サイエンス記事からコピペ、手抜き記事ですが、まずはご一読を。  

 再生医療というのは、病気や怪我などで傷ついたり機能を失ったりした体の細胞・組織・器官(臓器・筋肉・骨など)の再生や機能回復を目的とする医療技術の総称である。生きた組織や器官を移植する皮膚移植・骨髄移植・臓器移植だけでなく、人工材料で作られる義手・義足・関節、そして身体機能回復訓練のリハビリテーションなども広い意味での再生医療とされている。

 ただし、こうした方法では難病の根本治療には至らず、臓器移植にはドナー(臓器提供者)の不足、臓器移植後の免疫拒絶反応リスク、他人の臓器を移植することに対する倫理上の問題なども指摘されている。

 このため再生医療で注目されているのが、患者自身や他人から採取した幹細胞を移植して組織や器官を再生する技術だ。幹細胞というのは組織や器官に成長(=分化)する細胞のことで、分化能力を保ったまま自己増殖する能力を持っている。体の組織や器官が傷ついた場合に、残存する細胞の中で幹細胞が増殖し、傷ついた部分を修復して元の状態へ回復する現象を再生と言う。骨髄造血幹細胞、神経幹細胞、筋肉幹細胞などが知られているが、これらの幹細胞は分化できる範囲が限定される。そして、近年特に注目されているのが皮膚細胞などから作製するiPS細胞(人工多能性幹細胞)がある。

 iPS細胞は受精卵のように体を構成するすべての細胞に分化できる能力を持っている。そして患者の皮膚細胞から作製したiPS細胞を、治療に使う神経や筋肉などの細胞に分化させ、患者に移植することで病気や怪我で失われた機能を回復させることが可能になる。皮膚という完全に分化した状態の細胞に4つの遺伝子を組み込むことによって受精卵のような状態に戻し、受精卵と同様の万能性を作りだしたことが画期的とされ、生物学の常識を覆したと言われている。

 ES細胞の場合は患者と別人の細胞のため免疫拒絶反応リスクが大きくなるのに対して、iPS細胞の場合は緊急時などを除いて患者本人の細胞のため免疫拒絶反応リスクが小さく、倫理面の課題も少ないと考えられている。iPS細胞の基本特許は2009年に日本で成立し、2011年7月に欧州、そして8月には米国で製法に関する特許が成立している。

 iPS細胞による再生医療実用化に向けた課題としては、発がんリスクを低下させる技術、緊急時など他人のiPS細胞を利用する場合に備えたiPSバンクの整備、安全性や品質に関する基準・規制の策定などがあるが、動物が本来持っている自己再生能力を最大限に活用するため、iPS細胞が未来の再生医療の本命という見方が有力である。

     昨年、日本のiPSの最前線、京大の先生から半月板の手術についてご講義を頂きました。その先生は関節の専門医で、半月板の修復・再生手術について日本でトップクラスの技術、実績をお持ちです。研修後の会食でも、術式の説明が続きました。

 交通事故で膝の半月板など軟骨の損傷を負った場合、血の通っている骨と違い、血の通っていない軟骨部分は、自己修復ができないのです。つまり、骨折はくっつくが、軟骨がつぶれたら再生不可能が基本です。そこで損傷した半月板の修復は外科手術が必要となります。手術方法はいろいろありますが、影響のないところの半月板を円形にくり抜いて、損傷個所に埋め合わせる移植術があるそうです。この移植術も半月板組織をiPS細胞の培養で作ることが可能となるはずです。    交通事故外傷で重度の骨折の手術の場合でも、腸骨や腓骨など比較的人体に影響のない骨を採取し、損傷個所に使う手術が多くあります。これもiPS細胞ですべて解決できる未来が目前のようです。    

