臓器の障害は珍しいものです。その多くは手術で治るもので等級は低めと言えるでしょう。また、手術で治らないひどい損傷、例えば、内臓破裂は大量の腹部内出血を起し、チアノーゼでショック死する危険があります。かつて、衝突事故による内臓破裂で死亡した方がおりました。

 多臓器の損傷、複数の障害となれば、複合的に機能低下が起きるものです。そこで、労災や自賠では多臓器の障害の場合、複合的評価にて等級が認定されます。この辺はあらゆるマニュアル、ネット情報からも得ることはできません。経験のみが頼りになる分野と言えます。  c_g_c_2

11級10号:肝損傷・胆のう障害(20代女性・千葉県)

【事案】

通勤時、自動車で直進走行中、対向車がセンターラインオーバー、正面衝突したもの。自動車の前部は潰れ、左脛骨・腓骨を開放骨折、腹部を強打し、肝損傷の診断となる。

腹部は胆管狭窄・胆のう障害で以後、数度のステント交換手術を強いられる。 ステントとは血管・気管・消化管・胆管などを内側から広げるために用いられる、金属製の網状の筒。   続きを読む »

 これまた難しい依頼です。骨盤骨折後の変形・ゆがみが将来の正常分娩の妨げになるか?

 また、若い女性ということもあり、繊細な配慮が必要。それでも、勇気を持って最悪の可能性を模索するのが私達の仕事です。女性スタッフも動員して立証作業を進めた。

 いくつかの難関は文中にある通り。もちろん、将来の出産に影響のないことを願っていますし、実際、影響はないと予想します。

山本さんイラストsj 堀越さんイラストsj山本、堀越が担当しました。

11級相当:骨盤骨折・狭骨盤(10代女性・長野県)

【事案】

自転車搭乗中、交差点を横断する際、左方から自動車が進入し衝突した。骨盤(恥骨、仙骨)を骨折した。事故直後から臀部痛、大腿骨後面のしびれに悩まされる。 続きを読む »

 高次脳機能障害の症状で、性格や感情面に変化が現れるケースを多数経験しています。

 脳に器質的な損傷を受け、神経系統に障害が残った場合、知能や判断の低下、記憶や言語の障害等、たくさんの症状が起こります。それら症状は被害者によって違います。その一つ一つを立証するために、客観的なデータが望まれます。これら検査を総称して神経心理学検査と呼んでいます。既にこのHPではその多くを解説してきました。しかし、一連の検査をもってしても症状に該当するものがなく、心もとない分野として、易怒性(不自然にキレやすい)などの情動障害、文字通り人が変わってしまった性格変化が挙げられます。

 情動面・性格面は被害者の感情や個性に依拠しますので、そもそも人それぞれです。怒りっぽい人、のんびりした人、性格が違うように、客観的な比較ができないものです。判断する医師だけではなく、審査すべき側である保険会社も、事故前の被害者の性格を知りませんので、変化(障害)などわかりません。

 さらに困ったことに、ケガをする前に検査をしていた人など皆無で、事故前後の客観的比較データを得ることはできません。そこで、障害による一連の変化は、家族が克明に説明・主張していくことになります。それでもわずかながら、情動面を数値化する検査がCAS検査です。CAS検査は元々、注意機能の低下を判断する、総合的な検査であるCAT検査に続いて作成された経緯があります。

 以下、サクセスベル株式会社さまHPより引用させていただきました。   標準意欲評価法(CAS)の構成

1 面接による意欲評価スケール

 被検者と一定の時間面接をおこない、その間に17項目について逐次5段階評価を行います。

2 質問紙法による意欲評価スケール  被検者に質問紙(記入紙)をわたし、過去数週間の自分の考え、気持ち、行動に照らし合わせて、もっともよく当てはまるところに○を付けさせるというものです。

3 日常生活行動の意欲評価スケール

 被験者の日常生活を、約7日にわたり観察し5段階評価します。場所は、病棟、訓練室、外来(在宅)、施設などであり、関連のスタッフが分担・協力することが大事です。

4 自由時間の日常行動観察

 被検者が所定のスケジュールがない自由な時間になにをしているか、5日~2週間以上観察。場所、内容、行為の質、談話の質などについて評価します。

5 臨床的総合評価

 臨床場面での総合的な印象に基づき、5段階の臨床的総合評価をおこないます。    情緒、感情面に踏み込む、画期的な検査キットです。特に、自発性の低下など、意欲に関するデータを取ることができます。すべての情動障害・性格変化を明らかにすることは叶いませんが、それでも自賠責の障害審査の一助となり、後の賠償交渉においても弁護士の武器となる有難いデータです。これらの検査結果に家族の観察をリンクさせて情動障害を明らかにします。

