【事案】

原付搭乗中、交差点で左方から自動車が進入し、衝突した。救急搬送され、鎖骨骨折と上腕骨骨折、他に大腿骨折、膝蓋骨骨折の診断となった。

【問題点】

既に事前認定で、股関節の可動域制限で12級7号、膝の疼痛14級9号で併合12級が認定されていたが、「こんなもんでいいのかな・・等級が低いのではないか?」と連携弁護士が相談を受けていた。鎖骨骨折した部位がまだ痛いことを聞き、肩を観察したところ、怪我をしていない方と比べて少し膨らんでいるように見えた。何故、鎖骨について何も認定されていないのか、後遺障害診断書を確認したところ、鎖骨骨折について全く記載がなかった。

【立証ポイント】

主治医に確認したところ、鎖骨については前任医師が診ていたため、失念していたことが分かった。後遺障害診断書に鎖骨について追記して頂く際、主治医に鎖骨変形を認めて頂き、かつ左右比較できるXPの撮影も依頼した。外観上も画像上も鎖骨変形が確認できた。

これら写真と画像を添えて再申請の結果、鎖骨の変形で12級5号が認定された。危うく後遺障害が見逃されるところだった。全国で鎖骨変形の認定を漏らしている被害者は大勢いると思う。

(令和1年7月)