脳機能の障害で、半側空間無視という症状が存在します。立証の現場では、高次脳機能障害の症状として捉えています。半側空間無視は半分が見えないというより、左側(右側)の映像を把握できないのです。通常、人は眼に写った情報を脳で解析しています。しかし、脳の解析システムが故障することよって、写っているものが認識できない状況に陥るのです。したがって、当人は見えてないことすら自覚できなくなります。
日本一簡単な解説は明日に、まずは、基本解説をします。 (1)兆候
・ 食卓に並んだいくつかのおかずの皿から、右半分しか箸をつけない
・ 片側から話しかけられても反応しない、片側に人が立っていても存在に気づかない
・ 歩いていると、よく左肩を壁にぶつける
・ 家の絵を描かせると片側半分だけしか描かない 
(2)病態
半側空間失認(unilateral spatial agnosia)は同義語として用いられていますが、厳密には「失認」ではなく、「注意障害」のカテゴリーですから、半側空間無視と呼ぶ方が一般的です。視野障害あるいは眼球運動障害が原因で、無視側の視野の半盲を伴っている場合と区別されます。目をレンズとすれば、それに写った画像を認識・解析するのは脳ですから、ビデオカメラのレンズではなく、CPU(コンピューター)の故障となるわけです。
この半側空間無視は、左大脳半球頭頂葉後部の病変による右半側空間無視も見られますが、通常は右大脳半球頭頂葉後部の病変による左半側空間無視の方が圧倒的に多く、私も左の症状の被害者さんしか経験がありません。事故外傷の他に、右半球の脳血管障害でもみられます。大脳半球頭頂葉後部は中大脳動脈領域であるために、多くは右中大脳動脈領域の脳梗塞により生じます。同部位・周辺に脳梗塞を起こした患者の、実に4割が発症との統計もあります。半側空間無視の予後には、病巣の広がりが最も影響すると言われています。慢性的な脳出血、脳梗塞の起きやすい高齢者のほうが予後不良となります。
(3)検査
日常生活場での動作を観察することが第一です。例えば、片側に置かれた食事を食べ残すとか、片側にある障害物にぶつかったりすることが見られます。他覚的な検査では、欧米ではBIT検査(Behavioral inattention test)が比較的よく使用され、日本では日本語版BIT行動性無視検査として用いられています。
簡易的な検査では、検出率が高く、定量化もできて便利な「線分二等分試験」があります。この試験は20 cmくらいの水平な線分をニつに分けさせるもので、半側空間無視があると無視側と反対側に線分中点マークが偏ります。中点マークが1 ...


続きを読む »
機能障害は神経症状より優位な後遺症なのです!
頚椎はC1~7まで、腰椎はL1~L5までと見ればすぐに数えられる数しかない上、頚椎や腰椎は範囲が狭いため、どこが骨折していて、それが何番目の椎体なのかをすぐに判断できます。これに対して厄介なのが、胸椎です。

(1)死亡診断書、2つの意義




現在、高次脳案件を9件受任中、事務所内研修でもwais検査を実施予定です。
(脊髄損傷の依頼者さまから許可を得て掲載)

←脳全体

続きを読む »



