経験を積むと、ほとんどの依頼者について後遺障害等級を見切ることができます。これが、一つの実力であることには変わりません。だからこそ私達は、「後遺障害の申請業務=想定等級にすべき医証を収集・資料を作成する作業」と標榜しているわけです。しかし、自信は時に慢心を生むことがあります。本件は、当初、高次脳機能障害までは至らないと思ってご依頼を受けました。しかし、遂行能力・注意機能の低下を示す、医師の見解から高次脳9級となりました。一見、9級ほどの障害とは見えません。それでも、些細な情報を逃さずに申請しなければプロの名折れです。また一つ、年初から戒めをもった次第です。  経験を積むほど、謙虚にならなければいけません  

9級10号:高次脳機能障害(60代女性・埼玉県)

【事案】

自転車で横断歩道を走行中、右折車に衝突される。わずかながら、CTで頭蓋骨骨折とくも膜下出血が発見された。   【問題点】

事故から既に5ヶ月経過していたが、病院・保険会社・労災とのやりとりで疲弊しており、検査が不十分であった。何より、依頼者さんは耳鳴りの立証を強く希望しており、頭部外傷後の諸症状について、ご家族も深刻な認識を持っていなかった。弊所としても、当初から高次脳機能障害の認識は乏しく、主訴とは考えていなかった。

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 年末年始にかけて認定ラッシュとなりましたので、溜め込まないうちに、いくつか紹介・UPします。年初から骨折画像を観続けの毎日です。お医者さん、放射線技師の次に医療画像を観ている仕事と思います。本年も勉強を怠らず、泥臭くとも努力と根性で行きたいと思います。 

 誰しも後遺症を残さぬよう、治療に全力を尽くします。そして、治りが良ければ、どうしても後遺障害申請に気が回りません。障害など残さず治す事が一番ですが、治療と平行して賠償問題にも気をかける必要があります。症状がはっきりしているうちに、すみやかに申請をすべきなのです。

   若い人は治りがいいなぁ  

14級9号:脛骨骨折(20代女性・群馬県)

【事案】

自動車の後進を誘導中、誘導していた車と駐車場の柵に挟まれたため、すねを骨折した。直後から強烈な痛みに悩まされる。

【問題点】

相手保険会社から示談の案内=傷害慰謝料の提示があったことを機に、相談会に参加された。

髄内釘で固定後、骨癒合促進のため超音波治療を続けた。その効果から変形や機能障害も残さず、回復は良好であった。相談時には既に1年半以上経過しており、最終診察は8か月前も前だった。    続きを読む »

【事案】

自転車で横断歩道を走行中、右折車に衝突される。わずかながら、CTで頭蓋骨骨折とくも膜下出血が発見された。   【問題点】

事故から既に5ヶ月経過していたが、病院・保険会社・労災とのやりとりで疲弊しており、検査が不十分であった。何より、依頼者さんは耳鳴りの立証を強く希望しており、頭部外傷後の諸症状について、ご家族も深刻な認識を持っていなかった。弊所としても、当初から高次脳機能障害の認識は乏しく、主訴とは考えていなかった。

【立証ポイント】

ただちに高次脳機能障害とは思えなかったが、基本通り病院同行し、MRI検査(T2スター)と「意識障害についての所見」を依頼し、初動はひとまず完了した。日常生活状況報告書を後送し、高次脳機能障害としても審査がなされた。

申請から約4ヶ月で9級10号が認定された。予想外の高次脳認定となった。いくら症状が軽度であっても、高次脳機能障害の3要件が揃っていれば、厳しく症状を追求すべきである。今後、反省すべき案件となった。

※併合の為、分離しています

(平成30年1月)  

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【事案】

自転車搭乗中、交差点で右方から来た車に衝突され、前歯を折った。

【問題点】

相談時には、歯で後遺障害申請が出来るとは思っておらず、治療完了からそのまま放置していた為、歯科医には診断書の依頼をしていなかった。

【立証ポイント】

事故前に奥歯を1本治療しており(既存障害)、今回の事故で破折が1本、さらに治療を行った歯牙打撲が2本、計4本が現存障害歯と計算できた。すぐに歯科医の予約を手配し、歯科専用の診断書を依頼した。通常、歯科医は自賠責の加重計算のルールを知らない。歯科医と診断書記載についての打合せを重ねた結果、無事に14級認定となった。

