20140311082718 本日の病院同行は長野県です。3月ですが昨夜の積雪で銀世界です。    病院では言語聴覚士の先生に言語のリハビリの同席許可を頂き、依頼者の失語について詳しく聞きました。そしてデータとしてSLTA検査の結果を持ち帰りました。

 さて、失語と一言で言っても奥が深いもので、学術的な分類と臨床上の分類で微妙に違いがあるようです。過去、高次脳機能障害で数例経験していますが、ブローカ型(運動性質後)とウェルニッケ型(感覚性失語)のどちらかに2分できました。しかし本件はブローカ、ウェルニケ双方が併存する混合型で、初めて遭遇するタイプです。再度、失語症の分類について整理してみたいと思います。

 熊本県言語聴覚士会の資料が大変わかりやすく、本文の参考にさせて頂きました。  

運動性失語:聴理解より言語表出が障害される失語群

  (1)ブローカ失語

・1861年にポール・ブローカがムッシュー・タンの脳を剖検して発見。

・病巣:ブローカ野+中心前回下部

・基本概念:非流暢な発話、復唱障害、自発話に比べ良好な聴理解

・頻発症状:発語失行、失文法  

(2)超皮質性運動性失語

・病巣:ブローカ野を孤立させるような病巣

・基本概念:非流暢な発話、良好な復唱、自発話に比べ良好な聴理解

・頻発症状:無言症、発話開始の遅れ、保続、声量低下    

感覚性失語:言語表出より聴理解が障害される失語群

  (3)ウェルニッケ失語

・1874年にカール・ウェルニッケが発見。

・病巣:ウェルニッケ野を含む病巣

・基本概念:流暢な発話、復唱障害、聴理解障害

・頻発症状:音韻性錯語、語性錯語、ジャーゴン、錯文法     (4)超皮質性感覚性失語

・病巣:ウェルニッケ野を孤立させるような病巣

・基本概念:流暢な発話、良好な復唱、聴理解障害

・頻発症状:語性錯語、空虚な会話、読解障害、書字障害

     まずは基本の2種を4分類で整理しました。(明日に続く)

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 本日のニュースはSK氏の記者会見一色でしたね。やはり聴覚障害に触れないわけにはいかないでしょう。

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       さて、本件で問題となっているのは身体障害者手帳の等級です。

 自賠・労災よりはシンプルです。そして全ろう、それに近い重篤な難聴しか認定等級がありません。手続きですが、医師の診断書とオージオメーター(聴力検査)の検査表を市役所に提出すれば該当の等級が認定されます。問題はオージオメーターは本人の意思で嘘の検査値を出すことが可能な事です。これについては耳鼻科の医師によると、経験にもとづいて嘘を見抜くことはできると言っています。

 等級は以下の通り、平衡機能の障害と一緒の表になっています。  

等級

聴覚障害

平衡機能障害

1

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5、味覚・嗅覚・めまい・ふらつき

  ☐ 味がついているのに大量に醤油をかけて食べる

☐ 事故後、苦手で食べられなかった魚介類が食べられるようになった

☐ 足元にガソリンがこぼれているのに煙草を吸おうとしてライターを点火した

☐ 腐った果物を平気で食べている  

 これらは実際に担当した被害者さんの例です。ガソリンの強烈な臭いがしない、痛んでいる果物の腐臭や腐った味がわからない・・・大変危険な障害と言えます。多くの場合、味覚と臭覚の異常は併発します。

 味覚・臭覚は前頭葉に損傷を受けた場合に失われる感覚です。また頭蓋底骨折から嗅覚、味覚、視覚、聴覚に障害を起こすケースがあります。機械で例えるなら脳そのものの損傷の場合、それらの感覚を認識する「回路の故障」です。神経の損傷の場合は神経の伝達が絶たれる事を原因とします。これは「ケーブルの断線」ですね。    高次脳機能障害でこれらを多数経験しています。五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)が正常か、すべてチェックする必要があります。該当する障害について眼科、耳鼻咽喉科、神経科にて受診し検査をします。回路の故障かケーブルの断線か、原因の特定は脳外科ですが、臭いがしない、味がわからないといった障害の有無、程度の検査はそれぞれの専門科になります。 c_n_2 c_n_4 続きを読む »

 本日の病院動向はCRPSの疑いのある被害者です。骨折後、癒合も進むも、半年以上たっても痛みが無くなりません。いえ、さらに増悪しているともいえます。痛みを感じる神経が暴走、一向におさまりません。これは器質的損傷から神経損傷が推定されるのでTypeⅡ(カウザルギー)に類別されます。

