【事案】

駐車場内で自動車に搭乗・停車中、駐車しようとした自動車の逆突を正面やや右方から受けて受傷した。帰宅後、頚部・腰部の痛みに加え、上肢のしびれを発症、翌日から通院した。

【問題点】

早期に相談会にいらしたが、この受傷機転から等級認定は厳しいと予断した。しかし、理学療法を継続した結果、症状が残った場合は申請することにした。

【立証ポイント】

医師も「加齢の影響が大きい」とみていたようである。医師面談にて、丁寧に自覚症状を記載頂き、唯一の多覚的所見としてスパーリング検査(+)を落とし込む。あとは無駄な記載を排した結果、14級の認定に至った。 症状の一貫性が評価されたわけだが、審査担当者の印象によっては被害等も十分にありうると思います。この辺が14級9号の読みづらいところ。

(平成27年7月)

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【事案】

自転車でT字路の横断歩道上を横断中、右折自動車に右側面から衝突され、転倒したもの。直後、救急搬送され、大事には至らなかったが全身打撲となり、特に頚椎・腰椎にダメージが残った。以後、理学療法を継続も上肢のしびれは改善しなかった。また、精神的にも参ってしまい、心療内科への通院も続いた。

【問題点】

精神的障害で等級を追っても状況から厳しく、基本通り「神経症状」の14級9号を進める。

【立証ポイント】

心療内科への通院は症状が強くない限り、なるべく抑制していただく。精神病患者の主張する「痛い」は心因性にされてしまうからです。整形外科に同行、主治医に神経学的所見を記載した診断書をまとめて頂いた。

(平成26年9月)

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 被害者さんからの相談で、「相手保険会社が弁護士を立てて、調停の提案がきました!」が少なからずあります。治療が長期にわたる方に多いようです。保険会社が治療費の打切りや示談解決へ進めるにあたり、業を煮やしている様子が伝わってきます。

 被害者側は調停云々の前に、まずやるべき事をしっかり抑える必要があります。後遺症が残った場合、等級認定を済ませているでしょうか?(認定を受けている場合)認定等級は正当でしょうか? 申請・認定なきまま、後遺症はないものとして調停で解決させられてしまいます。相手保険会社(弁護士)の狙いは早期解決です。後遺障害認定手続きなど待たず、さっさと進めてしまいます。

 調停の目的とは「相互の歩み寄り」による解決です。つまり、調停員が「(被害者と保険会社の主張する金額の)双方の間位で手を打たないか?」などと斡旋案をだしてくる”ぬるい場”です。しかも、どちらかがその斡旋案を蹴ったらおしまいです。調停の斡旋案に拘束力(斡旋案に従う、または尊重する)はないのです。   c_y_38 ← イラストのような・・  交通事故の場合、多くは保険会社vs被害者となりますが、この交渉の斡旋の場として「交通事故紛争処理センター」(以後、紛セン)があります。調停との一番の違いは拘束力です。「保険会社は斡旋案を尊重する」ことがうたわれています。絶対的な拘束ではないにしろ、保険会社が斡旋案を蹴って、上部審査の審査会や裁判にすることは稀です。断言します、紛センは調停に比べてはるかに被害者に有利です。

 逆に保険会社及び相手弁護士は調停が有利、だから調停解決を持ち出してくるのです。(もっとも紛センは保険会社側から申立てするものではありません。あくまで被害者側のための機関です。)    ここで被害者の採るべき行動を整理します。

1、調停など蹴る。

 双方が参加しなければそもそも調停となりません。ただ、無視・無断欠席は駄目ですよ。必ず、事前に不参加を表明して下さい。

2、後遺障害の認定は?