※併合の為、分離しています

(平成29年12月)  

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 今年の交通事故死亡者数の統計がでました。弊所でも昨年は3名の受任がありました。死亡ですと後遺障害の立証の必要がなく、調査・申請業務はかなり限定されます。手続き事務のみとなりますが、被害者家族にとっては取り返しの付かない大事です。近年の減少傾向は歓迎すべきです。早速、傾向を見てみましょう。    警察庁によると、2017年の全国交通事故死者(速報値)は累計3694人となり、前年比では210人減、現行基準の統計開始翌年の1949(昭和24)年の3790人を下回る、過去最少数となりました。

 うち65歳以上の高齢者は累計2020人となり、前年比118人減となっていますが総数の54.7%を占め、同統計開始の1967(昭和42)年以降、2016(平成28)年の54.8%に次ぐ高い値となっています。

 つまり、ここ数年の努力で死亡者数が減っています。昭和40年代は現在の自動車登録数の半分しかない状態で10000人超が続き、16000人が亡くなった年(昭和45年)もあったのです。それに比べれば5000人を割る数字は良い傾向です。その要因ですが、以下が挙げられます。

1、安全意識の向上(とくにシートベルトの着用率の向上=しない場合の厳罰化) 2、交通インフラの向上(道路も標識も信号も年々向上しています) 3、医療技術の進歩(救急救命の向上で即死が減り、延命術の進歩も影響) 4、飲酒運転者の減少(近年の厳罰化) 5、自動車の安全装置の向上(エアバックが大きい) 6、比較的、事故率の高い若年層ドライバーの減少(スピード超過は減っている)

 統計数字からも、人口比率が高齢化したことにより、高齢者ドライバーの事故比率が上がったこと、被害者としての高齢者増加がうかがわれます。  

■ 2017年交通事故死者数(速報値)

【月別】3694人[うち高齢者2020人] ・ 1月:282人(-67) [161人(-36)] ・ 2月:288人(+27) [149人(+ 5)] ・ 3月:303人(-18) [157人(-28)] ・ 4月:244人(-65) [123人(-48)] ・ ...

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【事案】

自動車の後進を誘導中、誘導していた車と駐車場の柵に挟まれたため、すねを骨折した。直後から強烈な痛みに悩まされる。

【問題点】

相手保険会社から示談の案内=傷害慰謝料の提示があったことを機に、相談会に参加された。

髄内釘で固定後、骨癒合促進のため超音波治療を続けた。その効果から変形や機能障害も残さず、回復は良好であった。相談時には既に1年半以上経過しており、最終診察は8か月前も前だった。

   ①が髄内釘、②がプレート+スクリュー(代表的な固定術)

【立証ポイント】

後遺障害がなければわずかの慰謝料で終わる。急ぎ病院に同行し、症状固定とする。主治医・本人・ご家族と相談して、治療の一貫性を重視するために症状固定日を最終診察日に遡ることにした。後遺症の残存はわずかに痛みのみ、調査事務所の心情に訴えることで、なんとか14級9号認定となった。同様のケースでは非該当をみることがある。調査事務所が甘い認定してくれたのではないか?と好意的に考えてしまう。後遺障害の世界は奥が深いと改めて感じた新年一発目の認定事案であった。

(平成29年12月)  

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【事案】

自動車搭乗中、後続車の追突を受ける。直後から頚部痛、腰部痛、両膝の痛みを発症する。 追突で膝も打ったのか?

