朝から雨。大阪の疲れが残るまま早朝の新幹線、ローカル線を乗り継いで塩尻へ。前回は冬の寒い日でした。車窓から季節のうつろいを感じます。
本日、病院同行で皆出払って事務所は空です。増員を急がねばなりません。
うちの事務所は病院同行しないでも済むような楽な案件は極めて少ないです。入所希望の皆さんには相当の覚悟が要ります。しかし、どの仕事でも難しい専門職ほど食いっぱぐれません。簡単な自賠責保険の手続き・代書業で御代を稼ぐではない、真の「被害者救済のプロ」を育てています。
朝から雨。大阪の疲れが残るまま早朝の新幹線、ローカル線を乗り継いで塩尻へ。前回は冬の寒い日でした。車窓から季節のうつろいを感じます。
本日、病院同行で皆出払って事務所は空です。増員を急がねばなりません。
うちの事務所は病院同行しないでも済むような楽な案件は極めて少ないです。入所希望の皆さんには相当の覚悟が要ります。しかし、どの仕事でも難しい専門職ほど食いっぱぐれません。簡単な自賠責保険の手続き・代書業で御代を稼ぐではない、真の「被害者救済のプロ」を育てています。
昨晩、激混みの新幹線で帰京の途に。2時間半立ちっぱなしは堪えました。新幹線は座るものです。
それでは恒例のレポートを。弁護士向け実務講座も7回目を迎えました。今回は交通事故外傷の上肢、下肢を傷病名別に、実際の画像を確認しながら解説しました。地味ながら骨太の研修です。
交通事故外傷を語るに画像読影は避けて通れません。「医師でもない素人が画像読影?」、疑問を呈する弁護士先生も少なからずおります。確かに専門知識・技術、さらに診断権を持たない者が画像に踏み込むのは不遜、素人見立てはトラブルすら予想されます。しかし、画像に対して「まったくわかりません」「すべて医師に任せるべき」としていては対応は後手に回るばかり、突き詰めれば「立証は医師任せ、医師の言うことは(間違っていても)絶対」となります。確かに法律家は医療にアンタッチャブル、基本的にこの姿勢は正しいと思います。しかし、現実は完全に医師任せがために、自らの障害を立証しきれない被害者が続出しているのです。なぜなら医師は治療のために読影するのであって、治らなかったケガの画像精査など治療上、意味を成さないからです。
立証を託された法律家は、せめて専門医と潤滑に会話が出来るレベルの読影力が必要ではないでしょうか。私はそれが交通事故の専門家を名乗る必須条件と思っています。障害の立証作業に限定すれば、証明することは当然に医師の領分ですが、予断することを立証側の仕事としても然るべきです。
参加された弁護士、行政書士は皆、画像から逃げずに必死に食い入っています。2日間ですべての画像を理解できようがありませんが、常日頃、観続ける姿勢を堅持していただきたいものです。
後遺障害の立証は画像からスタートするものです。厳しい道ですが・・日々勉強、専門家は簡単に名乗れません。
常日頃、無事に14級が認定される被害者と非該当となる被害者の運命を分けるものは何か?を考えています。
もちろん、後遺障害が認められる相応の症状の残存が条件ですが、どうも「どのような治療経過を経たか」にかかっているように思います。14級9号とは画像所見はもちろん、他覚的所見が乏しい中、受傷機転、治療経緯、症状の一貫性から、重篤度を推測していただくものです。これについては日々、この日誌で繰り返し書いています。
では、首の皮一枚で認定に漕ぎ着けた3例をご覧下さい。断言します、私達が介入しなかったら・・14級は逃していたでしょう。
14級9号:頚椎捻挫(40代女性・山梨県) 14級9号:頚椎捻挫(50代女性・千葉県) 14級9号:頚椎捻挫(30代女性・埼玉県)鉄則:保険会社と事を構えるのは等級を取ってから!