 後遺障害が賠償金の最大ウェートを占めます。まず、ここを固めなければいけません。秋葉の出番は正にここです。損害がすべて明らかになっていないのに交渉も何もありません。

3、紛センに申立て。併せて弁護士を立てる。

 調停を蹴ったからにはこちらも対案を用意すべきです。それは裁判か紛センです。もちろん、交渉の継続でもよいですが、ここまでもめたら交渉は現実的ではないでしょう。そして、できれば被害者側も代理人(弁護士)を立てて進めるほうが良いです。相手弁護士と交渉するのはそれなりにハードです。    この1~3をしっかり抑えることが基本行動です。交通事故の解決はクールに進めるものです。そして加害者側保険会社に主導権を握られっぱなしから脱却し、被害者側で後遺障害を立証する、代理人を立てる、紛争センターや裁判に持ち込む行動と気概が必要です。

   以下、調停について抑えておきましょう。     民事調停手続 (裁判所さまのHPより抜粋)

1.概要

調停は,裁判のように勝ち負けを決めるのではなく,話合いによりお互いが合意することで紛争の解決を図る手続です。調停手続では,一般市民から選ばれた調停委員が,裁判官とともに,紛争の解決に当たっています。

2.民事調停の特徴

•手続が簡単  申立てをするのに特別の法律知識は必要ありません。申立用紙と,その記入方法を説明したものが簡易裁判所の窓口に備え付けてありますので,それを利用して申立てをすることができます。終了までの手続も簡易なので,自分1人ですることができます。

•円満な解決ができる 続きを読む »

【事案】

自動車に搭乗、路肩に停車中に追突を受けた。直後から頚部、腰部に痛みが発症、続いてしびれやめまい等、神経症状に悩まされる。また、相手保険会社からの打切り打診に精神的に追い詰められていた。

【問題点】

自動車保険加入先の保険代理店さんが窮状を見過ごせず、相手保険会社に治療の延長を求めたところ、弁護士対応とされてしまった。

【立証ポイント】

抜き差しならない状況になってしまったが代理店さんと緊密に連携、こちら側で書類をせっせと集めて被害者請求とした。さっさと14級を認定させ、改めて当方も弁護士を立てて交渉を再開させた。

(平成27年3月)

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 14級9号の認定は本人の訴える症状と無理のない受傷機転(どのような事故でどのように痛めたのか)、そして症状の一貫性、治療内容の相当性などから認定に導かれます。もちろん、患者の訴える症状と、医師の診断する他覚的所見が一致していれば言うことなしです。しかし、こと頚椎・腰椎捻挫では自覚症状のみで、多くの場合、画像所見は年齢変性、神経学的所見も目立ったものはでません。したがって、受傷~症状固定の流れを通して、残存する症状の信憑性を判断するしかないのです。

 それでは、特に疑いなく症状が一貫している場合、受傷機転をどう捉えるか?・・審査担当者の印象で決まってしまいます。本件の場合、駐車場内かつ相手は後進であるからスピードは遅く、しかも前方からの衝撃です(一般的に人間の首は後ろからの不意打ちに弱いものです)。救急搬送された訳でもなし、年齢も若くなく、医師も加齢の影響を示唆・・認定はどちらに転んでもおかしくないと思います。

 14級9号の認定率もしくは、相談会での認定予想が80~90%になってしまう理由はまさにここにあります。相談者さまに対して、結果をコミットできないのです。100%認定を目指しますが、14級9号はそもそも「証拠なき認定」であることをご理解いただいています。  

14級9号:頚椎捻挫(60代女性・埼玉県)

【事案】

駐車場内で自動車に搭乗・停車中、駐車しようとした自動車の逆突を正面やや右方から受けて受傷した。帰宅後、頚部・腰部の痛みに加え、上肢のしびれを発症、翌日から通院した。

【問題点】

早期に相談会にいらしたが、この受傷機転から等級認定は厳しいと予断した。しかし、理学療法を継続した結果、症状が残った場合は申請することにした。

【立証ポイント】

医師も「加齢の影響が大きい」とみていたようである。医師面談にて、丁寧に自覚症状を記載頂き、唯一の多覚的所見としてスパーリング検査(+)を落とし込む。あとは無駄な記載を排した結果、14級の認定に至った。 症状の一貫性が評価されたわけだが、審査担当者の印象によっては被害等も十分にありうると思います。この辺が14級9号の読みづらいところ。

 

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 ある日、交通事故でケガをして、その後、治療や交渉のストレスで精神的に追い詰められる・・よくあることです。夜眠れない、フラッシュバック(事故を思い出す)、鬱になる等、心療内科への通院も無理からぬことがあります。しかし、自賠責の後遺障害ではこれら精神障害は相当に重度で、受傷初期から専門医によって一貫して治療されていない限り等級認定となりません。なにより、死に直面するような強烈な体験でなければ説得力に欠けます。