 しかし臨床上、医師がそう診断したとしても、自賠責保険、労災、その他障害認定において行政側の判断は厳密な基準をクリアしなければその診断名とはなりません。カウザルギーの場合、他覚的所見として骨萎縮、骨の脱灰現象、皮膚色・温度変化、浮腫などが観察されなければなりません。立証するにはMRIや骨シンチ、サーモグラフィーなどの検査結果も必要です。さらにそれらを総合した専門医の確定診断が必要です。すると多くの方はこれらの条件に及ばなくなります。 pics324    本件も主治医の診断がカウザルギーでも自賠責保険の後遺障害としてはその診断名を維持できないとみています。そもそも自覚症状としてアロデニア(灼熱痛)が絶対的な所見です。これはちょっと触っただけで悲鳴をあげるレベルですが、本件被害者はそれほどの反応ではありません。

 こうして臨床診断と行政判断が食い違い、「私はなんの障害なの?」被害者は混乱してしまうようです。これを私の立場から時間をかけて説明していくことになります。

 医師の診断は絶対ではない?この仕事ではなかなか悩ましい問題です。

 

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4、情動障害、人格変化

   これも前日の注意・遂行能力の障害に同じく、元々の個性を考慮しなければなりません。性格が怒りっぽい人やわがままな人もいるので、やはり家族から聞かなければわかりません。些細な変化では主治医でも把握できないのです。  

☐ 些細なことでキレる

☐ 幼児に返ったように行動・発言が子供っぽくなった

☐ 人前で着替えを始めてしまう

☐ 好きなお菓子ばかりずっと食べ続け、他の食べ物に見向きもしない  

 「易怒性」と言って多くの被害者で経験しています。理由なく不機嫌になる人もおりますが、多くは電車で人の声が大きいとか、テレビのニュースの内容が気に食わない程度のことで、いつまでも文句を言い続けています。通常は理性で抑えられるようなことも我慢できないようです。

 幼児退行は認知症患者に多い例です。高次脳機能障害でも30歳になるいい大人が部屋をぬいぐるみで一杯にしたり、家族に甘えたりわがままを言うようになります。

 羞恥心が低下する、感情を抑えられずにすぐ泣く、気に入らないと物にあたる、これらは「脱抑制」に分類されます。一つのことに執着する「固執性」がみられることがあります。

 このように感情を理性で抑えることができず、より本能的になってしまうようです。   c_g_ne_92  

☐ 毎週のようにゴルフをしていたのに、家にあるゴルフクラブに見向きもしなくなった

☐ 猫好きで何匹も飼っていたのに、世話をしなくなった

☐ 明るくよくしゃべる人だったのに、無口で暗くなった

☐ 「誰かが私の財布を隠した」など、被害妄想がある

☐ 掃除、片づけをまったくしなくなり、部屋は散らかり放題。逆にずぼらだった性格が几帳面になり、神経質に掃除をしている

☐ いつも疲れていて家でゴロゴロ、居眠りが多い。突然、寝落ちする      「性格変化」は文字通り性格が変わってしまうことです。久々に友人が訪ねてきてもそっけなく、友人は「人が変わった?」ように感じます。私の経験では性格が陽気になった例はなく、多くは陰気、人見知り、悲観的になる傾向でした。

 極端に疲れやすい。これは肉体的な疲れというよりは精神的な疲れです。「易疲労性」に分類されます。この障害により職場や学校への復帰が困難となります。

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3、注意障害、遂行機能

 注意障害と遂行能力障害の兆候は重なる部分が多く、多くの場合、併発します。障害ではなく、そもそも飽きっぽい人、要領が悪い人がおります。元々の能力、性格かもしれません。やはり事故前後の比較が必要で、家族の観察を聞かねば判断できません。

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☐ 仕事を始めてもすぐぼーっとしてしまう。集中力がもたない

☐ お皿を洗っている途中で、テレビを観始めてしまう

☐ 窓の掃除をすると、ずっと同じところを拭いている    注意障害とは集中力が極端に低下します。したがって脈絡のない行動にでたり、会話もまとまりがなく、話が飛びがちです。同時にいくつかの作業を進めることができなくなります。また逆に一つのことに固執してしまうこともあります。これでは仕事や勉強も長続きしません。

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☐ 旅行の計画はおろか、スケジュールを組むことができない

☐ ...

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2、視覚認知機能、失認、失行

  ☐ 歩いていてよく左肩をぶつけませんか?  

 左目が見えないというより左目に映る映像を認識できない状態です。これは「半側空間無視」です。圧倒的に左側に問題が生じます。通常、人は眼に映った情報を脳で解析しています。しかし脳の解析システムが故障することよって、映るものが認識できない状況に陥るのです。したがって当人は見えてないことすら自覚できません。コブクロのギターを持っている方しか見えない?状態です。

 以下の兆候がないか家族から聞き取る必要があります。

・ 食卓に並んだいくつかのおかずの皿から右半分しか箸をつけない ・ 片側から話しかけられても反応しない、片側に人が立っていても存在に気づかない ・ 家の絵を描かせると片側半分だけしか描かない

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☐ 右手を出してと言われて左手を出したり、よく左右を間違えませんか?  