 本日は、千葉県の病院同行にて、主治医にCAT、CAS検査を依頼しました。本件も症状固定を前に、立証作業は大詰めに入ります。

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 若い女性のキズには神経を使います。

 当然に形成手術でキズを修復します。薄くなればキズなど残ってない!と否定したいものです。もちろん、キズは消したい。しかし、消えたら後遺症の賠償金も消えます。

 つまり、「事故の解決は別腹」とのご理解をお願いしています。まず、後遺障害の認定を受けてお金を得ます。その後、時間をかけて日進月歩の最新医療を駆使して、じっくり消していく計画がよいのです。これはお金目当てのズルい計画とは思いません。どの時期に後遺障害認定を受けて、どのような治療を受けるのかは、ある程度、被害者の権利ではないかと思います。

 問題は被害者の理解です。失敗するとこうなります。⇒ 女心と醜状痕(若き日の秋葉、初黒星のエピソードです。) 堀越さんイラストsj本件では堀越が写真撮影しました  

12級14号:顔面醜状痕(10代女性・長野県)

【事案】

自転車搭乗中、交差点を横断する際、左方から自動車が進入し衝突した。顔面に裂傷、傷跡が残る。 続きを読む »

 近年、認定条件・等級が大きく変わった醜状痕ですが、顔面3cmの攻防、上肢下肢の面積評価、これらは変更無く、秋葉事務所でも日々、きわどい攻めぎ合いが続いています。

 最初はイレギュラーな顔面醜状痕、待望でした鼻りょうの変形です。これは該当する障害等級が無いための救済的な認定?と解釈しています。

 

12級14号:顔面醜状痕(30代男性・新潟県)

 【事案】

原付バイクで交差点を横断中、左方よりの右折自動車と出会い頭衝突。股関節の脱臼骨折加え、顔面鼻部を強打、鼻骨骨折及び裂傷となり、切創部を縫合した。

【問題点】

股関節の脱臼骨折の整復が治療の中心となり、鼻のキズは縫った後、特に処置はなかった。症状固定時に確認のところ傷は消えたが、少し鼻りょうが曲がっているように見えた。 c_g_ea_7 ...

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win  前回で子供が骨端線や骨端核を損傷しても、後遺障害等級が認められる可能性は極めて低いことを述べました。しかし、他方で、骨端線や骨端核を損傷しているだけではなく、同じ部位で骨折もしている場合があります。

 骨折しているかどうかはレントゲンで確認できる場合もありますが、関節等を骨折している場合がありますので、わかりやすいCT画像での確認も医師にお願いしてみてください。

 子供の場合は大人に比べて骨折後の骨の癒合するスピードが速く、回復が早いです。よって、子供の場合は、大人に比べて骨折でも等級を狙うのが難しくなります。

 ところが、稀に骨折後、骨片が残存する場合があります。痛みが続いており、かつ骨片が残存している箇所と一致している場合には、14級9号、12級13号が認められる可能性があります。

 先程述べたように、子供は大人よりも骨の癒合スピードが速く、回復が早いです。よって、等級を狙うのであれば、事故から半年が経過した場合、すぐに症状固定をする必要があります。

 この点、症状固定せずに、数カ月で完治できるのであれば、医師と相談して検討した方がいい場合があります。骨片の場合ですと、手術する必要性も検討しなければなりません。

 子供にその判断を求めるのは現実的ではありません。

 親や親戚の大人、主治医が、子供にとって何がいいのかを真剣に考える必要があります。

 子供のお怪我には、損傷部位だけではなく、症状固定時期にもご注意を。  

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win  子供の骨には大人と違い、骨端線、骨端核というものがあります。これらは、成長軟骨のことをいい、骨の隙間に線や分裂した骨を指します。 kottannsen  成長の過程で、骨端線や骨端核が徐々に消えていきます。大人の骨になると骨端線等は基本的に消えますが、稀に跡が残っている場合があります。この跡はレントゲンで薄く線が見えることがあります。

 骨端線は、主に長骨の端の部分にある骨幹と骨端の境目部分に見えます。例えば、腕や足の骨、指の骨の端にあります。骨端核は、主に踵や膝、肘に見えます。骨端核の場合、線状というより、骨の欠片のように見えます。  これら骨端線等は交通事故外傷により、損傷することがあります。骨端線損傷により骨端線が広がったり、骨の位置がずれてしまったりすることで痛みが生じます。治療方法としては、骨のズレを整復後、ギプス等で固定し、骨癒合を待ちます。

 子供の骨端線損傷の場合は、成長過程で骨の癒合するスピードが大人よりも早く、症状固定時期(およそ事故から半年後)にはきれいに骨が癒合する場合が多いです。

 その際に痛みが残存する場合がありますが、基本的に後遺障害の対象ではありません。何故なら、骨端線や骨端核の損傷による痛みは成長と共に消えていくため、将来にわたって残存する症状ではないからです。

