本日、午後から事務所一同、静岡相談会・会場に移動します。
今回の参加者は少なめですが、却って、お一人お一人のお話をじっくり聞くことが出来ると思います。18:00~19:00の時間帯、予約に空きがありますので、ご希望の方はお電話いただければと思います。
待っている被害者さんが一人でもいる限り、しっかり対応させて頂きます。
初登場! 第2のカプセル怪獣ミクラス=MC佐藤
最近、診療報酬明細書(レセプト)開示請求が必要な場合が多かったのでそのことを記載したいと思います。
診療報酬明細書(レセプト)開示?と思う方が多いと思います。多くの被害者の方は、加害者の任意保険会社の一括対応により支払いなく治療・入通院しているので、診断書・診療報酬明細書(レセプト)、事故証明書等は保険会社の担当者が持っています。ですので、それらの書類を取得するためには、担当者に連絡し、コピーを欲しいと言えば送って頂けるでしょう。
しかし、相手が無保険であったりすぐに一括対応を打ち切られてしまい、ご自身の健康保険や、労災で通院した場合はどうでしょうか・・。
相手が無保険の場合や保険会社が払ってくれなかった場合、それらの書類をご自身で取得しなければならいなのです。今回は稀ではありますが、そのような場合の手続きについて説明いたします。
まずは一番書類がシンプルな労災編です。今回は治療先の病院が労災指定病院であると仮定します。
1、労災で通院している場合、厚生労働省のホームページにある「保有個人情報開示請求書(標準様式第1号)」をダウンロードし、記入します。具体的には、行政機関の長の欄には労災指定病院の所在地の都道府県の労働局長を記入し、開示請求する個人情報には通院期間分のレセプトの事を記載します。開示する書類は年度ごと(毎年4月1日から翌年3月31日まで)によって手数料300円(収入印紙)がかかります。
2、請求は窓口・郵送どちらでも可能ですが必要書類が多少異なるので、注意が必要です。窓口であれば、「保有個人情報開示請求書(標準様式第1号)」、「身分証明書」を、郵送であれば「保有個人情報開示請求書(標準様式第1号)」、「身分証明書のコピー」、「住民票(請求の30日以内のもの)」を用意し、労働局総務部企画室に提出します。
3、その後決定の書類が届きますので、開示請求の意思と方法(閲覧かコピー請求)を示します。コピー請求の場合、開示書類の枚数によって該当金額を切手同封で支払うと、無事にレセプトが届きます。
次回は健康保険の開示請求について説明いたします。
ある日、交通事故の被害に遭い、日常生活は一変、以後、大変な苦難の日々が続きます。特に頚椎捻挫、腰椎捻挫の被害者さんは「たかが、むち打ちで?」と、その長期にわたる通院に対し、冷めた目で見られがちです。また、相手の保険会社の執拗な治療費打ち切り攻勢に、精神的にも参ってしまいます。事故受傷と関係性の薄い持病が再発し、鬱にもなってきます。とにかく、あらゆる不調が発生してしまうのです。
しかし、それらを”すべて事故のせい”として治療を進めると、後遺障害認定から離れていきます。方々の治療科を受診して、どんどん診断名が増える、ころころ診断名が変わる、結果として一貫性が疑われるのです。
だからと言って、諸々必要な治療を諦めることではありません。事故受傷と直接する症状と間接的な症状を切り分け、直接的な傷病だけは、初診時から一貫して治療を続け、後遺症の審査に備えればよいのです。
「治療」は被害者の努めです。しかし、長期になるであろう治療費の確保の為にも、後遺障害認定を視野にすえて治療を進める必要があります。間違った方向へ進まないためにも、受傷時の直接的なケガとその治療だけは堅持して下さい。
【事案】
自動車搭乗中、信号待ちの為一時停車中、自動車が追突し、衝突した。直後から頚部痛・手の痺れ、腰痛、足の痺れの神経症状に悩まされる。
【問題点】
頚椎、腰椎捻挫の診断を受けていたが、メインの整形外科だけではなく、他の整形外科で頸髄浮腫?の診断を受けており、また心療内科や接骨院にも通っていた。
【立証ポイント】
相談された日ではすでに事故から1年7カ月目であったことから、症状固定を急いだ。病院、診療科を複数通っており、一部の病院では頸髄浮腫?、うつ病の診断を受けていた。うつ病は事故受傷と直接つながり辛く、また、頸髄浮腫は内在的(病的)な所見であり、自賠責上の後遺障害としての立証は困難である。仮に症状のみ認められたとしても、それぞれ14級9号が関の山。
そこで、事故当初から一貫している頚椎・腰椎捻挫に絞り、主治医にも頚部痛・手の痺れ、腰痛、足の痺れの各症状及び神経学的所見をまとめて頂いた。
被害者請求後も調査事務所から心因性を疑われ、医療照会をかけられたが、症状の一貫性が評価されて、併合14級が認められた。
【事案】
自動車搭乗中、信号待ちの為一時停車中、自動車が追突し、衝突した。直後から頚部痛・手の痺れ、腰痛、足の痺れの神経症状に悩まされる。
【問題点】
頚椎、腰椎捻挫の診断を受けていたが、メインの整形外科だけではなく、他の整形外科で頸髄浮腫?の診断を受けており、また心療内科や接骨院にも通っていた。