 左右の側頭葉のどちらかが損傷した被害者で数例、経験しています。左右が定かではなくなり、よく右と左を間違えます。一般に「左右失認」と呼ばれています。些細な事のようですがこの障害から様々な場面で判断力が低下する傾向があります。  また病院内で一回廊下を曲がると帰ってこれない、自分の位置に混乱をきたす「空間認識能力の低下」などは右側頭葉の障害で経験があります。  

☐ 主治医の顔、もしくは新しく会った人の顔を覚えられないなどありますか?

   顔を覚えるのが苦手のレベルでは済まない症状は「相貌失認」と言われています。相貌失認では人の区別だけではなく、「笑っているのか、怒っているのか」など表情を読み取る観察力も失われることがあります。

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 お待たせしました。被害者さんと家族に症状の質問を始めます。

1、記憶障害

c_n_7   ☐ 昨夜、夕食は何を食べましたか?事故以来、物忘れがひどくなっていませんか?  

 高次脳機能障害患者の80%に記憶障害があると報告されています。それは昔のことが思い出せない「逆向性健忘」と新しいことが覚えられない「前向性健忘」に大別されます。逆向性健忘とは以前の記憶が失われる記憶喪失の一種です。前向性健忘とは記銘力(そもそも物事を覚える能力)の低下です。  

☐ カップラーメンにお湯を入れてそのまま・・このようなことはないですか?    問題なのは「うっかりお湯を入れたのを忘れていた」との反応ではなく、「誰がお湯を入れたの?」とまったく覚えていないことです。これは前向性健忘でもさらに直前のことも覚えることができない「ワーキングメモリーの喪失」です。暗記力そのものが低下するので、カードの暗証番号が覚えられない、新聞を読めない、足し算も2桁になるとできなくなることもあります。  

☐ 家族全員の名前、主治医の先生の名前、飼っているペットの名前が言えますか?

 確実に覚えているはずのことも、少し考え込んだり、間違ったりする・・・これは単なる度忘れなのか否か?家族の判断を聞く必要があります。これは「固有名詞失名辞」と呼ばれ、失語症の方に併発するケースが多いようです。人名、地名、固有名詞が想起できない、つまり意味や関係性はわかっているが言葉として出てこない状態です。  ひどいと認知機能の障害に分類されます。認知機能の障害は痴呆のように明らかな知能低下の症状が現れますので、ここでしっかりチェックせずとも見逃されることは少ないと言えます。

 固有名詞失名辞20140219_0001続きを読む »

 昨日に続き、チェックを進めます。  

(2)面談前チェック

 いよいよ高次脳機能障害の相談者が事務所に来所しました。症状の質問に入る前に前提条件があります。他の障害にはない独特なものです。  

☐ お一人でいらしたのか、家族のみでいらしたのか  

 高次脳機能障害の方の多くは病識がありません。病識とは「自分がケガで障害を負っているという自覚」です。2級の重篤な被害者でも「家族からおかしいと言われています」程度の自覚しかなかったケースもあります。多くの場合、本人は回復したと思っています。したがって家族の方からお話を伺わなければ障害の有無・程度がわからないのです。またご家族の方だけ相談にいらした場合でも、本人の様子を観察する必要から、改めてお連れいただくか、外出が難しい方の場合はご本人に会いに行く必要があります。  

(3)面談での観察

 普通の交通事故被害者から法律相談を受けるのとはまったく違います。障害を見抜く観察力が必要であることを肝に命じて下さい。(高次脳機能障害を見逃した弁護士を何人も知っていますよ!)  

☐ 被害者の話し方を観察します。    ここで言語機能に関する障害をチェックします。言語障害、失語などと呼ばれる症状ですが、高次脳機能障害では以下の2種が代表的です。   1、運動性失語…左前頭葉のブローカ領域の損傷。

 話し言葉の流暢性が失われます。したがって極端にゆっくり話す、どもりがち、滑舌が悪い、言葉が出てこないで考え込むなどが表れます。  

2、感覚性失語…左側頭葉に位置するウェルニッケ領域の損傷。

 流暢性は保つものの、言い間違いが多く、発言量の割に内容も乏しくなります。同じことを繰り返し話す、話しが回りくどい、意味不明な事を話す、質問と答えがかみ合わない頓珍漢な会話となります。   20120404  

☐ 態度を観察    些細なことで激高する、ムッとする、わずか10分の面談でも疲れ切ってうなだれてしまう、気が散ってキョロキョロ見回す、子供のように家族に甘える…だんだんおかしな態度が現れてきます。「易怒性」、「易疲労性」、「集中力の欠如」、「幼児退行」などを疑わねばなりません。これは後述の情動障害、行為障害、人格変化で再度、質問項目を挙げます。  

