不明なケースでも、交通事故の被害者補償を行っている。公益性の高い制度で、その原資は、自賠責保険の保険料がベースとなっている。

 この自賠責保険を基盤に運営されている自動車損害賠償保障制度は、01年の自賠法改正で現在の仕組みに移行した。損害保険会社の支払い能力に問題がないとして、政府が行っていた再保険の仕組みを廃止した。再保険料の運用益などプールされていた約2兆円の資金のうち1兆1000億円は保険料の引き下げなどユーザーの利益還元に用い、残る8700億円は積立金とし、その運用益を被害者救済と事故防止対策のための資金にすることになった。

 ところが、再保険制度が廃止となる前から、政府が運営していた自賠責の再保険運用益は「埋蔵金」とみなされるようになり、財政赤字の穴埋めのため、自賠責にまつわる特別会計から一般会計へ繰り入れられてしまった。

 94年度と95年度で1兆1200億円が一般会計に繰り入れられた。96年度から繰り戻しが始まったものの、基金への繰り戻し額は今年度末で6921億円にとどまり、元本で4848億円、その間の運用益相当分の1321億円と合わせ、6169億円が一般会計から返還されないままになっているという。  

積立金の取り崩し続く

 その結果、自動車事故対策機構(NASVA)などが行っている被害者救済や事故防止のため、その運用益を充てるとされた積立金の額は1786億円に細ってしまった。被害者救済と事故防止のための年間の経費127億円のうち運用益で賄える分は約30億円で、毎年100億円程度は積立金を取り崩さざるを得ず、このままでは制度の維持が心配される事態に至るのではないかと心配されている。

 被害者救済と事故防止対策の充実が、このままでは妨げられてしまうとして今年9月には、国土交通省が設けた「今後の自動車損害賠償保障制度のあり方に係る懇談会」と、金融庁の「自動車損害賠償責任保険審議会」のメンバーを中心に、「自動車損害賠償保障制度を考える会」をつくり、意識障害の交通事故被害者の家族でつくる会や、自動車産業の労使でつくる団体、損害保険会社の労組連合会などの支援を受け、一般会計からの全額繰り戻しを実現するため、政官界に向けた要請活動を行うことになった。

 積立金の運用益をもとにした被害者救済と事故防止対策については、交通事故の件数や死者の減少とは異なり、対応のさらなる充実が求められている。それが、「考える会」の要請活動の背景にあるようだ。

 交通事故による死者数はさまざまな対策の結果、大きく減っているものの、重度の後遺障害者は交通戦争と言われた時代と比べそれほど減っていない。救急医療も含めた医学の進歩や車の安全性能が向上し、道路設備の整備も進んだこともあって、死亡事故になる確率が減っている。

 交通事故により遷延性意識障害を負った重度の後遺障害者については、積立金の運用益をもとにNASVAが運営している療護施設の役割が大きい。NASVAが運営している療護施設での症例は、脳神経外科学会や意識障害学会での研究発表を通じ学術的にも貢献し、これからの医療にとって最大の課題と言ってもいい大脳機能の解明にも役立つだろう。意識障害の患者の家族を長期に支えるための介護料の支給も重要な役割だ。

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 保険を売るプロは言うまでもなく代理店さんです。通販の保険会社も保険販売を担うプロです。しかし、両者の区分けはどんどん薄れています。保険は生保、損保限らず、ネット販売が拡大し、もはや、個人宅に訪問しての更新手続きは珍しくなっています。

 保険代理店時代はそれこそ、自動車、火災、傷害保険の更新のたびに契約者様宅にお伺いしていたものです。しかし、保険業界はネット手続きに移行することは規定路線で、スマホでの契約、更新、異動(変更)、解約、すべての手続きは完了することになります。すると、保険の営業担当者の仕事はもはや、新規獲得だけです。また、保全作業(普段の顧客メンテナンス)が減少すれば、お客様との親密度が下がり、契約落ち、つまり、他保険へに切り替えが多くなります。長らく人間関係で保ってきた契約関係が希薄になるので仕方ないと言えます。

 確かに、保険販売は時代の流れ、それでよいかもしれません。しかし、いざ、事故の場面となれば、ネットで完遂するわけではなく、保険会社SC(サービスセンター=保険金支払部門)の人身担当、物損担当の交渉業務、アジャスター(損害調査)の査定業務など、人的サービスが絶対的に必要です。それは、保険会社だけに生じるものではなく、契約者さまが請求者となった場合にも生じるものです。