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 膝や肘など関節部分を骨折すると、高い確率で後遺障害が残ります。ざっくりと後遺障害の指針を示します。   1、骨折の癒合後の骨変形や転位(ズレてくっつく)、関節面の不整による可動域制限   2、骨折が完全に癒合しなかった場合、偽関節による動揺関節   3、骨折と併発した靭帯損傷、軟骨損傷による痛みから、関節が曲がりづらい   4、骨折と併発した、もしくは単独の靭帯断裂、靭帯損傷(靭帯が伸びてしまった)による動揺関節   5、骨折と併発した軟骨損傷による、関節の隙間の狭小化による可動域制限   6、骨折が正常に癒合したが、関節硬縮や疼痛による可動域制限(ただし、14級9号止まり)   7、靭帯や半月板が損傷し、疼痛による可動域制限(14級~12級)      さて、もうお解りと思いますが、関節の機能障害は大きく分けてこの2種です。赤は関節の動きが悪くなったもの(可動域制限)、青は関節がぐらぐらになったもの(動揺性)です。両者は同じ骨折を契機とした障害であっても、障害の種類が違うのです。    可動域制限は、ケガをした腕(膝)と、ケガをしてしない方を比べて、4分の3位までしか曲がらない(12級)、半分しか曲がらない(10級)、硬直、ほぼ曲がらない(8級)と基準が分かれます。

 (ただし、自賠責保険は、この計測だけをもって判断しません。画像上、損傷と一致していないと疑われます。)    動揺関節は、労災の基準では、硬性補装具の使用状態から12級(たまに装着)、10級(重労働時には装着する)、8級(お風呂以外は常時装着)とします。膝の靭帯が損傷、多くは不全断裂によって、緩んでしまったので、装具をつけないと膝がぐにゃっと崩れます。とくに、階段を降りる時は恐怖だそうです。

 (ただし、自賠責保険は、装具の装着だけをもって判断しません。画像上、損傷と一致していないと疑われます。)    通常、「可動域制限と動揺関節は並立しない!」これが原則です。この2つの機能障害の次いで、茶色の神経症状の残存(痛みやしびれの継続)が検討されます。この審査の視点に乗って進めないと、後遺障害の立証が迷走します。    例えば、骨折後、靭帯の複合損傷で動揺性が残ってしまった障害であるのに、靭帯損傷や補償具の使用頻度に触れず、関節可動域の数値が記入されている後遺障害診断書を見たことがあります。つまり青の種類の損害なのに、赤を主張している診断書です。これはズバリ的外れ。当然ながら可動域は、ほぼ正常なので、骨の変形や転位がなければ、茶色の12級13号もしくは最悪14級9号の判断が返ってきます。    お医者さんも、その辺をよくご理解していない状態で診断書を書いてしまうことがあります。だからこそ、障害の予断が大事なのです。「このケガであれば、このような障害が残りやすい」と予想し、「可動域制限なのか動揺性なのか」を明確に区分しておくのです。これこそ、秋葉の仕事です。医師の「治療」と障害の「立証」を結びつけることなのです。

 

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 本日サッカーワールドカップアジア最終予選、日本vsオーストラリア戦です。引き分け以上で予選突破です。今夜決めたいですね。

 さて半月板損傷の長友選手が復帰しそうです。かつて本田選手も経験した半月板損傷、これはサッカー選手の職業病、かなり多いケガです。交通事故外傷でもおなじみで、大腿骨や脛骨の顆部骨折で一緒に痛める症例を何度も経験しています。その際、外傷による完全な断裂であれば、文句なく後遺障害の対象となります。しかし微細な損傷では陳旧性(古傷)の疑いとなります。これを読影するには専門医の力を借りねばなりません。最近、専門医の診断に立ち合い、初歩的な指導を受けてまいりました。

 まず復習→ 半月板損傷・・・専門医の診断から

 それではお待たせしました。「わさわさ」した画像を見てみましょう。

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 本日は膝関節専門医の初診に被害者と同行しました。

 傷病名は腓骨近位端骨折とそれに伴う内側半月板損傷、外側側副靭帯の損傷です。

  

