【事案】

自転車で交差点を横断中、左折するトレーラーに巻き込まれ、右手関節(尺骨遠位端、手根骨、第二中手骨)、右足関節(両顆部)を骨折した。手関節、足関節共にプレート固定を施行した。

【問題点】

本人の回復努力と長期のリハビリから、ケガの重篤度の割に骨癒合は良好、回復は順調であった。医師も可動域制限など残さずに治す執念を持っていた。それは当然のことであるが、これだけのケガで後遺障害を残さず完治するわけはない。中途半端な回復で手首12級、足首12級の併合11級の可能性があった。

【立証ポイント】

適切な時期に相当の等級に収めるべく、病院に同行し症状固定に進める。また関節可動域計測に立ち合い、面倒がる医師に計測を促す。また、可動域制限の原因として骨折だけではなく、アキレス腱の手術について術式内容をしっかり記載いただいた。これが足関節の可動域に影響しているとみたからである。10級レベル(2分の1制限)の等級を確保するにあたり、「骨癒合良好」では可動域制限の説明とならない。 さらに申請後、足関節部の醜状痕の大きさについて計測の依頼があり、同じく病院同行して測っていただいた。結局、医師もこちらの熱意に根負け、重ねて協力していただけた。

結果は機能障害で10級11号、醜状痕でも14級5号を確保。これに、手関節の10級10号が併合され併合9級とした。目標通りの等級に届いた。

(平成26年5月) ※ 併合の為、分離しています     

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 毎度、早めの相談を呼びかけております。初期からの受任で安心して解決まで進んだ例を紹介します。  本件は受傷10日後からの相談・受任でしたので、すべて順調、つまづくことなく症状固定→等級認定→弁護士引継ぎ→解決が図れました。被害者は治療・リハビリの苦労だけではなく、事故に関する諸手続きで解決まで大変な手間とストレスにさらされます。本来、静かな環境で治療に専念すべきなのです。いらぬ心労は回復に障ります。そのような意味でもメディカルコーディネーターの役割は重要であると自負しています。 tc2_search_naver_jp

併合14級:腓骨骨幹部骨折・足関節挫創(60代女性・千葉県)

【事案】

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【事案】

バイクで交差点を青信号で直進中、信号無視の自転車が横断してきた。それを避けようと転倒し、右足関節の外顆を剥離骨折、後距腓靭帯を損傷、手関節もTFCC損傷の疑いがあった。

【問題点】

相手は自転車で、なおかつ非接触の事故であり、まったく賠償交渉の進展がないまま相談会に参加された。外傷についてはCTやMRIを撮っておらず、診断名があやふやで後遺障害が絞りきれなかった。まして、自賠責保険のような申請先がなく、そのまま相手加入の個人賠償責任保険への請求なので難航が予想された。

【立証ポイント】

同時並行して連携弁護士に個人賠償保険社への交渉を依頼した。非接触による過失減額が争点となったが、それ以上に後遺障害の残存が問題となった。それについては主治医と面談し、MRIの追加検査とリハビリ記録を精査するなど進めたが、微妙な所見に留まり、医証をまとめるのに苦慮した。

結局、訴訟に発展し、足関節は12級13号の賠償となった。後遺障害の立証は今一つであったが、非接触事故で相手自転車から1000万円超の賠償金を取ったことは評価できると思う。

(平成26年9月)  

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【事案】

自転車で交差点を横断中、対向右折自動車の衝突を受け転倒、左脛骨を骨折した。直後、プレート固定を施行、抜釘は1年後。その間、リハビリで膝関節の機能回復を図るも、相当に制限が残ってしまった。

【問題点】

相談会では2分の1以下はおろかほぼ用廃レベル。画像上、関節面にやや不整があるものの、それ程の可動域制限はあり得ない。本件は廃用性症候群、つまり、リハビリをサボったケースと思った。であるならば、計測値通りの認定は困難となる。原因を究明する病院同行となった。

【立証ポイント】

早速、主治医に面談し、理学療法士の可動域計測にも立ち会った。やはりというか、理学療法士の記録を見るとリハビリ中に相当の回復は図られていた。これでは機能障害は認められない。8級はおろか10級も認められないことを、申請前に十分に言って聞かせた。

結果は痛みや不具合について12級13号の認定。調査事務所の判定は正しい。これが妥当な結果である。可動域制限は自力回復を続けるよう、厳しく諭した。

(平成26年9月)   

