今年に入って半年が経過しましたが、方々からの相談、それも、ルート不明の相談が目立っています。    紹介元の多くは、弁護士さん、保険関係、まれに病院からもありますが、かつての依頼者さんも多いものです。最近の傾向として、かつての依頼者さんから、職場、親戚、友人を通じての間接的な紹介が多くなっています。この場合、元々、どなたからの紹介かすぐに分かりません。友達の友達ともなれば、辿って聞いていくしかありません。

 それだけ、宣伝少ない事務所ながら、専門性からの口コミが増えているのかと思います。何より、かつての依頼者様に感謝ですが、この口コミこそが事務所存続の屋台骨かもしれません。日々、ご依頼者の期待に応え、納得頂ける対応を続けること、これこそ、事務所の存在意義と思っています。

 早くも、今年の半分が終わりました。下半期から来年にかけて、コロナ減収を取り戻したいと思います。  

続きを読む »

 外傷性骨化性筋炎(がいしょうせいこっかせいきんえん)  

※「画像診断まとめ」 のホームページから引用しています。

  (1)病態

 骨化性筋炎は、骨や関節周囲の軟部組織に外傷などの刺激が加わって起こる異常骨化現象で、本来、骨組織が存在しない部位に発生する骨化と定義されています。外傷性骨化性筋炎は、異所性骨化症ともいわれ、筋肉の炎症に引き続き、カルシウムが沈着し、石灰化現象が起こって筋組織の中に骨が形成されることを意味しているのです。

続きを読む »

 股関節中心性脱臼(こかんせつちゅうしんせいだっきゅう)   (1)病態

 先に説明した股関節後方脱臼骨折は、dashboard injuryを原因とすることが多いのですが、中心性脱臼は、転子部の強打、つまり、側方からの外力が加わることで発症しています。

 交通事故では、自転車・バイクVS自動車の衝突で、自転車・バイクの運転者に多発しています。   (2)症状

 鼠径部の激痛、腫れ、歩行困難   (3)治療

 関節包が破れることは少ないのですが、臼蓋底骨折により、大腿転子部は陥没します。大腿骨の遠位部を力点とし、10数kgの重りで4週間の直達牽引を行います。    これにより、大腿骨を臼蓋底から引っ張りだし、臼蓋底骨折部が自然に癒合するのを待つのです。長くても、4~6週間でリハビリテーションに移行できます。

 外傷性股関節脱臼には、後方脱臼、中心性脱臼以外にも、前方脱臼があります。前方脱臼では、関節包前面を損傷し、大腿骨頭骨折や大腿骨頭靱帯断裂、大腿動脈損傷、大腿神経損傷を合併することが多く、重症例ですが、滅多に発生することはありません。   (4)後遺障害のポイント   Ⅰ.

続きを読む »

(4)後遺障害のポイント   Ⅰ. 股関節の後遺障害の対象は、股関節の機能障害(可動域制限)、下肢の短縮、大腿骨頭壊死に伴う人工骨頭もしくは人工関節置換、痛み・その他不具合(局部に神経症状を残すもの)の4つです。   Ⅱ.

続きを読む »

(1)病態

 乗車中の交通事故で、膝がダッシュボードに打ちつけられ、発症することが多く、dashboard injuryと呼ばれています。

 運転席や助手席で膝を曲げた状態のまま、ダッシュボードに膝を打ちつけ、大腿骨が関節包を突き破り後方に押し上げられて発症します。  

 股関節脱臼に伴い、寛骨臼=大腿骨頭が収まっている部分の骨折も、多く見られます。全体の70%は、後方脱臼となっています。   (2)症状

 鼠径部の激痛、腫れ、股関節の異常可動性、内側に異常に曲がる状態となり、後方に大腿骨が押し上げられ、大腿骨は、短縮化しています。   (3)治療

 単純XP撮影で、大腿骨頭が、寛骨臼から外れているのが確認できます。

続きを読む »

 飲み会はあくまでセミナー後の懇親会です。今年の甲府セミナーは、ゲストに家庭問題に詳しい弁護士先生を招き、いつもの交通事故の研修に加え、離婚についての解説と質疑応答を実施しました。

 先生によると、最近の離婚相談の傾向として、① 熟年離婚 ② 妻側が有責配偶者 が増加とのことです。

 熟年離婚の年齢幅も広く、80歳を超えて離婚をする方もいたそうです。また、以前は圧倒的に夫の浮気を原因であったところ、妻側が有責配偶者、つまり、奥さんの不倫が増加しているそうです。思わず、「H末さんのケースですね!」と声を挟んでしまいました。    家族のありようも多種多様になった現在、結婚も多様なケースがあり、離婚問題も複雑化していくと思います。参加頂いた皆様ですが、いつもの交通事故の話題より明らかに食いつきが良く、懇親会でも離婚に関する話題で盛り上がりました。どうやら、皆さん、他人ごとではないようです・・。  