 まず、受傷時のMRIの読影です。骨折の形態、半月板や靭帯の損傷具合についてものすごいスピードで解明し、説明を頂きました。腓骨は顆上部の横骨折、脛骨に骨挫傷があること、外側側副靭帯の損傷は炎症、浮腫の残存・・・メモを取る私も目が爛々と輝いていたと思います。

 続いて自覚症状を聞き取り、ROM(関節の可動域)の確認、内半・外反テストを行い動揺のレベルを測ります。専門医のすべてに共通していること、それはとにかく早い!よどみなく流れるように診断が続きます。「う~ん」と腕組みして考え込む医師とは隔絶した能力を見せます。    続きを読む »

 本日の病院同行は脛骨骨幹部骨折の被害者。骨の癒合は順調ですが、足首の背屈(上に反らす)ができません。脛骨(すねの骨)の中間あたりが折れたのに、なぜ足首が曲がらなくなるのか?

 そこでの医師との会話・・・

秋葉:「先生、脛骨骨幹部が折れた場合、足関節に影響を及ぼすことは考えられますか?」

主治医:「骨折の影響で周辺の軟部組織も損傷を受けているケースもあります。神経麻痺や関節の硬縮、関節の隙間の狭小化も考えられます」

秋葉:「患者さんは足を反らすと関節がぶつかって曲がらないと言っています。先生のおっしゃるとおり、これは関節の隙間の狭小化、関節裂隙(かんせつれつげき)に問題があるのではないでしょうか?」

主治医: 「ではXPで確認してみましょう・・・・・やはり狭くなっている可能性はありますね。」

秋葉: 「先生、脛骨の下方転位、足関節の軟骨損傷どちらでしょうか?」

主治医: 「両方考えられますね。でもそこまで突き詰めないと保険はおりないの?脛骨骨幹部骨折でも十分説明はつくし、そのように診断書に書いてあげるよ。」

秋葉: 「先生、保険会社は『脛の骨が折れて、癒合も良好なのに、足首の可動域制限が起きるはずがない』と考えます。証拠として画像や検査結果を示す必要があるのです!」

主治医: 「XP(「レントゲン)の画像だけではだめなの?」

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本日の病院同行は、足関節の骨折です。

 初回の相談時に「どこが折れたの?」と質問しても、「足首の骨折です」と返答され、本人も具体的にどこが折れたのかわからないようです。この部位の後遺障害を予断する場合、まず3つを検証します。

1、可動域制限 2、変形 3、神経麻痺

 関節部の骨折はやっかいで上記3つのうちどれか、もしくは3つ全部、障害が残り易いと言えます。そこでさらに踏み込むためには具体的に6つ聞き込みます。

1、脛骨、腓骨、距骨、踵骨のどれが折れたのか?

2、折れた部分は骨幹部、遠位端? 遠位端であれば外顆部、内顆部、それとも前後?

3、骨折の状態は亀裂?開放?粉砕?剥離?、そして固定方法は?現在の癒合状態は?続きを読む »

 被害者さんはもちろん、医療調査、病院同行を業としている方に知ってもらいたい事を。

 骨折等、交通事故外傷で後遺障害が残った場合、その部位が関節であれば、その関節の可動域に制限が起きることがあります。その制限の程度はどのくらいか?これを「関節の用廃、関節の著しい障害、関節の障害」と3段階に重篤度を判定します。これは医師、もしくは理学療法士(PT)、作業療法士(OT)がゴニオメーターと呼ばれる分度器で計測します。この計測で保険金が決まります。この角度によって数百万円もの差が生じることがあります。したがって間違えて計測されるわけにはいかないのです。

