長年、交通事故に携わって、とうに30年を超えています。当然に、過失割合でもめにもめた事故をたくさんみてきました。多くは、一方あるいは双方の妥協で解決します。もちろん、根拠は『判例タイムス』の割合を、そのまま採用か、わずかに修正を加えたものでした。双方の気持ちは分かりますが、争い自体の労力と時間の無駄を感じてしまいます。
その争いの中で、甲乙が入れ替わる(つまり、加害者と被害者が逆になる)ことはめったにありません。ここでは、重大な事実誤認や、一方の嘘から事故状況が変わってしまったケースは除きます。判例タイムスの原則や解釈にそぐわず、裁判官が個別具体的に過失割合に決着をつける場合のことです。裁判官独自の判断、実は相当に珍しいことなのです。それが、昨日のセミナーで目にしました。 まだ結審していませんので、詳しいことは書けません。この事故は、判例タイムスによると、当方80:相手20の事故形態でした。しかし、その担当弁護士は、ドライブレコーダーを解析し、現場検証から緻密に事故状況を明らかにしました。当方が悪くない事情を積み重ねて主張しましたところ、まだ和解提示ではありますが、担当判事は20:80と逆転の結論をしたのです。
これは、大変に珍しいことなのです。多くの事故は、保険会社の担当者が判例タイムスを手に、その基準を相場として片が付くものです。裁判で争うにしても、それは死亡・重度障害など、大きな賠償金が絡む重大事件に限定されます。だからこそ、判例タイムスに載るような事例とならず、少額事故での弁護士の快挙は目立つものではないようです。
本件の依頼者さんは、この逆転劇に対して、「0:100にならないの・・」と未練が残るそうで、やや、やるせない気持ちではあります。しかし、本件の弁護士を誰よりも秋葉事務所は賞賛します。将来、AIの判断になるかもしれない過失割合です。それでも、人間のやることがまだまだあるようです。

一方、被害者の味方である弁護士さんも、主婦休損の立証から、一流~三流で以下のような差になります。
三流:これは、ずいぶん前の交通事故相談会に参加された被害者さんです。すでに弁護士に依頼済ですから、セカンドオピニオンになります。見せてもらった賠償請求書ですが、弁護士のポンコツぶりに落胆したものです。なんと、内縁関係の同居者である奥さんですが、ケガで休んだスーパーマーケットのパートの賃金を休業損害として、杓子定規に請求しています。週3日勤務で1日5時間・時給1100円です。つまり、1日あたり5500円。クソ真面目に職場へ休業損害証明書と源泉徴収票を取り付けて、相手損保に提出済ではないですか!
対して、相手損保担当者さん、27500円なら喜んで支払うでしょう。しかし、最終的に自賠責の回収額を下回る支払いはご法度です(任意保険会社の不当利得になります)。慰謝料がそれほど延びず、支払いに余裕がある場合、弁護士先生に対し、「先生、休業は最低6100円みれますので、6100円×5日で計算しますね」と、おまけみたいに増額してくれます(相手損保に増額してもらってどうするの!)。こんな気の抜けたサイダーみたいなやり取りをたまに見かけるのです。
二流:損害賠償論に習熟した弁護士です。内縁関係であろうと、「実質、二人は家族です。旦那は勤務しており、パートとはいえ被害者の主業は主婦です。」ときっぱり、1日約10700円×実通院日数で請求します。相手担当者も難しいことは言わず、認める傾向です。
冒頭の介護者の立証ですが、私達にとって未解決問題です。幸いヘルパーを雇えましたが、雇えないケースだってあります。今後、同様のケースがあれば、連携弁護士と一緒に取り組みたいと思います。
秋葉事務所の仕事は賠償交渉ではありません。と言うか、法律上できません。それでも仕事は山ほどあります。被害者さんの損害を明らかにする為、弁護士を勝たせる為、主婦性の立証に関しても、時折、調査や書類作成を担っています。これら「事実証明」こそ、まさに行政書士の仕事なのです。

ただし、例外はあります。少人数の企業、家族内企業(3ちゃん企業など呼ばれます)は、法人企業であっても限りなく個人事業主で、お父さん社長が現場で実働していることが普通です。この場合、どうやって休業損害を証明するのか・・絶対的な方法はありませんが、丁寧に実働記録を集めて提出、交渉することになります。それと、そもそも法人自体の売り上げが下がっていなければ、説得力を欠きます。したがって、以下の書類を集めます。できれば、税理士や取引先が証明している書類が望ましいです。会社自ら作成の記録では、常に”お手盛り”が疑われるからです。
・事故前年と、事故当年の申告書類。減っていることが前提です。
次いで、助手席です。私が子供のころ、助手席でシートベルトをしている人が珍しかった印象です。1970年代(昭和40~50年)の交通戦争時代は年間1万人以上が交通事故で亡くなっていました。その内、運転者は助かるも、助手席の死亡が多かったことから、助手席のシートベルト強化が進みました。警察、自治体、教習所の指導強化が続きましたが、やはり、取り締まりと罰金が効果的でした。
注目の判決?

まさに、弁護士要らず! だけど、認定後は弁護士の活躍に期待です

今回、引用する事件ですが、刑事事件では飲酒運転が認められず無罪、行政処分では飲酒運転に相応する処分となり、その処分の撤回を求めた民事裁判で結果が食い違いました。
<読売新聞オンラインさまより引用>

さらに、駅から歩く事15分、クライアントさま宅にて出張相談です。重傷で入院中、かつ面会が難しい場合、取り急ぎ、ご家族との打合せをします。初動の段階で手をこまねいている場合ではないからです。
交通事故に限らず、何事も最初の一手が大事です。初期のつまずきによって、解決が難航することは珍しくありません。今回は代理店さまの協力を得て、スピード対応となりました。早いことは常に良い事です。
なかなかに荘厳です
これは0:100だよね
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