交通事故の発生件数は、警視庁の発表によれば、平成24年は66万5,138件、25年は62万9,021件、26年は57万3,842件、と減少傾向にあります。
そして、損害保険損率算定機構(平成25年度の事業概況)によれば、交通事故による死亡者、それによる自賠責保険死亡支払件、が年々減少してきています。また、交通事故の負傷者も年々減少しています。これらのことから、交通事故の発生だけではなく、交通事故による重傷者及び重傷になるレベルの大きな交通事故が減少してきているといえます。
しかし、支払われる保険金は、平成23年度では8,054億円、24年度では8,000億円、25年度では8075億円、とほぼ変化がありません。また、これに対し、自賠責保険傷害支払件数は、平成23年度では1,155,536件、24年度では1,154,370件と若干減少しましたが、25年度では1,185,334と増加しております。なお、平成21年度では1,117,373件、22年度では1,136,876件であったことから、全体的にみて年々増加傾向にあるといえます。
交通事故発生数と交通事故による死亡者・重傷者が減少しているにもかかわらず、他方で保険金の支払件数が増加し、支払保険金に変化がありません。なぜこのようなことが起きたのでしょうか。
(1)後遺障害認定の増加について 上記した自賠責保険傷害支払件数には、後遺障害が含まれています。 この点、損害保険損率算定機構(平成25年度の事業概況)の後遺障害支払件数の推移によれば、後遺障害支払件数は年々減少しております。また、年間の後遺障害認定件数は、全体の傷害交通事故のうち約5%であり、この数値に大きな変化はありません。 よって、後遺障害認定が原因で支払保険金が増加したわけではなさそうです。
(2)治療費や施術費の増加について 損害保険損率算定機構(平成25年度の事業概況)によれば、総治療費及び総施術費の増加及び件数が増加しております。ただ一方で、平均治療費、施術費の変化はほぼありません。 よって、治療費・施術費の値上げは起きていないようです。
※平均施術費については、平成24年度では315,683円なのに対し、平成25年度では311,168円と減少しておりますが、平成21年度から全体的にみてあまり変化がないと考えます。
上記した通り、交通事故の負傷者が減少しているにもかかわらず、総治療費及び総施術費の増加及び件数が増加しているのは、交通事故負傷者の内、多くの病院や接骨院等へ通院する者の数が増加していると考えます。
※ なお、治療期間・施術期間が少しずつ増加しており、通院慰謝料等の支払数が多くなるともいえますが、平均して1日ずつしか増加しておらず、少数といえるので、これが直接的な原因と解することは出来ません。
交通事故の負傷者は、多く通院する必要のある者から、軽傷で、数回通院すればいいような者まで様々です。昔では、交通事故負傷者は後遺障害の申請をする以前に、多くの通院をしていませんでした。通院する者が増加しているのは、本来多く通院する必要のない者まで多く通院するようになってきているといえます。何故なら、交通事故の負傷者数そのものが減少すれば、その分通院が必要な者も減少するはずなのに、損害保険損率算定機構(平成25年度の事業概況)によれば、上記した通り交通事故の負傷者数が減少しているにもかかわらず、病院や施術所へ通う人数が増加しているからです。 なお、最近になって、交通事故の負傷者のすべてが多く通院する必要のある者であった可能性が全くないわけではありませんが、非常に低く、現実的ではありません。
では、なぜ交通事故負傷者が全体的に多く通院するようになったのでしょうか。
結論として、交通事故の負傷者が後遺障害の申請の方法をインターネットや書籍等で簡単に知ることが出来たことにあるとみています。 特に、交通事故負傷者の診断名のうち、約60%がムチウチであり、ムチウチの後遺障害申請について調べた者は、大抵、通院日数を増やそうと考えます。この点、ここ最近の相談会でもそのような者が増加しているようにみえます。
しかし、本来後遺障害というのは生涯にわたって治らないレベルの者に認められるのであって、軽傷者に認められるものではありません。上記した通り、交通事故による重傷者は減少しています。このことから、軽傷者があえて後遺障害を狙っているようなケースが増加しているようにみえます。
私達(連携しているNPO法人や弁護士事務所を含む)は、すべての交通事故被害者に対して、後遺障害の申請をアドバイスしておりません。後遺障害が認められる者とそうでない者とを見分けた上で、それぞれの被害者に対して最もよいと思われる交通事故の解決の道筋を模索し、アドバイスをさせて頂いております。そして、後遺障害が残存しないような者については、契約を結ぶことは原則致しません。何故なら、必要ないからです。
無駄に契約を締結して無駄にお金の支払わせて無駄に保険金を使うようなことは、個人レベルでも、社会レベルでも損失にしかなりません。
首都圏は梅雨入り間近ですが、連日暑い日が続いています。暑いといっても風はさらっと乾燥していますので、オープンデッキで食事をするには良い季節です。 さて、5月が特異な月であったのをお気づきでしょうか? 是非カレンダーを剥がす前に確認して下さい。
なんと、金土日が5回ありました。このような月は10年に1度位あるそうです。今月はカレンダーが見やすいな・・と思っていました。
このように、何気ない事でも少し注意して見ると発見があるものです。これは仕事にも生かしたい感性です。
そこで、昨日は仕事の合間に街を散歩しました・・新しい発見はあったのか?
