最近、めっきり相談者の減った脳脊髄液減少症ですが、一昨年、健保治療が復活して名前も改められました。

 CSFH は、 Cerebro Spinal Fluid Hypovolemia の略語です。健保適用から自由診療、再び健保適用へと変遷にあわせて傷病名も変わりました。現在、脳脊髄液減少症は低髄圧液症候群に戻りました(現場では脳脊髄液漏出症も合わせ、主に3つの傷病名で呼称されています)。この謎の症例には以下の診断基準が存在します。

image2701   (1)症状(自覚症状)

起立性頭痛

 国際頭痛分類の特発性低髄液性頭痛を手本として、起立性頭痛とは、頭部全体に及ぶ鈍い頭痛で、坐位または立位をとると 15 分以内に増悪する頭痛と説明されています。

 CSFHを訴える患者さんは横になると症状が緩和されるそうです。また、応急処置として水分を取ることも有効のようです。点滴で体液を増やす?処置も多く目にしています。

体位による症状の変化

 国際頭痛分類の頭痛以外の症状としては、項部硬直、耳鳴り、聴力の低下、光過敏、悪心、これらの5つの症状です。しかし、多くの患者さんはこの5つに留まらず、あらゆる不定愁訴を訴えています。    (2)基準(他覚的所見)

MRIアンギオで、びまん性の硬膜肥厚が増強すること

 この診断基準は、荏原病院放射線科の井田正博医師が、「低髄液圧の ...

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PIC00016w 新ドラマーは以前バンドを組んいた女性ドラマーにヘルプをお願いしました。女性ながらタイトなビート、リズム感抜群の腕利きです。安いギャラながら快諾してくれました。

 O君はその間、腕が挙がるよう、リハビリの毎日でした。当時、近所の温泉のスーパー銭湯によく一緒に行ったものです。kansetu_12    さて、それから1年、いよいよ後遺障害申請と賠償交渉です。後遺障害は右腕神経叢損傷による肩関節の機能障害です。外転(右図)が肩上まで上がるように回復しました。それでも3/4制限ですので、12級となるはすです。

 しかし、主治医が可動域の計測をしたところ、ほとんど正常値で、肝心の外転の記載がないのです!知識も無くそのまま提出し・・14級9号の認定となってしまった。

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 さて、ある日のスタジオリハーサル、いくら待てどもドラマーが来ません。電話をかけてもでません。寝てるのか?いずれにしても、その日はドラムなしでリハを行いました。   HE7D9649web  当時の所属バンドは70年代のディスコソングをカバーする”Rosso Nero”でした。ドラムはプロデビューを目指して岡山から上京のO君、年齢詐称の怪しい素性でしたが、気のいい奴で誰からも好かれていました。    心配で翌日アパートを訪ねると、同居者から、「前日、交通事故で重傷、即入院した」ことを聞かされました。早速、病院に行くと、包帯でグルグル巻きのミイラ男が横たわっていました。「あ、こりゃダメだ・・しばらくライブはできないな」と覚悟しました。診断名は右鎖骨粉砕骨折だったでしょうか、あと、いくつか骨が折れていたようです。    O君は当初、痛みでひぃひぃ言ってましたが、しばらくすると右腕がまったく動かないことに気付きました。上腕神経麻痺を併発したようです。わずかながら手首・指先の自動運動できますので、正確には神経の完全断裂や引き抜き損傷のない不全麻痺でしょうか。リハビリ次第で、ある程度の回復の希望は残ります。それでもドラムの演奏は致命的、本人も「これで音楽人生は終わった」と・・。     <上腕神経麻痺を解説>   続きを読む »

 上腕神経叢(じょうわんしんけいそう)とは、頚部から鎖骨下を通り、上肢まで伸びる神経の束です。    上腕神経麻痺は麻痺の程度によりますが、軽度では上肢のしびれ、重度では肩~指先の自動運動が失われます。上肢、手の運動は、頚髄から出ている5本の神経根、C5頚髄神経根からT1胸髄神経根を通過して、各々の末梢神経に伝えられており、左鎖骨下動脈部を指で圧迫すると、左上肢が痺れてくるのは鎖骨下動脈の下に、上肢に通過している5本の上腕神経叢が存在しているからです。   c_byo_k_15   神経の損傷が微細、もしくは絞扼性(こうやくせい:神経が締め付けられる)の場合は、リハビリや手術で回復の目処が立ちますが、神経の切断や引き抜き症候群(神経が引っ張られて千切れてしまう)の場合は、手術での改善も難しく、腕は一生動かなくなり、「1上肢の用廃=5級6号」が認定される深刻な後遺障害となります。

 一定の回復が見込める12級レベルですが、過去に一度、上腕神経麻痺を担当しました。当時のバンドメンバーです。

   <片腕のドラマー> 

hisreria メンバーの上腕神経麻痺に入る前に・・・。ハードロック、ヘビメタファンにはおなじみ、80年代英国を代表するバンド、デフレパードをご存知でしょうか。

