4、情動障害、人格変化

   これも前日の注意・遂行能力の障害に同じく、元々の個性を考慮しなければなりません。性格が怒りっぽい人やわがままな人もいるので、やはり家族から聞かなければわかりません。些細な変化では主治医でも把握できないのです。  

☐ 些細なことでキレる

☐ 幼児に返ったように行動・発言が子供っぽくなった

☐ 人前で着替えを始めてしまう

☐ 好きなお菓子ばかりずっと食べ続け、他の食べ物に見向きもしない  

 「易怒性」と言って多くの被害者で経験しています。理由なく不機嫌になる人もおりますが、多くは電車で人の声が大きいとか、テレビのニュースの内容が気に食わない程度のことで、いつまでも文句を言い続けています。通常は理性で抑えられるようなことも我慢できないようです。

 幼児退行は認知症患者に多い例です。高次脳機能障害でも30歳になるいい大人が部屋をぬいぐるみで一杯にしたり、家族に甘えたりわがままを言うようになります。

 羞恥心が低下する、感情を抑えられずにすぐ泣く、気に入らないと物にあたる、これらは「脱抑制」に分類されます。一つのことに執着する「固執性」がみられることがあります。

 このように感情を理性で抑えることができず、より本能的になってしまうようです。   c_g_ne_92  

☐ 毎週のようにゴルフをしていたのに、家にあるゴルフクラブに見向きもしなくなった

☐ 猫好きで何匹も飼っていたのに、世話をしなくなった

☐ 明るくよくしゃべる人だったのに、無口で暗くなった

☐ 「誰かが私の財布を隠した」など、被害妄想がある

☐ 掃除、片づけをまったくしなくなり、部屋は散らかり放題。逆にずぼらだった性格が几帳面になり、神経質に掃除をしている

☐ いつも疲れていて家でゴロゴロ、居眠りが多い。突然、寝落ちする      「性格変化」は文字通り性格が変わってしまうことです。久々に友人が訪ねてきてもそっけなく、友人は「人が変わった?」ように感じます。私の経験では性格が陽気になった例はなく、多くは陰気、人見知り、悲観的になる傾向でした。

 極端に疲れやすい。これは肉体的な疲れというよりは精神的な疲れです。「易疲労性」に分類されます。この障害により職場や学校への復帰が困難となります。

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3、注意障害、遂行機能

 注意障害と遂行能力障害の兆候は重なる部分が多く、多くの場合、併発します。障害ではなく、そもそも飽きっぽい人、要領が悪い人がおります。元々の能力、性格かもしれません。やはり事故前後の比較が必要で、家族の観察を聞かねば判断できません。

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☐ 仕事を始めてもすぐぼーっとしてしまう。集中力がもたない

☐ お皿を洗っている途中で、テレビを観始めてしまう

☐ 窓の掃除をすると、ずっと同じところを拭いている    注意障害とは集中力が極端に低下します。したがって脈絡のない行動にでたり、会話もまとまりがなく、話が飛びがちです。同時にいくつかの作業を進めることができなくなります。また逆に一つのことに固執してしまうこともあります。これでは仕事や勉強も長続きしません。

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☐ 旅行の計画はおろか、スケジュールを組むことができない

☐ 買い物の段取りが悪く、売り場を行ったり来たりして何倍も時間がかかる

☐ ...

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 先週に続き、またしても積りそうです。こんな日は溜まった事務に集中です。異議申立をご依頼中の皆様、現在残すところ5件です。あと少しご猶予下さい。

 しかし明日の有楽町相談会が心配です。

26.2.8

 高次脳機能障害のチェック項目は来週から再開します。

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2、視覚認知機能、失認、失行

  ☐ 歩いていてよく左肩をぶつけませんか?  

 左目が見えないというより左目に映る映像を認識できない状態です。これは「半側空間無視」です。圧倒的に左側に問題が生じます。通常、人は眼に映った情報を脳で解析しています。しかし脳の解析システムが故障することよって、映るものが認識できない状況に陥るのです。したがって当人は見えてないことすら自覚できません。コブクロのギターを持っている方しか見えない?状態です。

 以下の兆候がないか家族から聞き取る必要があります。

・ 食卓に並んだいくつかのおかずの皿から右半分しか箸をつけない ・ 片側から話しかけられても反応しない、片側に人が立っていても存在に気づかない ・ 家の絵を描かせると片側半分だけしか描かない

   c_n_62  

☐ 右手を出してと言われて左手を出したり、よく左右を間違えませんか?  