 やはり、14級9号を押さえ込む作業になります。相談会で「私は追突事故でPTSD(心的外傷性ストレス障害)になりました!」と自己診断されても、PTSD患者はそんな元気じゃないよな・・、突然ぶつけられたので死ぬ思いはしてないよな・・と思ってしまうのです。   c_g_ne_83 c_g_ne_85

併合14級:頚椎・腰椎捻挫(20代女性・埼玉県)

事案】

自転車でT字路の横断歩道上を横断中、右折自動車に右側面から衝突され、転倒したもの。直後、救急搬送され、大事には至らなかったが全身打撲となり、特に頚椎・腰椎にダメージが残った。以後、理学療法を継続も上肢のしびれは改善しなかった。また、精神的にも参ってしまい、心療内科への通院も続いた。

【問題点】

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 交通事故にあった事を知るであろう他人とは・・1、加害者 2、警察 3、病院 そして次にくるのは損保代理店さんではないでしょうか。本件は代理店さんが男気を見せてくれたのはいいのですが、相手保険会社の担当者が過剰反応、弁護士対応とされた件です。しかし、顧客様を救うべく秋葉と共闘、見事に解決の道筋を開きました。  

併合14級:頚椎・腰椎捻挫(40代女性・埼玉県)

【事案】

自動車に搭乗、路肩に停車中に追突を受けた。直後から頚部、腰部に痛みが発症、続いてしびれやめまい等、神経症状に悩まされる。また、相手保険会社からの打ち切り打診に精神的に追い詰められていた。

【問題点】

自動車保険加入先の保険代理店さんが窮状を見過ごせず、相手保険会社に治療の延長を求めたところ、弁護士対応とされてしまった。

【立証ポイント】

抜き差しならない状況になってしまったが代理店さんと緊密に連携、こちら側で書類をせっせと集めて被害者請求とした。さっさと14級を認定させ、改めて当方も弁護士を立てて交渉を再開させた。    格言 「弁護士対応されるな、弁護士はこちらから入れるもの」  

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【事案】

自動車運転中、渋滞中の直進道路で後続車の追突を受ける。なお、追突者は逃走し、その後逮捕、実刑判決となった。 受傷直後から頚部痛、手のしびれ等の神経症状を発症。また、視力低下とうつ病も併発。

【問題点】

むち打ちながら、事故からしばらく経ってから徐々に視力が低下したと言う。さらに、頚部痛や手のしびれの辛さからうつ病を患い、症状が長期化したらしい。それでも何故か相手保険会社から治療費打切り要請を受けず、事故から1年5ヶ月通院が続いていた。担当者は忘れていたのかも知れない。

【立証ポイント】

結論として、視力低下の立証は相談された段階で諦め、症状が一貫している頚部痛及び手のしびれで後遺症(後遺障害)を追うことにした。事故外傷が原因で視力低下したのであれば顔面や頭部への直接のダメージがないと信用されない。さらに、事故直後から直ちに視力低下していなければ説明に窮する。そもそも視力低下は13級の数値に満たない。立証は非常に困難であることを納得していただいた。

結果、頚部痛及び手のしびれの症状が信用され、14級9号が認められる。なお、女性が4、50代になると更年期障害により視力低下することもあり、歳相応の視力低下と考えるほうが自然である。間違った立証方針で迷走させてはならない。

(平成27年6月)  

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【事案】

信号待ち自動車搭乗中、交差点で後続車の追突を受ける。直後から頚部痛のみならず、両手のしびれ、下肢裏のしびれが続いた。

【問題点】

通勤中の事故であり、労災請求が先行されていた。労災で治療費がでると、相手保険会社は負担する治療費が抑えられるため、治療費打切り攻勢が和らぎます。よって、だらだらと長い治療期間となるケースが多い。治療効果があれば良いが、社会復帰の遅れや体力・気力の低下など、患者にとって必ずしも好ましいものではない。