毎度お世話になっております、ぴゅあ総合ロビーを見下ろす

 

続きを読む »

【事案】

自動車にて信号待ち停止中、後続車に追突される。直後から頚部痛等、強烈な神経症状に悩まされる。   【問題点】

仕事が多忙であるが故に、通院日数が少々心配ではあった。また、賠償社と弁特社が同じ会社であったため、早期の弁護士介入等ができなかった。   【立証ポイント】

遠隔でのやりとりで、半年間の治療費確保とMRI検査の実施までこぎつけた。MRI検査の結果を伺う診察時に、院長から「申請しても、通るかどうか、認定は厳しいかもね。」と言われてしまった。

その後、病院同行を重ね、自覚症状を丁寧に説明、勝負できそうな後遺障害診断書にしていただけた。通院日数が60日に満たなかったため、ご本人に異議申立の覚悟を促すも、「症状も事故当初に比べれば良くなったし、仕事に集中したいので、どのような結果であっても受け入れます。1発勝負でお願いします。」との決意。

GWを挟んで約40日で吉報が届いた。いい意味で予想を覆されたが、無欲の勝利とはまさにこの案件のことであろう。   (令和5年6月)  

続きを読む »

 認定数・種類とも相当数を積み重ねていますので、申請前には、ほぼ認定等級の予想がつきます。その予想は9割がた外しません。逆を言えば、予想を外す案件が10%あることになります。

 本件の14級認定はダメだと思っていました。それでも、依頼者さまの意向を踏まえ、厳しい再チャレンジの結果・・・秋葉事務所の予想外10%となりました。本当に良かった。

 早速、日本中が涙のシーンを借ります

 

非該当⇒14級9号:頚椎捻挫(20代男性・静岡県)

【事案】

自動車にて直進中、左脇道から侵入の自動車と衝突、受傷したもの。主訴は頚部痛、肩痛、腰痛。   【問題点】

続きを読む »

【事案】

自動車にて直進中、左脇道から侵入の自動車と衝突、受傷したもの。主訴は頚部痛、肩痛、腰痛。   【問題点】

事務所の経験上、追突されるより、出合頭衝突の方が軽傷、したがって認定率が低いように感じる。衝突の瞬間、身構えることができるからかもしれない。

半年リハビリを重ねたが、主治医はそれ程に重篤とは思わなかったようで、後遺障害診断書に「経時的に改善する」と残した。修正をお願いしたが聞き入れられなかった。案の定、その言葉を示した非該当の回答。あきらめようかと考えていた。   【立証ポイント】

言葉は重い。どう覆すか・・医師に『頚椎捻挫の症状の推移について』の意見書で、症状の見通しについて、より詳しく記載頂いた。3カ月程度で軽減する部位は、肩痛・腰痛で、頚部痛は「不変」として頂き、その経緯と言うか、ほぼ言い訳を書きこんだ申立書を提出した。

正直、認定は厳しいと踏んでいたが、久々に予想を覆す判定が届いた。知らせを受けた依頼者さまの涙に、思わず「よかったねぇ」とつぶやいた。

(令和5年6月)  

続きを読む »

(4)後遺障害のポイント   Ⅰ. 頭部外傷 高次脳機能障害認定の3要件?

① 頭部外傷後の意識障害、もしくは健忘症あるいは軽度意識障害が存在すること、

② 頭部外傷を示す以下の傷病名が診断されていること、

③ 上記の傷病名が、画像で確認できること、

 そして、②の頭部外傷の傷病名には、脳挫傷、急性硬膜外血腫、びまん性軸索損傷、急性硬膜下血腫、びまん性脳損傷、外傷性くも膜下出血、外傷性脳室出血、低酸素脳症と記載されています。

 この低酸素脳症が、肺脂肪塞栓、脳脂肪塞栓に合併する後遺障害、高次脳機能障害となります。   Ⅱ.

