自賠責保険の後遺障害は醜状痕を除き、原則、書面審査です。とくりわけ、レントゲンやCT、MRIなどの画像所見を重視します。その徹底した態度は、診断書すら軽視するほどです。診断書で「肩腱板損傷」と診断されていたとしても、それが画像上、明瞭に所見が確認できなければ無視されます。被害者の訴る症状など、もはや参考程度です(もちろん、障害の前提としては必要ですが)。  

 医師の診断よりも、自賠責側の画像判断で決まります。

   また、レントゲンではっきりわかる骨折と違い、靭帯損傷では軽度なものから手術を要する中程度~重度(断裂ですね)まで、損傷の程度が違います。これも、主治医の下す診断名や損傷程度より、画像から”後遺障害と認めるか否か”を検討します。被害者さんがいくら「痛い」、「腕が曲がらない」などと症状を並べても、それに見合った画像所見でなければ信用してくれないのです。

 このような、画像重視の姿勢が度々、被害者さんの訴える症状と認定等級のギャップを生んでいます。

   さて、本題に戻ります。労災の審査と比べてみましょう。    労災では顧問医の診察があります。もちろん、その診察に際し、診断書や画像も当然に提出され、事前・事後に認定等級の検討をします。先に述べたように、自賠責は画像所見でばっさり障害の有無を判断しますが、労災はその性質が”労働者への補償制度”であるところ、本人の訴えや顧問医の診断から、やや画像所見が不明瞭でも、顧問医の判断で認定しています。実際に手首の曲がりが悪いことを、顧問医が診察で確認、あるいは計測することもあります。自賠責は画像を観て「そのような高度な可動域制限が生じるものとは捉え難く・・・」とばっさり否定します。しかし、労災では診察から実状を考慮して頂けるようです。文章審査だけの自賠責と違い、温情を感じるところです。    では、その実例を列挙します。以下の診断名において、自賠責と労災は明暗を分けています。      【1】TFCC損傷の判断 ~ この診断名では、自賠責14級/労災12級は毎度のことです   👉 実績投稿:TFCC損傷、自賠責と労災の違い   👉 続きを読む »