←木挽町のワインバーの入り口。この周辺はビジネス街で平日賑わう反面、土日祝日は閉めてしまう店が多いのです。夜の開店後は気付かなかったが、そのような葛藤があったのか・・。
ど素人が医療知識をひけらかして、専門家を気取る?
私達の仕事について、そのような批判があってもおかしくないと思っています。・・これに対しての答えは以下の通りです。
昨日の日誌の文章から引用・・
誰かが気づいて、適切な検査・治療へ誘導しなければなりません。だからこそ、メディカルコーディネーターに医学的な知識が求められるのです。これはなにも素人が医者に勝ろうとすることではありません。医師疎通(医師と意思疎通する意味の造語、洒落?)、専門医と会話が出来るレベルの知識は必要だということです。
患者はたいてい医師の言うことに「はい」としか答えられないものです。障害の立証のために必要な検査も、多くは治療する立場の医師にとって必要のないものかもしれません。自分の症状や意見、検査の希望を医師に訴えることは非常に高いコミュニケーション能力を必要とします。それが出来る人と出来ない人に分かれます。いえ、出来ない人の方が多いでしょう。交通事故外傷の立証の難しさはまさにここにあります。だからこそ、私達の仕事が生まれたと自認しています。そして、医学的な知識も日々勉強を重ねてゆかねばなりません。
医師は日々多忙であり、患者から十分に話を聞くことや丁寧に観察ができないこともあり・・あってはならぬことですが、誤診や確定診断の遅延が起きます。医師も人間であり、技術職である以上、診断力に差があるのです。やはり、患者側にも医師にしっかり訴える、最悪は病院を替えるといった自律性が望まれます。
漫然と治療を続けるツケは常に自分に跳ね返ってくるのです。
相談会において、検査の実施や診断書の記載についてあれこれアドバイスをします。すると、被害者さんの顔はますます不安の影を帯びてきます。そこで「大丈夫、私が同行して医師に説明しますよ」と言った瞬間、安堵、顔が明るくなります。
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骨格模型のトワテックさんのメディカルレポートからいつも勉強させていただいています。足関節についてありがたい記事を拝見しました。(整形外科医 北村 大也 先生の記事から引用させていただきました。)
骨折・脱臼がなかった場合、足関節の損傷は診断が難しく、いつまでも捻挫扱いで処置が遅れる傾向です。読影力のある医師はXP(レントゲン)から各関節の関節列隙を観察、靭帯損傷や軟骨損傷を予断します。そして、即座にMRI検査の指示となります。しかし、これは理想であって、相談会では正しい診断が成されないまま足を引きずって参加される方が少なくありません。適切な治療が遅れれば回復も悪く、さらに最悪なのは、診断の遅れによって外傷との因果関係が否定されます。つまり、後遺障害の補償すら逃します。
誰かが気づいて、適切な検査・治療へ誘導しなければなりません。だからこそ、メディカルコーディネーターに医学的な知識が求められるのです。これはなにも素人が医者に勝ろうとすることではありません。医師疎通(医師と意思疎通する意味の造語、洒落?)、会話が出来るレベルの知識は必要だということです。 今日は足関節と関節機能について整理しましょう。
〇 距腿関節
脛骨・腓骨の下端と距骨の上面との間のらせん関節。狭義の足関節。足関節の背屈・底屈のほかに、底屈位でわずかな内・外転が可能。
〇 距骨下関節
距骨下面と踵骨上前面との間の顆状関節。内がえし・外がえしはこの関節で起こる。
〇 横足根関節(ショパール)
踵立方関節と距舟関節からなる。わずかではあるが、背屈・底屈・内がえし・外がえしに関与。
〇 ...