【立証ポイント】
相談された日ではすでに事故から1年7カ月目であったことから、症状固定を急いだ。病院、診療科を複数通っており、一部の病院では頸髄浮腫?、うつ病の診断を受けていた。うつ病は事故受傷と直接つながり辛く、また、頸髄浮腫は内在的(病的)な所見であり、自賠責上の後遺障害としての立証は困難である。仮に症状のみ認められたとしても、それぞれ14級9号が関の山。
そこで、事故当初から一貫している頚椎・腰椎捻挫に絞り、主治医にも頚部痛・手の痺れ、腰痛、足の痺れの各症状及び神経学的所見をまとめて頂いた。
被害者請求後も調査事務所から心因性を疑われ、医療照会をかけられたが、症状の一貫性が評価されて、併合14級が認められた。
(平成27年11月)
接骨院・整骨院は柔道整復師の資格者で営業しています。もう、20年も前から健保や自賠責への不正請求はもちろん、過剰な施術費の請求で保険会社から嫌われています。
優れた手技を持ち、多くの患者を救っている先生も存在する中、大変残念に思っています。
もちろん、医師・病院でも不心得者がおります。しかし、健保扱い停止や逮捕される柔道整復師の数は医師の比ではありません。つまり、どうしようもない位、不正者・犯罪者が多すぎるのです。
一昨年から危惧していた通り、不正な接骨院・整骨院で施術を受けたばかりに、とばっちりを食っている被害者さんの相談が増えてきました。代表的な例は以下の通り、
1、通っている院が、保険金詐欺で逮捕されて ⇒ 保険会社の一括払いがストップ
2、通っている院が、健保から調査が入って ⇒ 健保の使用がストップに
3、通っている院の不正が発覚して ⇒ 審査中の後遺障害が「非該当」となった?
4、弁護士・行政書士に紹介された院に通った ⇒ 後遺障害が「非該当」となった? 1と2は犯罪に巻き込まれたので、不運としか言いようがありません。ただし、通院日の水増しなど、「知らなかった」では済まされず、患者もグル=共犯とされる可能性はあります。保険金詐欺は重罪です。
3と4は後遺障害の審査上の判断なので、一概に院のせいとは言えませんが、明確な所見のない、むち打ち14級などは症状の「信用性」が認定のポイントです。今まで多くのむち打ち14級の案件を見てきましたが、おかしな病院・接骨院等に通っていた被害者さんは、明確な骨折や重傷事案を除き、等級審査上、圧倒的に不利に感じています。
最近、目に付くのは4、のパターンです。これは弁護士・行政書士と接骨院等が提携・顧問など、商売上の繋がりが拡大したことと無縁ではありません。提携によって法律家と院が相互に患者の紹介を行っています。これ自体は何の問題もないのですが、後遺障害等級の審査上、接骨院等での施術では、症状の深刻度は低く判断されます。自賠責調査事務所はもちろん、保険会社はあくまで医師の診断、治療実績を重んじます。やはり、症状が長引いている被害者さんは、医師の診断の下で治療・リハビリを進めた方が安全なのです。
また、接骨院・整骨院では診断書が書けませんので、提携先の院を紹介しつつも、整形外科の受診も月1、2回はキープさせる方法があります。これで、後遺症の審査に備えることができて安心?なのでしょうが・・これも自賠責はお見通し、ある調査事務所の担当者はブログで「アリバイ作りの診察」と断言、やはり、悪い印象を持っているようです。
これは、医療機関と柔道整復の「並行受診」と言い、骨折等の患者を診る場合、医師と院が正しい連携治療を結んでいれば、問題ありません。しかし、自賠社や任意社は、法律家が絡んだ連携関係を、それを誇示した派手なホームページからほぼ把握しています。
数年前であれば、この「並行受診」でも、それなりに神経学的所見があれば、なんとか14級9号は認められていました。しかし、むち打ち患者の多くは神経学的所見に乏しいものです。したがって、「並行受診」は大変不利な印象を持っています。最近の相談者さんで、「○○弁護士に紹介された整骨院に通い、等級は大丈夫と言われたのですが・・非該当になりました(泣)」がちらほら出始めました。非常に残念です。病院でリハビリをしていたら、認定されたであろう被害者さん達だからです。医師に後遺障害診断書を書いて頂くための、「アリバイ作りの診察」は、もう通用していないのです。
すると、この交通事故専門、被害者救済を謳っている弁護士は、大変罪な事をしていることになります。
商売上の安易な提携・顧問関係を院と結んでいる法律家さんは、未だ、この事実を直視できていないのでしょうか。道徳心を持った、そして、手技としての技術が高い院との連携であれば、当然に被害者さんの為になります。しかし、各県で毎月複数の院が処分を受けている今、かなり危険な連携と言わざるを得ません。だからこそ、心ある法律家は医療者との距離をしっかりと保っています。
今後も問題の噴出が続き、法律家と接骨院・整骨院の連携ブームは、被害者の怨嗟の声を残して、いずれ収束すると思います。
通常のレントゲンではわかりにくい骨折箇所を見る場合や、関節等骨組みが複雑になっている箇所の骨折や脱臼を見る場合等で有効な画像がCT(Computed Tomography)です。
