症状や障害の状態によって、後遺障害診断書の記載項目は絞られます。すべての欄に記載する必要はありません。当たり前ですが、腕の骨折で、目や耳の障害の欄に記載しないでしょう。私達は医師面談の際に、「先生、そこの記載は必要ないです」とお伝えすることがあります。医師や病院スタッフに対し、いらぬご負担となるからです。ご多忙の中の記載依頼ですから、病院側への配慮です。このサイトを医師が観ているとは思いませんが、いくつか挙げてみます。 ① 頚部の運動障害
打撲捻挫の類で、首が曲がりづらくなったことなど、自賠責保険は認めてくれません。何度に制限されようと、審査上はスルーされます。この角度が必要となるのは、頚椎の骨折・脱臼、あるいは固定術施行の場合です。わざわざ、計測頂くのは申し訳なく、よく提言しています。しかし、医師の無駄な記載率1位だと思う位、ここをしっかり計測・記入下さる先生が多いのです。

② 関節機能障害
上肢・下肢の骨折後、関節の可動域が制限されることがあります。ただし、画像上「曲がらなくなった」ことがわかるような、骨癒合後の変形や転位(骨がずれてくっつく)、骨が癒合しなかった場合など、物理的に関節が曲がらなくなった状態が障害認定の前提です。つまり、問題なく癒合した場合、可動域制限があっても障害認定は否定されます。明らかにひびが入った程度の骨折で、関節の角度がひどくても、「高度な可動域制限は起きないはず」との結果は見えています。可動域制限を装う悪だくみに加担しないため、嘘や大げさな記録は当然にダメです。嘘くさい角度など、かえって悪印象、痛み・不具合の14級9号の審査に悪影響すらあると思っています。
また、この30年間の整復術をみていますと、金属(プレートや髄内釘、ワイヤーなど)が、手術の技術と共に進歩しており、可動域制限なく治る傾向です。昔と違って、ヤブは少なくなったと思います。おかげで私共にとっては、機能障害の等級は取りづらくなった印象です。もちろん、患者さんにとっては良い事に違いありません。したがって、明らかに12級レベルの制限がなく治ってる場合や、ほぼ正常値に回復しているのであれば、無駄な計測・記入は控えてもよいと思います。
① ②いずれも、医師によっては「通例として、受傷箇所の計測・記録はするもの」と律儀に考えます。その場合は従うようにしています。
つづく 👉 後遺障害診断書に無駄な記載 ②

あらゆる保険請求、ご相談下さい
ただし、例外はあります。少人数の企業、家族内企業(3ちゃん企業など呼ばれます)は、法人企業であっても限りなく個人事業主で、お父さん社長が現場で実働していることが普通です。この場合、どうやって休業損害を証明するのか・・絶対的な方法はありませんが、丁寧に実働記録を集めて提出、交渉することになります。それと、そもそも法人自体の売り上げが下がっていなければ、説得力を欠きます。したがって、以下の書類を集めます。できれば、税理士や取引先が証明している書類が望ましいです。会社自ら作成の記録では、常に”お手盛り”が疑われるからです。
・事故前年と、事故当年の申告書類。減っていることが前提です。
後遺障害に関する査定が低い・・保険会社の単なる払い渋りとは違うようです。専門的な審査が必要なので、自賠責保険へ諮問頂くと、認定精度は安定すると思います。
重要な事です!
自賠責保険の保険金額は同じ224万円でしたが、その後の賠償交渉で、7号の人は追加で600万円獲得しました。一方、13号の方は400万円に留まりました。最終的な解決で、200万円もの差が生じました。両者の差はどこで生じたのでしょうか?
最初に答えを。
7号の方は、逸失利益が67歳まで計算され、その額は400万円に。
13号の方の逸失利益は10年間に留まり、その額は200万円に。
つまり、認定された等級が同じでも、その号によって逸失利益の喪失年数の相場が違うのです。
同じ等級でも、その〇号によって認定等級の優先があります。1.人工関節 2.機能障害 3.偽関節 
自賠責保険と違って、任意保険の等級認定は信頼性に乏しく感じます。自社認定ですから、お手盛り感があるように思います。自賠責保険に諮問(何級になるか、質問する)して頂くよう、仕向けることが多くなります。
治療費の安い病院?

まさに、弁護士要らず! だけど、認定後は弁護士の活躍に期待です