前回に続き、むち打ち・腰椎捻挫の認定例を紹介します。今日のテーマは同乗者複数に14級9号が認定された実例です。これが意外と多いのです。過去、3人まとめて認定が3回、2人認定は枚挙にいとまがないです。調査事務所はそれぞれの症状を相関性なくみているはずです。当然、2人申請=1人だけ認定の経験もありますが、いずれも明らかに一方が軽傷なので納得です。 どうも同乗者は認定されやすいように感じます。全国の同業者さんも同感ではないですか?
私はこれを「同乗者・同時申請効果」と分析しています。
1人申請するのであれば、是非、同乗者もついでに申請すべきです。もちろん、相応の症状が残存している場合ですが。
おなじみのむち打ち14級9号ですが、角度を変えて観察しますと、色々な側面が見えてくるものです。
今日も快晴です。このオフィスに移ってそろそろ3年になります。ここに決めた理由は移動の便、主要3銀行の前等、地の利からですが、もう一つ、風のさわやかさでしょうか。窓を南西北の三方向開くことができます。すると、涼やかな風が事務所内を通り抜けます。机上の書類の上に錘を置いて飛ばないように・・初夏のそよ風を堪能しています。
都心に近いビル街でこの風は大変貴重なのです。窓を開けたら隣のビルの壁・・これが普通です。眺望が開けていないと発想まで閉塞的になるように感じます。日々、銀座の灯を望み思索していますが、気になることは・・電通の旧本社ビルはどうなるのだろう?
右側が旧電通ビル、この3年ですっかり引越しが完了したようです。かつては毎晩11時まで窓が点灯していました。それはまるでオフィスを照らす照明でした。
この春、たくさんのご応募を頂きながら、新人さんの採用が決まりませんでした。夏までに求人をテコ入れしないといけません。
以前、同業の先輩先生に「正確な後遺障害診断書を書いていただくために、気心通じている整形外科に誘致するか、できるだけ通院先で書いていただくか」について意見交換をしました。
その先輩先生は「なるべく通院中の病院で」と断言しました。”自然が一番派”でしょうか。一方、医療機関との連携を誇示している(弊事務所もそうですが)先生は、気安い病院へ転院させて医証を仕上げることを売りとしています。確かにこれは楽な道です。毎回、未知の病院・医師と折衝することは大変な緊張を強いられます。
では、私達の姿勢を言いましょう。ずばり、”無形の位”です。柳生新陰流の奥義です。これは剣をだらりと下げて、一見構えをとりません。ノーガード戦法が思い浮かびます。この奥義は先に形を決めず、相手に応じて”後の先”を取る事です。”後の先”とは剣道では”出小手”、ボクシングではカウンターに例えられるでしょうか。
どんな医師であっても誠意をもって説明すれば、それなりの診断書は上がります。より積極的に、関節可動域の測定や検査に立ち会うこともあります。また、面談せずとも手紙で診断書依頼、記載事項を訴えることもよく行います。患者に事前に説明して医師へ伝達することもあります。それでもどうしてもこの病院に通ってはいけないと判断した時は転院させます。それは全体の5%に満たない珍事です。
医師との折衝にはおよそ10パターンもの手段を駆使します。つまり、”無形の位”とは臨機応変を指すのです。どのような相手、状況であっても最善の対応をすることです。例えば、「医師面談は有効か無効か?」など、方法論を議論しているようではアマチュアです。どちらが正しいかではなく、「この場合、どちらを選択するか」がプロの判断です。所詮、目的は間違いのない等級認定、方法は単なる手段に過ぎません。