長管骨のような長い骨の真ん中を骨折したようなわかりやすい骨折であればレントゲン画像でも骨折部位は確認できます。これに対し、通常のレントゲンではわかりにくい骨折箇所を見る場合や、関節等骨組みが複雑になっている箇所の骨折や脱臼を見る場合等で有効な画像がCTがあげられます。
交通事故相談会等で怪我の内容によってはCTを撮ることを勧めています。また、最近の士業者のHPでもCTを撮ることを勧めている記事が多く見受けられます。
HPや電話、相談会でのアドバイス通りに医者にCTを依頼する方もおりました。しかし、医者によっては、撮る必要はないと言う場合、レントゲンで確認できるから撮らない場合、等を理由にCTを撮ってくれない場合があります。
前者の例の場合、自分の病院にCTが無いから撮れないことが理由となっている場合がありますので、患者がCTを撮れる紹介先を医者に示し、なるべく負担を軽くするようにしてみてください。後者の例の場合、医者によってはレントゲンのみで細部にまで至る骨折箇所を確認できる方もおりますが、保険手続上では医者以外の者も審査しますので、レントゲンよりも骨折状況が確認しやすいCTの方が良い場合が多いです。理解のある医者の場合、撮って頂けますが、どうしても撮らないと言い張る医者もおります。
そのような場合にまでCTを撮らなければならないのでしょうか。
結論として、審査する上で細部に至る骨折状況を確認できるレントゲンであれば、大丈夫です。何故なら、CTは治療上骨折箇所を確認する上で撮るものですが、それはレントゲンでは確認しきれない場合があるからです。この点、CTでなくてもレントゲン上確認誰が見ても確認できるのであれば治療上はもちろん、また保険手続上でも審査に影響はありません。よって、CTでなくても大丈夫な場合があります。
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以前、大結節骨折について触れました。その際、触れた棘上筋についてまとめたいと思います。
棘上筋とは、肩の腱板の一部で、肩の上下運動のメインとなる筋肉です。棘上筋が断裂した場合、肩の外転運動の可動域に影響がでる可能性があります。棘上筋の断裂は、完全に断裂している場合だけではなく、部分的に断裂している場合もあります。完全断裂の場合、縫合手術を行う場合があります。部分的な断裂の場合であれば、手術ではなく、三角巾で外固定し、安静にする方法がとられる場合があります。
肩の可動域制限が後遺症(後遺障害)として残存するか否かは、断裂具合によります。完全に断裂していれば肩をあげる筋肉が損傷しているので、主に外転運動での可動域制限が生じます。一方で部分的な断裂の場合、程度によっては可動域制限が生じないこともあります。その場合には、14級9号、12級13号のいずれかが認定される可能性があります。
以上から、治療方針にしても後遺症(後遺障害)手続きにしても、いずれにしても画像を撮る必要があります。
棘上筋は筋肉ですので、レントゲン画像上でははっきり写りませんが、MRI画像であれば棘上筋が写ります。これで断裂具合を確認できます。なお、前回の大結節骨折でも述べましたが、棘上筋に衝撃を受けて、そのバネのような筋肉に引っ張られることで介達外力タイプの大結節骨折をしていることがあります。骨折により骨片が残り、痛みが続いているかもしれませんので、(3D)CTも撮る必要がある場合もあります。
しかし、医者の中には、レントゲンのみで棘上筋等の腱板損傷を診断する場合があります。ある医者によると、肩峰と骨頭の間が通常より狭くなっていることを指摘して腱板(棘上筋)損傷を勘で診断?する場合があります。しかし、腱板等を専門的に診察している医者はMRIを撮った上で慎重に診断していました。
我々は医者がMRIを撮らずに棘上筋損傷を診断した場合には気を付けるようにしています。当然ですが、「勘の診断名」など自賠責は認めてくれません。ちなみに、今までお会いした専門性を持ったお医者様は様々な検査をした上で慎重に診察しております。
少し難解な話になりますが、自賠責保険の独自ルールとして「加重障害」があります。加重障害とは、交通事故で後遺症を残すケガに対して後遺障害等級を認定はするが、そのケガ以前に既にあった後遺症の影響を考慮するものです。
具体的な計算として、今回のむち打ち事故で14級9号が認定され、75万円が支払われることになりますが、数年前の事故で14級の障害認定があった場合、75万-75万=0円となります。つまり、「既に14級の障害者に14級が加算されても0ですよ」との結果になります。もし、新しい障害が14級を上回る重い障害であれば、差額が支払われます。新しい障害が12級として、224万-75万=149万となります。 交通事故治療中、事故受傷が連続、同じ部位に後遺症が残った場合、
1、2回目事故で、治療が伸びた場合 ⇒ 異時共同不法行為として申請
2、2回目事故で、より悪くなった場合 ⇒ 異時共同不法行為として申請