 なお、骨端線等を損傷することで骨の成長に左右差(怪我していない方との比較)が出ることがありますが、基本的に左右のバランスが成長と共に取れてきますので、左右差が出ることは少ないです。また、仮に事故(怪我)から数年経過後、左右差が出たとしても、その事故(怪我)によって左右差が出たことの因果関係は不明と判断されることが多く、また、医師もその事故(怪我)が原因でなったと診断するのは非常に困難です。

 以上から、子供の骨端線等の損傷で後遺障害等級が認められる可能性は極めて低いといえます。  

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 自賠責や労災の後遺障害には厳然とした認定基準が存在します。仮に、症状が重い被害者さんであっても、その認定基準に合致しなければ障害の認定はありません。

 それでも、一連の症状に信憑性があり、説明がつけば14級9号の認定は得られます。これは自賠責保険がある種の「遊び」の余地を残しているものと捉えています。つまり、自動車のハンドルでいうところの「遊び」=自由幅と例えられるでしょう。

 世の中、すべての事象にくっきり白黒はつかないものです。交通事故外傷、後遺障害の世界も例外ではありません。  

14級9号:橈骨遠位端骨折+頚部捻挫(40代女性・神奈川県)

 【事案】

原動機付自転車で交差点を通過、右方よりの自動車と衝突、受傷したもの。左手首(橈骨遠位端)を骨折し、しばらくしてからカウザルギー(複合性局所性疼痛症候群のうち、骨折など器質的損傷から神経の異常をきたし、激痛が続く症状)と類似した症状を示した。

【問題点】

カウザルギ-が回復傾向であり、また、骨萎縮など目立った所見はなく、自賠責の認定基準には満たない。長く続く症状からドクターショッピング(転院を繰り返す)に陥っていた。

【立証ポイント】

弁護士より依頼を受けて、早速、専門医の診断に誘致した。幸い、難治性とされるCRPSには至らず、軽快が期待された。そこで、長く続く頚部痛、上肢の痺れを神経症状に丸めて14級9号の認定に切替えた。

当然にCRPSは否定されたが、頚部受傷由来の14級9号「局所に神経症状を残すもの」は確保した。

CRPS(複合性局所性疼痛症候群)の相談は数多く受けていますが、真性の患者にはめったに会いません。それだけレアな外傷です。また、本当になってしまったら、激痛が生涯続き、本当に大変なのです。   c_g_ne_40←「痛み」の構図  

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 毎度、ムチ打ちでの認定でお世話になっている14級9号、骨折など器質的損傷がなくとも、受傷~症状固定までの経緯から、後遺症の存在を推定して認定となります。

 それは自然に認定されるものではありません。あるべき治療経過を辿り、丹念に症状を説明することによって信憑性を高め、認定を勝ち取らねばなりません。

 本件の場合はくも膜下出血が軽微で、その後、脳挫傷の痕や脳萎縮など器質的な変化がありません。それでも慢性的な頭痛と結びつけて説明をしました。    私達プロは、常に正しい軌道に被害者さんを乗せることを考えています。  

14級9号:外傷性くも膜下出血・頭痛(40代男性・千葉県)

【事案】 原動機付自転車搭乗中、側道から出てきた自転車を避けようとして転倒したもの。CTでくも膜下出血の診断となる。幸い、出血は微小で、数日後には消失した。   【問題点】

相手は無保険の自転車であり、非接触事故ゆえ、責任関係が争いに。また、3ヶ月前にも事故に遭っており、その時のケガと切り分けて障害を立証する必要があった。   【立証ポイント】

加害自転車との争いを避け、治療費は労災でまかない、その他補償も人身傷害に請求する形で進める。

後遺症は前回事故と被らないよう、くも膜下出血を機点とする頭痛に的を絞った。

結果、先事故の鎖骨骨折、併合11級認定とは別に、頭痛で14級9号の認定を得て、人身傷害からの支払いにて解決させた。 tc1_search_naver_jp続きを読む »

 以前に交通事故で自賠責の等級認定を受け、新たな事故で後遺症を負った場合、それが同じ部位ならば、加重障害として扱われます。その障害の程度が同じ位なら、自賠責保険金は差引き0円とされます。また、前回の症状を上回れば上位等級が認められますが、前回支払われた保険金は差し引かれます。

 この自賠責の加重ルールの適用により、救済される被害者もいますが、14級9号の審査では非該当とされることが大多数です。やはり、器質的損傷のない、いわゆるムチウチや腰椎捻挫は「1度目で味をしめた?・・2度目はダメよ」と言わんばかりに再認定はかなり困難なのです。