 ツインギターの凝ったアンサンブル、美しいコーラスワークからヘビメタファンに留まらず、幅広い人気を誇り、私もアルバム「ヒステリア」が大のお気に入りでした。       このバンドと交通事故に何の関係が?とお思いでしょう。それは、ファンなら誰でも知っている、ドラム担当のリック・アレンの自動車事故による片腕切断です。1984年、リック運転の自動車が壁に激突・横転しました。後続車に煽られていたようですが、自損事故です。ちなみに、片腕の欠損による後遺障害は「1上肢を肘関節以上で失ったもの=4級4号」となります。

 アルバム「ヒステリア」製作開始直後の事故でしたので、バンドもレコード会社も大困りです。当然、代わりのメンバーで製作を進めるところ、メンバー一同「ドラムはリック以外いない!」と、解散を辞さないほどの強い希望から、アルバム製作を中断し、リックの復帰を待ちました。

 リックもメンバーの心意気に応え、わずか1ヶ月で退院しました。そして、当時の楽器メーカー、シモンズに片腕で叩けるドラムセットを特注しました。シモンズもバンドの意気を感じ、リック専用セットを急造しました。こうして、アルバムの製作が再開され、かの大ヒットアルバムが生まれたのです。その第一弾シングル「アニマル」のPVで片腕でドラムを叩くリックと、シモンズのドラムセットを観ることができます。

  rick続きを読む »

山本さんイラストsj

 はじめに述べました通り、味覚障害・嗅覚障害は交通事故で鼻や顔面の骨折、脳挫傷等の器質的損傷が認められていれば、神経や脳がやられている可能性があり、疑われることは少ないですが、器質的損傷が認められない場合には、保険会社は疑う可能性が高いです。

 さらに、器質的損傷が認められていない場合には特に大切ですが、いずれにしても症状が確認できたら直ちに医師や保険会社に相談する必要があります。何故なら、受傷直後の段階からでも、食事等をした際に気付くはずだからです。また、味覚・嗅覚の障害は交通事故外傷だけではなく、ストレスや病気、更年期障害等で発症することがあります。    c_n_6  事故から数カ月目で症状が現れた場合、仮に事故後すぐに発症しても相談するのが遅くなってしまった場合、交通事故によるものではなく、別の病気によるものではないかと保険会社は疑い、また病院も事故によるものかどうかを判断できなくなります。最悪、保険会社は通院治療費も出さない対応をすることもあります。症状を訴えることを遅れてしまった場合、後遺障害の申請の際にも影響が出ます。

 後遺障害申請では、自賠責調査事務所は醜状痕を除き、原則、書面のみで審査をします。発症したかどうかは、原則、診断書で判断することになります。事故から数カ月経過した診断書で傷病名や症状が書かれても、保険会社や調査事務所は事故によるものではないのではないかと疑いやすくなります。

 どうしても診断書のみでは受傷直後に発症したかどうかがわからい場合、最悪、受傷直後のカルテや看護記録等を開示請求して内容を確認することがあります。過去の案件で、受傷直後の看護記録に嗅覚についての記載がわずかに残っていたため、看護記録も申請時に提出したことがあります。なお、その案件では12級相当が認められました。

 しかし、カルテや看護記録の開示請求は、病院側はとても嫌がります。治療面でも後遺障害の申請面でも医師には協力して頂かなければなりません。なるべく医師の負担になるようなことは避けるべきです。   

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山本さんイラストsj シリーズ3回目です

 嗅覚についての必要な検査として、① アリナミン検査(P)、② T&Tオルファクトメーター検査、があげられます。    ①アリナミン検査(P)とは、においがする物質(アリナミン注射液、プロスルチアミン注射液)を静脈に注射して、肺から気化することで自分の呼気から自分でにおいを自覚できるかどうかを検査するものです。

 ここで感じるにおいは、甘い香=ニンニクに含まれる成分であり、市販の栄養剤、滋養強壮ドリンクに含まれているものです。

 この点、アリナミン検査には、もう一つ、フルスルチアミン塩酸塩を使用した、アリナミン検査(F)というものがあります。

 ここで注意が必要なのは、自賠責保険で重要視しているのは、前者のアリナミン検査(P)であり、後者のアリナミン検査(F)は参考にしか使われない点です。病院によってはFの検査しかやらない場合もあり、また、医師もどちらかがわからないで実施している場合もあります。よって、Pの方の検査をして頂くためには、慎重になる必要があり、紹介先や通院している病院で実施できるかどうかを調べる必要があります。   ②T&Tオルファクトメーター検査とは、ニオイ紙にあるにおいをつけて、鼻先約1cmに近付けてにおいを嗅ぐことで、何のにおいがするかを当てる検査です。

 においは5種類あり、バラのにおい、焦げたにおい、腐敗臭、甘いにおい、糞臭があり、さらに、においの濃さを、原則、5段階で分けて検査します。しかし、焦げたにおいの場合は検査液を作成できないため、例外的に、4段階で分けて検査することになります。

 検査結果を表に○と×でチェックを入れて記載されます。この点、○は検知域値(においを感じる所)、×は認知域値(どんなにおいかわかった所)であり、自賠責等級は×の方の数値を計算して決まります。