 例えば、高齢者や重傷者がケガをした場合、保険金請求を円滑に進めることにそれなりの困難があります。特に、後遺障害などはしっかり医療立証しなければ、等級が薄まります。また、複雑を極める保険から、何がどのように支払われるのか? もはや、保険代理店さんやSC職員でさえ、簡単に見落とします。それは、相談会で被害者の皆様と対峙していて痛感します。例えば、傷害一時金がでることを知らない、実家の保険が適用されることを誰も指摘しない、弁護士費用特約の加入に気付かないなど、様々な保険金請求漏れの根です。私達の相談業務はあたかも、これらの指摘が第一に思えてきます。「この事故でおりる保険を精査します」・・このような業務が、保険の世界で残された人的サービスの一つかもしれません。

掛金を払ったら、いざと言う時に保険金(恩)を返してもらわないと・・詐欺になってしまいます

   最近は保険代理店さまとタッグを組んて、保険金の請求場面に力を入れています。結局、保険は加入しても、請求しなければ、何の役にも立ちません。保険の請求手続きは加入手続きより重要であり、必要あれば誰かがそのサービスを担わなければなりません。それこそ、弊社の業務の一つと思っています。常に医療調査の傍ら、損保、生保、共済のみならず、労災その他公的保険への請求手続きを行っています。つまり、保険請求のプロを自覚しています。  

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 残念ながら相談者さまのすべてが正当な障害認定、補償を受けるべき被害者ではありません。交通事故被害者の中で一定数に必ず、保険金目当ての詐病者(うそ偽りのけが人)、もしくは過大に損害を主張する者が存在します。    それら不心得者は詐病者とまではいかないものの、自らの症状をできるだけ過剰に装います。医師はそれをある程度見抜きますが、それをかいくぐり、診断書を確保してくる、なかなかに巧妙な詐病者が相談にやってきます。ここで、交通事故外傷に不慣れな法律家は診断書と訴える症状を信じて受任してしまいます。依頼者を信じることが第一歩ですので、その法律家を責めることはできません。しかし、騙されたとはいえ、不当な主張をすることは詐欺のほう助になります。やはり、責任は免れないでしょう。

 したがって、相談を受ける私達も詐病者を見抜く目を持たねばなりません。それにはあらゆる傷病に精通すること、交通事故外傷の経験を多く積むことが必要です。そして、何と言っても”人を見る目”も肝要と思います。これは人生経験がものを言うので、なかなかに難しい。保険金目当てに不届き者も日々ネットで知識を得て、勉強をしているのです。依頼者を信じることが基本・スタートである以上、常に騙されそうになります。

 しかし、私が見抜いて依頼を断ったものの、その相談者は別の弁護士に相談に行って契約すると思います。その弁護士がおかしな請求をすることによって、保険会社がより頑なになる悪循環・・。そして、支払われる保険金は全保険契約者の支払っている掛金なのです。

 被害者の一番の敵は加害者でも保険会社でもなく、このような詐病者、保険金詐欺の連中ではないでしょうか。 c_g_ne_77

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 医療調査、障害立証を業とする私の仕事は「交通事故被害者の救済」を信条としております。しかし相談にいらっしゃるすべての被害者を助けるわけにはいきません。交通事故・相談者の中には一定数の詐病者、心因性被害者が含まれるからです。    各地の相談会では、「この被害者はおかしい」と判断せざるを得ない場面があります。そして、受任してはいけない被害者を見抜かなければなりません。しかし、これがなかなかに難しい。交通事故の経験豊富な弁護士でさえ騙されることがあります。どうやって見抜くのか?そこで少し古い話題ですが、興味深い記事を目にしましたので引用します。話題の二人について学者の難しい分析より、マジシャンであるマギー司郎さんの意見に大いに共感しました。    「5月10日『東京新聞』 虚と実のあいだ」 より    obo「…テレビ、舞台は心が映るレントゲン」って弟子たちには言っているんです。身振り手振り口ぶりを通して自分自身が全部出てしまう。佐村河内さんの謝罪会見を見たけれど、隠し事をしているように感じたなあ。一方、小保方さんはうそを言っているようには見えなかった。何か思い込み、考え違いが根っこにあったのかもしれないね。…」  

 すっと得心しました。私は話題の二人の記者会見に、交通事故被害者の観察と類似性を感じました。ここでは、二人を詐病者や心因性と断罪する文意ではありません。マギー師匠の観察に同じく、この2人の記者会見から被害者を見抜く・見分けるコツがあるように思ったのです。言い換えると確信犯と盲信者の違い、でしょうか。

 詐病者は何らかの目的をもって、それはもちろん保険金・賠償金ですが、嘘の傷病、重い症状を装います。これは犯罪者なので、絶対に排除しなければなりません。また、心因性被害者も困ったもので、悪気はないにせよ自身を重大なケガと思い込み、本当にどんどん悪くなっていきます。信じる者にはどんな説明もお手上げです。これも事故の保険・賠償金の対象から遠ざけなければなりません。一概に言い切るには乱暴ですが敢えて言いますと、詐病者は男性に圧倒的に多く、心因性被害者は圧倒的に女性に多いようです。    保険会社は常に疑いの目をもって被害者に対峙しています。私たちは、保険会社のように簡単に疑うことはできません。本当に助けるべき被害者だったら・・罪なことになるからです。