☐ ご家族から日常生活でのエピソードを伺い、ギャップを抽出します。  

 失語や態度で何か異常を感じたとしても、元々ケガをする前からそのような方もいますので、ここで家族の意見が重要となります。ケガをする前との比較は家族しかできません。つまり「この話し方は事故からですか?」、「事故前から怒りっぽかったですか?」と家族に追質問する必要があります。    相談を受ける弁護士のみならず、主治医でさえケガをする前の被害者を知らないのです。主治医は24時間患者と生活を共にし、観察しているわけではないのです。限られた診断時間では些細な変化に気付かないことは無理もありません。まして一見普通に歩き、普通に話す患者には「もう治った、障害がなくてよかった」と断定してしまう医師もおります。慎重に家族からの聴取をしなければ医師とて見逃す、繊細な障害なのです。

 具体的な症状のチェック項目は明日に。

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 3月1~2日東京、29~30日大阪で弁護士向け研修会を実施します。今回は「実戦力」がテーマです。実際に被害者が事務所に相談に訪れた時に的確な対応ができるかを訓練します。  先駆けて今日から高次脳機能障害のチェック項目について概要を押さえていきましょう。  

(1) 事前チェック (書面チェック)

 相談者から基本的な事故情報を事前に聴取、できれば書面で確認します。高次脳機能障害を予断する場合、以下の3項目が必須の情報となります。  

☐ 診断名は?

 傷病名が脳挫傷、びまん性軸策損傷、びまん性脳損傷、急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血、脳室出血であること。   骨折後の脂肪塞栓で呼吸障害を発症、脳に供給される酸素が激減した低酸素脳症も含みます。

 では逆に危険な診断名を挙げます。頭部打撲、頭部挫傷、脳震盪、頚椎捻挫・・・これらの診断名をもって脳障害の症状を訴えても、障害とは認定されません。そしてMTBI(外傷軽度脳損傷)が診断されても、自賠責保険・労災は高次脳機能障害とは認めません。臨床上そのような症状が報告されていますが、行政上では存在自体を疑問視されており、はっきり区別されています。

  ☐ XP、CT、MRIの画像で確認できているか?

 受傷直後に急性の血腫が生じた場合は明確に画像が残ります。それは局所性の損傷として重要な画像所見となります。さらにMRIのT2フレアで脳萎縮、脳室拡大の進行が時系列で描出されていれば決定的な画像所見となります。  びまん性脳損傷の場合は点状出血を探すことになります。微細な出血は見逃される危険性がありますので、精密なMRI検査(DWI:ディフージョン)が望まれます。時間が経ってしまった場合はT2スターなどを追加検査する必要があります。    このように「どのような脳損傷の形態か?」を把握し「どの時期にどのような画像検査をすべきか?」これを相談者に指し示すことができなければ取り返しのつかないことになります。つまり画像所見がないために障害が認められなくなってしまうのです。

  ☐ 頭部外傷後の意識障害が少なくとも6時間以上続いていたか?もしくは健忘症あるいは軽度意識障害が少なくとも1週間以上続いていたか?

 意識障害(半昏睡~昏睡状態で呼びかけに開眼・応答しない状態)、JCSが3~2桁、GCSが12点以下の状態が少なくとも6時間以上続いていること。  または軽度意識障害としてJCSが1桁、GCSが13~14点の状態、もしくは健忘症が少なくとも1週間以上続いていることが認定要件となっています。

 通常、脳に器質的なダメージが加われば意識障害の状態に陥ります。意識障害も程度の差があり、完全に意識が喪失している場合、朦朧とした状態が数時間~数日続く場合があります。明確な画像所見があれば、障害の存在は否定されません。しかし画像所見が不明瞭、もしくは脳萎縮・脳室拡大の器質的変化が乏しい場合は、意識障害の有無・度合いが脳損傷の有無を推定させる一つの要素となります。

 相談を受けた法律家は画像所見が決定的ではない場合、画像の追加検査はもちろん、なるべく急ぎ、「頭部外傷後の意識障害についての所見」(専用診断書)を初診の病院に記載依頼して下さい。救急救命科で記録してあるはずですが、命を左右する場面で正確な記録が脳神経外科に引き継がれていない危険性があります。また事故から時間が経っていれば、主治医の転勤等でカルテの記録(ものすごく達筆)しか残っておらず、正確な数値が曖昧となってしまうことも多々あります。急がなければならないのです。