医療立証の業務に熟達した者は”無形の位”を会得しています。
弊事務所では、新人を教える際、何をもって免許皆伝とするか・・この”無形の位”が出来るようになった時と判断しています。ワンパターンで対処する仕事はビジネス効率としては有効でしょう。これはマニュアルの作成・実行で済むからです。しかし、被害者からはもちろん、弁護士事務所、保険会社、病院、交通事故に関わるあらゆる機関から信頼を得るメディカルコーディネーターはマニュアル人間では勤まりません。
どのような仕事でも臨機応変が望まれます。残念ながらこれが出来る人と出来ない人に分かれます。その人の資質に大いに負託するからです。それでも、少なくともこれができなければ、私達の仕事は単なる「交通事故ビジネス」に成り下がるでしょう。
来週は珍しく転院ミッションが控えています。
私達は依頼者に対して様々なアドバイスをしております。
その依頼者にとって、最も良い交通事故の解決方法は何か、常にそのことを考え、悩み、実行に移させていただいております。
依頼者の相談の中で、中心となるのが、後遺障害の申請に関する相談です。
この点、私達はすべての依頼者に対して後遺障害の申請を勧めているわけではございません。後遺障害が残るような依頼者とそうでない依頼者とでアドバイスの内容は異なります。 つまり、後遺障害の申請は、後遺障害が認められるような方にのみ申請を勧めているのです。
その為の重要な判断材料として、受傷機転(交通事故の受傷状況)があげられます。
ここで、皆様に質問をしてみたいと思います。
ある日、A、Bはそれぞれ違う場所で追突事故に遭いました。 二人とも、事故直後から痺れや痛みがあり、整形外科で真面目にリハビリをしており、MRI検査も受けております(本件では二人とも頸椎捻挫で、画像所見や傷痕は特になかったものとします)。 二人とも6カ月経過しても症状が変わらず、後遺障害の申請をしました。
皆様に質問です。
Aは高速道路上、最後尾にて渋滞待ちをしているところで追突に遭ったのに対し、Bはスーパーの地下駐車場で追突に遭いました。 どちらの追突の衝撃が大きいと思いますか。
この場合、Aの追突の方が大きいように見えます。 何故なら、高速道路では一般道よりもスピードを出しますので、追突された際の衝撃は大きいといえます。そのような事故で痛みや痺れが出てきたと主張しても、信じられすいといえます。
これに対して、Bの追突の場合、スピードがあまり出ない狭い駐車場、しかも、それが地下にあった場合、暗く、狭い場所が多いことから、運転する際も一般道に比べて非常に減速した状態での追突といえます。 Aの高速道路上の衝撃と比べると、衝撃は小さいといえます。
あまりにも常識的すぎて、つまらないかもしれませんが、相談会に出席される方の中には、Bのような場合でも症状が重いと相談される方が少なくありません。
A、B二人は、それぞれ「痛い、痺れる」と言っており、それぞれが医者に相談した場合、診断書にその旨が記載されます。 しかし、事故の衝撃が大きければ、症状の重さにも差が出ます。 この点、診断書の記載内容は、「疼痛、痺れ」のみであり、A、B共に同じ場合であることが通常です。また、痛み等の重さを測る装置等も存在しません。 そこで、皆様が痛みを判断するには、骨が折れていないか等の画像所見、傷痕等、外見上明らかな場合であればそれで考え、そういうものがなければ、事故の状況で考えるはずです。 ...