3、1回目はほぼ治癒で2回目が明らかに重い場合 ⇒ 2日目事故のみ申請
4、1回目事故が明らかに重く、2回目は軽傷の場合 ⇒ 1回目事故のみで申請 多くのパターンが想定できますが、この4パターンの検討からスタートします。最終的に被害者が受け取る賠償金に大きく影響しますので、このような検討は専門家の出番となります。
最も認定を受け易い、最大の賠償金が望める選択をしなければなりません。「加重」は自賠責独自のルールであり、後の賠償交渉では個別具体的な事情を主張すべきです。それを睨んで申請方法を策定する必要があります。医師も保険会社も、(交通事故に精通している弁護士を除き)弁護士ですら、正しい解答を持っていません。相談を早くして欲しいのです。
本例は「加重」を遡る?計画を立てました。ちょっとしたいたずら心です。
【事案】
自転車に乗車し、交差点で一時停車していたところ、右折してきた自動車が衝突してきた。事故直後から頚部から肘、手に至るまでの痛み、痺れの神経症状に悩まされる。
【問題点】
1回目の事故ではそもそも後遺症(後遺障害)申請にあげておらず、2回目の事故では申請したが等級が認められなかった。今回3回目の事故で以前にも増して首の症状が増悪した。1、2回目事故で等級が認められていないことから既往症ではないとしても、症状が重なる点があることは否定しきれない。
【立証ポイント】
当初、2回目事故の非該当を異議申立する相談でしたが、まず3回目事故で等級を申請することにした。受傷時点では衝撃が軽かったが、初期から症状を訴えており、MRIも撮っていたことから調査事務所に症状を信用され、14級9号が認定された。
実は、2回目事故について、3回目の認定後に異議申立てを行うプランを立てていました。遡って14級となれば、「加重」がなし崩しに・・このような職業的興味があったのです。しかし、2回目事故の症状固定日以降、3回目事故までの間に病院に通院していない空白期間があったことから、2回目事故の認定の可能性はなく、断念しました。
【事案】
自転車に乗車し、交差点で一時停車していたところ、右折してきた自動車が衝突してきた。事故直後から頚部から肘、手に至るまでの痛み、痺れの神経症状に悩まされる。
【問題点】
1回目の事故ではそもそも後遺症(後遺障害)申請にあげておらず、2回目の事故では申請したが等級が認められなかった。今回3回目の事故で以前にも増して首の症状が増悪した。1、2回目事故で等級が認められていないことから既往症ではないとしても、症状が重なる点があることは否定しきれない。
【立証ポイント】
当初、2回目事故の非該当を異議申立する相談でしたが、まず3回目事故で等級を申請することにした。受傷時点では衝撃が軽かったが、初期から症状を訴えており、MRIも撮っていたことから調査事務所に症状を信用され、14級9号が認定された。
実は、2回目事故について、3回目の認定後に異議申立てを行うプランを立てていました。遡って14級となれば、「加重」がなし崩しに・・このような職業的興味があったのです。しかし、2回目事故の症状固定日以降、3回目事故までの間に病院に通院していない空白期間があったことから、2回目事故の認定の可能性はなく、断念しました。
(平成27年10月)
教訓じみていますが、昨年の実績から学習しましょう。こちらをご覧になった被害者さん、特にむち打ち、頚椎捻挫、腰椎捻挫の皆さんは、是非とも事例から対処を検討して下さい。 交通事故の相談で上位にくるもので、「相手保険会社が治療費の打ち切りを迫ってきています!」があります。
まだ痛みがあり、治療を継続したいのに、何たる横暴!、一気に保険会社とケンカモードに突入です。しかし、ここで争っても益はありません。保険会社の担当者は、治療費の支払いをいつでも勝手に終わりにできます。さらに、弁護士を入れて、「これ以上、治療費が欲しくば、裁判所で待ってます」と、より強硬になるだけです。残念ながら、いつだって払う方が強いに決まっています。
ここで被害者の運命は分かれます。相談会に参加されたクールな被害者さんは、治療費打ち切りに対して「あぁ、そうですか」と健保や労災で治療を継続します。そして、しかるべき時期に症状固定、後遺障害等級を獲ってから、保険会社と交渉を再開します。結果として、しっかり賠償金を確保します。 「ケンカは等級を獲ってから!」が鉄則です。
本例は、治療費打切を渡りに舟と、労災に切り替え、14級を獲ってから弁護士の交渉に切替えました。もちろん、赤本満額の賠償金を勝ち取ります。
【事案】
高速道路を走行中、渋滞の為、停車していたところ、後方から自動車が追突してきた。さらに、追突してきた自動車の運転手はアクセルとブレーキを間違えたらしく、2度もぶつかってきた。事故直後から頚部・腰部痛・手の痺れの神経症状に悩まされる。
【問題点】
とくに腰痛はひどく、仕事は休業が長期に。しかし、業務中の事故であったにもかかわらず、労災を請求していなかった。毎度のことだが、「労災か相手保険か」の2択ではない。両方に請求を上げる必要がある。
...