続きを読む »

肺脂肪塞栓(はいしぼうそくせん)   (1)病態

 骨折の合併症の中で、最も重篤なものです。骨折により損傷した骨髄中の脂肪滴が、破綻静脈内に入り、脂肪滴が静脈を通じて大量に全身に循環した結果、肺や脳などに脂肪による塞栓が生じると、重篤な呼吸・神経麻痺を起こします。

 多発外傷>骨盤骨折>大腿骨骨折>脛骨骨折の順で発症の可能性が高く、上腕骨骨折、頭蓋骨々折、胸骨々折や肋骨々折では、まったくと言っていいほど報告がありません。骨折と脂肪塞栓の因果関係について、外傷後の骨折の結果、体内の脂肪代謝が変化し脂肪塞栓を引き起こしているのではないか? そんな学説もあり、現在も、原因は特定されていません   (2)症状

 通常は受傷後、12~48時間の潜伏期を経て発症、多くは発熱、頻脈、発汗が初症状で、過半数の症例に前胸部や結膜に点状出血=赤いポツポツが見られます。肺に塞栓が生じたときは、胸痛、頻呼吸、呼吸困難の症状を訴え、低酸素脳症に発展したときは、意識障害を起こします。詰まった脂肪が大きく、太い血管に詰まったときは、ショック状態で死に至ります。    余談ですが、歌手のフランク永井さんは交通事故ではありませんが、この低酸素脳症で歌手復帰ができないまま、お亡くなりになりました。呼吸症状のために急速なヘモグロビンの低下を招き、動脈血ガス分析=動脈中の二酸化炭素や酸素量を調べる検査では、70㎜Hg以下の低酸素血症を示します。

 肺に塞栓が認められるケースでは、肺のXPで、両肺野に特有の snow storm =吹雪様の陰影が見られ、脳内に塞栓が生じたときは、MRIで、急性期には点状出血に一致してT2強調で白質に散在する高信号域の小病巣がみられます。 続きを読む »

肺血栓塞栓(はいけっせんそくせん)

(1)病態

 心臓から肺へ血液を運ぶ血管である肺動脈に、血液や脂肪の塊、あるいは空気などが詰まり、肺動脈の流れが悪くなる、閉塞してしまうことを肺塞栓症と呼んでいます。血栓が原因では、血栓塞栓、脂肪では脂肪塞栓、空気では空気塞栓と呼ばれています。

 これらの中では、肺血栓塞栓症が最多となっていますが、交通事故で発症することは稀です。次に多いのは、交通事故や外傷などで、下腿骨を骨折したとき、骨髄にある脂肪が血液の中に入り、静脈を通って肺に詰まる脂肪塞栓で、複数例を経験しています。

 余談ですが、最後の空気塞栓は、疾患ではなく、自殺目的です。静脈に空気を注射すると、その空気は泡となり、血管の中を流れ、最後は肺で詰まるのです。ある心臓外科医は、七転八倒の苦しみであり、自殺の中では、最悪の選択と言っています。

 肺血栓梗塞は、塞栓により、肺組織への血流が途絶え、その部位から先の肺が壊死するものです。代表的には、下肢の静脈内でできた血栓が肺に詰まるエコノミークラス症候群です。飛行機を利用する海外旅行では、座ったまま、長時間同じ姿勢で過ごすことが多く、下肢の深部静脈内に鬱血が生じ、この血流の停滞で、血液が固まり、血栓ができることが予想されます。目的地に到着、飛行機から降りようと立ち上がり、歩き始めたときに、血栓が血液の流れに乗って移動し、肺動脈を閉塞するのです。長時間の座位を続けるのではなく、ときどき、下肢の屈伸運動をする、脱水にならないように水分を十分に補給することが、予防になります。    症状・治療・後遺障害のポイントは、次の肺脂肪塞栓で、詳細を解説しています。     次回 ⇒ 肺脂肪塞栓  

続きを読む »

 相変わらず、目覚めは大谷さんのホームランのニュースです。パカスカよく打つもんです。打たない日は、あれっ?って感じです。そのすごさが若干麻痺してきています。

 他には、女優さんとシェフのダブル不倫が一番のニュースでしょうか。興味のない私には、どうでもよい話題です。これだけ取り上げると言うことは、日本人は不倫のつるし上げが本当に好きなんだなぁと思います。それにしても、私信であるラブレター(交換日記とのことですか)を、当人に無断で、テレビで公表するなんて・・これこそ、不道徳の極み、いえ、犯罪だと思います。両家の子供への配慮など皆無です。しょせんは人様の家庭の問題ですが、これだけは看過できないひどい話です。そんな当たり前の配慮すらないマスコミや大衆、皆、良心が麻痺していると思います。