 画像も不明瞭、意識障害もなし・・・万事休す。障害は否定されます。

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 今年のNHK大河ドラマ「軍師 官兵衛」を続けて観ています。  

kan さて、黒田官兵衛については詳しい方も多いと思いますので人物説明は割愛します。一言で言いますと、戦国時代に信長、秀吉、家康の3天下人に仕えた軍師です。様々な逸話が残っていますが、私にとって注目すべきことが一つあります。それは、後遺障害の観点から「関節硬縮」です。     まず背景から・・・

 官兵衛が主君 織田信長に謀反を起こした荒木村重のもとへ、「謀反を思いとどまるよう」説得のために単身、有岡城へ出向きます。しかし、村重は説得に応じるどころか、官兵衛を牢に幽閉してしまいます。この牢は天井低く、官兵衛は座ったままの状態を強いられ、1年間も陽の当たらない牢に閉じ込められました。その後、村重の謀反は失敗し、官兵衛は救出されます。1年も座ったままですから、左脚が不自由になり、しばらく自力で歩くことができなくなりました。戦国時代にどのようなリハビリをしたのか、また装具はどうしたのか記録にありませんが、有馬温泉で療養したとの記録があり、杖を使って歩けるまでに回復はしたようです。ドラマの冒頭、小田原城への使者のシーンで足を引きずってましたね。    ここで官兵衛の病態を分析します。考えられる傷病名は2つ・・  

1、くる病

 おそらく陽も当たらない不衛生な環境と栄養不足から、ビタミンD欠乏を原因とする「くる病」が考えられます。大腿骨、脛骨や半月板が石灰化を起こし、ひどいと骨の変形となります。当然脚が曲がったままで伸びず、歩行不能が考えられます。現代では、栄養状態の回復と運動療法から回復する病気でもあります。「アルプスの少女ハイジ」のクララも、この病気ではないかと思います。  

2、廃用性症候群

 人間の関節は一か月も動かさなければ、誰でも固まって曲がらなくなります。これを続きを読む »

 老眼は正式には『老視』と言う眼の老化現象で、眼のピントを調節する機能が衰え、近くが見えなくなる症状です。正確には、近くだけでなく、普段ピントを調節しなければ見れない範囲は全て見にくくなります。最近私も老眼気味?で本が読みづらいことがあります。まぁ新聞の文字は問題ないのでもう数年は大丈夫かと思います。  さて交通事故外傷においても、眼球自体の直接的な受傷はもちろん、顔面のケガ、とくに眼窩底骨折やルフォーⅡ型~Ⅲ型の頬骨の骨折でこの調節能力に障害を残すことがあります。高齢ですと元々老眼であるケースが多いため判別が難しくなりますが、やはり専門的な検査で立証する必要があります。代表的な検査方法を3つ挙げます。

1、石原式近距離視力表

 この検査で異常があれば、各種の精密な調節検査を行います。この検査は老眼鏡を処方する場合の検査に必須です。眼前30cmの距離で明視できる最小の字づまり視標でその眼の近距離視力を求めます。5mの遠距離視力が裸眼または矯正眼鏡にて1.0であるのに、近距離視力が同じ条件下で1.0より低ければ調節障害となります。

2、石原式近点計

 調節障害が疑われた場合に調節の近点がどの位置にあるかを調べます。接眼部の試験枠にレンズを加入することによって、人工的な近視を作れば、この機械にて遠点も計測できます。調節幅の測定は精密な調節機能を知るために必要です。調節幅の検査では、被検眼の矯正視力、被検者の努力、注意、集中力、視標を移動させる速度、視標の大きさ、コントラスト、明るさなどが影響する。また、ピントがぼけ始めた点を正確に答えるのもむずかしい、さらに調節lag(lag of accommodation)として、正確に調節を行っていなくてもピントが合ったように見える現象がある場合があります。この調節lagには、ピンホール効果としての小瞳孔や乱視の存在などが影響しており、自覚的検査での調節幅は、他覚的に求めた真の屈折力の変化としての調節幅よりも大きな値となります。

3、アコモドポリレコーダー

 毎度カミカミでうまく言えません。この検査は遠方と近方に置かれた視標にピントが合うまでの時間の長さから調節障害を診断する専用の機器のことです。内蔵された視標はレンズによって光学的に遠方と近方に設置され、電動式に遠方視標と近方視標が交互に点灯するようになっている。視標にピントが合うまでの時間を調節時間として反復測定する。近方視標にピントが合うまでの時間を緊張時間、遠方視標にピントが合うまでの時間を弛緩時間として調節時間の現れ方をいくつかの型に分類し、調節障害の性格を明らかにすることができます。  この検査も自覚的な検査であり、被検眼の矯正視力、被検者の努力、注意、集中力が影響し、ピントがぼけ始めた時点を正確に応答するむずかしさが課題です。また、調節lagも混入することは石原式と同様ですが、調節幅を求める検査ではなく、調節時間の型からどのような調節障害かを診断することを目的となります。検査結果の再現性が得にくいこと、正常者あるいは異常者であっても、いくつかの型に当てはまってしまうために、検査結果(アコモドグラムパターン)だけから診断することは難しいとも言えます。したがって検査は治療の初期から症状固定まで3回ほど行い、あまり数値に変化がないことが望ましいのです。

後遺障害の判定と等級は

調節機能に関すること

11 級 1 号 両眼の眼球に著しい調節機能障害または運動障害を残すもの、アコモドポリレコーダーによる調節力が ...