 中には34年前の14級認定を持ち出してきて、非該当とされたケースもありました。それでも前回の事故で逸失利益が5年で解決していれば、6年目から治ったとして、障害はないことになります。理論的にはそうですが、裁判判例でも個別判断、結果は一律ではありません。

 症状の軽重を計り、いつもより精密な説明を添えた申請を試みます。まさに、本件のようなチャレンジが成功することもあります。やはり、加重の判断も症状次第であり、被害者さんの訴えの信憑性が検討されます。ne25-6

 

14級9号:腰椎捻挫(50代男性・千葉県)

【事案】

自動車搭乗中、信号のない交差点で左折車に衝突される。直後から頚部痛・腰部痛のみならず、手足のしびれ、頭痛等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

8年前にも頚椎・腰椎捻挫で併合14級が認定されていた。自賠責調査事務所は過去に同じ部位で等級認定を受けている場合には、加重障害として扱い、仮に完治していても、なかなか新たに等級を認めない傾向にある。加重障害で0円評価はもちろん、普通に非該当も覚悟していた。

また、相手が無保険であったこともあり、十分な補償が得られない可能性が高い。幸い治療費は業務中の事故なので、労災を使って11ヶ月間通院した。

【立証ポイント】

本人の人柄が功を奏し、医師との信頼関係が構築されていた。そのため、医師も患者の為になるのであればと、詳細な診断、書類作成に尽力頂いた。また、自覚症状を本人に詳細に聞き取る等、緻密な立証を重ねた。

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 よい休暇をとっていますか? 私は一向にはかどらないのですが、溜まった事務仕事です。息抜きに記事を書きましたのでよかったらご覧下さい。 (やや長文です)

・・・・     昨年から減少傾向ですが、相変わらず、労災や自賠責の認定上、グレーな扱いとなっている傷病名の相談がみられます。    代表的な2大傷病名は「脳脊髄液減少症」と「MTBI」です。これらの傷病名を冠した被害者の皆さんは、事故以来、頚部・頭部の疼痛・しびれに留まらず、めまい、吐き気、動悸、不眠、起立痛、関節痛、生理不順、意欲低下、健忘、鬱(うつ)、情緒不安定・・あらゆる神経症状、脳障害・精神疾患症状をきたすことになります。しかし、画像や検査にはっきりとした原因が現れません。

 それらの症状は交通事故を契機としますが、多くに共通することは高エネルギー外傷ではないことです。高エネルギー外傷とは曖昧な表現ですが、「強い外力により、身体内部の広い範囲で組織が破壊されているケガ」です。自賠責では「器質的損傷を伴う外傷」と読み替えることができます。高エネルギー外傷の反対は骨折や靱帯損傷のない、打撲・捻挫の類で軽傷となります。

 軽傷かつ軽い衝撃ながら、長引く症状に悩まされる被害者の皆さんは、捻挫の診断名では納得できず、自分の傷病名を血眼で捜します。医師も原因がわからず、患者は病院を転々とする、ドクターショッピングに陥ります。骨折や人体組織に相当の破壊があれば、医師も症状を解明すべく、懸命に検査を実施し、経過観察を続けます。しかし、軽い衝撃であること、さらに検査上「異常なし」となれば・・どの医師も「心因性?」と相手にしなくなるからです。実際、症状を訴える患者のほとんどが心身症、または別の原因(加齢による神経症状、更年期障害)と言われています。

 もちろん、事故との因果関係はあるが、器質的損傷が判然としないだけで、嘘偽りなく苦しんでいる患者さんも存在します。極めて少数ですが。

 また、この2大傷病名はなぜか特定の病院、専門外の医師の診断に集中しています。まったくもって不思議です。一方、脳神経外科や脊椎の専門医にお会いすることが多いのですが、多くの医師はそれら傷病名に懐疑的です。臨床上、原因不明の患者の存在を否定はしませんが、確定的な診断を控えます。つまり、医学的にすべての症状が解明されているわけではないのです。謙虚に言えば、まだ推論の段階でしょう。

 この5年間、私も大勢の「脳脊髄液減少症」「MTBI」患者にお会いしました。どうみても心因性か、外傷性頚部症候群、バレリュー症候群、自律神経失調症にしかみえない被害者さんがほとんどです。そもそも、専門医すらわからない症状について、素人の私に判断できようがありません。

 前提として、労災・自賠責の認定基準は、それらの診断名を直接に後遺障害とは認めていません。多くは、因果関係なし=非該当か、神経症状の一環として14級9号の判断とします。14級を超える立証は私の努力では不可能です。稀に弁護士が裁判での認定を目指しますが、ほとんどが負け戦です。医師が証明しきれないもの、特定の医師による推論的な診断しかないものを争うわけですから、当然に苦しい戦いとなります。