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 重傷事案です。立証作業は丁寧に進めれば目標等級に届くものの、本件最大の問題は労災の不使用です。さらに運転者は同僚なので自動車任意保険の対人賠償は「同僚災害免責」となってしまいます。まず基本通り、全画像を確保・精査し、可動域計測を正確に実施した。続いて自賠責に被害者請求、等級を固めた。その後は以下の文章通り。加害者や保険からの賠償金より、労災の年金支給が最大のターゲットとなります。被害者救済業とは「等級認定」と「賠償金の獲得」だけでは終わらないのです。

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7級相当:脛骨・腓骨・第2~5趾リスフラン関節脱臼骨折(60代男性・千葉県)

【事案】

現場への移動で自動車に同乗中、高速道路で追突事故となった。自動車の前部は潰れ、しばらく自動車から脱出できない状態になってしまった。腰椎は破裂骨折、右下肢はダッシュボードに挟まれ、脛骨骨幹部、腓骨骨頭を骨折した。さらに、第2~5中足骨を骨折、リスフラン関節部脱臼を伴った。 緊急入院し、それぞれ手術で骨折部を固定した。1年にわたるリハビリでなんとか杖をついて歩けるようになった。

【問題点】

本人は「治るまで症状固定はしない」と、仕事へ復帰する執念をもっていた。しかし、腰の可動は失われ、右足へ全体重の荷重は困難であれば現場仕事は無理である。後遺障害の認定へ向けて切り替えるよう説得を続け、納得した上で依頼を受けた。 続きを読む »

【事案】

自転車で交差点を横断中、対向左折自動車の衝突を受け、左足首を骨折した。脛骨、腓骨共に骨幹部を開放骨折、直後にプレート固定術を施行した。

【問題点】

医師の処置、特に手術は非凡な腕であった。おかげで回復は良好、可動域制限を残さず症状固定を迎えた。そうなると痛みやその他不具合を観察することになる。

【立証ポイント】

やはり可動域が回復したとしても正座はもちろん、極端な可動には無理がある。症状を丁寧に診断書に落とし込み、また開放創と手術痕を写真に撮り、醜状痕も加えるようにした。 結果は神経症状で12級13号、醜状痕で14級5号の併合12級となった。おまけの14級と言えど逸失利益の伸長に重要、12級13号の喪失率14%で10年間、さらに67歳まで喪失率5%を請求するからです。

(平成26年5月)   

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【事案】

歩行中、道路を横断の際、対向右折車に右足甲をひかれた。

【問題点】

レントゲンから初診の診断名は「右足打撲」。その後、転院先の病院で腰椎捻挫が加わる。足の痛みが尋常ではない事から、MRIで靭帯を観察、そこで中足骨の不全骨折が加わった。しかし、私が観たところ骨折は微妙、調査事務所もこれでは認めないであろうと予想した。初期の診断名が不確実、かつ後遺障害の狙いが絞れない・・

【立証ポイント】

知人の紹介を受けて受任、足と腰、共に神経症状の14級9号を念頭に立証作業を進めた。受傷から一貫した症状の推移を診断書に落とし込み、骨折の有無にはこだわらないようにした。さらに腰のMRIも施行、腰椎捻挫の14級を保険とした。

結果は足=”打撲による”、腰=”捻挫による”14級9号が認められ、併合14級となった。治療と立証作業を計画的に進めれば、調査事務所は曖昧な診断名でもきちんと見てくれるのです。

(平成25年10月)  

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【事案】

私道を横断のところ自動車にはねられ太ももを骨折した。

【問題点】

日々成長著しく、骨折部はさすがに仮骨形成が良好であった。問題は仮骨部の変形が外見上に影響なく後遺障害とならない事、そして、子供さん特有の「病院嫌い」から治ったと言い張ること。また、成長期の症状固定は将来の成長障害の懸念から遅れがちであることがあげられる。心配をよそに数年も経てば障害は目立たなくなることが多い。

【立証ポイント】

機能障害や変形は見込めない。狙いを安易に神経症状に求めず、短縮障害に絞った。成人までは左右差は解消すると期待できるが、しばらくは1cm程度の差は続くはずである。主治医にCR上で大腿骨の計測をしていただき、しっかり13級を確保した。

(平成26年5月)  

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【事案】

2輪車の後部座席に搭乗、交差点を直進中、対向右折車と衝突したもの。

大腿骨の骨幹部と遠位端外顆、膝蓋骨を骨折、髄内釘で固定した。膝部は開放骨折であたことから感染症の観察と癒合で1年、膝関節可動域の回復でさらに1年のリハビリを要した。 【問題点】