 数値は、5種類の×の各段階の数値を合計した数値を5で割ることで原則出します。しかし、チェックの下に下矢印が記載されている場合があります。これは、5段階で測定できなかった場合に記載するもので、その場合はその種類の数値に1を足して計算します。

 計算式:(A+B+C+D+E)÷5

 自賠責等級は、嗅覚を喪失した場合は12級相当が、脱失した場合には14級相当、がそれぞれ認められます。 具体的には数値が5,6以上であれば12級相当、2,6以上5,5以下は14級相当です。なお、上記数値の最大値は5,8です。

 c_n_26  

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山本さんイラストsj前回の続きです

 味覚について、保険手続上で代表的な検査として、①電気味覚検査、②ろ紙ディスク法検査、があげられる。

① 電気味覚検査とは、簡単に言ってしまうと、舌に電気を流して神経が正常に働いているかどうかを確認する検査です。

 手順は以下の通りです。

・首に極線の首輪をはめます。 ↓ ・舌の前後左右の表面に電極を当てて電気を流します。 ↓ ・びりびりと感じたら手持ちのスイッチを押して、その舌の部位の神経が働いていることがわかり、逆にびりびりと感じなかった場合、電気が流れていることがわからず、スイッチを押さないままとなり、舌の神経が働いていないことがわかります。

 なお、舌の後ろ部分の味覚を支配している神経は舌咽神経、舌の前の部分の味覚を支配している神経は鼓索神経です。検査表にはこれら2つの神経支配領域をさらに左右に分けて4部位で検査します。   c_g_m_3 ② ろ紙ディスク法検査とは、ある味のついたろ紙をピンセットでつまんで舌の左右にそれぞれ付けることで何の味かを当てる検査です。

 味は、基本となる、甘味・塩味・酸味・苦味の4種類にわけられます。

 味の濃さのレベルについては、薄い味から濃い味まで5段階あります。

 なお、検査で何も感じなければ、味がしない旨を伝えます。

 上記各検査で、味覚を減退したと認められれば14級相当が、味覚を脱失したと認められれば12級相当が認められる可能性があります。

 味覚の減退は、上記基本の4種類の味のうち、1つ以上を認知できない場合を指し、味覚の脱失は、4種類の味のうち、すべてが認知できない場合を指します。  

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山本さんイラストsj山本、今日は熱海へ

 交通事故でにおいがわからなくなった、あまりにおいを感じなくなった、または味がしなくなった、味がわかりにくくなった、と相談されることがあります。

 味覚障害の原因は、交通事故等の外傷によるものから、加齢による味蕾の機能低下や唾液分泌の低下、亜鉛不足、ストレス、その他病気によるもの等、様々な点があげられます。他方、嗅覚障害の原因も、交通事故等の外傷によるものから、単なる鼻づまり、加齢、ストレス、その他病気によるもの等、様々です。

 交通事故で鼻や顔面の骨折、脳挫傷等がされていれば、神経や脳がやられている可能性があり、疑われることは少ないですが、そうではない場合、保険会社は高い確率で疑います。

 相談者も整形外科の方の治療費は出してくれるが、味覚・嗅覚の方は治療費を出してくれないこと、後遺障害の申請で、嗅覚障害が認められないこと等で相談に来られることがあります。

 しかし、上記相談をした方々は、大抵の場合時間が経過しすぎたために認められない場合が多くあります。

 味覚・嗅覚障害は他の怪我の場合と同様、交通事故の後に発症した場合には、直ちに医師や保険会社に相談してください。症状を早く明らかにすることはどの怪我の場合でも同じですが、器質的損傷が認められない場合(鼻や口の怪我、脳、神経の損傷がない場合)の味覚・嗅覚障害は特に大切です。整形外科の医師に相談しても、大抵の場合はそのままにせず耳鼻咽喉科を紹介して頂けます。

 なお、味覚障害か嗅覚障害となった場合、双方を患っている場合があります。その場合、味覚、嗅覚それぞれの傷害を併せて治療・検査を耳鼻咽喉科で出来ますので、併せて紹介状を作成して頂くことができます。

 しかし、病院先によっては、治療はできても検査が出来ず、今後の立証に影響が出ることがあります。必要な検査ができる病院も抑える必要があります。  c_n_2 c_n_5続きを読む »

 臓器の障害は珍しいものです。その多くは手術で治るもので等級は低めと言えるでしょう。また、手術で治らないひどい損傷、例えば、内臓破裂は大量の腹部内出血を起し、チアノーゼでショック死する危険があります。かつて、衝突事故による内臓破裂で死亡した方がおりました。

 多臓器の損傷、複数の障害となれば、複合的に機能低下が起きるものです。そこで、労災や自賠では多臓器の障害の場合、複合的評価にて等級が認定されます。この辺はあらゆるマニュアル、ネット情報からも得ることはできません。経験のみが頼りになる分野と言えます。  c_g_c_2

11級10号:肝損傷・胆のう障害(20代女性・千葉県)

