まったくもって不遜なタイトルですが、秋葉は10年前、弁護士向けの研修を多く担当してきました。テーマは保険と後遺障害が多くを占めました。法律の専門家である弁護士と言えど、保険知識や医療知識は不案内ですから、交通事故業務に造詣を深める為には、避けて通れない知識・分野と思います。
もっとも、それらの知識を避けて通る先生もおりますから、そのような先生に依頼する場合は、依頼者も覚悟が必要です。つまり、自分で治療計画を立て、後遺障害を立証し、各種保険請求を進め、相手損保との交渉だけ弁護士先生に任せる形です。それで上手く解決へ進むこともあります。ただし、保険をよく知らない、ケガの知識も乏しいとなると・・心配な先生に任せることになると思います。
さて事務所を開設した頃は、心配な先生に任せたが行き詰って・・弊所の電話が良く鳴ったものです。お話を伺うと、「健保の書類で難儀しています」、「労災がなかなか進まなくて」、「検査先がみつからなくて(困)」、「後遺障害等級がでたが、これで正しいのでしょうか?」、「後遺障害を異議申立しようと思いますが、弁護士が難色を示して・・」などは毎度の話です。これらは、すでに弁護士に依頼していながら、ですから困ったものです。そして最悪は、「依頼した弁護士と中々連絡が取れないので・・」に尽きます。
弁護士先生が仕事をサボっているとまでは言い過ぎですが、少なくとも適切な誘導ができる知識や経験に不足していると言えます。交通事故の一定数は法律知識だけでなんとかなるものではありません。先述のように、保険や医療の知識は必須で、事故直後からはむしろ各種手続き業務に終始するからです。それらで被害者が困窮していても、「業務範囲外ですから・・」としている先生の方が多いのです。そして、コミュニケーションすら不全に陥っている場合、弁護士解任・交代も止む無しと思います。
最近は「すでに弁護士に依頼していていますが・・」からの相談は減ったと思います。しかしながら、年に数件は必ずあります。全ての弁護士が交通事故に精通しているわけではなく、なんとなく「やってます」事務所の方がまだ多いのです。被害者さんもよくよく刮目して事務所を選ばなければならない、これは変わらないと思います。”優秀2割、ダメ2割、どっちつかずが6割の法則”・・どの業種でも、能力の優劣や、業務の得意・不得意はあります。それは弁護士とて変わらないのです。

一方、被害者の味方である弁護士さんも、主婦休損の立証から、一流~三流で以下のような差になります。
三流:これは、ずいぶん前の交通事故相談会に参加された被害者さんです。すでに弁護士に依頼済ですから、セカンドオピニオンになります。見せてもらった賠償請求書ですが、弁護士のポンコツぶりに落胆したものです。なんと、内縁関係の同居者である奥さんですが、ケガで休んだスーパーマーケットのパートの賃金を休業損害として、杓子定規に請求しています。週3日勤務で1日5時間・時給1100円です。つまり、1日あたり5500円。クソ真面目に職場へ休業損害証明書と源泉徴収票を取り付けて、相手損保に提出済ではないですか!
対して、相手損保担当者さん、27500円なら喜んで支払うでしょう。しかし、最終的に自賠責の回収額を下回る支払いはご法度です(任意保険会社の不当利得になります)。慰謝料がそれほど延びず、支払いに余裕がある場合、弁護士先生に対し、「先生、休業は最低6100円みれますので、6100円×5日で計算しますね」と、おまけみたいに増額してくれます(相手損保に増額してもらってどうするの!)。こんな気の抜けたサイダーみたいなやり取りをたまに見かけるのです。
二流:損害賠償論に習熟した弁護士です。内縁関係であろうと、「実質、二人は家族です。旦那は勤務しており、パートとはいえ被害者の主業は主婦です。」ときっぱり、1日約10700円×実通院日数で請求します。相手担当者も難しいことは言わず、認める傾向です。
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「内助の功がない」とされるケースは、独居者(自分の為の家事でしかない)、それと、主婦休損の相談数トップとなる、シングルマザーです。
さて、当然に損保でも裁判所の定義を踏襲しており、シングルマザーに主婦休損の適用はありません。しかし、ここにも勉強不足の担当者がいます。シングルマザーに対し、その代理人弁護士が請求するところの1日あたり約10700円を、通院日数分の30日支払ってきました。大手損保の担当者では見たことがありませんが、小規模損保や共済、とりわけ地方の担当者で度々経験しています。要するに、勉強不足から裁判例や東京地裁の定義を知らないようです。いずれ、保険会社のすべてに浸透する原則論と思いますが、情報不足、勉強不足の担当者は間違いなく残っているのです。
一方、被害者の味方である弁護士さんも、レベルの差は歴然です。一流~三流で、以下のような差になります。
三流:シングルマザーで主婦休損を請求後、相手損保の担当者から、「先生、ご存じと思いますが、シングルマザーはお父さん扱いなので、その労働収入から休業損害を計算します」とピシャリ。依頼人に対して、当初は大盛の賠償額(一日10700円×通院日50日)から、「休業損害はお勤め先の1日6500円×会社を休んだ日の5日だけになりました」と大幅減額に・・最初の勢いはどこへ、段々小声になっていきます。
二流:最初から原則通り「シングルマザーでは主婦の休業損害になりません」と、まったく請求してくれない先生がおりました。交通事故の知識は豊富で裁判例にも詳しいのですが・・法律やルールに従順過ぎるのです。依頼者にも初めから「裁判でも無理とされています」とピシャリ。相手担当者の提示を待つことはしません。確かに正しい知識からの賠償請求なので、スムーズに交渉は進みます。





最低限、人身傷害で賄われたとしても、何もしてくれない相手を許せるはずがありません。後遺障害の請求から弁護士費用特約を利用、ネットで「交通事故に強い」と宣伝する弁護士事務所に依頼しました。弁護士は、まず、相手の自賠責保険に被害者請求をかけてくれました(無保険は任意保険で、自賠責だけはありました)。自賠責保険の後遺障害保険金を先に確保です。続いて、支払い能力が定かではない加害者に訴訟提起しました。

ここまで説明すればお判りと思います。交通事故被害者さんが弁護士を選ぶ場合、最初に解決方針をしっかり聞く事です。「先生、裁判基準満額が取れない場合はどうしますか?」この質問に対し、妥協なき方針、確固たる戦略を提示できない先生は、竹光を差した効率先生と思って下さい。
(闘いの記録 ~ 秋葉事務所と弁護士の連携記事)
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