 新人の補助者、期の若い弁護士と一緒に仕事する機会が多い中、なかなか難しいのですが、見抜く目を感覚的に教えていくしかありません。被害者をよく観察することが基本としながら私もよく迷っています。  

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 昨日、ノルウェーから交通事故相談のメールが入りました。なんでノルウェーから???差出人は「ノルウェーの森です」とあります。誰だ?ノルウェーに知人はいません。おっかなびっくり開いてみました。メールの文字は日本語のフォントとなっています。読んでいく内にようやく思い出しました。

 10年前、ロシアの旅先で会った日本人です。数日一緒につるんだバックパッカー仲間の森君でした。なんでもオスロで交通事故に遭い、日本のサイトを検索していたらこのHPにたどり着いたようです。相変わらず定職に就かず世界中を回っているようです。しかしよくみつけましたねぇ。  質問内容は、事故相手が無保険らしいのですが、日本の強制保険みたいなものはないのか?ということです。「そんなの知るか!」と思いましたが、一応調べて回答しました。

 なんと最初に自動車の強制保険加入を義務付けたのはノルウェーです。さすが福祉大国というべきでしょうか。100年前の1912年には自賠責保険加入が強制化されています。その他ヨーロッパで自賠責保険が次々と制度化され、デンマークやスウェーデンの北欧諸国、そして西欧のイギリス・ドイツが続きました。現在東欧を除きヨーロッパのほとんどがほぼ制度化されているようです。(ちなみにアメリカは最低補償金額を任意保険で加入するよう義務づけられています。)補償内容は対人だけではなく対物も設定されているようです。日本の被害者請求に類似する請求も可能のようです。  幸い軽傷のでした。後は現地で調べてもらいたいとこです。オスロの日本大使館に相談すればなんとかなると思います。  

 10年前、私はウラジオストックの広場でほんの一日ですがギター弾き語りをしていました ・・・ビートルズの「ノルウェーの森」を歌うと、知り合ったばかりの森君は「じゃ北欧にでも行ってみるか・・・」ウオッカ片手につぶやいていたっけ。本当に行ったのだな。

 

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 お盆です。ご先祖様の魂が一時帰宅します。日本人の死生観をもっとも感じるこの季節、交通事故で亡くなったアニメキャラを通して、交通事故死亡者数の推移、自賠責保険の死亡限度額・増額の歴史を振り返ってみましょう。

 まずはおなじみのグラフから。このように1970年のピーク、1万6765人から減少を続け、90年代にやや盛り返しましたが再び減少を続け、現在は5千人を切るまでになりました。このような推移はやはり世相に反映するもので、70年代のドラマはやたらと交通事故のエピソードが多く、交通事故が身近なリスクと認識されていました。当然ながら子供が観るマンガやアニメにも交通事故の影響があるはずです。マンガやアニメをほとんど観ない私ですが、夏休みなので頑張って調べてみました。

タイガーマスク/伊達 直人 「タイガーマスク」

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 私は学校を卒業後、直ちに損保業界に入り、その後、一貫して交通事故分野一筋でやってきました。最近、依頼者さんから質問を受けました。    「秋葉さんはなぜこの仕事を選んだのですか?」    この質問には即座に答えることができます。この機会に少し語りましょう。    損保会社勤務の時、担当する顧客さまの御嬢さんが自転車でおばあちゃんにぶつかり、骨盤骨折をさせる交通事故がありました。この顧客さまの契約に個人賠償責任保険が付帯されており、この保険を使っておばあちゃんへの賠償を行うことになりました。このおばあちゃんは御年80歳、このケガから排尿障害や歩行不能となり、ほぼ寝たきりの状態になってしまいました。ご家族は会社員のご長男のみ。対して担当する顧客様(加害者側)に個人賠償責任保険の加入があり、最高3000万円まで支払えます。

 その後、10か月を超える治療を行いましたが、回復の兆しはありません。ついに、治療の長期化を懸念する保険会社の指示のもと、治療費打切り=示談の運びとなりました。事故後、数度にわたり顧客様(加害者)と謝罪に訪れ、それなりに馴染んでいる私が示談交渉に同席しました。