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 昨日につづいて、実例をお話ししましょう。  

変なおじさん

 

 私が中学生の頃、通学路に昼間から働くでもなし、ふらふらしているおじさんがいました。おじさんといっても20代後半くらいでしょうか。おでこにケガの跡があって、いつも意味不明の言葉を通行人や通学中の小中学生に話しかけています。そうです、「変なおじさん」です。

 心配する生徒の父兄が、町内会に問い合わせをしたそうです。変なおじさんの正体が判明しました。何でも、交通事故で頭を打って、体は回復したのですが、精神に障害が残ってしまったそうです。仕事に復帰できず、ご家族で面倒をみていたようです。気ままにふらふら近隣を歩いているようですが、他人に迷惑をかけることはないとのことです。今思えば、変質者や認知症患者とは違う様相でした。その後、学生・学童に何かしたわけでもないので、「変なおじさん」は「可哀想なおじさん」に変わりました。    このおじさんの障害について、私なりの見立てでは、まず見当識、認知能力に問題があり、軽度の言語障害(ウェルニッケ型)、遂行能力の低下、注意障害もあるはずです。おそらく性格変化(羞恥心の欠如、易疲労性)もあるかと思います。記憶障害、その他の障害についてはわかりません。これだけでも、高次脳機能障害5級以上は明らかです。    当時は「「高次脳機能障害」という診断名はなく、単に、「外傷性精神障害」などと診断されていました。行政における、つまり自治体の補償・福祉制度や労災は未整備で、自賠責保険の審査基準も未熟だったはずです。自賠責保険で高次脳機能障害の審査会が設置されたのは平成13年です。それまでは単なる脳外傷と扱われ、治癒後、精神障害の残存について、審査が徹底されていなかったかもしれません。多くの脳神経外科でも新しい分野であり、神経学的検査の方法なども周知されていなかったと思います。

 おそらく見た目(頭や体)のケガは治ったので、悲しいくらいの賠償金、もしかしたら後遺障害すら認定されていなかったのかもしれません。    これは昭和の話ですが、最近の数年間でも見逃された例をいくつか経験しています。これは明日に。    ⇒ やっぱり見逃されていた高次脳機能障害  

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 漢字ですと書き方が難しく、言葉にするとカミカミな膝の靭帯の呼び方。医師はカルテ上、英語で略して記載することが多いようです。今日は少し手抜きですが英語表記を復習しましょう。  

前十字靭帯(ACL)= Anterior Cruciate Ligament     後十字靭帯(PCL)= Posterior Cruciate Ligament   内側側副靭帯(MCL)= Medial ...

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 今日は高次脳機能障害が疑われる被害者さんの病院同行でした。症状固定はまだ先ですが、先月、早めに「意識障害の所見」を主治医に記載していただきました。しかし意識障害の続いた時間は高次脳機能障害の要件を満たす基準には至っていません。画像上、比較的脳への損傷は明瞭なので、意識障害の所見をもって障害が否定されることはないと思いますが、より被害者の受傷直後の様子を説明するために、受傷直後における健忘の状況について追記していただきました。

 健忘とは「もの忘れ」で記憶障害の1つ。つまり自分がしたことを忘れる症状です。健忘について今日明日と続けて説明します。

「記憶」は以下の3つの要素から成り立っています。

1、新しい情報を知覚し、脳裏に刻み込む「記銘」

2、記銘したものを心の中に持ち続ける「保持」

3、保持されたものを再び意識の上に浮かび上がらせる「追想」or「想起」

「健忘症はそのうち「追想」の障害で起こります。まず忘れる範囲によって二分します。

a.自分がどこの誰であるか分からない、出生から以降のすべてを忘れてしまう「全健忘(全生活史健忘)」。これは記憶喪失ですね。

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 現在担当している高次脳機能障害は7名です。介護が必要な重篤な被害者から日常生活に大きな問題のない被害者まで、症状の重さが様々です。また障害を重さ、重篤度で測るのではなく、障害の”種類”を把握するようにしています。  一定の障害があっても被害者の人生は続きます。いずれ社会復帰、仕事をしなければなりません。ベストは周囲の理解を得ながら事故前の職場に復帰することです。しかし障害の種類によっては以前と同じ業務はできない、一定の制限が必要となります。では仕事上、多くの方が避けて通れない自動車の運転について考えてみましょう。