【立証ポイント】

おかしな話ですが本件は私が症状固定を急かすことになりました。 中途半端な回復による等級認定の危惧もさることながら、事故が長引き、社会復帰が遅れるマイナス面を感じたからです。患者の多くは治したいが故、長い治療を志向します。しかし、外傷性頚部症候群の神経症状は、医学だけに頼っては治らず、長期となれば日常のリハビリが効果的であると、どの医師も口を揃えます。被害者とて甘えてばかりでは失うものが多いと思っています。

(平成27年3月)

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【事案】

信号待ちで自動車搭乗中、後続車の追突を受けて受傷したもの。直後から頚部痛、右上肢のしびれが生じた。治療中、さらに同様の追突事故で悪化、異時共同不法行為である。

【問題点】

神経学的所見がややや甘い。検討の結果、双方の衝撃が加重されたことによる症状と判断、自賠責に「異時共同不法行為」として申請した。

【立証ポイント】

治療中に再度事故に遭う事は意外とよくあります。申請方法も事案ごとに最良の選択を検討します。

(平成27年3月)   

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【事案】

交差点で信号待ち停車中、後続車の追突を受ける。

【問題点】

比較的、受傷初期に相談会に参加された。やるべき事を指示し、症状固定まで順調に進んだ。 マイナス要素は「物損扱い」の事故証明書くらい。

【立証ポイント】

頚部、腰部それぞれMRI検査を実施し、症状固定時は医師面談にて確実な診断書を仕上げる。認定後も連携弁護士の交渉でスピード解決。

(平成26年7月)

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【事案】

自動車搭乗中、直進道路で後続車の追突を受ける。直後から頚部痛のみならず、手のしびれ、頭痛等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

むち打ちながら治療に積極的過ぎる?医師はなかなか症状固定としない。おかげで1年8ヶ月の通院となった。その間、相手保険会社の打ち切り打診に決してケンカするわけでもなく、のらりくらりとかわし続ける医師に脱帽、ある意味すごい医師。当然ながら立証側の私達も待つしかなく・・。

【立証ポイント】

このような医師なので神経学的所見については、黙っていても詳細に記載下さった。また、上肢の温度低下を示すサーモグラフィーを添付いただくなど、斬新な試みもあった。もっとも、自賠責の審査では参考程度にしかならず14級9号に留まる。私としては早期に症状固定し、12級を狙いたかった案件でもある。

(平成27年4月)

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 最近、三井住友の代理店さんと弁護士費用特約についてお話をする機会がありました。三井住友さんの弁護士費用特約は契約自動車・契約者に関連する交通事故に限定した「自動車事故弁護士費用特約」と日常生活全般に適用可能な「弁護士費用特約」に分かれています。ちなみに秋からの料率改定で「日常対応型」は掛金が3900円(年額)に上がるそうです。安いのか高いのか?・・交通事故のみならず、日常のトラブル全般に適用できれば、ある意味、顧問弁護士を準備していることになります。そう考えると安いと言えるかもしれません。

 外資系損保の一部でも日常に対応した弁護士費用特約が販売されています。また、これを専用商品としている会社もあります。プリベント少額短期保険株式会社さんの「mikata/ミカタ」がそうです。1回の事件で弁護士への支払い・300万円までの補償で掛金は月額2980円です。    c_y_184  今後、弁護士保険の発売が続きそうです。国内社では損保ジャパン日本興亜さんが以下の発表を行いました。その記事を抜粋します(マイナビニュースより)。    

損保ジャパン日本興亜、弁護士費用を補償する「弁護のちから」販売

    損害保険ジャパン日本興亜(以下損保ジャパン日本興亜)は8月31日、個人の顧客の日常生活における法的トラブルを解決するための弁護士費用を補償する新たな保険「弁護のちから」を、12月1日以降保険始期契約から販売すると発表した。