【問題点】

相手保険会社は一連の症状に疑問を持ったのか、治療からわずか3カ月後に治療費打切りとした。その後、健康保険で約1年に渡り治療を継続する。とくに、片膝は転院を繰り返し、手術まで実施した。ところが、膝の診断名は受傷初期になく、レントゲンすら手術時まで撮ってないかった。

なお、弊所に相談に来る前に既に弁護士に依頼していた。依頼者の話を聞く限りでは、その弁護士も膝の対応に苦慮して逃げ腰、もはや、解任したがっている様子。

【立証ポイント】

依頼を受ける前に、膝については後遺障害等級が認定は厳しいこと、立替治療費や通院慰謝料等は請求困難であることを説明した。つまり、膝を捨てた方がスムーズに解決へ誘導できる。この方針で現弁護士から当方に切替えた。

まず、腰椎捻挫の治療歴を明らかにする必要がある。これまで通院してきた各病院に診断書を依頼し、同時にレセプト開示請求も進めた。診断書、レセプトを確認したところ、1カ月間治療していない空白期間が存在していることに気付いた。この空隙を埋めるべく、当時通院していた接骨院の施術証明書を揃えた。

こうして、腰部痛の一貫性を立証、提出に漕ぎ着けた。膝は仮に事故由来の痛みを立証したとしても、その認定は14級9号が限界であり、膝へのこだわりを排除したと言える。審査中、相手方保険会社から、症状についての回答書の要請があったが、これも丁寧に記載・回答した。

その結果、読み通り、膝は因果関係から否定されたが、腰部痛での14級9号を確保した。

(平成29年12月)  

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【事案】

自動車搭乗中、信号待ちしていたところ、後続車の追突を受ける。頚部痛だけではなく、追って腰部痛と耳鳴りも加わった。

【問題点】

むち打ちの症状だけでなく、耳鳴りや腰部痛の症状もあるが、診断書上、事故直後は頚椎捻挫しか診断名がなかった。腰椎捻挫や耳鳴りも事故当初から訴えていたようだが、それぞれの診断名や症状の記録は、事故から数カ月経過してからであった。

また、既に依頼していた弁護士から、「後遺障害は認定されないから、申請しても意味がない」との方針を受けていた。本人は納得いかず、当方の相談会に参加された。

【立証ポイント】

頚部、腰部の各MRIを確認したところ、画像上、確かに腰部の方が酷そうに見えるが、実際の神経症状は頚部の方が重篤のよう。

さらに、耳鳴を突き詰めても、オージオグラムの数値から14級が限界。14級は何個集まっても併合14級のままであり、併合で繰り上がることはない。そこで、頚椎捻挫以外の症状を捨てて、頚椎捻挫一本で安全に14級9号を確保する方針で被害者請求に進めた。

主治医は腰椎捻挫の治療も続けていたが、主訴を頚椎捻挫に絞り診断書を作成頂いた。おもいきって耳鳴りは不記載に。

申請後、予想通り、腰椎捻挫は因果関係から否定されるも、頚椎捻挫で14級9号が認定された。

(平成29年11月)  

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【事案】

スーパーマーケットの駐車場を歩行中、歩行者に気付かずに前進してきた前方不注意の車に接触、手関節と足関節を痛めた。以後、捻挫にしては長期の治療・リハビリが続いた。   【問題点】

当事者間の話し合いでその場を収めてしまったため、事故として受理されておらず、事故証明書もなかった。また、相談にいらしたときには、後遺障害診断書が既に病院から保険会社に直接提出されており、病院側からも、「もう来なくていい。」と断られていた。

しかも、診断名は手首、足首の単なる捻挫である。正直、後遺障害認定は無理と思った。   【立証ポイント】

それでも最善を尽くすべく、保険会社から後遺障害診断書を回収した。予想通り不備だらけであった。診断書の追記依頼を行う前までにリハビリ継続を指示し、医師や理学療法士とのコミュニケーションを取らせて関係を修復させたのち、院長先生に協力を仰いだ。診断書に追記頂き、今度は万全の状態で被害者請求を行った。  

認定結果は、受傷から一貫した治療が評価され、奇跡的に14級となった。

※ 併合の為、分離しています

(平成30年1月)  