【事案】
高速道路を走行中、渋滞の為、停車していたところ、後方から自動車が追突してきた。さらに、追突してきた自動車の運転手はアクセルとブレーキを間違えたらしく、2度もぶつかってきた。事故直後から頚部・腰部痛・手の痺れの神経症状に悩まされる。 【問題点】
とくに腰痛はひどく、仕事は休業が長期に。しかし、業務中の事故であったにもかかわらず、労災を請求していなかった。毎度のことだが、「労災か相手保険か」の2択ではない。両方に請求を上げる必要がある。
また、相手保険会社から打ち切りの打診が続いていた。連携弁護士から治療費の延長を働きかけたが、担当者は打ち切りを強行。
【立証ポイント】
打ち切りごときでは慌てない。これを契機に労災申請を急ぎ、治療費を確保した。会社は行政書士等が介入することを忌避していることから、本人に必要書類を渡して、会社の社労士さんに渡すよう指示した。その後、退職したが、労災が無事に適用されて治療費が出ることになった。
そして、労災適用から3ヶ月目で症状固定、もちろん、労災の障害給付手続きも同時に進めた。
腰痛については既往症の心配があったが、なんとか14級認定。改めて、連携弁護士は相手保険会社と交渉を再開した。
このように相手保険会社の打ち切りにあっても、スマートに対処すれば良いのです。
(平成27年10月)
【事案】
直進道路でバイク運転中、対抗右折自動車と衝突した。直後から頚部痛・手の痺れの神経症状に悩まされる。
【問題点】
相談された日が症状固定時期であったため、まず、いつも通り病院同行を検討した。しかし、相談者のお話しから、主治医は患者以外の人が診察室に入るのを拒むタイプらしい。
【立証ポイント】
相談者は病院に勤務しているので、医師の性格については信用できる情報であった。そこで、病院同行で診察室への付き添いをせず、代わりに手紙をお渡しして、検査や画像所見をお願いさせて頂いた。 また、本件依頼者さんの保険代理店さんはとても顧客想いであり、請求に必要な書類を集めてくれた。おかげで通常の倍以上の速度で申請にあげることができた。
(平成27年11月)
年内にできなかった歓迎会を、先日、事務員の補助者登録を機に正式に実施しました。 お店は近所の鉄板焼・Kurosawaです。隠れた有名店です。翌日のテレビで有吉さんが紹介していました。
( ← )築地の路地裏、古民家を改造したレストランです。風情があります。店内は黒澤 明監督の写真が随所にかけてあります。
お料理は前菜、スープに続き、フォワグラ、市場から上がった新鮮な魚、伊勢海老、契約牧場からの特上牛肉、そして、ワインリストも充実しています。スパークリング、白、赤と・・せっかくの事務所公式行事なので、奮発してシャトーマルゴー(サードですが)を開けました。さすがに○万円のワインはありがたい味です。
贅沢は今日だけ、明日から経費削減にうるさくなります。そして、これから一年間、毎日勉強、馬車馬のように働いてもらいます。
先日の記事はつまり、「交通事故・行政書士のレゾンデートル(存在意義)が揺らいでいる」状況を解説したものです。いずれ、「別に行政書士が交通事故を扱わなくてもよいのでは?」が世間の声となるかもしれません。
それでも、未来を失ったわけではありません。私が推進しているのはあくまで「被害者救済業」、単なる「行政書士業」では括れません。根本に帰って、将来を展望、決意を表明します。
平素から訴えている通り、被害者側の損害立証が手薄なのです。特に後遺症です。これは専門性を要する業務で、それ程簡単にできるものでなく、また、簡単に扱われても困ります。
前提ですが、弁護士にとって交通事故は数十ある業務の一つでしかありません。交通事故だけに専門特化した事務所などほんのわずか、全国でも数えるほどです。法律の専門家であっても、交通事故に精通している先生はごく一部なのです。”弁護士=交通事故のプロ”という構図は約束されてはいません。このような中、被害者にとって、本当のプロ=後遺症のエキスパートは潜在的に必要なものと断言します。
保険会社を見ればわかります。保険会社には対人・対物事故の交渉担当者がいて、さらに自動車の査定を行うアジャスター、医療査定を行う医療アジャスターがおります。それだけではありません、顧問医、顧問弁護士、協力弁護士、そして、外注の医療調査会社・・完璧なチームを形成しているのです。
翻って被害者の周りに味方はいるでしょうか?警察も病院もお役所も、裁判所も無料相談の窓口も、それぞれの立場で対処しているに過ぎません。被害者がお金を払って雇った専門家だけが、唯一味方と呼べるはずです。このように、被害者さんは”圧倒的に不利な戦いを強いられている”現実を自覚しなければなりません。
現状の大手事務所によるクレサラ解決では埒の明かない、不慣れな弁護士による、間違った誘導で路頭に迷う被害者さんは大勢いるはずです。事実、毎回のように相談会に参加されています。今後もセカンドオピニオンが増加、大手事務所を見限った被害者さんの相談・依頼が続くでしょう。