 高次脳機能障害をもつ者は運転に関して、認知症のような絶対的欠格事由ではない。しかし、認知機能のどの領域がどの程度保たれていれば運転適性とみなされるかの基準があいまいである。高次脳機能障害者の運転能力を評価する方法としては,実車による路上評価、運転シミュレータ等によるオフロード評価,机上の神経心理学的検査,家族等同乗者による評価が挙げられる。このうち、一応のゴールドスタンダードとみなされるのは実車による路上運転評価であり、今後,医療機関と自動車教習所などとの連携により、高次脳機能障害者の路上運転評価を系統的に進めていくシステム作りが急務である。本稿では、我々が行っている高次脳機能障害者の運転評価の状況について、症例をあげて概説した。高次脳機能障害者の自動車運転については、さまざまな分野の専門家がそれぞれの立場から意見を出し合い、最良の方策を検討していくべき問題である。  (引用:日本高次脳機能障害学会 資料)

 高次脳機能障害で「どもるようになった」「言葉がでてこない」などの言語に障害が残った場合、これは運転に影響はないはずです。また軽度の記憶障害でも運転に影響はないと医師に判断された方もおります。遂行能力、注意障害、性格変化(易怒性)、易疲労性等は運転に影響しますが、これも程度によって判断されるべきです。    先日のリハビリ病院でも脳障害者の仕事復帰に向け、「自動車運転」のリハビリプログラムがありました。それは言語聴覚士による神経心理学検査を行い、運転シミュレータを加え、医師が判断します。神経心理学検査ではTrail making test(TMT)、Badsが組み込まれていました。この病院は運転シミュレータの設備があるそうです。(いずれ検査を見学したいものです)  教習所でも運転シミュレータは認知症が疑われる高齢者の免許更新に欠かせない検査となりつつあります。高次脳機能障害の場合は病院で医師の指導の下に進めることが理想的です。 続きを読む »

 少し特殊な撮影法に入ります。以下の3つは高次脳機能障害の立証に重要な意味を持ちます。単なるMRIでは病変部を見逃すこともあるので、被害者、関係者には必須の知識です。  

F L A I R 画像:Fluid Attenuated Inversion Recovery(水抑制画像)

 FLAIR(フレアー)画像は、基本的には水の信号を抑制したT2強調画像(脳室が黒く見えるT2WI風の画像)であり、脳室と隣接した病巣が明瞭に描出される。ラクナ梗塞(細い血管(動脈)が詰まってしまうことで起こる小さな脳梗塞のこと)に代表されるかくれ脳梗塞や血管性認知症にみられるビンスワンガー型白質脳症(高血圧や脳の動脈硬化などにより脳の血流障害のため大脳白質(脳表面より深い部分)が広範に障害されることによって認知症が現れること)などの慢性期の脳梗塞部位(白色に描出される)確認に有用です。   <高次脳機能障害では>  脳損傷後の脳萎縮、脳室拡大の経過観察に用いられます。脳内出血や硬膜下血腫など血だまりが発生した場合、脳外科医は受傷から翌日、3日後、1週間後、1か月後、3か月、半年後とこのMRI検査を継続します。再出血への警戒はもちろん、脳の器質的変化を監視するためと思います。  

T2*強調画像:T2star weighted image (T2 star 強調画像)

 T2*強調画像(T2スター)は出血性病変の検出力が極めて高く(黒色に描出される)、過去に発症した出血巣の確認や無症候性微小出血の検出に優れています。   <高次脳機能障害では>  高次脳機能障害の診断「びまん性軸索損傷」の病原部として、微細な出血痕(点状出血)の描出に有効です。T2スターで点状出血を発見!をよく経験しています。また受傷後2年経過した場合でも、脳のわずかな出血部、損傷部の痕跡を発見できるのも特徴です。  

DWI:Diffusion weightedimage (拡散強調画像)

 DWI(ディフージョン)は水分子の拡散運動(自由運動度)を画像化したもの。拡散が低下した領域が高信号として描出されます。急性期の脳梗塞では、拡散が低下してくるため、超急性期の脳梗塞の部位判定(白色に描出される)に有用です。T2スターでも見逃す細かな損傷でも描出可能です。   <高次脳機能障害では>  T2スター同様、「びまん性軸索損傷」における点状出血、または微細な損傷の確認に有用です。違いはより微細な出血も見逃さないが、受傷直後に限定されることです。脳外傷が軽度でも意識障害や半身麻痺がみられ、また相当の脳障害が残りそうな患者の場合は早めに手を打つ必要があります。既存のMRIで脳損傷が発見できなかったときは急ぎ「DWI(ディフージョン)でお願いします!」と医師にリクエストしなければなりません。このまま損傷部が映らなければMTBI(外傷性軽度脳損傷)の扱いとなり、後の障害が否定されてしまうからです。    続きを読む »