 さて、週末は実家の片付けに戻っています。父がグループホームに入居しましたので、その持ち物を整理しています。整理とは言っても、ほぼ捨てるだけです。すでに45ℓゴミ袋は40枚を超えました。さらに、タンス、布団など粗大ゴミは2度に分けて、すでに19個に及んでいます。量がかさむ原因ですが、父1人の物に祖母の物が加算しています。10年以上前の祖母の逝去から、まったく片付けをしていなかったようです。保存する物、貴重品の類はほとんどありません。せめて、写真・アルバムは残しておこうと思います。さらに、畳も新調しました。これで家の1/4は片づけたはずです。来月から、4年前に逝去した母の持ち物に取り掛かります。これも相当なボリューム、推定ゴミ袋50枚を想定してます。さらに、台所や外回りのガラクタを加えると、およそ3/4の量が残っているはずです。なんとか2年以内で終わらせたいと思います。物は使ってこそ意味があります。人間とは、如何に使わない物を使わないまま死んでいくものか・・。おかげで、物質欲、所有欲が麻痺してきました。

 以上、「MajiでMahiする5秒前 ♪」の6月でした。  

続きを読む »

【事案】

友人の自動車の後部座席に搭乗・走行中、交差点を赤信号で直進、対抗右折車と衝突したもの。明らかな赤侵入のため、直進車の過失が100%となった。すると、被害者にとって自車の運転者が加害者となる。その損保社の対応で治療を進めていた。骨折箇所は膝(脛骨近位端)と肋骨、腰椎横突起。   【問題点】

ひどい転位や変形の危険がなければ保存療法となる。癒合に問題なければ、12級に届かないどころか、14級も否定されることがある。   【立証ポイント】

後遺障害診断書に骨折部分の痛み、不具合を丁寧に記載頂く。腰痛の残存として14級9号が認定された。

(令和5年5月)

※ 併合の為、分離しています。  

続きを読む »

 弊所の実績を観ても、肋骨骨折は明らかな変形が無い限り、等級はつかないものです。変形の12級5号、痛みの13号はもちろん、14級9号がつくとしても、近い部位である腰椎捻挫で認められる傾向です。この点、本件は肋骨骨折後のわき腹痛に14級がついた珍しい例と言えます。

 他に、プラトー骨折の14級9号、腰椎横突起骨折後の腰痛に14級9号がつきました。これらはお馴染みの認定でしょうか。 また、自賠責保険の有責条件である”他人性”、後の賠償問題では主婦性の立証など、勉強になる論点が目白押し、新人さん向けの研修になるような案件でした。   ついでの認定かな?

14級9号:肋骨骨折・腰椎横突起骨折(70代女性・静岡県)

【事案】

友人の自動車の後部座席に搭乗・走行中、交差点を赤信号で直進、対抗右折車と衝突したもの。明らかな赤侵入のため、直進車の過失が100%となった。すると、被害者にとって自車の運転者が加害者となる。その損保社の対応で治療を進めていた。骨折箇所は膝(脛骨近位端)と肋骨、腰椎横突起。   【問題点】

肋骨、腰椎横突起共に、ひどい転位や変形の危険がなければ保存療法となる。癒合に問題なければ、12級に届かないどころか、14級も否定されることがある。   【立証ポイント】

後遺障害診断書に骨折部分の痛み、不具合を丁寧に記載頂く。肋骨は脇腹痛、腰椎横突起は腰痛として、それぞれ14級9号が認定された。   ★ 併せて認定、手術しない程度のプラトー骨折で14級 👉 14級9号:脛骨高原骨折(70代女性・静岡県)  

続きを読む »

【事案】

友人の自動車の後部座席に搭乗・走行中、交差点を赤信号で直進、対抗右折車と衝突したもの。明らかな赤侵入のため、直進車の過失が100%となった。すると、被害者にとって自車の運転者が加害者となる。その損保社の対応で治療を進めていた。骨折箇所は膝(脛骨近位端)と肋骨、腰椎横突起。   【問題点】

肋骨の骨折は、ひどい転位や変形の危険がなければ保存療法となる。癒合に問題なければ、12級に届かないどころか、14級も否定されることがある。   【立証ポイント】

後遺障害診断書に骨折部分の痛み、不具合を丁寧に記載頂く。肋骨はわき腹痛として14級9号が認定された。これは、比較的珍しい認定結果と思う。

(令和5年5月)

※ 併合の為、分離しています。  

続きを読む »

【事案】

友人の自動車の後部座席に搭乗・走行中、交差点を赤信号で直進、対抗右折車と衝突したもの。明らかな赤侵入のため、直進車の過失が100%となった。すると、被害者にとって自車の運転者が加害者となる。その損保社の対応で治療を進めていた。骨折箇所は膝(脛骨近位端)と肋骨、腰椎横突起。   【問題点】