 そのような状況でありながら、この2大傷病名に積極的に取り組んでいる弁護士先生には頭が下がる思いです。

 私達は医療調査及び保険請求から「事実証明」を果たすことが使命です。医学的な解明は医師の範疇、それも臨床医ではなく研究医の分野です。私達は医学の進歩を待つしかないのです。したがって、「出来ること」と「出来ないこと」を明確に表明することが被害者様に対する誠意と思っています。

 事実証明とはサイエンス(科学)に則った証明なのです。ある専門医は「医学的な根拠がない傷病名は、サイエンスではない」とバッサリです。

 つまり、推論の段階である傷病名を追うことは、UFOや心霊現象、超能力の存在を証明する作業と同じなのです。

 現在の科学が万能とは言いません。医学的な解明が進み、自賠責の認定基準も変わるかも知れません。しかし、現状、私達に出来ることは、謙虚に被害者さんの症状を聞き取り、現在の科学をもってできる医証を揃えて審査にふすことです。これが「脳脊髄液減少症」と「MTBI」に対する、純粋なスタンスではないでしょうか。交通事故外傷・立証の現場に、サイエンスの対極である「オカルト」「超自然」を持ち込むわけにはいかないのです。     最後に、かつて経験した最高クラスのオカルト相談を・・   相談者:「自動車に乗っていたら、急に光に包まれてすごい衝撃を受けました。その後、意識を無くしたのですが、気がついたら、自動車は塀にぶつかって止まっていました。数日後から、頭痛、めまい、浮遊感、悪夢に悩まされて・・・病院では頚椎捻挫だそうです。念のためMRIを撮ったら頭に何か写っていると言われました。」

秋葉:「何が写っていたのですか?」

相談者:「わかりません。医師は事故とは関係ない、古い脳梗塞の跡?と言っていました・・。」

秋葉:「いずれにしても、自損事故で外傷性頚部症候群となり、神経症状が起きているのではないでしょうか?医師もそう説明していませんか?」

相談者:「いえ、私は事故を起したのではありません。恐らく、UFOに襲撃され、宇宙人によって頭にチップを埋め込まれたのかもしれません・・きっとそうです。」

 (ここでXファイルのテーマが流れる ♪)

秋葉:「(アブダクト=宇宙人による誘拐事件か!)  それでは、保険会社ではなく、宇宙人に埋め込まれたチップを取ってもらい、賠償請求をしましょう」

相談者:「はい、そうします。どこに連絡したら良いでしょうか?」

秋葉:「テレパシーでもう一度、UFOを呼ぶことです。」

相談者:「わかりました。ありがとうございます!」

秋葉:「お大事にして下さい。」

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 月1回整形外科で診察、リハビリは整骨院(接骨院)

 この治療計画でも神経症状が医師から明確に診断され、症状の一貫性があれば、14級9号が認められます。しかし、私の経験では外傷性頚部症候群・頚椎捻挫・むち打ち患者の90%が、画像所見は年齢変性のもので、腱反射や各検査上、神経学的所見も明確にでません。したがって、この計画は14級9号の認定を目指すなら、止めた方が良いと断言しています。

 症状が長引いているなら、整形外科でのリハビリを強く推奨します。整骨院・接骨院でのリハビリは施術と呼ばれます。通院「実績」としては非常に軽く見られます。なぜなら、それら院は”商売上か、施術の必要上か”わかりませんが、「痛かったら毎日来なさい」と患者を誘致するからです。対して、整形外科は建前でも医師の判断・指示でリハビリを重ねた「実績」となります。治療の妥当性・・ここに、大きな差があるのです。

 困ったことに最近は整骨院・接骨院と連携している弁護士・行政書士が提携先の院に被害者を誘致、後遺障害の認定をダメにしている?ことです。もちろん、後遺障害認定を視野に入れず、整骨院・接骨院での完治を目指すなら良いと思います。しかし、「後遺障害診断書を書いてもらうための整形外科・月1診察」つまり、「治らなかった場合を想定しての、アリバイ作りの整形外科・月1回診察」、これはもう、自賠責側もしっかり把握している、あざとい計画なのです。

 最近もこの計画をある事務所から勧められて、非該当となった被害者さまの相談を受けました。通院すべてを整形外科にしていれば、14級が認められたと思います。いくつかの事務所は間違った誘導によって、罪な事をしているのかもしれません。 c_g_a_13

併合14級:頚椎・腰椎捻挫(30代男性・埼玉県)