 左右の側頭葉のどちらかが損傷した被害者で数例、経験しています。左右が定かではなくなり、よく右と左を間違えます。一般に「左右失認」と呼ばれています。些細な事のようですがこの障害から様々な場面で判断力が低下する傾向があります。  また病院内で一回廊下を曲がると帰ってこれない、自分の位置に混乱をきたす「空間認識能力の低下」などは右側頭葉の障害で経験があります。  

☐ 主治医の顔、もしくは新しく会った人の顔を覚えられないなどありますか?

   顔を覚えるのが苦手のレベルでは済まない症状は「相貌失認」と言われています。相貌失認では人の区別だけではなく、「笑っているのか、怒っているのか」など表情を読み取る観察力も失われることがあります。

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 お待たせしました。被害者さんと家族に症状の質問を始めます。

1、記憶障害

c_n_7   ☐ 昨夜、夕食は何を食べましたか?事故以来、物忘れがひどくなっていませんか?  

 高次脳機能障害患者の80%に記憶障害があると報告されています。それは昔のことが思い出せない「逆向性健忘」と新しいことが覚えられない「前向性健忘」に大別されます。逆向性健忘とは以前の記憶が失われる記憶喪失の一種です。前向性健忘とは記銘力(そもそも物事を覚える能力)の低下です。  

☐ カップラーメンにお湯を入れてそのまま・・このようなことはないですか?    問題なのは「うっかりお湯を入れたのを忘れていた」との反応ではなく、「誰がお湯を入れたの?」とまったく覚えていないことです。これは前向性健忘でもさらに直前のことも覚えることができない「ワーキングメモリーの喪失」です。暗記力そのものが低下するので、カードの暗証番号が覚えられない、新聞を読めない、足し算も2桁になるとできなくなることもあります。  

☐ 家族全員の名前、主治医の先生の名前、飼っているペットの名前が言えますか?

 確実に覚えているはずのことも、少し考え込んだり、間違ったりする・・・これは単なる度忘れなのか否か?家族の判断を聞く必要があります。これは「固有名詞失名辞」と呼ばれ、失語症の方に併発するケースが多いようです。人名、地名、固有名詞が想起できない、つまり意味や関係性はわかっているが言葉として出てこない状態です。  ひどいと認知機能の障害に分類されます。認知機能の障害は痴呆のように明らかな知能低下の症状が現れますので、ここでしっかりチェックせずとも見逃されることは少ないと言えます。

 固有名詞失名辞20140219_0001続きを読む »

 昨日に続き、チェックを進めます。  

(2)面談前チェック

 いよいよ高次脳機能障害の相談者が事務所に来所しました。症状の質問に入る前に前提条件があります。他の障害にはない独特なものです。  

☐ お一人でいらしたのか、家族のみでいらしたのか  

 高次脳機能障害の方の多くは病識がありません。病識とは「自分がケガで障害を負っているという自覚」です。2級の重篤な被害者でも「家族からおかしいと言われています」程度の自覚しかなかったケースもあります。多くの場合、本人は回復したと思っています。したがって家族の方からお話を伺わなければ障害の有無・程度がわからないのです。またご家族の方だけ相談にいらした場合でも、本人の様子を観察する必要から、改めてお連れいただくか、外出が難しい方の場合はご本人に会いに行く必要があります。  

(3)面談での観察

 普通の交通事故被害者から法律相談を受けるのとはまったく違います。障害を見抜く観察力が必要であることを肝に命じて下さい。(高次脳機能障害を見逃した弁護士を何人も知っていますよ!)  

☐ 被害者の話し方を観察します。    ここで言語機能に関する障害をチェックします。言語障害、失語などと呼ばれる症状ですが、高次脳機能障害では以下の2種が代表的です。   1、運動性失語…左前頭葉のブローカ領域の損傷。

 話し言葉の流暢性が失われます。したがって極端にゆっくり話す、どもりがち、滑舌が悪い、言葉が出てこないで考え込むなどが表れます。  

2、感覚性失語…左側頭葉に位置するウェルニッケ領域の損傷。

 流暢性は保つものの、言い間違いが多く、発言量の割に内容も乏しくなります。同じことを繰り返し話す、話しが回りくどい、意味不明な事を話す、質問と答えがかみ合わない頓珍漢な会話となります。   20120404  