○ 日常生活における法的トラブルを解決するための弁護士費用を補償する保険を開発

 これまで、日常生活における法的トラブルに備えるための保険としては、顧客が「加害者」となり法律上の損害賠償責任を負った場合の補償(個人賠償責任補償特約等)を中心に販売してきたという。顧客が「被害者」として賠償事故に巻き込まれ、加害者に十分な対応をしてもらえない場合や、遺産相続や賃貸借契約など日常生活におけるその他の法的トラブルに巻き込まれた場合には、当事者本人や家族の精神的・経済的な負担は非常に大きいものとなるという。このような顧客の負担に対する「備え」を提供するため、損保ジャパン日本興亜は国内の損害保険会社として初めてという、日常生活における法的トラブルを解決するための弁護士費用を補償する保険を開発した。

○「弁護のちから」の商品概要

・商品名:「弁護のちから」。「傷害総合保険」と「新・団体医療保険」の特約として「弁護士費用総合補償特約」を新設する。「弁護のちから」とは、同特約をセットした契約のペットネーム

契約形態:企業などを契約者とする団体契約で、団体の構成員が加入できる

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【事案】

自動車運転中、交差点を直進中に、よそ見運転の右折自動車が衝突した。事故直後から頚部痛、指のしびれの神経症状が現れる。

【問題点】

被害者は事故前から頚部痛の治療を受けていた。したがって、交通事故による症状とそれ以前の症状を分ける必要があった。

また、交通事故で通っている病院はむち打ちでなんと毎月、計7回もレントゲンを撮っていた。さらに、画像はフィルム枚数で値段設定していたため、請求したところ合計15万円以上かかる計算になった。

【立証ポイント】

この病院は士業者等を嫌うことを数年前の案件で知っていたので、直接の面談は回避、手紙等でフォローした。予想に反して医師は既往症と交通事故による症状をしっかり区別、それなりに良い診断書ができあがった。これは同地域の病院情報に精通していた賜物。

頚椎捻挫は、画像所見が現れなくても症状を信じてもらえれば14級9号が認められるものである。MRIは提出必須であるが、骨折なくば審査上レントゲンの必要性は薄い。よって、初回撮影のみを購入して提出した。

このように被害者請求では画像収集に苦労することがあります。15万円など通常払えませんよね。

(平成27年7月)  

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【事案】

自動車運転中、直進道路で走行車線側を走行中、前方追越車線上で停止していた自動車を避けるために車線変更した並走自動車の追突を受ける。直後から頚部・腰部痛の各神経症状に悩まされる。

【問題点】

頚椎捻挫及び腰椎捻挫の診断を受け、その後、頚部痛は改善したが腰部痛が残存する。問題は被害者が高齢で、手続きの流れを理解することや医師と話すのが苦手な方であった。

【立証ポイント】

幸い依頼者の長女が近所に住んでおり、全面的に協力を仰いだ。病院同行に随行頂き、主訴を的確に医師に伝えることができた。結果、的確な診断書が完成、14級認定となった。 本案件はご家族の協力があってこその認定結果であったと考える。

(平成27年7月)  

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 過去、むち打ちながら、謎の嗅覚障害、耳鳴り、排尿障害・・これらを苦労して等級に結びつけることをやってのけました。原因の追究は医師でも不可能、正に真実は神のみぞ知る状態です。丁寧に症状とその治療経過、及び検査を重ね、信憑性を高める作業となります。しかし、どう見ても因果関係に乏しい症状を訴える被害者さんも存在します。それを審査にぶつければ非該当が待っています。現実的に無理のない主張にて14級9号に収めた方が賢い道です。    20070618 

14級9号:頚椎捻挫(40代女性・東京都)

【事案】

自動車運転中、渋滞中の直進道路で後続車の追突を受ける。なお、追突者は逃走し、その後逮捕、実刑判決となった。 受傷直後から頚部痛、手のしびれ等の神経症状を発症。また、視力低下とうつ病も併発。

【問題点】

むち打ちながら、事故からしばらく経ってから徐々に視力が低下したと言う。さらに、頚部痛や手のしびれの辛さからうつ病を患い、症状が長期化したらしい。それでも何故か相手保険会社から治療費打切り要請を受けず、事故から1年5ヶ月通院が続いていた。担当者は忘れていたのかも知れない。

【立証ポイント】

結論として、視力低下の立証は相談された段階で諦め、症状が一貫している頚部痛及び手のしびれで後遺症(後遺障害)を追うことにした。事故外傷が原因で視力低下したのであれば顔面や頭部への直接のダメージがないと信用されない。さらに、事故直後から直ちに視力低下していなければ説明に窮する。そもそも視力低下は13級の数値に満たない。立証は非常に困難であることを納得していただいた。