本人の努力で可動域の回復は良好、このままでは12級13号止まり。ケガの重篤度からなんとしても可動域制限の7号を抑えたかった。

【立証ポイント】

早速、リハビリ先の医師に面談した。事情をご理解いただき、可動域の計測と診断書の記載を速やかに行った。膝関節可動域は「健側140°患側105°」と記録、ギリギリの数値で12級7号とした。

(平成25年7月)  

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 一昨日の⑤廃用性症候群でも語りましたが、関節可動域制限の認定には「曲がらなくなった原因」をしっかり説明することが重要です。可動域制限の数値は審査上、最後に確認する数値です。自賠責調査事務所は先に画像を精査して可動域制限の等級を予断しています。私達、立証側もこれと同じプロセスでアプローチしています。そうしないと立証側と審査側で等級が一致しなくなります。受傷様態~症状固定までの画像、術式、経過をみて目標等級を策定します。

 基本中の基本なのですが、これを励行している業者は極めて少ないようです。相談会では毎度、等級を読み違えた他業者に対する苦情系の相談が多いからです。       c_h_17-2 完治が目標!だけどね・・

10級11号:足関節開放脱臼骨折(30代男性・埼玉県)

【事案】

自転車で交差点を横断中、左折するトレーラーに巻き込まれ、右手関節(尺骨遠位端、手根骨、第二中手骨)、右足関節(両顆部)を骨折した。手関節、足関節共にプレート固定を施行した。

【問題点】

本人の回復努力と長期のリハビリから、ケガの重篤度の割に骨癒合は良好、回復は順調であった。医師も可動域制限など残さずに治す執念を持っていた。それは当然のことであるが、これだけのケガで後遺障害を残さず完治するわけはない。中途半端な回復で手首12級、足首12級の併合11級の可能性があった。

【立証ポイント】

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 いくつか非接触事故の受任経験があります。相手を避けるために転倒した場合、相手がそのまま行ってしまえば最悪、自爆事故とされます。また、相手がそれなりに責任を感じていた場合でも20:80の事故であれば、非接触を考慮し10%の修正が加わって30:70となることが多いようです。まして、相手が歩行者や自転車の場合は大変です。相手に個人賠償責任保険の加入があるかないかがポイントとなります。

 最近、兵庫県で自転車の賠償保険加入が義務となったニュースがありました。義務化について是非の議論はありますが、自転車の賠償能力が担保されることは良いことです。

 本例は後遺障害の立証が主役ではありません。相手自転車の個人賠償保険から賠償金を勝ち取った好取組です。  

12級13号:足関節外顆骨折 訴訟認定(30代男性・埼玉県)

【事案】

バイクで交差点を青信号で直進中、信号無視の自転車が横断してきた。それを避けようと転倒し、右足関節の外顆を剥離骨折、後距腓靭帯を損傷、手関節もTFCC損傷の疑いがあった。

【問題点】

相手は自転車で、なおかつ非接触の事故であり、まったく賠償交渉の進展がないまま相談会に参加された。外傷についてはCTやMRIを撮っておらず、診断名があやふやで後遺障害が絞りきれなかった。まして、自賠責保険のような申請先がなく、そのまま相手加入の個人賠償責任保険への請求なので難航が予想された。

【立証ポイント】

同時並行して連携弁護士に個人賠償保険社への交渉を依頼した。非接触による過失減額が争点となったが、それ以上に後遺障害の残存が問題となった。それについては主治医と面談し、MRIの追加検査とリハビリ記録を精査するなど進めたが、微妙な所見に留まり、医証をまとめるのに苦慮した。

結局、訴訟に発展し、足関節は12級13号の賠償となった。後遺障害の立証は今一つであったが、非接触事故で相手自転車から1000万円超の賠償金を取ったことは評価できると思う。  

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 他の弁護士、行政書士からのセカンドオピニオンで目立つケースの一つに、「関節の可動域制限が2分の1なので、『10級が取れます!』と依頼した先生に言われました。でも、認められませんでした(怒)」があります。これは後遺障害の予断をするに際し、可動域制限の欄を見るだけで画像を観ない、または治療経過を注視しない先生に起こります。まさに交通事故110番の功罪の一つです。例えば「2分の1制限で10級、4分の3制限で12級・・」可動域制限のことは110番の本で学習済、得意顔で依頼者に説明します。しかし「それ程の可動域制限が起きる原因」に踏み込んでいません。だから結果がでてから赤っ恥、依頼者のクレームに発展するわけです。110番の本で学習しただけのにわか専門家なので仕方ありません。 