☐ 態度を観察    些細なことで激高する、ムッとする、わずか10分の面談でも疲れ切ってうなだれてしまう、気が散ってキョロキョロ見回す、子供のように家族に甘える…だんだんおかしな態度が現れてきます。「易怒性」、「易疲労性」、「集中力の欠如」、「幼児退行」などを疑わねばなりません。これは後述の情動障害、行為障害、人格変化で再度、質問項目を挙げます。  

☐ ご家族から日常生活でのエピソードを伺い、ギャップを抽出します。  

 失語や態度で何か異常を感じたとしても、元々ケガをする前からそのような方もいますので、ここで家族の意見が重要となります。ケガをする前との比較は家族しかできません。つまり「この話し方は事故からですか?」、「事故前から怒りっぽかったですか?」と家族に追質問する必要があります。    相談を受ける弁護士のみならず、主治医でさえケガをする前の被害者を知らないのです。主治医は24時間患者と生活を共にし、観察しているわけではないのです。限られた診断時間では些細な変化に気付かないことは無理もありません。まして一見普通に歩き、普通に話す患者には「もう治った、障害がなくてよかった」と断定してしまう医師もおります。慎重に家族からの聴取をしなければ医師とて見逃す、繊細な障害なのです。

 具体的な症状のチェック項目は明日に。

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 3月1~2日東京、29~30日大阪で弁護士向け研修会を実施します。今回は「実戦力」がテーマです。実際に被害者が事務所に相談に訪れた時に的確な対応ができるかを訓練します。  先駆けて今日から高次脳機能障害のチェック項目について概要を押さえていきましょう。  

(1) 事前チェック (書面チェック)

 相談者から基本的な事故情報を事前に聴取、できれば書面で確認します。高次脳機能障害を予断する場合、以下の3項目が必須の情報となります。  

☐ 診断名は?

 傷病名が脳挫傷、びまん性軸策損傷、びまん性脳損傷、急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血、脳室出血であること。   骨折後の脂肪塞栓で呼吸障害を発症、脳に供給される酸素が激減した低酸素脳症も含みます。

 では逆に危険な診断名を挙げます。頭部打撲、頭部挫傷、脳震盪、頚椎捻挫・・・これらの診断名をもって脳障害の症状を訴えても、障害とは認定されません。そしてMTBI(外傷軽度脳損傷)が診断されても、自賠責保険・労災は高次脳機能障害とは認めません。臨床上そのような症状が報告されていますが、行政上では存在自体を疑問視されており、はっきり区別されています。

  ☐ XP、CT、MRIの画像で確認できているか?

 受傷直後に急性の血腫が生じた場合は明確に画像が残ります。それは局所性の損傷として重要な画像所見となります。さらにMRIのT2フレアで脳萎縮、脳室拡大の進行が時系列で描出されていれば決定的な画像所見となります。  びまん性脳損傷の場合は点状出血を探すことになります。微細な出血は見逃される危険性がありますので、精密なMRI検査(DWI:ディフージョン)が望まれます。時間が経ってしまった場合はT2スターなどを追加検査する必要があります。    このように「どのような脳損傷の形態か?」を把握し「どの時期にどのような画像検査をすべきか?」これを相談者に指し示すことができなければ取り返しのつかないことになります。つまり画像所見がないために障害が認められなくなってしまうのです。

  ☐ 頭部外傷後の意識障害が少なくとも6時間以上続いていたか?もしくは健忘症あるいは軽度意識障害が少なくとも1週間以上続いていたか?

 意識障害(半昏睡~昏睡状態で呼びかけに開眼・応答しない状態)、JCSが3~2桁、GCSが12点以下の状態が少なくとも6時間以上続いていること。  または軽度意識障害としてJCSが1桁、GCSが13~14点の状態、もしくは健忘症が少なくとも1週間以上続いていることが認定要件となっています。

 通常、脳に器質的なダメージが加われば意識障害の状態に陥ります。意識障害も程度の差があり、完全に意識が喪失している場合、朦朧とした状態が数時間~数日続く場合があります。明確な画像所見があれば、障害の存在は否定されません。しかし画像所見が不明瞭、もしくは脳萎縮・脳室拡大の器質的変化が乏しい場合は、意識障害の有無・度合いが脳損傷の有無を推定させる一つの要素となります。

 相談を受けた法律家は画像所見が決定的ではない場合、画像の追加検査はもちろん、なるべく急ぎ、「頭部外傷後の意識障害についての所見」(専用診断書)を初診の病院に記載依頼して下さい。救急救命科で記録してあるはずですが、命を左右する場面で正確な記録が脳神経外科に引き継がれていない危険性があります。また事故から時間が経っていれば、主治医の転勤等でカルテの記録(ものすごく達筆)しか残っておらず、正確な数値が曖昧となってしまうことも多々あります。急がなければならないのです。