また、どれだけ大手事務所が毎月100件の受任を果たそうと、まだまだ後遺障害が見込まれながら立証不足で、もしくは賠償金も保険会社の基準額にて、保険会社と残念な金額で解決をしている被害者さんは水面下で大勢ひしめいています。未だ、被害者の皆さんに声が届ききってはいないのです。これは、多くの損保代理店さんからの情報、地方相談会の反響から確実にそう思います。その意味で、まず、ニーズを喚起している大手事務所のネット攻勢は、広く業界として歓迎すべきことかもしれません。そう、(交通事故被害者の)裾野は大変「広い」のです。
そして、この業務、それ程軽薄ではありません。交通事故の知識は法律に留まらず、保険、医療が分厚い2枚壁として存在します。とりわけ、人体1000種にも及ぶ後遺障害の深遠があり、(交通事故業務は)とっても奥が「深い」のです。簡単に専門家になどなれません。高い専門性を持った業者でなくては、繊細な立証作業が求められる、深刻な被害者さんを救うことはできません。「より専門性を持った事務所へ」、被害者さんの賢明な選択に期待します。
交通事故業界、もはや、「弁護士なら(誰でも)安心」の幻想から、「弁護士は選ばなければならない」現実に移行中です。 その潜在的なニーズに応える為にも、保険会社に対抗できる専門的、かつ強固な後遺症の立証体制を、被害者側に構築しなければなりません。これは、すべての弁護士事務所には期待できないものです。私がこの業界に入って、まず、弁護士との連携を率先して説いて回ったのは、弁護士はこの分野が手薄であり、それを補うべく、自らを技術集団とする構想を最初から持っていたからです。弁護士会に追い込まれて、「付き添い代理交渉⇒書面交渉⇒自賠責保険・代理請求」と変節してきた行政書士とは根本的に違います。
どこまで行っても交通事故を解決させる権能を持つものは弁護士です。しかし、その守備範囲の外を補う役割は用意されているのです。問題はそれが顕在化していないこと、職業として確立していないことです。
弊事務所も組織化の過程にあります。目指すは専門家集団の確立です。例えるなら傭兵集団や軍事顧問でしょうか。
戦国時代、戦国武将の影には雑賀・根来の傭兵集団や甲賀・伊賀の忍者が存在しました。それら技術集団が戦を陰ながら決したと言われています。そのような頼られる存在として認知されなければ、私達の存在価値はありません。この5年間だけでも、10を超える弁護士事務所と連携関係を結び、技術協力を継続してきました。 今年は今まで以上に、単なる行政書士事務所の枠に囚われず、被害者側の医療調査チームとして、存分の働きをお見せしたいと思っています。世の中に本当に必要なものは残るはずです。目指すはデニムのように強くしなやかな生地であり、世に広く定着した「定番」と思っています。
現状をまったく逆境とは思っていません。常に新機軸を打ち出し、質の高い実績を積み重ねるだけです。そして、有意な人材をじっくり育て、輩出させていきたいと思います。 どうか、被害者の皆様はもちろん、業界の皆様も弊事務所に瞠目、そして、長い目で見守っていただければと思います。ご期待は重くも励みになるのです。 以上、暑苦しくなりましたが、今年の覚悟です。(このシリーズ、将来、出版の原稿になるかな)
一年間、よろしくお願いします。
「交通事故は行政書士に」、「後遺障害の専門家」、もうこれらの看板は傾いているかもしれません。
交通事故分野に独自の努力で手を広げてきた先達は、確固たるものを残せたのでしょうか? 尚も看板を掲げる交通事故・行政書士の将来は?
5年の回顧では足りませんので、もう少し歴史を辿りましょう。
交通事故・行政書士は以下、3段階の過程を経て今日に至ります。10年前は賠償交渉を含んだ業務を行ってきました。 【第1段階】 付き添い代理交渉
加害者側保険会社に被害者と同行して、「被害者の付き添いなので代理交渉ではありません」を建前として堂々と賠償交渉を行ってきました。違反ですが、保険会社は「あくまで裁判基準満額をよこせ!」と強交渉しない限り、割りと寛容に交渉に応じていました。行政書士の介入で示談が進めば、それなり解決スピードが上がります。弁護士と違って、安めで示談金もまとまりますし・・。何といっても強硬姿勢の行政書士には「先生、非弁行為ですよ」と言えば、黙りますので、やり易いのです。 これなら弁護士に任せた方が良かったのに・・
【第2段階】 書面交渉
賠償金請求書を作成し、被害者にその「書類=ペーパー」を相手保険会社と往復、交渉させます。もしくは、被害者に賠償金の計算書を持たせて紛争センターに送り出します。紛争センターも当初は第1段階のように付き添いをしていましたが、「行政書士、同席禁止」となってから、もっぱら「ペーパー」を使った、遠隔操作に移行しました。
「書面を作成しただけなので、賠償交渉ではない」と、「とんち」で弁護士法違反を回避したつもりでした。しかし、詭弁は通らず、弁護士会が「けしからん!」と言えば、縮み上がります。逆に反抗、訴訟に訴えでた行政書士は悉く敗訴、誰がどう考えても「とんち」では切り抜けられません。一休さんの時代ではないのです。
交渉ができないのなら最初から弁護士に任せた方が良かった
【第3段階】 自賠責保険の代理請求
「賠償交渉」がいかなる手段でも駄目なら、「保険請求」なら順法であると、多くの赤本書士(書面による賠償交渉を行う)は徐々に「後遺障害の専門家」と看板をすげ替えだしました。