【事案】

自動車搭乗中、直進道路で右側から無理な割り込み車に衝突される。直後から頚部痛・手のしびれ、腰部痛・足の痺れの神経症状に悩まされる。

【問題点】

相談を受けたのが受傷4ヶ月後だったが、受傷直後から整形外科(月数回)より整骨院(月の半数以上)に偏重して通院していた。 また、通勤事故ではあるが、車での出勤を会社には黙っていたために労災の適用ができない。さらに、MRI撮影をしておらず、症状固定の6ヶ月を目前にしていた。

【立証ポイント】

この不利な局面を覆させなければならない。まず、整形外科(月半数以上)と整骨院(月数回・最終月は無)の通院回数を真逆にした。また、休みが取りづらい環境ということで、丸一日空けてもらい、紹介状の入手、MRI検査を全てその日に終わらせた。その後、医師に具体的な自覚症状や細かい検査結果・画像所見を記載頂き、14級9号となった。

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 脊髄損傷は重傷です。相談数自体は少ないものですが、年に数件の受任があります。ここ半年の認定、3件を紹介します。それぞれ、テクニカルな作業、悪戦苦闘の記録をご覧下さい。

 重傷案件は当然ですが、おざなりな作業ですと大変な損失となります。それは金銭の損失であり、被害者の残りの人生がかかったものです。

20140626

別表Ⅰ 1級1号・加重障害:脊髄損傷(40代男性・埼玉県)

【事案】

後縦靱帯骨化症で頚椎を手術(椎弓形成術)後、リハビリを継続していた被害者が、車イスで道路を横断中、駐車場からバックしてきた自動車の衝突を受けて受傷した。回復期にあった上肢・下肢の機能障害が悪化し、起立・歩行は不能となり、日常生活の介助状態はより深刻となった。

【問題点】

既往症で既に車イス状態であり、上肢・下肢共に相当なしびれや機能障害があった為、本件事故での障害とは捉えられず、どの事務所でも断られていた。先に相談した仲間の行政書士もお手上げで、諦めて連携弁護士に投げつけた。もちろん、訴訟上でも困難であるが、あらゆる可能性を模索すべく、まず医療調査を開始した。

【立証ポイント】

新たな障害はあるのか・・・肩腱板損傷の可能性は?直腸・膀胱に障害が起きたか?視聴覚に問題はないか?、病院同行を重ね、医師を交え、検討を進めた。そして、ある光明を見出した。それは、後縦靱帯骨化症を手術した医師と本件事故の医師の診断・観察では、前後の症状が微妙に異なっていること。そこで、事故前後の医師、それぞれに後遺障害診断書、脊髄損傷に関する意見書等を記載頂いた。また、カルテを開示し、症状の変化を丹念に抜粋、症状の差を明らかにした。

結果、加重障害の判断を引き出す。現存障害(1級)4000万円-既往障害(2級)3000万円=1000万円として等級認定、保険金を受領した。その後の賠償交渉でも既往症との差額が1000万円を超えないと判断して、弁護士の交渉は終了、自賠責保険の加重ルールがすべてを解決した。 続きを読む »

 それではもう一例、明らかに5cmを超えていた。実測6.5cm、そして何より目立つ。それでも線の細さから、形成手術でそれなりに消すことが可能だからでしょうか。

 醜状痕の男女差別廃止を経て、労災は等級を見直しました。5cmは「著しい醜状」から「相当程度の醜状」に、つまり、9級11号の2(自賠責では9級16号)となっています。自賠責の基準もそれに従って改定したようです。  ⇒ 労災の線状痕の新基準  

 ガンダムの黒い3連星、マッシュさんのようなキズですが・・ 3star

9級16号:顔面線状痕(40代男性・東京都)

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 旧基準から新基準に改定された顔面部の醜状痕ですが、顔面線状痕の場合、労災の基準上はキズの長さで区分されています。しかし、”目立つか否か”も前提基準です。

3cm 以上の線状痕 →12級

5cm 以上の線状痕 → 7級

   となると、新設の9級16号の基準は?    非公表のため、長らく謎でした。ここ数年の認定結果から予想通りと言うか、線状痕の7級(5cm以上)はほとんどが9級評価の結果となっています。    7級12号 外貌に著しい醜状を残すもの

9級16号 外貌に相当程度の醜状を残すもの   ★「著しい=5cm以上」→「相当程度=5cm以上」に降格したようです。今シリーズの最後に労災の『障害認定必携』の改定された部分をまとめます。  ⇒ 労災の線状痕の新基準 c_h_85

9級16号:顔面線状痕(60代男性・栃木県)

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win  前回述べた3つの靭帯が骨化していく病気について、簡易にではありますがまとめました。