セカンドオピニオンの多さは相変わらずですが、最近気になる相談パターンを少々。
すでに弁護士に依頼していながら・・・
○ 自賠責の被害者請求を手伝って欲しい
○ 異議申立ての可能性を見て欲しい
○ 労災の手続きを相談したい
○ 画像を見て欲しい
○ 病院を紹介して欲しい ご相談をいただくことはまことに光栄なのですが、思わず「ちょっと待って、既に契約している弁護士さんに何で相談しないの?」と質問してしまいます。すると、相談者はばつが悪そうに以下のような返答をします。
「弁護士さんは示談交渉のみしかやらないと言っていまして・・」
「弁護士さんは「異議申立の結果を待っています」と・・」
「それは、別のところで聞いて・・と言われました」
「細かいことは(弁護士先生に)聞きづらくて・・」
「(弁護士先生に)電話をかけても折り返しが遅かったり無かったり・・」
このような被害者さんはせっかく、お金を出して弁護士に依頼したにも関わらず、様々な手続きを独力でやらねばならず困っているようです。つまり、依頼した弁護士は”資格を持った示談屋さん”です。「賠償交渉に特化している」と言えば聞こえは良いですが、そのような先生に限って交通事故裁判の経験が乏しく、もちろん判例など取ったことはありません。”賠償交渉のスペシャリスト?”に疑問がつきます。優秀な先生はたいてい何でも相談にのってくれるものです。
もしかするとこれは氷山の一角、”弁護士に依頼しながら困っている被害者さん”、実はたくさんいるかもしれません。
賠償交渉しかやらない先生に依頼すると多くの事は望めません。「示談交渉」が交通事故業務のメインとは言え、他に手続きが山ほどあり、それらは自分でやるしかないのです。事案によっては賠償交渉は解決までの作業の一部に過ぎないかもしれません。受傷から解決まで、被害者に課せられた手続きは山ほどあるのです。特に障害の立証(後遺障害等級の認定)は前半の山場です。被害者にとって一番助けて欲しい場面です。
私と連携弁護士さんの協働のきっかけですが、実は、このような被害者さんのニーズに対応するために、弁護士事務所から弊事務所に相談してきたケースが多いのです。賠償交渉以外の事務について、私どものサポートを加えれば鬼に金棒と気づいたのでしょう。まさに、被害者救済業をしています。 逆に、残念ながら未だ多くの弁護士さんは連携の有用性を否定、「行政書士ごときに何で頼らなければいけないのか?」「立証はうちの事務所でもできる!」「弁護士に任せれば大丈夫、他に相談する必要はない!」、ひどいと「行政書士は非弁だ!」と非難が返ってきます。 ならば、単独で、被害者の窮状すべての局面に対応していただけないものでしょうか。
もっとも、交通事故専門?を掲げながら、医療立証や賠償外の事務に精通している行政書士が極めて少なく、確かに非弁まがいの書士が多いことも問題ですが・・。 債務整理でも似たような話を聞きます。過払金返還請求をして終わり、任意整理に関する残った処理はやらないで委任契約終了にする事務所があるそうです。その依頼者はまた別の弁護士を探すことになります。
資格を持った示談屋・・それもありでしょう。しかし、依頼者第一主義を掲げるのであれば、受傷初期から解決まで一貫してフォローしてくれなければ困ります。それが出来ないのであれば、士業間の連携を駆使して完遂すべきです。これは、職業倫理、責任感の有無が問われているのです。
被害者さんも依頼先を探す際、よくよく弁護士の仕事の範囲を確かめる必要があります。法律事務所もサービス業、事務所によって仕事の守備範囲は違います。つまり、差があるのです。
より深刻なケースは、上記のように宣伝しながら、実際は「等級が取れてから来て」と対応する事務所、最悪は「受任しながら等級が出るまで何もしない」事務所ですが・・
中高年のむち打ち、腰椎捻挫はほとんどが年齢変性(加齢による骨や椎間板の変形)の影響があります。それでも事故の衝撃で神経症状が惹起された(引き起こされた)・・症状が長引く場合、このような説明が一般的です。保険会社は年齢変性による障害を”既にひびの入った割れ茶碗”と表しています。では、中高年のむち打ちは元々壊れていたものと、後遺障害を否定されてしまうのでしょうか?