 画像も不明瞭、意識障害もなし・・・万事休す。障害は否定されます。

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 本日は山梨県の竜王へ。前日は東京も雪でしたが、幸い積もるほどではありませんでした。甲府盆地もそれほど深刻な積雪はない地域ですが、途中の大月~笹子付近は結構降ったようです。

 さて今回の病院同行は、相手保険会社打ち切り後、健康保険で通院を続けた被害者の症状固定と後遺障害診断書の依頼です。通常、病院の窓口では交通事故診療と健保診療を明確に分けています。交通事故は加害行為なので自由診療を基本とし、自分で転んだケガなどは健康保険治療となります。両者の一番の違いは病院の利益が2~3倍の差が生じることです。  自由診療は文字通り、治療費の点数1点=〇円を自由に設定します。もっとも20~30円と地域ごとに申し合わせがあるようで、相場があります。対して健保は1点=10円、労災は1点=12円と決められています。このように同じ治療でも病院にとって収入が倍以上変わってくるのです。だからとは言えませんが、健保治療にはなにかと制限がつきます。賠償交渉が付きまとう後遺障害診断書はその最たるもので、健保治療では記載を拒否する医師すらいます。(これは医師法上、少し問題があると言えますが・・・。)したがって健保治療での診断書記載には、大変申し訳ない気持ちでお願いすることになります。東京から足を運んで懇願、誠意を示すしかありません。

26.2.5

毎回、山梨出張は好天に恵まれます。朝日に輝く雪景色はそれは美しいものでした。

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 ホームぺージのトップに昨年の実績数字を挙げました。

 年間相談件数352件 申請数72件 認定率89%

 この数字について補足説明をします。

 相談件数は実際にお会いした被害者さんの総数です。電話・メールのみの相談は含まれていません。本当に一年間に352人も会っているの?確かに一人の行政書士としてはあり得ない数です。しかし事実、昨年参加した相談会は32回に及び、参加されたすべての相談者の総数が352人なのです。首都圏各県の弁護士の協力と、全国各地の行政書士、NPO法人が連なるチームで共同開催していますので多くの被害者さんと面談による相談が可能なのです。これは全国の仲間たちも同様です。この経験則が一番の強みと言えます。    申請数は初回60件、異議申立12件です。

 認定率は初回89%、異議申立は43%でした。    相談者の割に受任が少ないのは、無料相談のみで十分にお役に立てた方、もしくは弁護士のみ受任で完了する方がおよそ8割に及ぶからです。もちろん「取りあえず契約をして、ダメ元で後遺障害の申請をしてみましょう」、このような乱暴な受任は排除しています。後遺障害が認められないような被害者は違う解決法を提示します。被害者にとって無駄なお金や時間をかけさせない方が親切と考えるからです。それでも異議申立は43%と苦戦していますね。出来れば無駄な申立を避けたいのですが、そもそも異議申立の成就率は調査事務所によると、ここ数年は7%前後なのです。いかに初回で漏らさず等級認定させることが重要か…数字が示しています。

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 交通事故相談ではまず事故の基礎情報の聞き込みから始めます。名前、職業、生年月日を踏まえ、事故日、事故状況、ケガの診断名など続きます。さらに加入の保険内容、相手の保険内容、病院名と治療状況・・・これらの聞き込みですでに15分は経過します。ここからご質問への回答や問題点の指摘、方策の検討に入ります。一人当たり1時間はかかってしまいます。電話でも30分以上話し続ける必要があります。いずれも基礎情報の聞き込みなくば、正確な回答ができません。だからこそ回答の精度を上げるためにも、基礎情報の質問⇒回答が入力できるメールフォームが大助かりなのです。

 それでも相談の10件中7件は電話となります。残念なのはいきなりかかってきて質問したいことだけ話す方です。中には名前も名乗らない方もおります。いくら無料とは言え、不正確・無責任な回答はできません。それにどこの誰だかわからない方へ踏み込んだ情報を与えることにためらいがあります。やはりメール相談が一番です。先にメール⇒電話相談もしくは無料相談会参加が好ましいのです。