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 病院同行を励行している理由の一つにその地域の病院情報を把握することがあげられます。病院の対応に合わせて立証作業を進めますので、事前情報は何より重要です。

 話は変わりますが、CD-ROMが普及の中、レントゲンフイルム1枚=○千円の病院は困ります。レントゲン数枚であればいいのですが、MRIやCTまでフィルム(非常に観づらい)にすれば数十枚~100枚を超えます。これはもう、嫌がらせに近いと思います。このような病院への画像請求には泣かされます。 c_g_l_12

14級9号:頚椎捻挫(70代男性・山梨県)

【事案】

自動車運転中、交差点を直進中に、よそ見運転の右折自動車が衝突した。事故直後から頚部痛、指のしびれの神経症状が現れる。

【問題点】

被害者は事故前から頚部痛の治療を受けていた。したがって、交通事故による症状とそれ以前の症状を分ける必要があった。

また、交通事故で通っている病院はむち打ちでなんと毎月、計7回もレントゲンを撮っていた。さらに、画像はフィルム枚数で値段設定していたため、請求したところ合計15万円以上かかる計算になった。

【立証ポイント】

この病院は士業者等を嫌うことを数年前の案件で知っていたので、直接の面談は回避、手紙等でフォローした。予想に反して医師は既往症と交通事故による症状をしっかり区別、それなりに良い診断書ができあがった。これは同地域の病院情報に精通していた賜物。

頚椎捻挫は、画像所見が現れなくても症状を信じてもらえれば14級9号が認められるものである。MRIは提出必須であるが、骨折なくば審査上レントゲンの必要性は薄い。よって、初回撮影のみを購入して提出した。

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 亡くなった私の祖母もそうでしたが、昔気質の方の多くは医師に何を言われても「はい」しか答えません。こちらからお医者様に意見など、とんでもないことなのです。明治~昭和初期生まれの方はそれは奥ゆかしいのです。

 それでも、しっかり主訴を説明できねばよい診断書は上がりません。本件はご家族の助力により無事に等級認定に漕ぎ着けました。    

14級9号:腰椎捻挫(60代女性・山梨県)

【事案】

自動車運転中、直進道路で走行車線側を走行中、前方追越車線上で停止していた自動車を避けるために車線変更した並走自動車の追突を受ける。直後から頚部・腰部痛の各神経症状に悩まされる。

【問題点】

頚椎捻挫及び腰椎捻挫の診断を受け、その後、頚部痛は改善したが腰部痛が残存する。問題は被害者が高齢で、手続きの流れを理解することや医師と話すのが苦手な方であった。

【立証ポイント】

幸い依頼者の長女が近所に住んでおり、全面的に協力を仰いだ。病院同行に随行頂き、主訴を的確に医師に伝えることができた。結果、的確な診断書が完成、14級認定となった。 本案件はご家族の協力があってこその認定結果であったと考える。  

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win  被害者請求の場合と事前認定の場合とで、被害者自身が回収する必要のある書類の量に差がでます。 後者の場合、これまで前者に比べて非常に楽である旨を何度も述べさせて頂きました。その楽である特徴の一つとして、回収する書類が非常に少ない点にあります。  大抵、交通事故の加害者側の任意保険会社(以下、相手方保険会社と略す)が被害者にお願いする書類はたった一つに絞られます。それは、後遺障害診断書です。残りの書類、例えば、診断書や診療報酬明細書(レセプト)事故証明書等は、既に相手方保険会社が回収しているのが通常です。何故なら、相手方保険会社は、治療費等を出す際に、自賠責保険に求償するため、どのような事故なのか、どのような治療をしたのか、どのぐらい病院に通ったのかを調べるからです。

※ 求償とは、単純に言ってしまえば、本来お金を支払う者が別にいるのに、違う者が代わりに支払った場合には、代わりに支払った者が、来支払う必要のある者に対してお金を請求することです。