【事案】

通勤時、自動車で直進走行中、対向車がセンターラインオーバー、正面衝突したもの。自動車の前部は潰れ、左脛骨・腓骨を開放骨折、腹部を強打し、肝損傷の診断となる。

腹部は胆管狭窄・胆のう障害で以後、数度のステント交換手術を強いられる。 ステントとは血管・気管・消化管・胆管などを内側から広げるために用いられる、金属製の網状の筒。   続きを読む »

 高次脳機能障害の症状で、性格や感情面に変化が現れるケースを多数経験しています。

 脳に器質的な損傷を受け、神経系統に障害が残った場合、知能や判断の低下、記憶や言語の障害等、たくさんの症状が起こります。それら症状は被害者によって違います。その一つ一つを立証するために、客観的なデータが望まれます。これら検査を総称して神経心理学検査と呼んでいます。既にこのHPではその多くを解説してきました。しかし、一連の検査をもってしても症状に該当するものがなく、心もとない分野として、易怒性(不自然にキレやすい)などの情動障害、文字通り人が変わってしまった性格変化が挙げられます。

 情動面・性格面は被害者の感情や個性に依拠しますので、そもそも人それぞれです。怒りっぽい人、のんびりした人、性格が違うように、客観的な比較ができないものです。判断する医師だけではなく、審査すべき側である保険会社も、事故前の被害者の性格を知りませんので、変化(障害)などわかりません。

 さらに困ったことに、ケガをする前に検査をしていた人など皆無で、事故前後の客観的比較データを得ることはできません。そこで、障害による一連の変化は、家族が克明に説明・主張していくことになります。それでもわずかながら、情動面を数値化する検査がCAS検査です。CAS検査は元々、注意機能の低下を判断する、総合的な検査であるCAT検査に続いて作成された経緯があります。

 以下、サクセスベル株式会社さまHPより引用させていただきました。   標準意欲評価法(CAS)の構成

1 面接による意欲評価スケール

 被検者と一定の時間面接をおこない、その間に17項目について逐次5段階評価を行います。

2 質問紙法による意欲評価スケール  被検者に質問紙(記入紙)をわたし、過去数週間の自分の考え、気持ち、行動に照らし合わせて、もっともよく当てはまるところに○を付けさせるというものです。

3 日常生活行動の意欲評価スケール

 被験者の日常生活を、約7日にわたり観察し5段階評価します。場所は、病棟、訓練室、外来(在宅)、施設などであり、関連のスタッフが分担・協力することが大事です。

4 自由時間の日常行動観察

 被検者が所定のスケジュールがない自由な時間になにをしているか、5日~2週間以上観察。場所、内容、行為の質、談話の質などについて評価します。

5 臨床的総合評価

 臨床場面での総合的な印象に基づき、5段階の臨床的総合評価をおこないます。    情緒、感情面に踏み込む、画期的な検査キットです。特に、自発性の低下など、意欲に関するデータを取ることができます。すべての情動障害・性格変化を明らかにすることは叶いませんが、それでも自賠責の障害審査の一助となり、後の賠償交渉においても弁護士の武器となる有難いデータです。これらの検査結果に家族の観察をリンクさせて情動障害を明らかにします。

 本日は、千葉県の病院同行にて、主治医にCAT、CAS検査を依頼しました。本件も症状固定を前に、立証作業は大詰めに入ります。

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 自賠責や労災の後遺障害には厳然とした認定基準が存在します。仮に、症状が重い被害者さんであっても、その認定基準に合致しなければ障害の認定はありません。

 それでも、一連の症状に信憑性があり、説明がつけば14級9号の認定は得られます。これは自賠責保険がある種の「遊び」の余地を残しているものと捉えています。つまり、自動車のハンドルでいうところの「遊び」=自由幅と例えられるでしょう。

 世の中、すべての事象にくっきり白黒はつかないものです。交通事故外傷、後遺障害の世界も例外ではありません。  

14級9号:橈骨遠位端骨折+頚部捻挫(40代女性・神奈川県)

 【事案】

原動機付自転車で交差点を通過、右方よりの自動車と衝突、受傷したもの。左手首(橈骨遠位端)を骨折し、しばらくしてからカウザルギー(複合性局所性疼痛症候群のうち、骨折など器質的損傷から神経の異常をきたし、激痛が続く症状)と類似した症状を示した。

【問題点】

カウザルギ-が回復傾向であり、また、骨萎縮など目立った所見はなく、自賠責の認定基準には満たない。長く続く症状からドクターショッピング(転院を繰り返す)に陥っていた。

【立証ポイント】

弁護士より依頼を受けて、早速、専門医の診断に誘致した。幸い、難治性とされるCRPSには至らず、軽快が期待された。そこで、長く続く頚部痛、上肢の痺れを神経症状に丸めて14級9号の認定に切替えた。

当然にCRPSは否定されたが、頚部受傷由来の14級9号「局所に神経症状を残すもの」は確保した。

CRPS(複合性局所性疼痛症候群)の相談は数多く受けていますが、真性の患者にはめったに会いません。それだけレアな外傷です。また、本当になってしまったら、激痛が生涯続き、本当に大変なのです。   c_g_ne_40←「痛み」の構図  