 今回の改定でもメールフォームを少し整理しましたが、前HP同様、踏襲しています。相談の際にはぜひご活用頂きたいと願ってします。

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 新しいホームページのアクセス解析を見ると、今まで投稿した業務日誌に検索が引っ掛かり、訪問してくる方が相当数おります。検索からはトップページよりも多いかもしれません。それだけ被害者さんの知りたい情報に答えているものと思います。  私にとっても過去の記事は重要なデータベースです。交通事故に関する膨大な知識すべてを丸暗記しているのは無理です。したがって相談会等で過去記事をささっと検索して情報の確認をしています。自身にとっても重要な項目なのです。

 今改定、右のスペースに日誌カテゴリーを検索しやすいように整理・表示していただきました。日々コツコツ記事出しした内容が自らを助けてくれるのです。

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 以前から懸案となっていた報酬の改定を行いました。  今までも契約内容に柔軟性を持たせ、依頼者さんの事情に合わせて「着手金」を頂かないことがありました。とくに等級獲得後、連携弁護士に賠償交渉を任せる、もしくは連携弁護士に全面交渉を任せた上で後遺障害申請を秋葉に依頼する場合について、双方に払う報酬が過大とならないように着手金を免じる契約としていました。また弁護士費用特約で着手金を確保できる場合も同様とすることが多々ありました。私は着手金を頂くことを原則としています。しかしこのように柔軟な対応をしてきた事実もあります。この機にわかりやすく表記することにしました。

 こんな感じです。

通常コースⅠ(むち打ち、軽傷)  着手金 5万円+消費税 成功時 報酬(自賠責保険金額の20%+消費税)

通常コースⅡ(難事案、重傷) 着手金 10万円+消費税 成功時 報酬(自賠責保険金額の20%+消費税)

着手金不要コース   14級の場合 成功時 20万円+消費税 その他の等級の場合 成功時 報酬(自賠責保険金額の20%+消費税)

連携弁護士に併せて依頼する場合は着手金をいただきません。 非該当の場合は決定時に10万円+消費税のみ頂きます。 

  

今まではわかり辛かったと思います。よりシンプルにもう一工夫してみます。

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 前ホームページで毎日更新し続けた業務日誌はおよそ692件。塵も積もれば山です。これを業者さんが移行作業をしました。しかしカテゴリー分けなどの編集作業が必要です。また基本的なページも改編する予定です。時間がないので前ホームページそのままの移植も多いのですが、さすがに古くて陳腐!これは少しずつ改編していきます。  通常記事はもう少し待って!

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 病院同行の合間にHP製作会社と断片的に作業を進めています。この機にコンテンツの改定・編集を進めています。けっこう膨大な量です。少し作業時間をいただきます。したがって今日・明日と業務日誌は有用な記事がUPできません。もちろん新しいHPになっても毎日更新は死守します。

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 ある日追突事故に遭い、ひどいむち打ちとなりました。リハビリを続けていますが、痛みは徐々に治まってきたもの、首から肩にかけて重だるさが抜けず、時折、指先までしびれが走ります。めまいや頭痛もあり、夜も寝られないことがあります。

 病院ではレントゲンで「骨に異常はないです」と言われたっきり、痛みどめの薬と湿布しかもらえません。「捻挫だからね」と医師も関心ないようです。そしてこのまま3か月が経ちます。加害者からは何の謝罪もなく、加害者の保険会社からは「そろそろ治療を終わりにしてくれませんか」と毎週のように電話がかかってくるようになりました。言葉もだんだん冷たくなってきて、まるで詐病者、保険金サギのような扱いです。仕事も手につかず、休みがちなせいか職場の空気も気まずく、家庭でもうんざりされて・・・。  

 こんな環境では治りません。  

 むち打ちの多くは捻挫の類であり、通常、腫れがひけば治るものです。しかしそれを契機に頚部神経症状を起こす方がいます。こうなると半年から数年、手指のしびれを代表とした不調が続くことになります。では治るまで相手の保険会社が治療費を払ってくれるのか? 答えは「否」です。

 打撲や捻挫で通院期間が半年も数年もかかるのは医学的な常識から外れます。であれば、頚部に神経症状が起きたことをなるべく早々に立証し、受傷から6か月程度までしっかり整形外科でリハビリを続けることです。そして保険会社に急かされるまでもなく、症状固定し、後遺障害14級9号の認定を受けます。

 14級の認定を受ければ、主婦でもその後の交渉で賠償金が300万円程度に膨らみます。治療費の支払延長で保険会社とやり合いうより、まとまった一時金を手にして、後は健康保険で整骨院でも鍼灸院でも、温泉や整体や祈祷でも好きな治療を続ければいいのです。治療費を相手に出させている事はつまり、治療内容が限定され、常に「治療費打ち切り」される立場なのです。