 ← ゴニオメーター 

 しかし経験上、半分くらいが不正確な計測方法、いい加減な目見当で計測されていると思います。まさか医師や専門家が間違えるはずが・・と皆思います。しかし断言します。日本整形外科学会の基準通りに正確に計測されることは少ないのです。

 これは整形外科の医師から聞いた話ですが・・・「医大時代、さらっと見ただけでよく勉強していない。試験にも出てこない。これを専門的に勉強するのはPT、OTで医師は専門ではない」と。医師は教科書にでている計測方法を見たことがある程度で、実習をしているのはPT、OTのみです。私も仲間と練習したり、何人もの障害者を計測した「実習」の結果マスターしたのです。したがって実習経験もない医師は自己流の計測になりがちです。実際、計測方法は一つではなく、2~3種存在します。  勉強熱心な医師は、臨床の場で専門書を見ながら正確に計測する実践を積んでいます。しかしこのような医師は少数と覚悟しなければなりません。

 では専門家であるはずのPTやOTの先生なら安心でしょうか?もちろん正確な計測方法を熟知しています。資格取得の試験にもでてくる内容ですし、なにより実習を積んでるからです。しかし油断はできません。

 普段、PT、OTの先生はリハビリで患者の機能回復訓練を行っております。リハビリ室で「はい、今日は少し頑張って曲げてみましょう」と言いながら、患者の膝をぎゅーっと曲げています。これは訓練なので、患者は痛くても頑張らなければなりません。訓練、リハビリであれば当然の場面ですが、困ったことに後遺障害の計測の時においてもぎゅーっと曲げる先生がいるのです。

 後遺障害診断における計測値はエンドフィール(関節終端感覚)と呼び、痛くて「もう曲がりません!」と感じるところを限界としています。ですので機能回復訓練のように頑張って痛みに耐え、限界を超えて曲げたところではないのです。なぜなら日常生活で痛みをこらえて限界まで曲げることなど通常生じないからです。このエンドフィールが障害の生じる角度なのです。これを勘違いしている医師やPT、OTの先生も多いのです。

 計測では2つの値を測ります。

① 自動値・・・患者が自分の意志で曲げる限界点

② 他動値・・・補助者が手を添えて曲げる限界点

関節可動域制限では、機能障害は②の他動値で判定します。神経麻痺の場合、例外的に自動値で判定します。続きを読む »

 今日の病院同行から・・・

 今回の被害者さんは大腿骨顆上骨折です。血栓症を合併したこと、高齢であることを理由に抜釘しないで症状固定します。

 循環器科のドクター、整形外科のドクターをはしご、各々綿密に打ち合わせ、後遺障害診断書の形が見えてきました。

 まず基本として骨の癒合具合(きれいにくっついたか)、膝関節可動域、をしっかり診ていただきます。そして忘れてならないのは下肢左右の長さの計測。下図のように1cmの差でも13級となり、同系列でも併合し等級が1つ上がる可能性があります。これはけっこう見落とされているのではないかと思います。

 足の骨折で膝の部分、太ももでいうと「大腿骨 遠位端」、すねだと「脛骨 近位端」、この部分の骨折があると、下肢の短縮障害が起きるケースがあります。骨が癒着後、短くなるケースは相当ひどい骨折ですが、この場合は膝関節が詰まってしまう?ような状態でしょうか。もっとも長管骨は骨折後、変形なく癒着を果たしても、微妙に長さが変わるそうです。これは腕の橈骨や尺骨の骨折→癒合後の「突き上げ症候群」という後遺障害で学習しました。

 かつて異議申立て案件で、「脛骨骨折後の膝関節拘縮を理由とした短縮障害」が認めれたことを経験しています。(これはかなりイレギュラーな判断でもありますが・・・関節硬縮は後遺障害とは認めない考えが基本)

 隠れたチェックポイントではないかと思います。 

下肢の短縮障害による後遺障害等級

8 級 5 号

1 下肢を 5 ㎝以上短縮したもの、

10 級 8 号

1 下肢を ...

