「私は等級が取れますか?」
被害者さんから、直球の質問です。自賠責保険の後遺障害等級が取れるのか否か、2択を迫られています。 秋葉事務所では、申請までには、認定等級が読めています。とくに高次脳機能障害では、ほぼ事前予想を外しません。申請までの調査段階で、誰よりも障害の全容を掴んでいるからです。もしかしたら、本人はじめ主治医や家族以上に、障害の程度を把握しているかもしれません。したがって、先の質問にはできるだけ回答しています。一方、最も読めない障害はむち打ち等、打撲捻挫の14級9号です。申請のおよそ80%は事前の予想通りですが、20%はどっちに転ぶか予想不能、あるいは、予想を外してしまうのです。
むち打ちの14級9号は、骨折等、明確な人体の破壊が画像にでない、いわば本人が「痛い」と言っているだけを審査します。受傷機転や症状の一貫性から、その信憑性をジャッジするしかありません。審査項目を一つ一つチェックするも、微妙な、中間的なケースの場合、審査員によってブレがあって然りです。人が審査するもの・・これが20%、5件に1件予想を外すことになるのです。
そのような事情から、認定されるかされないか、2択の回答が難しいこともあるのです。それでも、食い下がる被害者の方もおります。等級が取れるか否か、事前に知りたい被害者さんの気持ちはわかります。弁護士先生ですと、言葉の重みがあるので、予想的な数字は言わないものです。それでも、秋葉の場合は、質問に対して以下のような想定をします。
秋葉:「秋葉事務所の経験則から、○○さんのケースですと、10件中8件は認定です。」
被害者Aさん:「おおっ、80%の勝率ですね!」(もう、認定を取った気分)
秋葉:「はい、10人中8人認定です。しかし、2人は取りこぼします。Aさんは、その2人かもしれませんよ」
被害者Aさん:「・・・・」 (複雑な表情)
このような、やり取りになるわけです。
何事も2択の判断は難しいものです。今年のマスク論争に似ているな、と思います。
「マスクは効果が有るのか、無いのか」・・・これも二択で判断できるほど、単純ではありません。
マスクは、完全に防疫の効果があるとは言えないが、自身からの飛沫の量を減らすので、一定の効果はある・・このような分析で、ひとまず落ち着いていると思います。つまり、しないよりした方が良い。また、ひねくれた発想ですと、「私はコロナ対策してます」との表札になり、同調圧力の高い日本では欠かせない免罪符と言えます。
世相をみれば、後手を踏みまくっている政府のコロナ対策について、マスコミが毎日のように非難しています。マスコミ以外でも、緊急事態宣言下の自粛警察などは、より攻撃的で行き過ぎた反応です。未知のウィルスに対し、現状、誰もが絶対の正解を持っていないのですから、結果論で非難する、違う意見の他者を罰するような行為は、ちょっと厳し過ぎではないでしょうか。アーティストの山下 達郎さんは、コロナ下、寛容さが必要と、早くから訴えておりました。
94年サッカーワールドカップ決勝、PKを外したロベルト・バッジオ選手は、後にこうコメントしました。
「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持った者だけだ」
このPK失敗でイタリアは敗退しました。勝負事の結果ですから仕方ありませんが、彼を戦犯にする心無い論調も多かったのです。
勝敗がつきものである競技に限らず、良かれと思ってやったこと、本人が全力でやったこと、これらが失敗しても、一々非難するはどうかと思います。事後の検証や反省はもちろん大事ですが、個人を責める非寛容な社会ほど嫌なものはありません。 だから、秋葉が等級予想を外しても、責めないでね。(長い前振りは、それが言いたかったのか?)