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あたり前のことですが、自らの傷害・障害を訴える際、まず自覚症状 =「痛い」を主張します。ただし、「痛い」証拠を突きつけなければ信用してもらえないでしょう。交通事故で保険会社に保険金や賠償金を請求する際、その証拠をもって主張することになります。
交通事故外傷では多くの場合、その証拠とは画像を指します。逆を言えば画像に出ないものは否定されることが原則です。しかしながら、一部の障害は画像にでないものもあり、これは専門的な検査数値であったり、専門医の診断・意見を参考にします。また、おなじみの14級9号「局部に神経症状を残すもの」は画像が不明瞭であっても、治療経過や症状の一貫性から推測していただけます。言わば「証拠なき認定」です。
自賠責の後遺障害審査で一苦労するのがその画像の収集です。これは被害者請求であっても事前認定でも同じです。事前認定の場合、担当者は苦労して各病院に依頼をかけます。病院側も往々にして面倒、遅れがちです。中には拒否する病院すらあります。 神奈川県のある大学病院では「画像はフィルムでしか渡せません」とCD(100~1000円程度。どんなに高くても5000円)に焼いてくれません。その病院に画像請求すると、「CRが40枚、CTが100枚、MRIが80枚… 一枚1000円ですので… 消費税入れて237600円です。どうしますか?」と返事がきます。費用だけの問題ではなく、レントゲンはともかく、CTやMRIはパソコン画面でなければよく観えません。これはもはや嫌がらせです。この病院に被害者も保険会社も調査事務所も皆、泣かされています。この病院だけは際立って特異ですが、画像集めは大変なのです。
被害者請求であれば、この画像収集を被害者自らがやらねばなりません。また、最近は弁護士、特に行政書士がこれを有償で代行してくれます。 しかし、ある調査事務所の方から聞いたところ、「弁護士事務所は画像を提出してくれないことが多い」と聞きました。おそらく、「事務方に任せた結果、画像の収集・提出をもらしてしまうことが多いのでしょう」と推論しましたが、まったく一枚も画像を出さず、明らかに意図的に画像提出を怠っている事務所も少なくないそうです。(これは最近の某調査事務所員さまのブログでも取り上げておりました。)
要するに画像収集は面倒 ⇒ 要求してきてから対応しよう ⇒ なんといっても調査事務所からの依頼であれば費用は調査事務所もち・・
このようにズルい意図が見え隠れします。しかし、私が問題視したいことは、この手抜き被害者請求ではありません。審査前にその弁護士が画像を一切見ていないことが大問題だと思っています。タイトルに戻ります。障害の証明=画像がすべて、なのです。骨折の状態、癒合状態、転位・変形を確認せずして、それに適合した診断書が書かれているかなど、判断しようがありません。つまり、証拠を吟味せずして、医師の診断と審査、二重に丸投げしている状態です。これでは申請を法律家に託した意味がありません。画像を掌握・精査しなければ、事前認定と被害者請求の優劣を語るどころではないのです。
何のためにお金をかけてまで被害者請求としたのか・・これは業界全体のテーマと思います。単に”自らの報酬のために被害者請求(が有利です!)を煽っている”風潮に私たちチーム全員が憂慮しています。
弊事務所は複雑な治療経緯、長期かつ10箇所を超える病院の案件が多く、毎度、提出書類・画像の収集に四苦八苦しています。たまに、提出をもらすこともあります。多くは病院側の事情ですが、その点、反省しております。それでも等級を決める重要な画像を見落とすような仕事はしていません。常に「画像こそそべて」の姿勢をお約束しています。
ムチウチの患者は、普段のリハビリを自宅の近所や職場近くの病院で行い、また個人医院が多いです。
近年の整形外科では、個人医院であってもレントゲン室がある場合が多いです。しかし、他方でMRI設備がある個人医院は少数にとどまっております。何故なら、MRI設備は高価だからです。
また、以前に説明しましたたように、医者は医療過誤を防ぐ目的から、骨折の有無を確認するためにレントゲンを診れば十分で、MRIを撮らない医者が多いことをお話ししました。このことから、レントゲン室は自分の病院にあっても、MRI設備までもわざわざ手元に置かなくてもいいと考えるのが通常です。
しかし、後遺障害が認められるためには、MRIを撮ることが必要です。
そこで、普段通われている病院にMRI設備がなくても、主治医にMRI設備の整った病院を紹介してもらい、そこでMRIを撮ってもらい、その画像所見をもって主治医に診察してもらう必要があります。
この点について、皆様に質問をしてみたいと思います。