自賠責保険は賠償保険ですが、審査は一方が行うので片面的、性質に争訟性がないと解釈できます。「ここまでは行政書士でも順法、OK」と、多くの弁護士に理解を得ることができました。一方、あくまで「自賠責保険請求も法律事務の一環である」と解釈する弁護士先生と意見が二分しました。
それでも弁護士の多くが後遺障害認定業務を忌避してきた歴史があり、ある意味、ここでようやく行政書士は安住の地を得たのです。事実、弁護士を上回る造詣を持つ行政書士が、一定の地位を築いたと言えます。
しかし、近年、弁護士も積極的に後遺障害に関わるようになっており、自然、業際問題が浮き彫りに。そのような中、会として交渉することなく、個別に訴訟に訴えた行政書士が自爆的敗訴、またしても安住の地は失われそうです。 【地位固めができなかった理由】
結局、業界に確固たる地位を築けなかった理由は、
営業日に欠かさず業務日誌を更新し続けてもうすぐ5年です。交通事故・被害者の皆様のお役に立つページを堅持すると共に、今年からは、より多くの皆様からご依頼をいただけるよう、事務所一同、より積極的なアプローチを心がけ、質の向上と努力を怠らず、勤めて参りたいと思います。
それでは、年をまたぎ、前回の続きを書きます。
行政書士ですが、10年ほど前から隙間産業的に交通事故分野に参入してきました。当時、弁護士はほんの一部を除いて、交通事故には積極的ではありませんでした。しかし、現在、交通事故分野の行政書士の命脈は儚いものになりつつあります。
ご存知の通り、保険会社の提示する賠償額と裁判で用いられる基準額があまりにも乖離しているので、行政書士による、「賠償請求を書面作成でサポートする」業務が生まれたのです。しかし、どう詭弁を弄しても、これは賠償交渉なので弁護士法違反のそしりを受けてきました。
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年末年始恒例、一年の総括と一年の抱負ですが、今回は年末ギリギリまで業務が続いたため、年始にまとめて書くことになりました。少し大風呂敷なタイトルですが、年末・年始の4回に分けてUPします。例年のごとく、業界全体を俯瞰するような話で僭越極まりません。あたかも、熱湯風呂に手がかかった状態、後ろから押されるだけです。 さて、この一年の交通事故業界ですが、出入りしている十数事務所の状況を見るに、弁護士5~10人の中堅事務所は軒並み相談数・受任数が減ったようです。交通事故被害者の皆さんは多競争の中、相談・依頼先が分散したのでしょうか。私が見る限り、勤務弁護士3人以下の個人事務所は、そもそも相談・受任数が少なく、あまり変わっていないようです。やはり、中堅事務所はどこも大きく減少しているようです。昨年まで順調に受任を増やしていた優良事務所のボスも一様に嘆いています。やはり、大手に流れたと言わざるを得ません。つまり、この一年が分岐点、大手法人事務所の莫大な資金力が勝敗を決したと思います。
この5年間、交通事故被害者向けホームページが雨後の竹の子のように林立してきました。まさに交通事故バブルの状態でした。背景を見ますと、元々、宣伝・広告に制限のあった弁護士が、数年前にようやくそれらが解禁されたこと、続いて、過払い金利息返還業務(クレサラ業務)の終焉を睨んで、二匹目のドジョウを交通事故に求めたことです。また、行政書士等、他士業の参入もささやかながら一因に入るでしょう。
特に大手法人事務所は毎月1000万円を超えるリスティング広告料金でwebを席巻しています。クレサラ業務の膨大な利益を税金でもっていかれるなら、交通事故の宣伝に投資できるのです。これは5年前から予想できた結果と言えます。
一生の内に交通事故に遭う事はそう何回もありません。しかも、97%は弁護士を使うほどでもない軽微な事故、保険会社の対応で解決します。つまり、依頼者は事務所ごとの業務内容や弁護士の力量を比べることができません。事務所側にとっては被害者をとにかく宣伝で引っ張り込めば、業務の中身や結果など二の次なのです。
個人の弁護士さんでよい仕事をする先生は少ないながら存在します。弁護士の成績とも言うべき判例を獲得している先生は、頼もしい限りです。対して大手法人の場合、ボス弁はじめ、数10人~100人も弁護士がいながら、交通事故でたった一つの判例も獲ったことがない先生ばかりなのです。そもそも、交通事故裁判でガチンコの戦いなど皆無、せいぜい、ぬるい和解程度の経験です。ちょっと前まで、利息の計算しかしていなかった先生ですから無理もありません。
その事務所の弁護士集団も他事務所を落ちた若手ばかり、そのしくじり先生?を毎年大量採用しています(聞くと、ほとんどの弁護士はその入所した大手法人が第一希望ではないそうです)。不幸なことに、この事務所には交通事故(仕事全般も含め)を教えてくれる力量を持った先輩弁護士は少ないはずです。危機を感じた先生は急ぎ出て行きますので、弁護士の入れ替わりが頻繁なのが頷けます。