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 昨日の開放骨折に関連しますが、脛(すね)にそんなひどい骨折があれば、周辺の神経が損傷され、腓骨神経麻痺が強く疑われます。

(骨折シリーズはちょっと中断、今後散発的に取り上げていこうと思います。)

 今日の医師面談の目的はまさにこれ。数年前の事故ですが、すでに腓骨神経麻痺の後遺障害を取得している被害者さんの再検査の依頼です。

 腓骨神経麻痺で足首の可動に制限が残ってしまった方ですが、同時に足指にも制限が残っています。同じ神経で結ばれていますので足首、足指ともに障害を残すケースが多いのです。前回の検査では足首の可動域のみ計測されていましたが、足指は計測されていません。実際に症状を訊ねると案の定、動きが悪いのです。

 上図のように2本の腓骨神経、浅腓骨神経(腓骨の外側)と深腓骨神経(腓骨の内側)は足指までつながっています。

 上図のように2本の腓骨神経はそれぞれ内側足底神経、外側足底神経につながっています。

・内側足底神経は短母指屈筋、母指外転筋、短指屈筋を支配 ⇒ つまり親指の動きに影響

・外側足底神経は小指対立筋、短小指屈筋、小指外転筋を支配 ⇒ 小指の動きに影響

・中央の虫様筋、背側骨間筋は人差指、中指、薬指の動きに影響します

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 骨折と一口に言っても、その折れ方にいくつかの分類があります。

 最近の例ですが・・・圧迫骨折なのか骨挫傷なのか? 

           骨幹部骨折なのか骨顆部骨折なのか?

           複雑骨折なのか粉砕骨折なのか?   

 このよう臨床での判断を迷っているケースを見ます。

 もちろんこれらは診断した医師が判断します。しかしどっちつかずの微妙な画像所見の場合、医師の主観で左右される結果となります。その骨折具合の判定も後遺障害の認定に少なからず関わってきます。

 したがって臨床においての骨折状態を正しい後遺障害診断に結び付けるため、骨折について正確な知識が必要です。

 例えば圧迫骨折における圧壊率は等級認定上の条件に重きをなします。また関節可動域制限も骨顆部(関節の部分)の骨折では説明がつきますが、骨幹部(骨の両端を除いた幹の部分)の骨折では可動域制限の根拠になりづらいのです。

 下肢の骨、大腿骨(太もも)と脛骨(すね)で見てみましょう

骨幹部 

骨顆部 骨の末端の一方ですが心臓から遠い方は 遠位端です 骨顆部 ...

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今度はスネの膝関節部です。スネには脛骨と腓骨、二つの長管骨があります。この骨の上部の関節ジョイント部は、顆部、近位端とも呼ばれます。診断書ではプラトー骨折、高原骨折とも書かれます。 膝の強打やタイヤで轢かれる、バイクの転倒で膝が下敷きになった等で受傷します。また周辺靭帯、半月板の損傷や膝蓋骨・大腿骨の骨折を伴うこともあります。さらに合併症は関節拘縮とならんで腓骨神経麻痺があげられます。そのような深刻な後遺障害を残さぬよう、医師の正確な診断と整復が望まれます。

診断もまず折れ方の分類から・・・

陥没型 分離・陥没型 分離型

 CTで陥没箇所が描出!

ついでに腓骨についても・・・

■ 腓骨顆上骨折

腓骨近位端骨折、もしくは腓骨頭骨折とも目にします。文字通り腓骨が脛骨とジョイントする部分です。脛骨と一緒に折れるケースが多く、深刻な可動域制限は少ないですが、腓骨神経麻痺の残存に注意が必要です。

★腓骨神経麻痺

脛骨、腓骨の骨折を原因として付近を通る神経にダメージを受け、足首や足指が自力で曲がらなくなる症状です。詳しくは実際のエピソードを参照して下さい。 → ...