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 毎度、ムチ打ちでの認定でお世話になっている14級9号、骨折など器質的損傷がなくとも、受傷~症状固定までの経緯から、後遺症の存在を推定して認定となります。

 それは自然に認定されるものではありません。あるべき治療経過を辿り、丹念に症状を説明することによって信憑性を高め、認定を勝ち取らねばなりません。

 本件の場合はくも膜下出血が軽微で、その後、脳挫傷の痕や脳萎縮など器質的な変化がありません。それでも慢性的な頭痛と結びつけて説明をしました。    私達プロは、常に正しい軌道に被害者さんを乗せることを考えています。  

14級9号:外傷性くも膜下出血・頭痛(40代男性・千葉県)

【事案】 原動機付自転車搭乗中、側道から出てきた自転車を避けようとして転倒したもの。CTでくも膜下出血の診断となる。幸い、出血は微小で、数日後には消失した。   【問題点】

相手は無保険の自転車であり、非接触事故ゆえ、責任関係が争いに。また、3ヶ月前にも事故に遭っており、その時のケガと切り分けて障害を立証する必要があった。   【立証ポイント】

加害自転車との争いを避け、治療費は労災でまかない、その他補償も人身傷害に請求する形で進める。

後遺症は前回事故と被らないよう、くも膜下出血を機点とする頭痛に的を絞った。

結果、先事故の鎖骨骨折、併合11級認定とは別に、頭痛で14級9号の認定を得て、人身傷害からの支払いにて解決させた。 tc1_search_naver_jp続きを読む »

 以前に交通事故で自賠責の等級認定を受け、新たな事故で後遺症を負った場合、それが同じ部位ならば、加重障害として扱われます。その障害の程度が同じ位なら、自賠責保険金は差引き0円とされます。また、前回の症状を上回れば上位等級が認められますが、前回支払われた保険金は差し引かれます。

 この自賠責の加重ルールの適用により、救済される被害者もいますが、14級9号の審査では非該当とされることが大多数です。やはり、器質的損傷のない、いわゆるムチウチや腰椎捻挫は「1度目で味をしめた?・・2度目はダメよ」と言わんばかりに再認定はかなり困難なのです。

 中には34年前の14級認定を持ち出してきて、非該当とされたケースもありました。それでも前回の事故で逸失利益が5年で解決していれば、6年目から治ったとして、障害はないことになります。理論的にはそうですが、裁判判例でも個別判断、結果は一律ではありません。

 症状の軽重を計り、いつもより精密な説明を添えた申請を試みます。まさに、本件のようなチャレンジが成功することもあります。やはり、加重の判断も症状次第であり、被害者さんの訴えの信憑性が検討されます。ne25-6

 

14級9号:腰椎捻挫(50代男性・千葉県)

【事案】

自動車搭乗中、信号のない交差点で左折車に衝突される。直後から頚部痛・腰部痛のみならず、手足のしびれ、頭痛等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

8年前にも頚椎・腰椎捻挫で併合14級が認定されていた。自賠責調査事務所は過去に同じ部位で等級認定を受けている場合には、加重障害として扱い、仮に完治していても、なかなか新たに等級を認めない傾向にある。加重障害で0円評価はもちろん、普通に非該当も覚悟していた。

また、相手が無保険であったこともあり、十分な補償が得られない可能性が高い。幸い治療費は業務中の事故なので、労災を使って11ヶ月間通院した。

【立証ポイント】

本人の人柄が功を奏し、医師との信頼関係が構築されていた。そのため、医師も患者の為になるのであればと、詳細な診断、書類作成に尽力頂いた。また、自覚症状を本人に詳細に聞き取る等、緻密な立証を重ねた。

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 よい休暇をとっていますか? 私は一向にはかどらないのですが、溜まった事務仕事です。息抜きに記事を書きましたのでよかったらご覧下さい。 (やや長文です)

・・・・     昨年から減少傾向ですが、相変わらず、労災や自賠責の認定上、グレーな扱いとなっている傷病名の相談がみられます。    代表的な2大傷病名は「脳脊髄液減少症」と「MTBI」です。これらの傷病名を冠した被害者の皆さんは、事故以来、頚部・頭部の疼痛・しびれに留まらず、めまい、吐き気、動悸、不眠、起立痛、関節痛、生理不順、意欲低下、健忘、鬱(うつ)、情緒不安定・・あらゆる神経症状、脳障害・精神疾患症状をきたすことになります。しかし、画像や検査にはっきりとした原因が現れません。

 それらの症状は交通事故を契機としますが、多くに共通することは高エネルギー外傷ではないことです。高エネルギー外傷とは曖昧な表現ですが、「強い外力により、身体内部の広い範囲で組織が破壊されているケガ」です。自賠責では「器質的損傷を伴う外傷」と読み替えることができます。高エネルギー外傷の反対は骨折や靱帯損傷のない、打撲・捻挫の類で軽傷となります。