 今回紹介する実績はリハビリを中断し、関節硬縮が進んだケースです。これなど10級の期待など最初から持たせません。現実的な等級を目指します。もっとも、110番はじめ色々とHPを観て学習した、狡猾な詐病者も存在します。彼らは「ここまでしか曲がりません!」と可動域制限を装うのです。でも、自賠責調査事務所を欺くことはできませんよ。騙されるのは”画像を観ない・わからない”自称専門家のみです。

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12級13号:脛骨プラトー骨折(50代女性・神奈川県)

【事案】

自転車で交差点を横断中、対向右折自動車の衝突を受け転倒、左脛骨を骨折した。直後、プレート固定を施行、抜釘は1年後。その間、リハビリで膝関節の機能回復を図るも、相当に制限が残ってしまった。

【問題点】

相談会では2分の1以下はおろかほぼ用廃レベル。画像上、関節面にやや不整があるものの、それ程の可動域制限はあり得ない。本件は廃用性症候群、つまり、リハビリをサボったケースと思った。であるならば、計測値通りの認定は困難となる。原因を究明する病院同行となった。

【立証ポイント】

早速、主治医に面談し、理学療法士の可動域計測にも立ち会った。やはりというか、理学療法士の記録を見るとリハビリ中に相当の回復は図られていた。これでは機能障害は認められない。8級はおろか10級も認められないことを、申請前に十分に言って聞かせた。

結果は痛みや不具合について12級13号の認定。調査事務所の判定は正しい。これが妥当な結果である。可動域制限は自力回復を続けるよう、厳しく諭した。  

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 14級はいくつとっても併合の対象にはなりません。すると他に13級以上の障害があればつい軽視しがちです。しかし12級13号の神経症状は判例上、逸失利益10年が相場です。そこで逸失利益が67歳まで見込める14級を加えることが必須作業となります。この辺のセンスは弁護士へ引継ぎ後の賠償交渉まで見据えているからこそです。

c_g_s_6  上肢・下肢の醜条痕は手の平の大きさで14級、手のひら3倍の大きさで12級判断となります。

 

併合12級:脛骨・腓骨骨折(50代女性・埼玉県)

【事案】

自転車で交差点を横断中、対向左折自動車の衝突を受け、左足首を骨折した。脛骨、腓骨共に骨幹部を開放骨折、直後にプレート固定術を施行した。

【問題点】

医師の処置、特に手術は非凡な腕であった。おかげで回復は良好、可動域制限を残さず症状固定を迎えた。そうなると痛みやその他不具合を観察することになる。

【立証ポイント】

やはり可動域が回復したとしても正座はもちろん、極端な可動には無理がある。症状を丁寧に診断書に落とし込み、また開放創と手術痕を写真に撮り、醜状痕も加えるようにした。結果は神経症状で12級13号、醜状痕で14級5号の併合12級となった。おまけの14級と言えど逸失利益の伸長に重要、12級13号の喪失率14%で10年間、さらに67歳まで喪失率5%を請求するからです。  

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 不全骨折・・ポキンと折れていない骨折でしょうか。医師は曖昧な診断名を残すことがあります。レントゲンだけではなくCTやMRIを用いて精査すれば良いのですが、町の整形外科では設備がなく、また、重大な骨折でなければ、わざわざ大きい病院に検査を依頼することもありません。それでも丁寧に進めれば、お馴染みの14級9号「神経症状」を抑えることができます。「折れているのかどうか?」はっきりさせたいのは山々ですが、時として曖昧でも良いのです。白黒つけるだけが人生ではありません。

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14級9号:中足骨不全骨折?(20代女性・千葉県)

【事案】

歩行中、道路を横断の際、対向右折車に右足甲をひかれた。

【問題点】

レントゲンから初診の診断名は「右足打撲」。その後、転院先の病院で腰椎捻挫が加わる。足の痛みが尋常ではない事から、MRIで靭帯を観察、そこで中足骨の不全骨折が加わった。しかし、私が観たところ骨折は微妙、調査事務所もこれでは認めないであろうと予想した。初期の診断名が不確実、かつ後遺障害の狙いが絞れない・・