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太ももの大腿骨の膝関節に接する部分です。呼び方も「大腿骨遠位端骨折」、「大腿骨顆部骨折」といくつかあります。膝から路面に転倒したり、自動車運転中の場合、衝突でダッシュボードに膝を強打したときに受傷します。 多くは膝周辺の靭帯や半月板、脛骨にも損傷が及び、膝窩動脈損傷を伴う深刻なケースもあります。後遺障害としては変形癒合、人工関節、短縮障害、可動域制限で等級が認められます。

<治療>

基本通り、元通りに整復するにはプレート固定術がとられます。骨幹部(骨の両端を除いた幹の部分)の骨折と違い、ボルトの数や手間、つまり医師の技術が必要です。ひどい整復がなされると、当然、後遺障害も重くなります。 定期的にXPで癒合具合を確認してくださる医師はいい先生です。癒合の監視と運動療法が大事で、とくにCPM※を用いて膝部の屈伸運動訓練を行います。 この術後の処置が良好に進まないと、関節拘縮を起こします。これは文字通り関節が固まった状態で、可動域制限はもちろん、ひどいと足の長さが変わってしまいます。

    XP (レントゲン)    固定方法も折れ方でいろいろ・・

※ CPM・・・関節可動域改善の回復訓練を促進する機械で、手術後に固まってしまった関節を改善します。「膝関節屈伸運動装置」、「連続関節可動運動機」と訳されます。(写真があるとよかったのですが・・捜索中)

 

<後遺障害>

以下の項目ですが、同部位の場合、一番重い等級が認定されます。痛み、しびれ等の自覚症状も含みます。

〇 変形癒合    続きを読む »

膝シリーズ再開です。  今日から膝周辺骨折に及びます。

膝を構成する骨ですが・・・まず膝蓋骨、膝のお皿です。続いて太ももの大腿骨、この膝関節部分を大腿骨遠位端と呼びます。脛骨については逆に近位端となります。またジョイント部を外顆・内顆とさらに細かく分類します。

■ 膝蓋骨(しつがいこつ)骨折

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 今日は病院で膝関節の可動域測定に立ち会います。以下日誌を書いたら出発です。   ■ 膝関節の可動域について

膝の痛み、しびれの残存は自覚症状です。後遺障害の認定は当然、他覚症状重視です。そして数値化できて分かりやすいのはやはり可動域制限です。  可動域制限とは膝が曲がらなくなることです。医師の手によって曲げてもらう他動値と、自らの意思で動かす自動値の計測をします。この自動値は演技?できるので、参考程度とし、他動値にて可動制限を判定します。

      日本整形外科学会の測定法にのっとります。       屈曲 (膝を普通に曲げる) は平均値で130°

 伸展 (膝を逆に曲げる) は平均値で0° です。

 医師の診断書を見ると、たまに屈曲180°?と書かれています。物理的そんなに曲がりません。また。伸展で20°?とありえない数値を診ます。関節は逆に曲がりません。もっとも骨折等で偽関節を残す場合や前十字靱帯損傷ではあり得ます。その場合は後遺障害云々より早く手術すべきです。

 正常値を 屈曲130°+伸展0°= 130°とすると…

8 級 7 号 15°以下・・・ケガをしていない方の膝と比べてほぼ硬直で動かない

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■ 後十字靭帯損傷 

    ↓ 膝を裏側から見ます   膝の真ん中後ろに、前十字靱帯(ACL)と交差するようにある靱帯が後十字靱帯  PCL= posterior cruiciate ligament です。

 ACLに同じく膝の前後の安定を保つ働きをします。特に脛が膝から後方へずれないように引っ張っている様子が左の模型図からもわかります。     <損傷の原因>

 前十字靱帯に比べ2倍の強度があるため、その損傷には強大な力が必要です。膝を90°に曲げた状態で、膝下の脛骨に前方から力が加わり生じます。スポーツ外傷や交通外傷などによることが大半を占めます。自動車では衝突の際、膝をダシュボードに打ちつけて受傷することが多いとききます。また膝蓋骨・脛骨顆部骨折や側副靭帯の損傷と併発することも多く、周辺組織の修復術が伴います。