 軽傷かつ軽い衝撃ながら、長引く症状に悩まされる被害者の皆さんは、捻挫の診断名では納得できず、自分の傷病名を血眼で捜します。医師も原因がわからず、患者は病院を転々とする、ドクターショッピングに陥ります。骨折や人体組織に相当の破壊があれば、医師も症状を解明すべく、懸命に検査を実施し、経過観察を続けます。しかし、軽い衝撃であること、さらに検査上「異常なし」となれば・・どの医師も「心因性?」と相手にしなくなるからです。実際、症状を訴える患者のほとんどが心身症、または別の原因(加齢による神経症状、更年期障害)と言われています。

 もちろん、事故との因果関係はあるが、器質的損傷が判然としないだけで、嘘偽りなく苦しんでいる患者さんも存在します。極めて少数ですが。

 また、この2大傷病名はなぜか特定の病院、専門外の医師の診断に集中しています。まったくもって不思議です。一方、脳神経外科や脊椎の専門医にお会いすることが多いのですが、多くの医師はそれら傷病名に懐疑的です。臨床上、原因不明の患者の存在を否定はしませんが、確定的な診断を控えます。つまり、医学的にすべての症状が解明されているわけではないのです。謙虚に言えば、まだ推論の段階でしょう。

 この5年間、私も大勢の「脳脊髄液減少症」「MTBI」患者にお会いしました。どうみても心因性か、外傷性頚部症候群、バレリュー症候群、自律神経失調症にしかみえない被害者さんがほとんどです。そもそも、専門医すらわからない症状について、素人の私に判断できようがありません。

 前提として、労災・自賠責の認定基準は、それらの診断名を直接に後遺障害とは認めていません。多くは、因果関係なし=非該当か、神経症状の一環として14級9号の判断とします。14級を超える立証は私の努力では不可能です。稀に弁護士が裁判での認定を目指しますが、ほとんどが負け戦です。医師が証明しきれないもの、特定の医師による推論的な診断しかないものを争うわけですから、当然に苦しい戦いとなります。

 そのような状況でありながら、この2大傷病名に積極的に取り組んでいる弁護士先生には頭が下がる思いです。

 私達は医療調査及び保険請求から「事実証明」を果たすことが使命です。医学的な解明は医師の範疇、それも臨床医ではなく研究医の分野です。私達は医学の進歩を待つしかないのです。したがって、「出来ること」と「出来ないこと」を明確に表明することが被害者様に対する誠意と思っています。

 事実証明とはサイエンス(科学)に則った証明なのです。ある専門医は「医学的な根拠がない傷病名は、サイエンスではない」とバッサリです。

 つまり、推論の段階である傷病名を追うことは、UFOや心霊現象、超能力の存在を証明する作業と同じなのです。

 現在の科学が万能とは言いません。医学的な解明が進み、自賠責の認定基準も変わるかも知れません。しかし、現状、私達に出来ることは、謙虚に被害者さんの症状を聞き取り、現在の科学をもってできる医証を揃えて審査にふすことです。これが「脳脊髄液減少症」と「MTBI」に対する、純粋なスタンスではないでしょうか。交通事故外傷・立証の現場に、サイエンスの対極である「オカルト」「超自然」を持ち込むわけにはいかないのです。     最後に、かつて経験した最高クラスのオカルト相談を・・   相談者:「自動車に乗っていたら、急に光に包まれてすごい衝撃を受けました。その後、意識を無くしたのですが、気がついたら、自動車は塀にぶつかって止まっていました。数日後から、頭痛、めまい、浮遊感、悪夢に悩まされて・・・病院では頚椎捻挫だそうです。念のためMRIを撮ったら頭に何か写っていると言われました。」

秋葉:「何が写っていたのですか?」

相談者:「わかりません。医師は事故とは関係ない、古い脳梗塞の跡?と言っていました・・。」

秋葉:「いずれにしても、自損事故で外傷性頚部症候群となり、神経症状が起きているのではないでしょうか?医師もそう説明していませんか?」

相談者:「いえ、私は事故を起したのではありません。恐らく、UFOに襲撃され、宇宙人によって頭にチップを埋め込まれたのかもしれません・・きっとそうです。」

 (ここでXファイルのテーマが流れる ♪)

秋葉:「(アブダクト=宇宙人による誘拐事件か!)  それでは、保険会社ではなく、宇宙人に埋め込まれたチップを取ってもらい、賠償請求をしましょう」

相談者:「はい、そうします。どこに連絡したら良いでしょうか?」

秋葉:「テレパシーでもう一度、UFOを呼ぶことです。」

相談者:「わかりました。ありがとうございます!」

秋葉:「お大事にして下さい。」

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 月1回整形外科で診察、リハビリは整骨院(接骨院)

 この治療計画でも神経症状が医師から明確に診断され、症状の一貫性があれば、14級9号が認められます。しかし、私の経験では外傷性頚部症候群・頚椎捻挫・むち打ち患者の90%が、画像所見は年齢変性のもので、腱反射や各検査上、神経学的所見も明確にでません。したがって、この計画は14級9号の認定を目指すなら、止めた方が良いと断言しています。