加害者となる運転者は友人の為、執拗な賠償請求はしないことに留意する必要があった。

また、骨折状態からプレート固定なく保存療法が選択された。何より、年齢以上に回復が良く、リハビリも精力的に行った結果、膝の可動域はほぼ正常に。   【立証ポイント】

本人の回復努力に敬服も、痛み等不具合は残るはず、主治医に細かく説明し、診断書を記載頂いた。

同乗者の事故ゆえに、自賠責から同乗の理由・状況を調べる回答書が追加要請された。恐らく運転者との他人性(Q)を調べる意図があったと思う。その分、審査期間が延びるも、無事に14級9号の結果を得た。

Q:他人性とは? ⇒ 自分の車を他人に交代して運転させ、その車に同じ目的・行先で同乗していた場合、自賠責はおりません。これは「自分の為の運行」になり、他人からの加害行為から外れるからです。自賠責保険は賠償保険ですから、あくまで他人からの危害でなくてはなりません。

(令和5年5月)

※ 併合の為、分離しています。    

続きを読む »

過換気症候群(かかんきしょうこうぐん)

  (1)病態

 胸部の外傷で紹介する傷病名の中で、もっとも軽傷なもので、後遺障害を残すこともありません。肩の力を抜いて、学習してください。

 ヒトが生きるには新鮮な酸素が必要であり、呼吸によって吸い込んだ酸素は全身を巡り、細胞の中で消費されて二酸化炭素となり、肺から呼吸によって吐き出されています。つまり、呼吸とは、酸素を吸って二酸化炭素を吐き出すことなのです。   (2)症状

 さて、過呼吸とは、呼吸が速く、浅くなることですが、この発作を目の当たりにすると、間断なく息を吐き続けるのですが、息を吸うことを忘れてしまい、白目をむいて倒れるような印象です。つまり、ヒトが無意識に行う、自然な呼吸のパターンが崩壊している状態なのです。これまでの交通事故110番の無料相談会で、複数回、そのような相談者さんが参加されました。最初は、代表の宮尾氏はじめ皆、驚愕、狼狽えました。

 その後、過換気症候群を知ってからは、慣れっ子となり、代表の宮尾氏から紙袋が渡され、この袋の中で反復呼吸をするように指示をして対処しています。であれば、2、3分で元通りとなり、落ち着きを取り戻しています。過換気症候群とは、精神的な不安を原因として過呼吸になり、その結果、息苦しさ、胸部の圧迫感や痛み、動悸、目眩、手足や唇の痺れ、頭がボーッとする、死の恐怖感などを訴え、稀には失神することもある症候群のことです。

 当然ですが、放置しておいても、この症状で死に至ることはありません。几帳面で神経質な人、心配症であり、考え込んでしまう人、10~20代の若者に多いとの報告がなされていますが、宮尾氏が経験した件は、全て30~40代の女性で、交通事故受傷後に、非器質性精神障害である不安神経症やパニック障害の診断がなされている被害者に限定されています。

続きを読む »

心肺停止(しんぱいていし)

(1)病態

 心肺停止とは、心臓と呼吸が止まった状態で、医療現場では、CPAと呼ばれています。心臓の動きが先に、肺呼吸が先に停止する、この2通りですが、いずれであっても、放置すれば、間違いなく2つは合併し、心肺停止状態となります。

 しかし、蘇生の可能性が残されているために、死亡ではありません。脳に血液が供給されず、手遅れとなれば、命はとりとめても、脳死状態になる危険があります。心肺停止の患者に対しては、人工呼吸や心臓マッサージなど迅速な救命措置が必要となります。心肺蘇生法はCPRと呼ばれています。   ◆ メディアの心肺停止  余談ですが、最近のメディアでは、自然災害や交通事故などで、心肺停止、心肺停止状態と表現することが増えています。日本では、医師が心・呼吸・脈拍の停止と瞳孔散大を確認して死亡宣告することで、法的に死亡が確定しています。

 医師以外でも、心・呼吸停止を確認することは可能ですが、死亡宣告をすることはできません。事故・災害現場で、まだ救出されておらず、医師も近づけない状態の遺体や、病院に搬送途中の遺体は、医師による死亡が未宣告であることから、心肺停止と表現されているのです。   (2)後遺障害のポイント

Ⅰ.

続きを読む »

お問い合せはお気軽に!

事務所メンバー

「交通事故被害者救済」がスローガン! 病院同行に日夜奔走しています。解決まで二人三脚、一緒に頑張りましょう。

代表者略歴を見る!

部位別解説 後遺障害等級認定実績(初回申請) 後遺障害等級認定実績(異議申立)

今月の業務日誌

2023年6月
« 5月   7月 »
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  

月別アーカイブ