 これらの病気のうち、特に後縦靭帯骨化症と黄色靭帯骨化症は、せき髄を圧迫する病気であり、これらを患っている方が交通事故に遭われた場合、ムチウチ等の症状と同様、ないしはそれ以上に辛い症状がでることがあります。

※ 前縦靭帯骨化症の場合、せき髄を圧迫しないので前述したように症状が出ることはあまりありませんが、後縦靭帯骨化症が併発しているケースが多いです。

 しかし、一部症状がムチウチの症状と酷似しているため、事故によるものか、病気によるものかの区別ができない場合が多くあります。また、調査事務所もムチウチの後遺症(後遺障害)については症状が信用できるかどうかでみております。MRI画像上で後縦靭帯骨化症等が判明すれば、「既往症あり」として、等級を認めないケースもあります。

 それでは、交通事故に遭われた場合、完全に等級が認められないのでしょうか。

 結論として、事故前から症状があり、症状が交通事故後によりひどくなった場合に、既存障害を前提として等級を認めてもらうように申請をする場合があります。

 例えば、まず交通事故以前に後縦靭帯骨化症を診察されていれば、その時の症状と交通事故後の症状とを比較し、前者が14級9号レベルの症状であった場合で、かつ後者の症状が12級13号レベルの症状であった場合、12級13号を現存障害とし、14級9号を既存障害として認められることがあります。これは自賠独自の「加重」の計算で、

 現存障害(12級の224万円)- 既存傷害(14級の75万円)=149万円の保険金支払い となります。

 裁判上でもこの計算方式が踏襲されることが多くなります。したがって、この差分を前提に裁判基準へと計算し直し、弁護士は相手方保険会社に対して請求する傾向です。    oushoku mri20160324_0000続きを読む »

win  靭帯が骨化していってしまう病気として、ここでは①後縦靭帯骨化症、②前縦靭帯骨化症、③黄色靭帯骨化症をあげていきたいと思います。

 これらの具体的な原因については不明といわれており、これらのうち①後縦靭帯骨化症、③黄色靭帯骨化症は、国の特定疾患(難病)に指定されております。

 しかしながら他方で、要因として肥満や糖尿病等の生活習慣病や遺伝的要因があげられています。   ① 後縦靭帯骨化症について

 後縦靭帯骨化症とは、椎体の後面についている靭帯が骨化(骨に変性する)する病気です。

 この骨化した靭帯が脊髄や神経根を圧迫すると、手足の痺れ、首・背中・腰の痛みが生じ、最悪、運動障害も生じる可能性があります。また、排尿障害も起きる場合もあります。

 症状が重い方は、靭帯を圧迫している骨を削る除圧術、除圧後に骨移植やプレート・スクリューで固定する固定術等の手術を行う必要があります。  sekitsui21-large続きを読む »

win  交通事故で腰椎や胸椎を圧迫骨折したという相談を過去に何度か受けたことがあります。交通事故による骨折の場合、MRI画像(特に受傷直後に撮影されたもの)で水分反応がでます。水分反応が強いという事は、その骨折は新鮮骨折といえます。 20110805MRI STIR確認 web続きを読む »

 接骨院・整骨院は柔道整復師の資格者で営業しています。もう、20年も前から健保や自賠責への不正請求はもちろん、過剰な施術費の請求で保険会社から嫌われています。

 優れた手技を持ち、多くの患者を救っている先生も存在する中、大変残念に思っています。

 もちろん、医師・病院でも不心得者がおります。しかし、健保扱い停止や逮捕される柔道整復師の数は医師の比ではありません。つまり、どうしようもない位、不正者・犯罪者が多すぎるのです。

 一昨年から危惧していた通り、不正な接骨院・整骨院で施術を受けたばかりに、とばっちりを食っている被害者さんの相談が増えてきました。代表的な例は以下の通り、

1、通っている院が、保険金詐欺で逮捕されて ⇒ 保険会社の一括払いがストップ

2、通っている院が、健保から調査が入って ⇒ 健保の使用がストップに

3、通っている院の不正が発覚して ⇒ 審査中の後遺障害が「非該当」となった?

4、弁護士・行政書士に紹介された院に通った ⇒ 後遺障害が「非該当」となった?    1と2は犯罪に巻き込まれたので、不運としか言いようがありません。ただし、通院日の水増しなど、「知らなかった」では済まされず、患者もグル=共犯とされる可能性はあります。保険金詐欺は重罪です。

 3と4は後遺障害の審査上の判断なので、一概に院のせいとは言えませんが、明確な所見のない、むち打ち14級などは症状の「信用性」が認定のポイントです。今まで多くのむち打ち14級の案件を見てきましたが、おかしな病院・接骨院等に通っていた被害者さんは、明確な骨折や重傷事案を除き、等級審査上、圧倒的に不利に感じています。