 症状が長引いているなら、整形外科でのリハビリを強く推奨します。整骨院・接骨院でのリハビリは施術と呼ばれます。通院「実績」としては非常に軽く見られます。なぜなら、それら院は”商売上か、施術の必要上か”わかりませんが、「痛かったら毎日来なさい」と患者を誘致するからです。対して、整形外科は建前でも医師の判断・指示でリハビリを重ねた「実績」となります。治療の妥当性・・ここに、大きな差があるのです。

 困ったことに最近は整骨院・接骨院と連携している弁護士・行政書士が提携先の院に被害者を誘致、後遺障害の認定をダメにしている?ことです。もちろん、後遺障害認定を視野に入れず、整骨院・接骨院での完治を目指すなら良いと思います。しかし、「後遺障害診断書を書いてもらうための整形外科・月1診察」つまり、「治らなかった場合を想定しての、アリバイ作りの整形外科・月1回診察」、これはもう、自賠責側もしっかり把握している、あざとい計画なのです。

 最近もこの計画をある事務所から勧められて、非該当となった被害者さまの相談を受けました。通院すべてを整形外科にしていれば、14級が認められたと思います。いくつかの事務所は間違った誘導によって、罪な事をしているのかもしれません。 c_g_a_13

併合14級:頚椎・腰椎捻挫(30代男性・埼玉県)

【事案】

自動車搭乗中、直進道路で右側から無理な割り込み車に衝突される。直後から頚部痛・手のしびれ、腰部痛・足の痺れの神経症状に悩まされる。

【問題点】

相談を受けたのが受傷4ヶ月後だったが、受傷直後から整形外科(月数回)より整骨院(月の半数以上)に偏重して通院していた。 また、通勤事故ではあるが、車での出勤を会社には黙っていたために労災の適用ができない。さらに、MRI撮影をしておらず、症状固定の6ヶ月を目前にしていた。

【立証ポイント】

この不利な局面を覆させなければならない。まず、整形外科(月半数以上)と整骨院(月数回・最終月は無)の通院回数を真逆にした。また、休みが取りづらい環境ということで、丸一日空けてもらい、紹介状の入手、MRI検査を全てその日に終わらせた。その後、医師に具体的な自覚症状や細かい検査結果・画像所見を記載頂き、14級9号となった。

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 それではもう一例、明らかに5cmを超えていた。実測6.5cm、そして何より目立つ。それでも線の細さから、形成手術でそれなりに消すことが可能だからでしょうか。

 醜状痕の男女差別廃止を経て、労災は等級を見直しました。5cmは「著しい醜状」から「相当程度の醜状」に、つまり、9級11号の2(自賠責では9級16号)となっています。自賠責の基準もそれに従って改定したようです。  ⇒ 労災の線状痕の新基準  

 ガンダムの黒い3連星、マッシュさんのようなキズですが・・ 3star

9級16号:顔面線状痕(40代男性・東京都)

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 旧基準から新基準に改定された顔面部の醜状痕ですが、顔面線状痕の場合、労災の基準上はキズの長さで区分されています。しかし、”目立つか否か”も前提基準です。

3cm 以上の線状痕 →12級

5cm 以上の線状痕 → 7級

   となると、新設の9級16号の基準は?    非公表のため、長らく謎でした。ここ数年の認定結果から予想通りと言うか、線状痕の7級(5cm以上)はほとんどが9級評価の結果となっています。    7級12号 外貌に著しい醜状を残すもの

9級16号 外貌に相当程度の醜状を残すもの   ★「著しい=5cm以上」→「相当程度=5cm以上」に降格したようです。今シリーズの最後に労災の『障害認定必携』の改定された部分をまとめます。  ⇒ 労災の線状痕の新基準 c_h_85

9級16号:顔面線状痕(60代男性・栃木県)

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 接骨院・整骨院は柔道整復師の資格者で営業しています。もう、20年も前から健保や自賠責への不正請求はもちろん、過剰な施術費の請求で保険会社から嫌われています。

 優れた手技を持ち、多くの患者を救っている先生も存在する中、大変残念に思っています。

 もちろん、医師・病院でも不心得者がおります。しかし、健保扱い停止や逮捕される柔道整復師の数は医師の比ではありません。つまり、どうしようもない位、不正者・犯罪者が多すぎるのです。

 一昨年から危惧していた通り、不正な接骨院・整骨院で施術を受けたばかりに、とばっちりを食っている被害者さんの相談が増えてきました。代表的な例は以下の通り、

1、通っている院が、保険金詐欺で逮捕されて ⇒ 保険会社の一括払いがストップ

2、通っている院が、健保から調査が入って ⇒ 健保の使用がストップに

3、通っている院の不正が発覚して ⇒ 審査中の後遺障害が「非該当」となった?