【立証ポイント】

知人の紹介を受けて受任、足と腰、共に神経症状の14級9号を念頭に立証作業を進めた。受傷から一貫した症状の推移を診断書に落とし込み、骨折の有無にはこだわらないようにした。さらに腰のMRIも施行、腰椎捻挫の14級を保険とした。 結果は足=”打撲による”、腰=”捻挫による”14級9号が認められ、併合14級となった。治療と立証作業を計画的に進めれば、調査事務所は曖昧な診断名でもきちんと見てくれるのです。

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 後遺障害の仕事で重要なことはズバリ「目利き」です。外傷の診断名だけで判断するのではなく、受傷直後からの画像を確認し、どのような障害が見込まれるか予断することです。本件も相談会で初めてお会いした時からしかるべき等級に向けて進めました。等級認定はもちろん、その後の連携弁護士による交渉解決まで、ほぼ読み通りの進行となりました。   c_g_l_12

13級8号:大腿骨骨幹部骨折(児童女子・神奈川県)

【事案】

私道を横断のところ自動車にはねられ太ももを骨折した。

【問題点】

日々成長著しく、骨折部はさすがに仮骨形成が良好であった。問題は仮骨部の変形が外見上に影響なく後遺障害とならない事、そして、子供さん特有の「病院嫌い」から治ったと言い張ること。また、成長期の症状固定は将来の成長障害の懸念から遅れがちであることがあげられる。心配をよそに数年も経てば障害は目立たなくなることが多い。

【立証ポイント】

機能障害や変形は見込めない。狙いを安易に神経症状に求めず、短縮障害に絞った。成人までは左右差は解消すると期待できるが、しばらくは1cm程度の差は続くはずである。主治医にCR上で大腿骨の計測をしていただき、しっかり13級を確保した。  

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 交通事故外傷ではまず、むち打ち、続いて腰椎捻挫、鎖骨骨折が多いと思います。それ以外ではやはり下肢の骨折が多いようです。現在、9級以上が見込まれる重傷案件を7件お預かりしています。症状固定までかなり時間がかかりそうです。逆に比較的回復程度の良かった案件に対してもしっかり等級を抑え込んでおります。基本に忠実ともいえる対応例をいくつか紹介しましょう。   kansetu_21 

12級7号:大腿骨・膝蓋骨骨折(20代女性・東京都)

【事案】

2輪車の後部座席に搭乗、交差点を直進中、対向右折車と衝突したもの。大腿骨の骨幹部と遠位端外顆、膝蓋骨を骨折、髄内釘で固定した。膝部は開放骨折であたことから感染症の観察と癒合で1年、膝関節可動域の回復でさらに1年のリハビリを要した。

【問題点】

本人の努力で可動域の回復は良好、このままでは12級13号止まり。ケガの重篤度から可動域制限の7号を抑える必要があった。

【立証ポイント】

早速、リハビリ先の医師に面談した。事情をご理解いただき、可動域の計測と診断書の記載を速やかに行った。膝関節可動域は「健側140°患側105°」と記録、ギリギリの数値で12級7号とした。  

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 すみません、またしても単なる日記でお茶を濁します。

 仕事中、ふとベランダに目をやると、つがいの鳩が遊びに来ていました。おそらく巣の設置場所を探しているのでしょう。

 一休憩しようとコーヒーを入れました。先日頂いた鳩サブレがあるのを思い出し、一緒に頂きました。すると、二匹の鳩は窓に張りついてこっちを見ています。仕方ないので鳩サブレのひとかけらをあげました。都会の鳩は異常に人馴れしてして、かなり近づくまで逃げません。 2015031510410001

 エサをやると居ついてしまうので、これ限りと約束しました。

 春ですな。    

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 ちゃんと生きております。この4年間、土日祝、盆暮れ正月GWを除く平日は欠かさず業務日誌を更新してきました。1週間も空けてしまったのは初めてです。

 今週は長野出張、病院同行7件、確定申告が重なり睡眠時間を削りながら連日勝負が続いております。忙しいことはそれだけ皆様の期待が大きいこと、愚痴をこぼしては罰が当たります。経営効率を考えたスマートな仕事ができれば良いのですが、相変わらず体を張って泥臭く頑張っています。

 体を壊さないよう、4月までになんとか取り戻します。特に好評な実績投稿をまとめてUPしたいと思います。   OLYMPUS DIGITAL CAMERA  デジカメを買い換えました。醜条痕を撮影することを考慮し、マクロ撮影を得意とする機種を選びました。久々の新機種、性能の向上に隔世の感がします。  早速、試写。写真は長野滞在中のホテル、2日間の臨時事務所となります。平日なので安価で豪華な部屋にできます。  