 最近、目に付くのは4、のパターンです。これは弁護士・行政書士と接骨院等が提携・顧問など、商売上の繋がりが拡大したことと無縁ではありません。提携によって法律家と院が相互に患者の紹介を行っています。これ自体は何の問題もないのですが、後遺障害等級の審査上、接骨院等での施術では、症状の深刻度は低く判断されます。自賠責調査事務所はもちろん、保険会社はあくまで医師の診断、治療実績を重んじます。やはり、症状が長引いている被害者さんは、医師の診断の下で治療・リハビリを進めた方が安全なのです。   c_g_a_7 また、接骨院・整骨院では診断書が書けませんので、提携先の院を紹介しつつも、整形外科の受診も月1、2回はキープさせる方法があります。これで、後遺症の審査に備えることができて安心?なのでしょうが・・これも自賠責はお見通し、ある調査事務所の担当者はブログで「アリバイ作りの診察」と断言、やはり、悪い印象を持っているようです。

 これは、医療機関と柔道整復の「並行受診」と言い、骨折等の患者を診る場合、医師と院が正しい連携治療を結んでいれば、問題ありません。しかし、自賠社や任意社は、法律家が絡んだ連携関係を、それを誇示した派手なホームページからほぼ把握しています。

 数年前であれば、この「並行受診」でも、それなりに神経学的所見があれば、なんとか14級9号は認められていました。しかし、むち打ち患者の多くは神経学的所見に乏しいものです。したがって、「並行受診」は大変不利な印象を持っています。最近の相談者さんで、「○○弁護士に紹介された整骨院に通い、等級は大丈夫と言われたのですが・・非該当になりました(泣)」がちらほら出始めました。非常に残念です。病院でリハビリをしていたら、認定されたであろう被害者さん達だからです。医師に後遺障害診断書を書いて頂くための、「アリバイ作りの診察」は、もう通用していないのです。

 すると、この交通事故専門、被害者救済を謳っている弁護士は、大変罪な事をしていることになります。

 商売上の安易な提携・顧問関係を院と結んでいる法律家さんは、未だ、この事実を直視できていないのでしょうか。道徳心を持った、そして、手技としての技術が高い院との連携であれば、当然に被害者さんの為になります。しかし、各県で毎月複数の院が処分を受けている今、かなり危険な連携と言わざるを得ません。だからこそ、心ある法律家は医療者との距離をしっかりと保っています。

 今後も問題の噴出が続き、法律家と接骨院・整骨院の連携ブームは、被害者の怨嗟の声を残して、いずれ収束すると思います。    

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win  以前、大結節骨折について触れました。その際、触れた棘上筋についてまとめたいと思います。

 棘上筋とは、肩の腱板の一部で、肩の上下運動のメインとなる筋肉です。棘上筋が断裂した場合、肩の外転運動の可動域に影響がでる可能性があります。棘上筋の断裂は、完全に断裂している場合だけではなく、部分的に断裂している場合もあります。完全断裂の場合、縫合手術を行う場合があります。部分的な断裂の場合であれば、手術ではなく、三角巾で外固定し、安静にする方法がとられる場合があります。  20141126_2  肩の可動域制限が後遺症(後遺障害)として残存するか否かは、断裂具合によります。完全に断裂していれば肩をあげる筋肉が損傷しているので、主に外転運動での可動域制限が生じます。一方で部分的な断裂の場合、程度によっては可動域制限が生じないこともあります。その場合には、14級9号、12級13号のいずれかが認定される可能性があります。

 以上から、治療方針にしても後遺症(後遺障害)手続きにしても、いずれにしても画像を撮る必要があります。

 棘上筋は筋肉ですので、レントゲン画像上でははっきり写りませんが、MRI画像であれば棘上筋が写ります。これで断裂具合を確認できます。なお、前回の大結節骨折でも述べましたが、棘上筋に衝撃を受けて、そのバネのような筋肉に引っ張られることで介達外力タイプの大結節骨折をしていることがあります。骨折により骨片が残り、痛みが続いているかもしれませんので、(3D)CTも撮る必要がある場合もあります。

 しかし、医者の中には、レントゲンのみで棘上筋等の腱板損傷を診断する場合があります。ある医者によると、肩峰と骨頭の間が通常より狭くなっていることを指摘して腱板(棘上筋)損傷を勘で診断?する場合があります。しかし、腱板等を専門的に診察している医者はMRIを撮った上で慎重に診断していました。

 我々は医者がMRIを撮らずに棘上筋損傷を診断した場合には気を付けるようにしています。当然ですが、「勘の診断名」など自賠責は認めてくれません。ちなみに、今までお会いした専門性を持ったお医者様は様々な検査をした上で慎重に診察しております。  

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