12級14号は諦めか・・と私達は意気消沈、重苦しい空気が流れました。
するとその時、この被害者さん、なんと「それなら、眉を剃ります!」と宣言。
その想像図は以下の通り、
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先日、頚椎捻挫で後遺障害申請した案件について記載します。
本件は信号待ち停止中に追突され、「頚椎捻挫」と診断されたため、6ヶ月通院した後、後遺障害診断書を記載していただきました。症状としては、頚部痛、頭痛、肘から指にかけての痺れがひどく、仕事のみならず日常生活にも影響を及ぼしていました。私がみたところ、嘘や大げさではありません。
どこぶつけたの?
一人でゆっくりがいい!
もしかしたら後年の評価で、今年がその完全転換の年になるかもしれません。なんとなく伝統的に継続してきた団体行事が、コロナ下での中止をきっかけに、いつの間にか廃止となる会社も多いのではないでしょうか。昭和の終身雇用時代、会社は家族に次ぐ第2の共同体、社員は皆家族でした。今や非正規、契約社員の比率が増えて組織が分断・階層化し、経営の効率化・合理化の流れは止めようもなく、給与も出来高評価が進んで所得格差が拡大、そして、このコロナ下、テレワークや自宅業務でもほとんど問題ないことが実証されてしまいました。会社括りの人のつながりが希薄になって当然です。
それは、かつて会社行事大嫌いの者にとって、ついに到来した理想的な社会かもしれません。しかし、昭和の郷愁を知る私の世代は、すべて自由では却って面白くない。付き合いだから仕方なく嫌々参加する行事がたまにあっても、それも一興と思います。かつて、会社行事に文句たらたら参加ながら、数々のドラマがあったような気がします。上司や後輩、同僚の、仕事中とは違った顔を見る機会でもあります。何事も有意義な時間とするか、無駄な時間とするかは本人次第なのです。
逆説的ですが、その面倒な人間関係があって初めて、会社・組織から解放された自由を強く感じるものと思います。令和以降の世代にとっても、罰ゲームのような会社付合いが一つ位残ればいいなと思う次第です。

それから5年後、縁あって地元のビートルズ専門ライブハウスでのステージに、毎週のように立っていました。ビートルズのナンバー150曲ほどレパートリーに、延べ数百回のステージをこなしたものです。もはや、下手の横好きでは済まされません。結構、大変でした。
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本件依頼者さんは、依頼した弁護士が秋葉と連携していたので助かりました。しかし、セカンドオピニオンのご相談者さまの多くは、既に交通事故専門を謳う弁護士や行政書士に依頼又は相談中ながら、困り果てて秋葉を訪ねてきます。事情を伺うと、「ストレスXPが必要です、主治医にお願いして下さい」と、弁護士(行政書士)からの指示ですが、主治医から「できない」と言われ、立ち往生しているようです。依頼している交通事故専門家はアドバイスだけなのです。つまり、検査先を確保していない。知識だけで実動と実力が伴わない、まるで絵に描いた餅です。
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交通事故外傷の実に60%はむち打ちです。正式には、頚椎捻挫、外傷性頚部症候群、頚椎症などの診断名になります。これは、歩行中、自転車・バイク搭乗中でも頻発しますが、何と言っても代表的なケースは追突です。追突の衝撃によって、首が急激に前後に振られて痛めます。多くは、捻挫ですから、安静と消炎鎮痛処置を続ければ、痛みは軽減します。通常の捻挫であれば、後遺症などは残りません。しかし、頚椎は体幹部でも細く脆弱ながら、脊髄の神経を中心に、神経根~末梢神経など神経のターミナルです。これらに衝撃が加わると、しつこい神経症状を惹起することがあります。神経症状となれば、捻挫の腫れが引いても、上肢へのしびれ、頭痛、めまい、耳鳴り、不定愁訴、諸症状が長引く原因とされています。
しかし、保険会社はそれら目に見えない症状に、いつまでも耳を傾けてはくれません。打撲・捻挫の症状は、せいぜい3か月と基準しています。したがって、治療費支払いの延長には、単なる捻挫ではない神経症状を信じてもらうしかありません。それには、医師によるジャクソン・スパーリングテスト、腱反射など、またはMRI画像における神経圧迫所見など、他覚的所見を示さなければなりません。経験上、それらが明確であれば、自賠責の後遺障害認定にも有利に働きます。ところが、それら他覚的所見がほとんどみられない被害者さんが大多数なのです。つまり、本人が痛いと言っているだけで証拠がない。これが、交通事故外傷・むち打ちにおける最大の問題となるのです。

9回裏逆転さよならホームランです!

地味な仕事でしたが、十二鬼月クラスの認定です。
言った言わないには録音です!
しかし、あるケースでは、間違えましたでは済まされない、大変なことでした。概要を説明します(個人情報なので脚色しています)。
事故で遷延性意識障害に陥った被害者さんがおりました。事故後9か月、意識が戻らない。医師も「奇跡でも起きなければ・・」です。このまま常時介護であれば、介護費用がかさむので、死亡より後遺障害の賠償金が高くなります。亡くなったらお金がかかりませんので、このようなケースは珍しくありません。
外国の方のご依頼も多いのです