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 年内最後の今日は、事務所一同、朝から経過報告書の記録はじめ、残務で大わらわ。夕方からは事務所の大掃除を済まし、仕事納めの席に間に合わせました。

 事務所からの夜景もキラキラ☆

   仕事納めは近隣のお鮨屋さん、お刺身をつつきながら、ゆっくり飲りました。接待が多かった12月の酒席で、もっともリラックスできました。本来、事務所の経費からの支払いですが、所員が奢ってくれました。ありがたいことです。最近はすっかり部下に奢らせるボスと化しています。

 また、今年も事務所入り口に事務所に入れないほどのお歳暮の山ができました。取引先の皆様はもちろん、依頼者の皆様から尋常ではない多くのお心遣いと、心のこもったお手紙を頂きました。

 報酬はお金だけではありません。今年も厳しい業務が続きましたが、所員一同、心が折れることなく頑張れた理由がまさにこれです。改めて御礼申し上げます。

 皆様もよいお年を!  

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 初詣、お参りなどの行事に皆無な家で育ちましたので、神社やお寺に行くことなどほとんどありません。それでも、年末、付き合いで行った神社の絵馬に目がとまりした。せっかくだから、私も絵馬を一つ掲げてきました。

   どの絵馬も、健康や商売運、良縁などをつづっています。しかし、中には神頼みを超えた意味不明の主張を掲げている絵馬がありました。写真は載せられないので、同じくイラストで紹介します。  

 まずは、今年を代表する言葉

 一体、誰が何の目的で絵馬に記したのか・・小役人とは全国の公務員を代表しているのか・・謎めいた絵馬です  

神様も怒るって!

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  毎年、年末年始は業界向けの展望や、所信表明など暑苦しい記事をUPしています。今年も少しですが、つづりたいと思います。    さて、交通事故業界も宣伝面では成熟しきった感があります。重大事故では変わらず「紹介」(による依頼)が重きを成しますが、ネット検索で依頼先を探すことはスタンダードになりました。10年前は交通事故の宣伝をする、まして交通事故専用のHPをもつ事務所など、ほんのわずかでした。それが、毎月数百万円を使ってリスティング広告をだす大型事務所、続く中堅事務所が出揃って、ネットを席巻した感があります。弊所のようにマニアックに専門性を打ち出している事務所には一定のニーズがあり、それ程の影響を感じませんでした。しかし、純粋にネットからの依頼は減少傾向です。今年はとくに、リスティング広告の食い合いが明かで、1クリックの宣伝費の高騰が見て取れます。グーグルもヤフーも笑いが止まらないと思います。

 もちろん、毎年のごとく所感していますように、これは7年前から予想していたことです。ネットの熾烈な競争、この傾向は今年がピークで来年は横ばい、以後、ジリジリと宣伝費の経費がかさみ、体力のない事務所の撤退が進むと予想します。では今後、この業界で食っていくにはどうすべきか? 実はこれからの準備では遅いと思っています。ここまでの数年間、どのように備えてきたが、問われるからです。

 依頼者を安易に呼び込む事に、ネットほど効果的なツールはありません。しかし、人生がかかったような大ケガの場合、依頼者は真剣に相談先・依頼先を探します。そうなると、HPのコンテンツの充実だけではなく、初回相談の印象はもちろん、解決へ向けてのプレゼンテーション=対応力が厳しく吟味されます。真剣な重傷者は、依頼に慎重になり、(業者から買い取ったような)張りぼてと化したHPを見破ります。これからは、より交通事故業務における、実力・経験が問われるようになります。この流れは、どの仕事に等しい経緯であり、また、実力の養成もあらゆる技術職に同じく、一朝一夕では成しえません。業界の戦国時代を迎えて、果たして実力を養った事務所はいくつあるでしょうか?