 むち打ちで症状が長引く被害者の中で、経験上もっとも症状が軽快したのは、このように半年~9か月目で解決させてハワイ旅行に行った方です。

 温暖でさわやかな常夏の気候、青い海、フレッシュなシーフード、事故の苦痛を忘れさせてくれます。すると人間の体に内包する自己治癒作用が活発になり、症状がどんどん改善されていきます。真面目に半年リハビリしてても良くならなかった痛み、しびれが嘘のように軽減してきます。そしてなにより事故から派生する対病院、対加害者、対保険会社、その他諸々のストレスから解放させてくれるのが賠償金とハワイなのです。「病は気から」と言うわけではありませんが、疼痛や神経症状は受傷した部位ではなく、脳が深く関与しているとの学説もあります。

 「ハワイに行けば治る!」、立場上、不謹慎な物言いですが、むち打ち相談が多かった昨日、一昨日の相談会でも思わず口にしてしまいました。(「ハワイに行けば治る」と真面目にメモしていた新人弁護士先生(笑)、これはメモしなくていいよ) しかしケガの苦痛、事故のストレスを抱えて相談にいらした被害者さんは先行きが見えない闇の中です。対して「しっかりリハビリをして、早く解決させて、そしてハワイ」と目標を持たせることにより、目の前がぱっと開けるのです。目標はハワイとは限りません。趣味やレジャーなどできるだけ良いイメージを示すことです。何事も目標のない、行き先の見えない戦いを続ける事は辛すぎるのです。

 医者でもない私たちが出来る事、それは相手から保険金や賠償金を取ることに他なりません。しかしそれは被害者に対して解決の道筋を示し、目標をたてて差し上げることになり、ネガティブな感情を前向きにさせる事につながります。相談会はそのようなケアができる場でもあると思います。  

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 検査結果は芳しいものではありませんでした。  

 膝に重度の障害を負いながら、12級13号の判断に留まっている被害者です。傷病名はプラトー骨折と前十字靭帯、半月板の損傷です。膝の複合損傷ではお決まりのコースと言えます。特に脛骨の骨融合に転位があると判断しています。これが諸症状の原因とにらんでいますが、12級7号の基準以下の可動域制限のみが記載された診断書で12級13号が認定されているのみです。

 可動域制限ではなく、動揺性を主張すべくストレスXP撮影と装具の使用状況を追補した診断書で異議申立てを行いました。結果として12級7号としました。等級は上がりませんでしたが13号と7号では大違い、逸失利益の大幅な増額を主張しやすくなりました。後の賠償交渉を考慮し、号違いの異議申立ても稀に行うことがあるのです。

 しかし間違った障害系統を正すことには成功しましたが、全体的な症状を鑑みるに12級では軽すぎると思っています。神経症状ではなく、可動域制限的ではなく、動揺性だけではなく・・・残るは短縮障害か。前日の日誌にあるように下肢帳の正確な計測に最後の望みを託しました。しかし1㎝の差は計測できず・・・。

 自賠責保険や労災はある一定の数値の基準をもって判断します。何㎝以上か以下か?数字によって有利な等級となるか不利な等級となるか運命が決まります。本件は可動域制限も動揺性も下肢長差もすべて中途半端な数値なのです。こように計測値が及ばないが故、該当する等級に納得がいかないことも多々起きるのです。あとは日常生活の困窮と装具の使用状況から賠償交渉にて決着をつけることになります。数値・基準に満たない個別具体的な事情は裁判等で争うしかないのです。それでも事前に自賠責保険の等級認定で立証するに越したことはありません。

 主治医にも親身にご協力をいただきながら残念です。全力を尽くしましたが、あとは弁護士に引き継くことになります。

 東海道は富士山が綺麗でした。

 

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 大腿骨、脛骨の骨折で癒合後に骨が短くなった場合、または半月板損傷で半月板の切除術を行った場合、いずれも重度の障害を残すことは明白です。骨癒合が良好であれば14級、癒合不良や変形、転位で膝の可動域制限が4分の3、もしくは装具の重労働時の使用では12級7号となります。骨・半月板の明確な変形・転位があり、可動域が半分、または装具の常時使用が必要であれば10級以上の障害が濃厚です。

 いずれも12級以上となった場合、可動域制限や装具の使用状況で12~10級を確保するとして、注意すべきは加えて下肢長の左右差を計測し、診断書に落とし込むことです。仮に1cmの短縮があった場合13級が、3cmの短縮であれば10級が加算されて、結果としてそれぞれ等級が一つ併合で上がります。5cm以上の左右差であればそれは外見上もはっきりわかる大変な障害(8級5号)で、装具もオーダーメイドされた特殊な物になります。これですと短縮障害がメインの障害といえます。