                           続きを読む »

サッカー女子日本代表の丸山桂里奈選手は先日中国戦試合終了後、ピッチに崩れるように倒れこみました。どうも膝を痛めているようです。今朝のニュースで右膝十字靭帯損傷で全治6カ月と発表されました。サッカー選手には多いケガです。

<立証>

1、ストレスXP撮影

 先日の<診断>の項目ではレントゲンよりMRIが有用と書きましたが、膝の動揺性について立証するためにはストレスXPが必須検査です。  簡単に説明しますと、下写真のように関節を引っ張り、異常可動の状態でレントゲン写真を撮ります。

(写真は福岡・上野先生より拝借です)

2、MRI

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<手術>

1.自家組織(自分の靱帯、健)を用いる方法

  (1)半腱様筋、薄筋を用いる方法   (2)骨付き膝蓋腱を用いる方法   (3)大腿筋膜を用いる方法

2.人工靱帯(Leeds-Keio人工靱帯)を用いる方法  

3.亡くなった人の組織(Allograft)を用いる方法(日本ではあまり行われてない)。

 3の故人の組織移植ですが、先日テレビで頚部の前方固定術に亡くなった夫の骨を使ったケースを観ました。外国では抵抗ないのかもしれません。  いずれの方法においても手術をすればそれですべてが治ったというわけではなく、手術後のリハビリテーションが手術以上に重要です。

  なお、靱帯再建には、骨付き膝蓋腱がよく用いられますが、これは膝蓋骨(膝のお皿)周囲にある靱帯を用いたもので、これにより術後6ヶ月~1年でのスポーツ復帰が可能となっています。人工靱帯を用いれば更に早期のスポーツ復帰が可能となることもありますが、再断裂や異物反応(アレルギー)による関節水腫の合併などの問題点も指摘されています。

 ← 前十字靱帯損傷 術後単純XP画像   膝蓋腱を用いて前十字靱帯を再建しています。    前十字靭帯が付いていた上下(脛骨と大腿骨)にトンネルを掘り、そこに前十字靭帯の代わりとなるように採取してきた腱を張り、上下を固定します。

 そのトンネルが大腿骨と脛骨に白く写っていますね。

    <リハビリ>  術後1~2週間(創部の閉鎖まで)はギブスまたは装具による固定を行うが、術直後より創部の痛みが我慢出来る範囲で、大腿四頭筋、ハムストリングス(大腿部後面の筋肉の総称)のリハビリを行います。術後1~2週より可動域訓練、その後より部分体重負荷(松葉杖を用いる)を行います。その後、固定装具を用いながら可動域訓練、筋力増強訓練などを行い、最終的にはスピード、耐久力、俊敏性などをスポーツ種目に合わせて訓練し、術後8ヵ月から1年でスポーツに復帰します。

                 これは金属入りの硬性補装具です。→            靭帯損傷のみですと軟性補装具使用が一般的です。            ...

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 昨日届きました!膝の人体模型です。(おもちゃが届いた子供のようですみません。)

 普段は専門書の平面図を眺めていますが、立体物を手に取ることによって構造の理解が深まります。  明日から靭帯損傷を解説しますので、その準備として膝を構成する骨について確認しましょう。     <骨>  4つの骨から構成されます。

1、大腿骨(だいたいこつ)  ・・・太ももの長管骨です。

2、脛骨(けいこつ)  ・・・すねの長管骨です。

3、腓骨(ひこつ)   ・・・すねの外側にもう一本長官骨があります。

4、膝蓋骨(しつがいこつ)  ・・・いわゆる膝のお皿です。続きを読む »

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