 秋葉事務所に依頼した被害者さんや弁護士事務所のニーズをみますと、その多くは偶然に相談してきたものではありません。交通事故の解決で最初の大きな山は、なんと言っても後遺障害の申請・認定です。事前認定や、後遺障害認定に何もしてくれない事務所を見限って、あるいは危ういと感じた依頼者さんは増加の一途です。また、弁護士事務所も後遺障害の重要性を噛み締め、秋葉への依頼とする流れは続くと思います。ご依頼には(秋葉でなければならない)必然性があったのです。私の目指すべきは一定のニーズがある以上、求める声にできるだけ応えていくことです。それには、事務所の仕事の評価を高めていくことに尽きると思います。

 実績ページをご覧になっていただければお解りと思います。多くは従来の対応では生ぬるく、誰かのフォローがなければ残念な解決を覚悟すべき案件でした。相談・受任件数や顧客満足度などの宣伝は、手前味噌でいかように脚色できるものです(通販系の自動車保険のCMのノリですね)。積み上げた500件以上の実績例は伊達ではありません。そして、依頼の96%は病院同行や実動作業を通じて、成果をだしています。この数年、多くの行政書士が交通事故に参入しましたが、この医療調査の技術と障害立証の実務を磨かないまま、多くが撤退した事実がそれを証明しています。単なる書類の取りまとめで要領よく報酬を得ようとしても、それは隙間産業が一瞬勃興したに過ぎず、永続性はありません。そして、一部は弁護士の職域である賠償交渉に手を染めていく・・結果として、協力を求められるはずの弁護士から徹底的に嫌われました。中途半端な資格である行政書士は安易に流れやすく、単独の受任ではこの仕事に向いていないと思います。交通事故に限らず、行政書士の代書権は他士業との連携で最も威力を発揮するものです。

 これは、弁護士事務所にも突きつけられる課題と思います。賠償交渉以前の保険事務と医療調査、後遺障害認定等、これら損害調査に長けた弁護士は少ないと思います。当然、医療調査は弁護士の専門から外れます。顧みるに、後遺障害の立証に際し、独自に注力し、実力を備えた先生はほんのわずかと思います。この5年間、20事務所50名に及ぶ弁護士先生と仕事をした経験からそのように思います。士業の世界では、「何でもできる事務所は、何にもできない」と言われています。これは専門性が大事であることを示す言葉です。交通事故は数ある法律事件の一つに過ぎません。弁護士先生といえど万能ではないのです。

   辿ってきた道は間違ってはいません。今まで通り、求める声に応じる仕事を積み重ねていくこと、その声に届くよう、いくつかの工夫を加えることです。今年は、可能な限り宣伝に力を入れる事はもちろんですが、人員の採用・育成と事務所移転を含めた体制強化を目標にします。例年とあまり変わり映えのないことかもしれませんが、2018年は目に見える成果を出したいところです。

 そして、ご依頼頂いた交通事故被害者さますべてに、納得のいく業務を提供していきたいと思います。これは、年々紹介の増加で手ごたえを感じています。業界の5年先10年先を見据え、被害者のための医療調査を軸とした被害者救済業を、この国に根付かせる仕事を続けていきたいと思います。来年もよろしくお願いします。

 

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 「実際に事故で折れた歯が3本ないと14級2号にはなりませんよ」・・こんなことを言う専門家が多くて困ります。

 実際に折れた歯に補綴※歯を加えます。さらに、自賠責の歯の後遺障害には「加重計算」という独自のルールがあります。残念ながら、歯科医は自賠責のルールを知りませんし、交通事故の専門家を名乗りながら、このような基礎知識がない先生も少なくありません。したがって、多くの被害者さんは申請せずに、歯の後遺障害はスルー!、鬼スルーとなります。

※ 補綴(ほてつ)とは、歯が欠けたり失われた場合に、冠、クラウン、入れ歯(義歯)やインプラントなどの人工物で補うことを言います。

 歯の加重計算もお茶の子さいさいです  

14級2号:歯牙欠損(40代女性・埼玉県)

【事案】

自転車搭乗中、交差点で右方から来た車に衝突され、前歯を折った。

問題点】

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 障害など残らず、治ることに越した事はありません。これは絶対的に正しい。