 骨端線(こったんせん)損傷について、特に足関節(脛骨と腓骨)の成長線骨折を例にとって解説します。(XP画像は秋元接骨院さまHPより転用)

 成長期ではどんどん骨組織が発達します。脚では脛骨と腓骨がぐんぐん伸びていきます。その時期に足の捻挫などにより骨端線(成長軟骨部分)を損傷することがあります。足関節を構成する脛骨及び腓骨の遠位端には成長軟骨層があり、骨端核を中心に成長と共に成人の骨へと変化していくのですが、骨端部分が成人に近い状態にまで完成されても、脛骨と腓骨の成長が終了するまでは、骨幹と骨端の間に骨端線が残ります。  骨端線部分は完成された骨よりも強度が弱く、外力による影響を受けやすい部分のため、強い外力の働いた捻挫や衝撃で骨端線損傷を起こしやすいといえます。 損傷の程度が軽いものでは、レントゲン検査でも分かりにくく、捻挫と診断されるようなものから、骨端線からきれいに骨折している重傷なものまで、いくつかの種類に分かれます。

 XP画像はタイプⅠです。悩ましいのは骨端線骨折は、癒合を果たしたとしてもくっきり線が残ること、痛めやすく、骨折しやすくなることです。さらに交通事故外傷の場合、「癒合で完治」とは断定できません。前述の通り成長著しい幼児~10代は爆発的に骨組織が伸長しますので骨組織は容易に癒合します。しかしその後骨折しなかった方の足と比べ、転位や骨成長の左右差、軟骨の不具合による関節裂隙の左右差などが残存することがあります。これが可動域制限や、疼痛などにつながれば後遺障害の対象となるはずです。

 最近、小学生時の事故で成長線骨折となった未成年の被害者を2例担当しています。いずれも数年を経て癒合するものの成長による変化を伴った状態です。慎重な立証作業となります。

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 懐かしい骨折名です。大学の剣道部で同期の部員が2度経験しています。激しい稽古で消耗すると、自然に足の甲の小指側の骨が折れてしまいます。多くは時間をたてば自然に癒合しますが、怖いのは無感覚の偽関節、または骨折癖、つまり簡単に何度も折れてしまうことです。

 交通事故外傷では一度経験していますが、やはり癒合状態もよく、特に痛みも残らないので後遺障害の対象とはなりませんでした。もし偽関節(くっつかなかった)となっても普通に歩けるようです。しかし症状固定時に偽関節化していれば、当然、後遺障害として申請すべきです。

 今日はいつも骨モデルを購入しているトワテックさんからのメール(メディカルリポート)から抜粋しました。ちなみにスミスやジョーンズなど名前のついた骨折名があります。多くは学会で症例と治療法を発表した医師の名前がついているようです。

               

 Jones骨折とはJonesが自らの経験を基に最初に報告した骨折で、第5中足骨の骨幹近位部に繰り返し加わる外力により生じる疲労骨折の1つです。同じ部位に繰り返し弱い力が加わることによって起こる疲労骨折は、運動しているときに痛み、安静にしている時には痛みは治まります。骨折線の特徴として横走するものが多く見られます。 また再発を繰り返し治療に難渋する事が多く遷延治癒や偽関節になりやすいためスポーツ選手(特にサッカー選手)の場合は、選手生命を左右することが多い疾患と言われています。解剖学的に第5中足骨の基部は短腓骨筋腱・第4中足骨と連結している底側中足間靭帯・立方骨と連結している底側足根靭帯がついており強く固定されています。それにより基部は固定され基部中枢から末梢1.5cmの弱い部分に力が繰り返し集中し発生、骨折線も横走するものが多いのです。  症状として初めのうちは違和感程度で、これといって症状はありません。徐々に時間とともに負荷が加わり、疲労骨折の症状として運動しているときは痛み、安静にしているときは治ったりと増悪や緩解を繰り返します。完全骨折になると激痛で歩行困難となります。鑑別診断として、短腓骨筋の急激な収縮により起こる下駄骨折や残存性骨軟骨障害などが挙げられます。

 治療としては、不全骨折の場合は保存療法を選択します。繰り返し同部位に力が加わるため足圧分散の足挿板を使用したり、足底筋や腓骨筋など筋力バランスの強化。または姿勢反射調整などがあげられます。観血的療法に踏み込む場合は、完全骨折の場合など症状に応じて判断していきます。どちらにしても疲労骨折の1つであるJones骨折の治療の目的として、骨の癒合だけにとらわれず、持続的に同部位への繰り返しによる応力の集中を防ぎ、再発に努めることも大切です。

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