 今年年初からから下肢長の計測が2件続きました。今日は計測法を復習します。  

短縮障害の計測法

(1)CR画像ソフトにて計測

 現在、XP(レントゲン)撮影の際、フィルムに写しだす方法の他、パソコンにデータで取り込むことが主流になりつつあります。それをCR(computed radiography)と呼びます。フィルムの代わりにイメージングプレートを用い、X線の情報をここに記憶させ、これをスキャンしてコンピューター処理により画像を得る装置です。簡単な例えで言いますと、XP(カメラ)⇒CR(デジカメ)です。持ち運びにかさばるフィルムと違い、CD等に落とし込むため取扱いも便利です。

 CRは下肢長の計測についても便利で、CR画像を観るソフトに長さを測る機能が入っています。左の図、脚の上に縦に白い線が入っています。これは画面上でも正確に長さを測ることができる定規です。

 多くの画像ソフトに入っている機能なので、短縮障害が予想される方にはなんとなくこの画像上の定規をあてる癖がつきました。  

(2)ロールフィルムにて計測

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 珍しい温泉銭湯です。正確に言えば地下から汲み上げた鉱泉の沸かし湯です。泉質は塩化物泉、よく温まります。

 この銭湯は湯船が3区分されていて、向かって右から温泉、白湯(ジャグジー)、真水です。それ以外は洗い場のみ、壁絵もありません。そして湯船は深めなので、座ると顔がもぐってしまいます。したがって湯船につかまり、しゃがみ込むように浸かります。  塩化物泉でなおかつ湯に含まれる成分がほどよく体液に近いと、浸透圧の関係から体に染み込むのかよく温まり、湯冷めしにくいのです。ここの湯はまさに温まりの湯です。あっという間に汗が噴き出してきます。なるほどそれで真水槽と交互に入るのか・・サウナの効果も望めそうです。

 平日なので程よい人数、先客2人が湯に浸かっていました。手早く体を洗い、2人の横に並んで湯船に滑り込みました。しかしよく温まる・・・あっという間に指先までジンジンしてきます。しかし先に入った横の二人はなかなか湯を出ません。正面から見ると3人とも湯船のへりに両手でつかまり、顔だけだして並んだ状態です。ここで熱い湯が大好きな江戸っ子根性がもたげてきます。後から入って先に出るのはちょっと悔しい。2人が出るまで粘り続けました。5分ほど経ったでしょうか、こんなところで何を張り合っているのか、と自問が生じてきました。限界ではないですが真水槽にチェンジしようと立ち上がりました、すると横の2人もぴったりのタイミングで3人共揃ってザーッと立ち上がりました。しかも二人は見事な総刺青!

 内心「うっ、なんでこんな時に呼吸がぴったり合うんだよ!」、まるでドラマなどで観る「塀の中での入浴シーン」です。何故かこの後も真水に浸かる時間、洗い場で体を洗う時間、妙にシンクロし続けました。

その後、何人か入浴客が入ってきました。もちろん皆、地元の顔見知りなので、和気藹々と世間話が続きます。完全にアウェイ状態でしたが、地元民の会話に耳を傾けるのも旅情の一つです。小一時間の入浴を終え、小雪がちらつく道を急ぎ足でホテルへ。なんとかぽかぽかが持続、やはり冷めなかった。これなら冷たいビールもいけそうだ。

 壁絵はなくともボディペインティングが鮮やかな今回の立ち寄り湯でした。

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20140121083658 札幌出張です。この時期、吹雪で飛行機の欠航があります。空港の手荷物チェックで毎度恒例となったゴニオメーター(関節可動域測定具)の説明を終え、飛行機に搭乗し2時間弱、おりよく晴天の千歳空港に着陸しました。

千歳空港から札幌までの車窓では時折なだらかな山野と平原が開けます。松山 千春さんの声、さだ まさしさんのハミングが流れてきそうです。

今回は主治医と症状固定時期と装具の打ち合わせ、理学療法士の先生には足関節計測の依頼でした。症状固定日は被害者にとって一つの節目です。当然ながら医学的判断を第一としますが、被害者の仕事復帰の目途を睨み、総合的な判断が必要です。患者本人の意思はもちろん、医師の診断内容、そして治療費や休業損害を払っている保険会社の立場も影響します。複数の思惑を整理する必要があるのです。そして必要な検査を漏れなく実施しなければなりません・・。すべてを被害者一人で調整していくのは酷なのです。