 しかし、受傷以来、本人の苦痛と回復努力を拭うものは、慰謝料や逸失利益に他なりません。本件の受傷様態は両脚に12級が狙える、つまり、弊所としては併合11級を想定します。早期に症状固定、受傷から計画的に進めてきたら・・どちらかの脚が12級に届いたかもしれません。等級が1段階上がっただけで、賠償金は400万円の伸びしろが計算できます。それでも、14級に留まる位の回復は喜ばしいことです。    頑張りましたが・・やや複雑な心境です  

併合14級(14級9号:左脛骨高原骨折・14級9号:右脛骨解放骨折)(40代女性・埼玉県)

【事案】

自転車搭乗中、交差点で右方から来た車に衝突され、左脛骨近位端・外果部骨折と右脛骨開放骨折となった。

【問題点】

相談時には既に1年が経過しており、感染症もなく、手術後の回復も良好であった。本来であれば右膝は可動域制限が想定される部位であるが、可動域は回復した。さらに、左脚も骨の変形・短縮もなく、膝、足首ともに可動域制限を逃す数値まで改善しており、それぞれ14級しか認定されないだろうと想定された。 続きを読む »

 今年も高齢者さまのご依頼が続きました。体力やおケガの状態により、頻繁に通院ができないケースが多く、立証作業も困難を極めます。事務所で座っている場合ではありません。本件も現場主義をモットーする弊所の機動力が発揮されました。 これが私達の仕事です!

併合11級(12級6号:上腕骨遠位端骨折・12級相当:下腿皮膚剥奪創)(90代女性・神奈川県)

【事案】

信号のない横断歩道を歩行中、左方から来た原動機付自転車に衝突され受傷、肘を骨折したもの。その他、下肢に皮膚のはがれた痕が広範囲に残存していた。

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 むち打ちは骨折等の器質的損傷がありませんので、保険会社は長期の通院を許しません。確かに「打撲・捻挫で、なんでそんなに通うのよ!」と思うのが普通です。神経症状の発露がはっきりしていれば、保険会社もある程度は譲歩しますが、その神経症状を診断するのは医師に他なりません。しかし、実態は「保険会社と治療費でもめたくないから・・」との理由で、「むち打ち・捻挫の通院は3ヶ月まで」と決め込んでいる病院が少なくありません。本来、患者の症状を診て判断すべきところ、保険会社の顔色をみている訳です。

 そのような病院に通ってしまった被害者は、絶望的に後遺障害が認められません。であれば、早期に治療体制の見直し、つまり、転院に踏み切らなければなりません。”どの病院に通うべきか”悩んでいるうちに3ヶ月過ぎれすれば、逆転は困難です。その点、本件は弊所の医療ネットワークが機能しました。結果として、治療と賠償を両立させた理想的な解決となりました。

これが私達の仕事です!  

14級9号:頚椎捻挫(50代男性・埼玉県)

【事案】

50CCバイクに搭乗中、自宅駐車場から突然出て来た車の衝突を受ける。直後から頚部痛のみならず、手のしびれ、頭痛等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

通院していた病院の医師が途中で治療不要と判断し、通院を拒んだため急遽転院先を探してリハビリを継続した。5ヶ月目で治療費を打切られたため、医師に相談すると、「最初から診ていないので、後遺障害診断書は書けない。」と断られてしまった。

【立証ポイント】

最終手段として、弊所の医療情報から病院を紹介し、健康保険で約4か月間リハビリを行い、後遺障害診断書を記載いただいた。

理学療法と針治療のおかげで神経症状は治まり、痛みだけの主張となったが、治療実績が評価され14級認定となった。症状が劇的に改善されて、その上、後遺障害も認定されたので、大満足の結果となった。  

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【事案】

山中の道路を2輪車で走行中、動物と衝突して受傷した。熊か鹿か猪か?・・いずれも自賠責保険未付保は間違いない。   ・・僕らは保険に入ってません

幸い、業務中であったので労災での補償が得られた。ただし、2輪車の任意保険は搭乗者傷害保険のみ(人身傷害がないことは仕方ないのですが、自損事故保険は不担保特約付きでした)。