4、弁護士・行政書士に紹介された院に通った ⇒ 後遺障害が「非該当」となった?    1と2は犯罪に巻き込まれたので、不運としか言いようがありません。ただし、通院日の水増しなど、「知らなかった」では済まされず、患者もグル=共犯とされる可能性はあります。保険金詐欺は重罪です。

 3と4は後遺障害の審査上の判断なので、一概に院のせいとは言えませんが、明確な所見のない、むち打ち14級などは症状の「信用性」が認定のポイントです。今まで多くのむち打ち14級の案件を見てきましたが、おかしな病院・接骨院等に通っていた被害者さんは、明確な骨折や重傷事案を除き、等級審査上、圧倒的に不利に感じています。

 最近、目に付くのは4、のパターンです。これは弁護士・行政書士と接骨院等が提携・顧問など、商売上の繋がりが拡大したことと無縁ではありません。提携によって法律家と院が相互に患者の紹介を行っています。これ自体は何の問題もないのですが、後遺障害等級の審査上、接骨院等での施術では、症状の深刻度は低く判断されます。自賠責調査事務所はもちろん、保険会社はあくまで医師の診断、治療実績を重んじます。やはり、症状が長引いている被害者さんは、医師の診断の下で治療・リハビリを進めた方が安全なのです。   c_g_a_7 また、接骨院・整骨院では診断書が書けませんので、提携先の院を紹介しつつも、整形外科の受診も月1、2回はキープさせる方法があります。これで、後遺症の審査に備えることができて安心?なのでしょうが・・これも自賠責はお見通し、ある調査事務所の担当者はブログで「アリバイ作りの診察」と断言、やはり、悪い印象を持っているようです。

 これは、医療機関と柔道整復の「並行受診」と言い、骨折等の患者を診る場合、医師と院が正しい連携治療を結んでいれば、問題ありません。しかし、自賠社や任意社は、法律家が絡んだ連携関係を、それを誇示した派手なホームページからほぼ把握しています。

 数年前であれば、この「並行受診」でも、それなりに神経学的所見があれば、なんとか14級9号は認められていました。しかし、むち打ち患者の多くは神経学的所見に乏しいものです。したがって、「並行受診」は大変不利な印象を持っています。最近の相談者さんで、「○○弁護士に紹介された整骨院に通い、等級は大丈夫と言われたのですが・・非該当になりました(泣)」がちらほら出始めました。非常に残念です。病院でリハビリをしていたら、認定されたであろう被害者さん達だからです。医師に後遺障害診断書を書いて頂くための、「アリバイ作りの診察」は、もう通用していないのです。

 すると、この交通事故専門、被害者救済を謳っている弁護士は、大変罪な事をしていることになります。

 商売上の安易な提携・顧問関係を院と結んでいる法律家さんは、未だ、この事実を直視できていないのでしょうか。道徳心を持った、そして、手技としての技術が高い院との連携であれば、当然に被害者さんの為になります。しかし、各県で毎月複数の院が処分を受けている今、かなり危険な連携と言わざるを得ません。だからこそ、心ある法律家は医療者との距離をしっかりと保っています。

 今後も問題の噴出が続き、法律家と接骨院・整骨院の連携ブームは、被害者の怨嗟の声を残して、いずれ収束すると思います。    

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 教訓じみていますが、昨年の実績から学習しましょう。こちらをご覧になった被害者さん、特にむち打ち、頚椎捻挫、腰椎捻挫の皆さんは、是非とも事例から対処を検討して下さい。     交通事故の相談で上位にくるもので、「相手保険会社が治療費の打ち切りを迫ってきています!」があります。

 まだ痛みがあり、治療を継続したいのに、何たる横暴!、一気に保険会社とケンカモードに突入です。しかし、ここで争っても益はありません。保険会社の担当者は、治療費の支払いをいつでも勝手に終わりにできます。さらに、弁護士を入れて、「これ以上、治療費が欲しくば、裁判所で待ってます」と、より強硬になるだけです。残念ながら、いつだって払う方が強いに決まっています。

 ここで被害者の運命は分かれます。相談会に参加されたクールな被害者さんは、治療費打ち切りに対して「あぁ、そうですか」と健保や労災で治療を継続します。そして、しかるべき時期に症状固定、後遺障害等級を獲ってから、保険会社と交渉を再開します。結果として、しっかり賠償金を確保します。    「ケンカは等級を獲ってから!」が鉄則です。

 本例は、治療費打切を渡りに舟と、労災に切り替え、14級を獲ってから弁護士の交渉に切替えました。もちろん、赤本満額の賠償金を勝ち取ります。  

14級9号:腰椎捻挫(30代男性・埼玉県)

【事案】

高速道路を走行中、渋滞の為、停車していたところ、後方から自動車が追突してきた。さらに、追突してきた自動車の運転手はアクセルとブレーキを間違えたらしく、2度もぶつかってきた。事故直後から頚部・腰部痛・手の痺れの神経症状に悩まされる。

【問題点】

とくに腰痛はひどく、仕事は休業が長期に。しかし、業務中の事故であったにもかかわらず、労災を請求していなかった。毎度のことだが、「労災か相手保険か」の2択ではない。両方に請求を上げる必要がある。 c_h_25 ...

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 いきなり何のことやらわからないタイトルですが、何を意味するか?    

 これに即答できた方は後遺障害のプロ、認定でしょう。      

 答えは上肢の醜状痕の範囲です。

 

 下図の赤塗りの部分がそれぞれの範囲です。   

労災基準 自賠責基準 裁判 労災 自賠続きを読む »

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