とある交通事故でムチウチの診断が下された患者A、Bがおりました。両者ともに、交通事故についてのホームページを見ていくうちに、MRIを撮ろうと考えました。しかし、患者Aの主治医XはMRIを撮ることを拒否し、他方で、患者Bの主治医YはMRIを撮影するために、他院を紹介しました。患者Aは、やむを得ず、主治医とは違う病院でMRIを撮りました。
皆様に質問です。
後遺障害申請の際には、患者A、Bは共にMRI画像を提出しました。患者A、Bのどちらが後遺障害の程度を重くみてくれると思いますか。
おそらく、保険会社(自賠責・調査事務所)は、多くの場合、患者Bの方を重くみるでしょう。
保険会社(自賠責・調査事務所)の立場からすると、医者がMRIを撮るのかどうかを判断するのであり、紹介すらしなかった以上は、症状の程度は軽くみられやすいです。また、主治医が撮らなかったのに、わざわざ他の病院に行ってまで撮るのは後遺障害狙いのためではないかとみられてしまう恐れもあります。よって、患者Aの方法はあまりお勧めできません。なお、患者Aの方法は絶対にダメというわけではありません。中には、これでムチウチの症状を重くみてくれて、14級9号が認められるケースも存在しますが、可能性の高さからすると、患者Bの方が妥当です。
よく相談会では、医者にMRIを相談する際には、あくまで、患者が要求するような話し方をするのではなく、「弁護士や知り合いの保険会社の人に相談したところ、MRIを撮っておいた方がいいよと言われたのですが・・・」と間接的に伝えることをアドバイスさせていただいております。このように医者に話せば、多少、対応がやさしくなることもあります。
しかし、医者の中には、頑なに撮らないと主張し続ける方も稀におります。また、このアドバイス通りに話をしたとしても、医者の中にはとても嫌がる方もおります。何故なら、医者は治療をすることが仕事であって、保険手続きや賠償交渉のために仕事しているわけではないからです。よって、治療以外のためにMRIを撮ることになると考える医者にとって、このようなことを認めないと考える方もおります。 しかし、現代のような資本主義社会ですと、治療にはお金がかかります。そして、保険会社は完治するまで何年も治療費を出し続けるようなことはしません。どこかで保険の手続きをする必要があります。
そこで、どうしても主治医がMRIを撮らないようでしたら、思い切って転院することも有効かもしれません。 何度も転院を繰り返すのは、よほどのことがない限り、保険会社はあまり認めたがりません。転院は1回を目安とした方がいいでしょう。
なお、以前のブログ記事には、MRIを撮るのは事故からなるべく早めにした方がいいと述べました。その理由として、事故当初よりも治療によって画像上緩和されている可能性をあげましたが、今回のように、MRI撮影依頼を早めに切り出しておくと、その医者がどのような判断を下すのかを早めにみることができますので、二重の意味でMRI撮影は早めに切り出すことをお勧めします。
行政書士の請求に対する各社の動向ですが、かつて「行政書士への費用は明確に制限規定を設けた」件について書いたと思います。詳しくは ⇒ エトセトラ⑧
以前から国内社の対応は「法律相談費用(10万円限度)の範囲でなんとかしたい」意向がありました。最近は約款まで記載せずとも、重要事項説明書やパンフレットに行政書士への支払い制限を書くようになっています。外資系は元々、”支払い対象は弁護士のみ”が多数であったのですが、近年、行政書士へ対象範囲を広げています。しかし、支払い内容は当然に渋いものでしょう。
久々に某通販系の担当者と弁護士費用(以下、弁特)について、電話でお話をする機会がありました。その会社はLAC基準を前面とし、小額案件は弁護士でも着手金は10万円まで、行政書士は「着手金・報酬」などそもそも発生せず、「文章作成料金」の費用について10万円限度と徹底した対応をしています。元来、弁特は各社、各支払い課、担当者によって支払い基準・解釈がばらばらの対応ですが、この会社は珍しく全国的に支払い基準が統一しているようです。
第三者的な分析が多いこのシリーズですが、今回は私(弊事務所)の姿勢を明確にしておきましょう。
最初に言いますが、”保険会社が事前に支払い基準を示すこと”について、私は賛成です。それさえクリアにしているなら弁特社を横暴と思いませんし、担当者と喧嘩になることもありません。会話の応酬は以下の通り・・
(担当者)
行政書士は資格上、文章作成の費用しか発生しないはずです。したがって、着手金・報酬は弁護士のみで、行政書士には10万円の費用までです。
(秋葉) 確かに文章作成料としての代書代・手間賃は5万円程度です。弊事務所ではそれに調査費用が上乗せされます。そちらの費用がはるかにかさみます。その初期経費は着手金でまかなっています。また、その調査の成果に応じて報酬を決めますので、「着手金&報酬」制度は依頼者の理解が得られやすいのです。 弁護士のみ「着手金&報酬」が発生する?といった概念は単に御社のお考えでしょう。
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