【問題点】

労災の申請も基本的に自賠責に同じく、各種検査を実施、必要な診断書類をまとめることに変わりない。本件は年金支給となる7級を目標とした。遺漏のない審査に望むべく、ご家族から秋葉事務所への依頼となった。

【立証ポイント】

幼児から高齢者、1級から12級・・・あらゆる障害認定の経験と、数十件の高次脳機能障害申請で鍛えられていれば、労災の高次脳立証は容易と言える。まず、すべてのカルテ開示を行い、全容を把握した。リハビリ病院ではWaisⅢですら未実施であり、追加検査を依頼した。情動障害(易怒性・性格変化)は、毎度のごとく日常生活状況報告書の作成を精密に行った。また、顔面に陥没痕があり、これも7級を目指して診断書別紙を用意、写真を添えた。実際、労災でここまで申請書類の完備は珍しいと思う。労災の顧問医はじめ、審査員は大いに助かったことだろう。

顧問医の診察を経て、高次脳7級に顔面醜状痕7級が併合され、5級20号(≒併合5級)の認定となった。目指す年金支給を勝ち取った。

※併合の為、分離しています。

(平成29年12月)  

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 早朝のひかりに飛び乗り、三島経由で伊豆・修善寺へ。さらにマイクロバスで山道を30分揺られて、リハビリ病院に到着。医師面談を経て、ケースワーカーさん、ご家族と打合せ後、午後には伊豆箱根鉄道で三島に戻り、焼津へ移動。

昨年、逃げ恥のロケ舞台となった伊豆箱根鉄道、いつの間に「萌え鉄」に。

   焼津は駅前が閑散として、商店街もシャッターが目立ちます。孤独のグルメのように店を探すも、早々と日没、昼ごはんは望めそうにありません。結局、ホテル近くの居酒屋で朝+昼+夜食+晩酌合同に。

 店を出ると、駅前を流れる小石川がライトアップ! しかし、港からの風が冷たく、自撮りする人はおろか、歩く人もいませんでした。アルコール暖房が切れるまでに、早くホテルに戻ろう。   続きを読む »

 自賠責保険の後遺障害認定基準は労災から派生したもので、内容の大部分は準用されたものです。しかし、細部には色々と違いがあります。私達がとくに違いを感じる部分は、「因果関係」に関して自賠責は異常に厳しい目をむけることです。当該事故による障害なのか否かについて、自賠責は厳格にジャッジしますが、労災は緩いものです。

 本件は加害者が誰かわからないものの、交通事故受傷によるケガ・後遺症が明らかだったと言えます。仮に自爆事故であっても労災はOKですから。いつもと違うのは、加害者が自動車・人間ではないことでしょうか。また、労災申請のほとんどは自賠責の申請に続く付帯作業ですが、労災オンリーの申請は珍しいものです。

 ちなみに動物は道路交通法上、「物」扱い、所有者がいれば動物のケガは対物賠償の対象となります。野生動物だから所有者はいないことになりますが・・。  

労災 7級3号:高次脳機能障害(60代男性・静岡県)

【事案】

山中の道路を2輪車で走行中、動物と衝突して受傷した。熊か鹿か猪か?・・いずれも自賠責保険未付保は間違いない。    続きを読む »

 業務日誌が滞り勝ち、有用な記事出しができず、情けない・・反省しきりです。

 さて、先週末は首都圏の4弁護士事務所を招いての忘年会と東京相談会でした。一年間色々なことがありましたが、チームワークで難局を乗り切り、依頼者様の為にベストを尽くせたと思います。関係の皆様、お疲れ様でした。

 翌日の東京相談会は今年最後の日程でした。参加者はやや少なかったのですが、高次脳機能障害の相談が2件、尺骨神経障害など、重傷案件の相談が続きました。自賠責保険、各種保険、労災、健保、後遺障害、法律、裁判・・すべてに対応できる相談会は希少です。各分野の専門家が揃った私達こそ、それを可能にしていると自負するところです。

 相談会は来年の1月20日までお休み。年末・年始はメール・電話でご相談をお願いします。  

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