物損事故での自動車の修理見積・査定や過失割合の判定に、AIが導入されていることは聞いていましたが、新たに保険金の不正請求者をあぶりだすシステムができたようです。
昔から、損保業界では保険詐欺、不正請求を繰り返す人の情報を共有しているのではないか?とささやかれていました。もちろん、そのようなデータの存在など、大ぴらに認められるものではありません。他業種、例えば、商品のクレームでゆすりたかりを繰り返す人は、大手百貨店共通の敵です。某デパートのクレーム係に務めている友人からは、それらしきリストは「ある」と聞きました。たかり屋は同じ手口で各デパートに接触しますから、情報を共有することは悪いことではないと思います。保険金詐欺のモラルリスクが日常である保険会社こそ、必要な情報共有ではないでしょうか。

今回は東海日動さんとイーデザインさんが、過去データから疑義のある保険請求を抽出するシステムを作ったそうです。これなども、各損保で共有したシステムがより望ましいと思う次第です。
ちなみに上記イラストを説明します。 アフロス・・・アフターロスの略。すでに壊れていることを隠して車両保険に加入、後に別事故を装って保険請求する古典的手口。 イーデザイン損保、自動車保険の不正請求を早期検知するAI(人工知能)を開発・運用開始! <プエスリリース様より引用> イーデザイン損害保険株式会社(取締役社長 桑原 茂雄、以下「当社」)は、株式会社PKSHA Technology(代表取締役 上野山 勝也、以下「PKSHA社」)と連携し、契約内容や事故申告状況等に関する情報から不正な保険金請求を早期に検知するAI(人工知能)(以下、AI)を開発しました。2021年6月23日から運用を開始します。
保険金の不正請求対策は、健全かつ安定的な損害保険制度の運営や保険事業の信頼維持および公平性確保の観点から、保険業界全体の重要課題となっています。一方で近年、不正請求の手口は複雑化・巧妙化していることから、対策には幅広い不正パターンの理解と高度な専門性が求められます。
この課題の解決のため今般、専用のAIを開発し、高次元の不正請求パターン認識により、保険金請求について自動的かつ高速度・高精度なスクリーニングを行えるようにしました。さらに、不正検知根拠となるデータの可視化により、不正が疑われる請求について事故対応業務に携わる「人」と「ソフトウエア」の協業ができる仕組みを構築しました。
これにより、当社の専任担当者の持つ専門的ノウハウを活かしつつ、その業務をAIがサポートする形で不正請求対策の高度化を実現します。また、AIが最新の不正請求事例を学習し、環境変化に対応します。

先日、顔面麻痺の被害者がいらっしゃったのですが、顔面麻痺の検査方法がありましたので、記載してみます。
柳原40点法とは、1976年に柳原尚明先生をはじめとする顔面神経麻痺の臨床研究に携わるグループにより作成され、1976年および1984年の国際顔面神経シンポジウムで報告されたものです。柳原40点法は、※「安静時の左右対称性と9項目の表情運動」を4点(ほぼ正常)、2点(部分麻痺)、0点(高度麻痺)の3段階で評価されます。微妙な場合は、中間の3点、1点を採用する場合もありますが、合計点数を計算するには偶数の方が簡便で検者間の誤差が少なくなるため、より妥当な偶数点に変更し、2進法で評価します。柳原40点法は、顔面表情の主要な部位の動きを個別に評価することで、検者の主観をおさえて再現性を高めるとともに、経時的な部位別評価をすることができます。40点満点で10点以上を不全麻痺、8点以下を完全麻痺、あるいは20点以上を軽症、18~10点を中等症、8点以下を重症とします。また、36点以上で中等度以上の病的共同運動(口を動かすと、一緒に目が閉じてしまうなどの症状)のないものを治癒と判定するようです。



このような被害者さんは、痛みの継続をもって、後遺障害14級9号「局部に神経症状を残すもの」の認定を受け、その賠償金を得て、長期間の治療・リハビリに備えるべきと思います。この程度(と言っても200万円~)で手を打つべきなのです。治らないからと言って、いつまでも保険会社と戦争すべきではありません。この解決の流れを作ることが私達の仕事でもあります。
もう一つのケースは、事故受傷を契機に頚部や肩の痛みは当然として、肩にそれ程のダメージがないであろう受傷状況から、「どんどん肩が挙がらなくなった」人です。先の説明、神経症状の一環とも思えず、いわゆる四十肩・五十肩、老化による自然な肩関節周囲炎の症状そのままです。この場合、事故受傷により、その衝撃から発症してしまう不幸なケースもあれば、実は事故前から不調だった、あるいは事故後から拘縮が進むケースですから、ケガと言うより年齢変性・運動不足による疾病に近づきます。事故との因果関係について、保険会社は当然に否定します。肝心の医師も判断に困ります。それがわかるほど、現代の医学は進歩していません。そして、賠償問題に関わりたくないので、患者と距離を置きます(逃げ出します)。
独り歩きを始めた診断名(診断書)ですが、賠償問題で保険会社と争う段階になれば、「肩腱板断裂」→「肩腱板不全断裂」→「肩腱板損傷の疑い」と、だんだん自信喪失、薄まっていきます。本来、慎重な医師であれば、予想的な診断名を口にしません。肩関節の専門医にコンサル(紹介)します。その専門医も安易に断定しません。問診・徒手検査を経て、MRIやエコー検査の画像を基に丁寧に診断を下します。そして、たいてい「年齢変性による肩関節の拘縮ですね」となりますが。
このように、中高年にとって、事故外傷と(年齢変性による)諸症状の切り分けこそ、交通事故解決の宿命と思います。私達は日夜、被害者さん・保険会社・医師の3者の交通整理をしているようなものです。
かく言う、私も肩の痛みに悩まされています。私には無縁と思っていた(根拠のない自信)五十肩になったのでしょうか? この件はまた、後日レポートしたいと思います。
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本日、「鬼滅の刃」DVD発売です!


【1】 DIP関節における機能障害の等級認定は?
さて、数回の継続で改善はみられるか・・また報告します。