※ ちなみに自賠責保険の制度は国民皆保険制度に近いものであり、被害者には、契約者に代わって自らに保険金を支払うように請求する権利(16条請求=被害者請求)があります。この自賠責保険が支払う金額は、最低限度分であり、相手方保険会社の支払いよりも優先されるものです。

 もし、交通事故の被害者がまず自分で病院に治療費を支払い、その分のお金を加害者が被害者に支払い、その後、加害者は自分が加入している自賠責保険に支払った分のお金を請求する・・・このやり方ですと非常に面倒なので、相手方保険会社がサービスとして、まず、相手方保険会社が治療費を負担して直接病院に払い、その分を自賠責保険に請求することで運用するのが普通の流れです。このことを一括対応といい、長くなってしまいましたが、最後に任意社が自賠社に一括対応分を請求することを求償と呼んでおります。

 以上から、症状固定をするまで、相手方保険会社は各種書類を集めつつ治療費等を支払い続けていくことがわかります。そして、後遺症(後遺障害)の申請の際に、最後に欲しがるのは、お医者様自身が後遺症(後遺障害)と認めた点をまとめた書類だけなのです。それが、後遺障害診断書です。

 しかし、これまで様々な相談者を見てきましたが、ここまできれいにいかない場合もありました。例えば、相手方保険会社が診断書や診療報酬明細書をすべて回収せずに、病院からの領収書のみで治療費等を支払い続けている場合もあります。(もっとも自賠責保険の傷害限度120万円を超えれば、自賠責に求償する必要がなくなるので、超えた治療費は領収書で済ますこともあります。)この点、良心的な相手方保険会社であった場合、最後にまとめて回収する場合もありますが、まったく回収せずに手続きを進める場合があります。    20121107  また、後遺症(後遺障害)の申請では、我々は画像を併せて提出しますが、事前認定の場合では、相手方保険会社がすべての画像を回収せずに申請してしまうこともありました。何故、画像を回収しなかったのか?ですが、自賠責保険のパンフレットもご覧いただければわかりますが、画像は必要書類リストに入っていないことがあり、相手方保険会社も迅速に手続きを進めていきたい思惑と、後遺症(後遺障害)が認められる可能性が低いとみていることから、画像回収に積極的になりにくいことがあるとみています。

 以上から、結果、中途半端な書類のみで申請にあげられる可能性があることになります。さらに、被害者からすると、申請するために提出した書類は何かがわからないまま申請が進みます。

 一方で被害者請求は、すべての提出書類と画像を用意するという大変な思いをしますが、ご自身の症状を必要な書類にまとめて、かつご自身の画像等、自ら必要な書類を確認してから提出できます。

 結論として、被害者にとって、一番安心できる申請は被害者請求であるといえます。しかし、書類等の回収が大変です。そこで、交通事故を専門としている等の士業の方々に被害者請求を依頼する方法もあります。 このようなことから、交通事故に遭われた方々は、なるべく早めに専門家等に相談することをお勧めしております。

※ 但し、士業者の中には事前認定のみしかやらない方もおりますので、相談される際には質問してみてください。  

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 今月の札幌出張は病院同行です。

 長い治療期間、骨折の治療でいくつかの病院に通いました。毎度のことですが肝心の高次脳機能障害は十分な検査が成されていません。訪問した病院では既に主治医は転勤しています。それでもまず、最初の脳外科に戻って必要な検査の実施について検討しなければなりません。

 運よく、代わりの医師は高次脳機能障害の評価に速やかに応じていただけました。続いて最後のMRI検査を経て、言語聴覚士の先生と神経心理学検査の選択について打合せをしました。ここで検査について「何をどこまでできるか」を確認、短時間ながら綿密な計画を策定します。最後に医事課と一括対応の継続について調整、これにて被害者は高次脳機能障害の立証に向けてレールに乗ったことになります。飛行機代をかけてまで随行するのはこのような流れに誘導するため、現場で話をつけることが最も確実だからです。      coordninate     それでは恒例の温泉立ち寄りをレポートします。千歳空港から50分足らずの登別温泉に泊まりました。ろくに夏休みを取っていないのでよい休暇となりました。宿はビジネス利用っぽいホテルですが、高層階からの山々が美しい。 2015082104430001続きを読む »

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