それでも被害者は事務所の規模や宣伝に釣られて、この事務所に依頼してしまうのです。いくら大量処理のクレサラ解決に対して、仕事の内容で勝る力量がある弁護士がいても、それは被害者に届かず、大手の宣伝に誘導されてしまいます。これはどの業界、他の商売でも一緒ですね。 大手法人の経営者は冷徹に商売の本質を理解・実践しているのです。限定的ながら、”経営者として”、素直に賞賛すべきと思います。最大の目的である「利益」を出しました。おまけに、広く浅くは被害者を救済しているのですから。
大手法人は今後も毎月100件に届く受任を続けるでしょう。そして、その経験則は膨らむばかり、依頼者を取られっぱなしの弁護士はジリ貧状態のまま、いつまでも交通事故の経験則が上がりません。
現在、弁護士は36,415人(平成25年)。5年間、大勢の弁護士さんと仕事をしてきました。優秀な先生もいれば、駄目な先生もおりました。専門性の差、商売偏重か否か・・残念ながら弁護士も他のすべての職業に同じく、能力や対応には差があるということです。当たり前のことなのですが・・。
明日は行政書士を反芻します。
つづく
ロシアに行ったのは最初のバンドが解散してからだから、ずいぶん前のことです。今年、社員にもっともウケた、ロシアの小話を披露します。年末なので、業務関係外記事もよいでしょう。
ある夏休みに長期休暇を取って、伏木港を出港、船でウラジオストクからロシアに入国、極東地域に遊びに行きました。一人旅なので、行く街々の広場や公園でギターの弾き語りをしました。ソビエト時代はもちろん、10年ほど前までは政治的に西側音楽を締め出していましたが、この時はビートルズもマイケル、マライヤも解禁、何の心配もいりませんでした。
特にビートルズは人気、リクエストも多かった。投げ銭で夕食代は賄えましたから!
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大結節骨折で可動域制限は認められるかについて。
大結節骨折は肩付近に痛みが生じます。ひどい場合、人によっては肩が上がらないレベルの痛みにもなります。相談者の中には、肩が上がらないことで可動域制限による後遺症(後遺障害)はできないかと相談される方もいらっしゃいました。その方の画像を確認したところ、骨の癒合状態は良好でしたが、遊離骨片が残っていました。
この相談者は、結論として、可動域制限は認められませんでした。
何故なら、大結節は腕の肩付近のでっぱり部分にすぎず、この部分のみを骨折しても関節部分がやられているわけではないので、可動域制限は理屈上生じないからです。強い痛みが生じているため、肩が上がらないのはわかりますが、痛みが原因で肩が上がらない以上、ある程度の期間が経過すれば痛みが和らぎ、肩が上がるようになるといえます。
痛みがある程度緩和しても肩が上がらないと主張される相談者ももちろんいらっしゃいます。その場合、大結節を含んで大きく骨折している場合や、大結節に付着している棘上筋が断裂している場合もあります。仮に筋肉や靭帯が断裂してしまうと、肩をあげるためのばねのような筋肉の伸び縮みができなくなってしまいます。
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大結節とは、上腕骨の骨頭部分(肩のところ)で、外側にあるでっぱり部分です。
大結節の骨折原因は、主に、直接大結節部分に衝撃を受けて骨折する直達外力タイプ(上腕骨が肩甲骨の関節窩に衝突して骨折する、大結節が肩峰に衝突して骨折する等。)と、衝撃そのものは大結節に生じてはいないが、別の部分に生じた衝撃によって結果的に骨折する介達外力タイプ(肩が脱臼し、それに伴う棘上筋の牽引によって骨折する等。)があげられます。
前者は骨が砕けるイメージ、後者はバネのような筋肉の引っ張られる力によって骨が剥がれるイメージです。
交通事故でも歩行者や自転車搭乗中、バイク運転中に衝突して転んだり壁に激突したりした際等で大結節骨折をすることがあります。
症状である痛みは大まかにいえば肩付近に生じます。痛みの原因は骨折によるものがメインですが、それだけとは限りません。病院ではまずレントゲンを撮って骨折や脱臼を確認します。次に、介達外力タイプであれば特にいえることですが、骨折以外に、棘上筋等の筋肉や靭帯を痛めることがありますので、可能であればMRIを早期に撮ってもらうようにしてください。
また、大結節骨折の骨の折れ方は、砕けたり剥がれたりするようなイメージです。このような骨折では、後に(遊離)骨片(骨のかけら)が残る可能性があります。そこで、MRIの他に、(3D)CTを撮ってもらってください。
棘上筋そのものが大結節はく離骨折に伴ってはがれてしまった場合、靱帯に引っ張られて容易に癒合しません。その場合は手術で固定、スクリューではがれた棘上筋を上腕骨に打ちつける必要があります。
骨折や脱臼の有無はレントゲンのみで十分ですので、医師はMRIやCTを撮るという非常に面倒くさいことをやりたがらないのですが、保険手続きや後の後遺症(後遺障害)手続き等で是非とも協力してもらってください。症状固定時期の癒合状態は後の後遺障害等級に関わってくるからです。
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