 最近の個人賠償責任保険はある程度、保険会社の示談代行が可能となりましが、この時代は示談代行ができず、顧客様が示談交渉を行います。しかし、示談金がいくらになろうとも支払額は保険会社の認定額までです。つまり、保険会社の認定額以上の示談金は顧客負担となってしまいます。したがって、心配なので営業担当ながら私も同席し、示談交渉を手伝います。これは実質、担当者である私が示談代行(代理交渉だと違法です。保険会社の人間はあくまで「代行」なので違法ではないと解釈されています)をすることになります。

 そこで被害者親子に保険会社の提示額320万円の説明を行い、「申し訳ありません。これ以上支払いはできません」とひたすら土下座です。

 対して、心優しい親子は、    「秋葉さんがそう言うのなら仕方ないです。それで示談でいいです」と・・・。    会社に戻り、支払担当者から「秋葉くん、よくまとめてくれた!さすがだね!」と賛辞の嵐、支払部門は大喜びです。このように保険会社時代、営業担当でありながら、いくつもの交通事故を解決させました。

 この被害者さんは、骨盤骨折癒合不良による股関節の可動域制限、排尿障害で併合9級(自賠責基準で616万)となるような障害です。介護料なども勘案すれば少なくとも2000万程度の損害賠償が見込まれます。しかし、後遺障害のことなどまったく触れずに示談成立です。

 当時は現在のように後遺障害、賠償の知識がありませんでしたが、320万はあり得ない、その倍額位にはなるのでは?と思っていました。これからおばあちゃんはどのくらい苦しむのだろう・・・息子さんは介護のために仕事を犠牲にするのだろうか・・・それとも自費で介護を行うのか・・・320万では焼け石に水です。    もうね、嫌になったのですよ、保険会社側の仕事が。    このようなケースは決して珍しくありません。交通事故の実際とは、そして保険会社とは・・・時に被害者にとって大変厳しいものなのです。もちろん、保険会社の存在が、広く被害者を助けている現実は承知しています。それでも、重傷者の多くは十分な損害の立証を経ないまま、余りにも低い賠償金で解決されています。被害者が損害の立証方法や賠償額の相場を「知らない」が故、320万円で許すと言えば確かに民事上の契約成立=示談です。なんら違法ではありませんし、安い支払いに抑えることが営利企業である保険会社の望ましい立場です。それはわかっています。そこで割り切れるか否か、先のような経験が少なければ損保業界に残っていたでしょう。残念ながらそのような経験の数は多く、私は割り切れませんでした。しばらく腐って仕事はそこそこに、ロックバンドに加入、ライブ活動中心に生きていました。  

 それからなんだかんだで10数年、腐ったままにはあまりにも長い年月を経て思い立ちました。保険会社は確かに被害者を助けていますが、それはあくまで加害者側の責任を全うすることであり、契約者である加害者を助ける仕事です。結果として、反射的に”広く浅く”被害者を助けているに過ぎません。    そこからこぼれた被害者を担う、”狭く深く”助ける人も絶対に必要です。どうせ仕事をするのなら、そこで仕事をしよう!・・・そして現在に至るのです。    今なら、先の親子のために後遺障害9級の認定を行ない、弁護士と共に1000万を超える額を得るために戦うでしょう。    これが私の原点です。保険会社の社員・関係者は国内に10万人、少しくらい被害者の味方になっても良いと思います。

 すべての仕事に共通しますが、「志」のない仕事は単なる金儲けです。この精神を来月から研修を受け持つ後進に伝えていきたいと思います。  

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 アメリカの自動車保険事情を簡単に言いますと、訴訟社会であるが故、賠償保険が絶対的に必要です。そして無保険車が多く、ぶつけてきた相手が十分な保険に加入している、もしくはしっかり補償をしてくれるなど、まったく期待していません。移民も多い多国籍国家なので、日本と違い他人への信頼度が低いと言えます。したがって自身の補償保険も必須です。

 加入率ですが、都市部では70~80%、一方地方は加入率も当然低く、30%を切る州もあります。これは州によって最低保険の加入額や関係する法律に違いがあることが一因です。

  <一般的な内容>

■ Liability Coverage(≒自賠責保険)

 日本のように自賠責保険加入が車検の絶対条件としていません。それに代わる制度として自動車の登録・更新制度があります。更新料(Renewal Fees) の支払いとともに、スモッグチェック証明書(Smog Certification)、自動車損害賠償責任保険(Liability Insurance) に加入していることを証明するもの(evidence)を提出しなければなりません。多くの州で2年更新です。

 この強制保険には最低補償額が設定されており、それに満たない運転者には罰則で対処しています。カリフォルニア州では対人は、事故1件、1人の死傷に対し15,000ドル。2人以上に対して30,000ドル。対物として5,000ドルです。

■ Bodily Injury Liability (対人賠償)

 自動車事故により他人を死傷させた場合に、医療費や休業補償をするものです。相手が死亡する、後遺障害を負った場合、十分な額が必要です。

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