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【事案】

自転車走行中、前方より自動車の衝突を受け、転倒。直後、救急搬送され、前頭部脳挫傷、外傷性硬膜下血腫、くも膜下血腫の診断となった。病院では、脳外傷後のせん妄の影響で、医師や周囲に対して暴言や問題行動が続き、追い出されるように3日で退院させられた。その後、転院先でも易怒性や病識欠如から、十分な検査はもちろん、高次脳機能障害の診断を得ないまま、保険会社に促されるまま症状固定を迎えてしまった。認定等級は神経症状12級13号、嗅覚障害12級相当。結果、併合等級11級の評価となった。

【問題点】

自賠責調査事務所は高次脳機能障害について医療照会を行ったが、主治医は「すべての項目で異常なし」と回答してしまった。また、家族へも「日常生活状況報告書」を送ったが、これも本人の病識欠如により未回答。なんとか嗅覚障害のみ追加検査したに過ぎなかった。結局、審査期間は1年を要したが高次脳機能障害は見逃された。

このまま、この事故は終わるかに見えた。しかし、嗅覚に並んで味覚喪失を自覚していたご本人から電話で「味覚がない」旨の相談を受けた。ある種の予感を感じ、相談会にお呼びした。観察したところ、やはり高次脳機能障害を予断、さらに奥様をお呼びして記銘力の低下と性格変化を確信した。相手保険会社との折衝、11級の後遺障害保険金の先行請求を連携弁護士に任せて生活の維持を図り、長く険しい立証作業へ突入した。

【立証ポイント】

主治医と面談、事情を説明して再評価への理解を得た。まずは相談・受任のきっかけである味覚検査を実施。結果は訴え通りの完全脱失(全喪失)。

高次脳機能障害は7級4号を改めて立証、味覚障害12級相当を新たに認定させて併合6級となった。当然の結果であるが、当然とならないことが多発するのが交通事故・後遺障害の世界。間違った等級の変更に時間で2年余り、検査通院およそ15回。その内、私との病院同行は8回にも及んだのです。

※ 併合のため分離しています

(平成27年3月)  

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 春先は例年、体調がすぐれません。健康だけが取り柄ですが、年間を通して疲れがでるのが年度末のような気がします。有用な記事出しができずすみません。

 重い案件をたくさんお預かりするとこちらも神経を削るような作業になります。後遺障害の仕事は体力はもちろん、精神的にもタフでなければなりません。    来週は長野出張はじめ、重要な病院同行が連日続きます。重傷の依頼者さまが多いので気が抜けません。高次脳機能障害、脊髄損傷、下肢切断など・・一つ一つ依頼者の痛みを噛みしめて臨みます。もちろん外傷性頚部症候群、頚椎捻挫の相談も連日のようにあります。むち打ちと言えど軽度から重度まで程度の幅があります。どう見ても軽度の方への対応はどうしても遠慮がちになります。私は軽度の方の障害を誇張して損害を拡大させる仕事はしません。重傷者が実情より低い障害評価となることを防ぐことが何よりの仕事と思っています。そのような危険性のある、本当に困っている被害者、苦しんでいる被害者を優先したいと思っています。やや傲慢な姿勢に見えるかもしれませんが、誤解を恐れずに言えば、被害者にも優先順位があるように思えてなりません。医療用語で言えば「トリアージ」でしょうか。困窮度の高い、本当に助けるべき人への対応を急ぎたいのです。    軽度のケガでも対応してくれる業者はたくさんあります。しかし、重傷者は別、依頼する弁護士や行政書士に対し「その案件を扱える経験・力量があるか否か」をよく検討する必要があります。むち打ちばかり対応している業者であれば、内臓損傷や神経麻痺、高次脳機能障害への対応は心もとないはずです。もっともHPでは誰もが経験豊富と謳っていますが・・。

 人生を左右するような重傷者は宣伝に釣られず、安易に業者を選ぶことなく、慎重に検討していただきたいと思っています。そのような意味でも当HPは指標となるであろう実際の対応例を積極的に掲載しています。これだけ専門家が大氾濫している現在、詳しい知識・解説満載のHPは、もはや専門書の丸写しに過ぎません。手前味噌ですが、私たちのグループの交通事故外傷における実際の対応例・傷病種類は他の弁護士・行政書士と比べて隔絶していると自負しています。ご依頼を頂けるかどうかは別として、是非、ご自身のケガの類似例を探して参考にしていただければと思います。  

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