【事案】

原付バイクで幹線道路を横断の際、右方よりの自動車と衝突、大腿骨の股関節脱臼を伴う骨折となった。即座に人工関節置換術を施行した。診断名は大腿骨の骨頭下骨折、頚部より骨頭寄りの骨折のよう。

【問題点】

事故状況から、バイク側の過失が大きく、相手保険会社から一括対応(治療費の直接払い)はされなかった。また、人身傷害も未加入なので、国保のみ頼りの治療となった。それ以外は自己負担と覚悟していたところ、見かねた代理店さまより紹介となった、。

また、本件の特異な点は、介護保険を使って、入院下での集中リハビリとした点です。介護保険に対しても第3者行為届を記載・提出した。次いで、市役所から「国保の第3者届も提出お願いします!」と、弊所に電話が鳴った。どうやら忘れていたよう。
 
【立証ポイント】

人工関節なので10級11号は確実であったが、介護保険による治療費のレセプト収集など、いつもより取集する書類は多かった。提出後も、事故状況の回答書が要請された。さらに、介護保険使用に関する資料の提出も要請された。任意社の介在の無い場合、審査は慎重になるので仕方ないと言えます。

これらに丁寧に対応を続け、確実に10級11号の認定とした。予想通り、重過失減額から20%保険金が控除されたが、まったく何も保険金が入らないと思っていた依頼者さまにとっては、恵の保険金となった。

賠償交渉が無い事故だと、弁護士は腰が引けてしまいます。このような自身の責任が大きい事故で、困っている被害者さんは多いと思います。
 
(令和5年5月)