出張の目的を果たし病院を後にしました。雪道をキシキシ踏みしめてホテルまで街歩きを楽しみます。札幌の人は皆、歩き足が速い!確かに立ち止まると拷問のような寒さが襲います。病院で「今日は5度まで上がる」と聞いていました。5度とはいってもそれは-5°です。こちらではマイナスなどといちいち言わないのですね。この日の最低気温-11°、日中は-5°まで上昇したとはいえ、顔が痛いレベルです。そしてさっきまでの晴天はあっと言う間に吹雪に。本州の雪と違いサラサラのパウダースノウ、頭や肩の積雪も払いのけるだけで体は濡れません。しかし雪にはしゃぐ柴犬のような余裕はもはやありません。足早にホテルに逃げ込み、明日まで部屋に缶詰、事務仕事で過ごすことに。

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土曜日は月例の有楽町相談会です。今回は年初で少な目でしょうか、16名の参加となりました。半数はむち打ち・腰椎捻挫でしたが、大腿骨骨頭骨折による人工関節置換術、TFCC損傷、膝蓋骨解放骨折、半月板損傷などの相談もありました。

例によって所感をいくつか。

1、異議共同不法行為と加重障害

不幸にして連続して事故受傷する方も少なくありません。受傷部位が同じ場合、重要なのは1回目の事故と2回目の事故の日付です。これを連続して痛めたケガを連綿して生じた障害と判断し、異議共同不法行為として進めていく方針とする。また1回目の治療が終わり、即座に2回目の事故となれば異議共同不法行為としてではなく、1回目で14級、2回目で加重障害の12級を目指すかの選択になります。ほとんどのケースは14級レベルの障害の連続に留まりますので、加重障害の認定を目指して進めることは稀です。

問題意識を持っている事・・・1回目は頚椎捻挫で14級、2回目も腰椎捻挫で14級の場合、別部位であっても2回目もまず普通に「非該当」となります。別部位にいくら14級が追加されても、1回の事故で両方受傷すれば併合の計算となります。しかしそれぞれの別事故であれば加重の考え方となるはずです。しかし調査事務所の非該当理由で「加重」が語られることはありません。「別部位なら新たな障害が「加重」ではなく、「加算」されたと判断できないか?」、つまりもう一回14級(とその保険金)をくれてもいいのではないか・・・このような突っ込みを受けるべき制度上の矛盾を承知しているようなのです。したがって「加重」を理由とした回答は避けて、普通に「他覚的所見が乏しく・・・」との回答がきます。解せない回答ですが、調査事務所の判断の限界かと思っています。

2、行政書士の仕事は限定的

すでに行政書士に等級認定を任せた後の相談者がいらっしゃいました。自転車同士の接触事故ですが、この事故の最大の論点は過失割合です。双方の言い分が食い違っています。目撃証言に乏しく、このままで50:50の解決で収めるしかないような段階となっています。状況証拠、受傷様態から交通事故の科学鑑定が必要です。後遺障害の立証自体は明確な人工関節置換術が施されいるため、非常に簡単です。この事件の立証のポイントは珍しく後遺障害ではないのです。

ここで行政書士だけではなく、元保険調査員、そして弁護士が連携して相談を受け持つ、私たちの相談会が最適となります。本件はまず画像鑑定を進めることにしました。そして正式に受任すれば科学鑑定と弁護士の交渉がスタートします。

本件のように行政書士の活躍できる場面は特に限定的です。本件以外でも多くの場合、事故解決に行政書士で完結する場面は少ないはずです。等級認定後、依頼者の強い希望であれば別ですが、交渉は弁護士に任せることが基本と思います。しかし案件を放さず、書類交渉や紛争センターへの誘導をして報酬を得ている行政書士がまだ多いのが事実です。すべてが不適切とは言えませんが弁護士会から厳しい監視を受けています。

またそのまま何ら解決の道筋をつけず、等級認定をもって仕事を了してしまうのも被害者にとって寂しいものです。もっと士業間の闊達な連携体制が一般的にならないもでしょうか。連携には弁護士服務基本規程12条で非弁提携の疑いが生じやすく、連携のやり取りに細心の注意が必要なのです。

(詳しくは⇒ 関連法について 3-~研修プログラムから )

私というより、業界全体の憂慮と思います。

 行政書士ADRでは自転車事故の相談が一番多いそうです。

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