本日は、久々に栃木県宇都宮市に。
参加者は少なかったのですが、新しい情報も一つ確保しました。
東京海上日動さんの弁護士費用特約、損保ジャパンに続いて「刑事弁護費用」もできたそうです。今年の1月1日改定でしょうか。また、主要社の約款を総覧してまとめたいと思います。

終了後、弁護士さんと駅前の餃子店に。少し離れたお店でしたが、事前の期待を下げていた分、餃子もおつまみもラーメンも美味しかったです。また、数年ぶりに大田原市の辛口酒「天鷹」を味わいました。
障害を追った人は100%の人間ではない、よって、パフォーマンス低下分○%を差し引いて、その人の生産性とします。 実に人権を無視した考え方に聞こえます。 しかし、前日の自賠責保険のルールを基に逸失利益を逆算した通り、損害賠償の公平の為に障害分を将来収入から差し引いて計算すること自体、理にかなった仕組みです。事実、判決後、多くの法学者さんの見解や、連携弁護士先生の意見を聞くと、これは正当な理屈であり、むしろ、裁判所は被害者寄りに踏み込んだ判決をしたとの評価が多いようです。 そうであっても、本件被害者さんは生れてからご家族と共に、それこそ聴覚のハンデキャップを克服する努力を続けてきました。家族の思いは、「この子は普通の子と変わらない」 のです。 一方、賠償上の評価として、仮に障害やハンデがあっても、それを克服する「特別の努力」という概念があります。本人・家族の努力によって、あるいは職場の理解から、障害のマイナスを埋めた結果、他の同僚と同じ賃金、同じ地位の被害者さんも存在します。弊所の連携弁護士も、この「特別の努力」を立証することで、既往症など減額を防ぐ論陣を張っています。
また、もちろん少数ですが、障害を持っていたとして、他の才能や努力から、健常者以上に稼いでいる被害者さんも存在します。当然、その収入実績を主張することになります。判例上、実態収入を基とした、高額判例も目にします。つまり、個別具体的な立証が必要であると言えます。 さて、子供さんの場合です。未就労者ですから、収入実績を示すことができません。ある程度、進学した場合は高校の成績から大卒の賃金センサスが採用されることがあります。また、何かスポーツや芸術分野で特別な才能を発揮した場合も考慮されるでしょう。しかし、しかし、、小学校の場合です。学業成績にしても、まだ実績が十分とは言えません。将来、大学進学する事や一部上場企業に就職することなど、まだわからないのです。 本件はまさに、将来どうなるかわからない子供を評価しなければならなかったのです。 障害を持った子供の将来を予想するに、普通の子の収入平均で良いのか? 大変、難しい議論なのです。逸失利益算定の難しさを集約する言葉があります。 それは 蓋然性 です。 👉 蓋然性とは? 本件の判示は、「年齢に応じた学力を身につけて将来さまざまな就労可能性があった」と、特別の努力、聴覚障害者でも健常者同様に活躍できる社会の進歩、技術の進歩を踏まえています。それでも、「将来どうなるかわからない」ことを完全に無視はできませんでした。「労働能力が制限されうる程度の障害があったこと自体は否定できない」とのことです。
現状の法律である限り、蓋然性を検討して、どうなるかわからない将来を「推測する」しかないのです。その推測ですが、損害賠償は何処まで行っても公平な判断でなければならないのです。進歩的に考えて、将来のある子供さんの予想について、「蓋然性はバラ色にすべき」との人権的な意見が存在します。また、法律はそのままに、逸失利益は削っても、その分、慰謝料を増額させて、実質100%に近づける案も目にしました。まさに、人智を絞った、より被害者救済のアイデアが望まれます。 結論になりますが、秋葉の仕事としては1、弁護士の仕事は2です。 1、蓋然性を高める記録・証拠を集めて、弁護士に託す 2、弁護士は法解釈・テクニックを使って、実質の損害額を高める交渉に尽力する 本件は、控訴されるのかどうか、まだわかりません。秋葉への取材は3月4日、関西・読売テレビ「報道番組ten」で放送とのことです(関東では観れません。後日、ネット放送はあるようです)。今後も事件を見守っていきたいと思います。
あくまで、自賠責保険基準からの検討になりますが、自賠責保険の基準=考え方は裁判にも踏襲され、裁判官の判断材料になることが多いものです。
事件の経緯について、逸失利益計算から自賠責流に逆算していきます。 【1】まず、聴覚障害についておさらいします。 👉 耳の後遺障害 ⑤ 難聴 Ⅰ 本件被害者さんの聴覚障害の程度は不明ですが、
4級3号:両耳の聴力をまったく失ったもの
6級4号:両耳の聴力が耳に接しなれば大声を解することができない程度になったもの いずれかですが、本件の場合、逸失利益の額から6級4号が推測されます。 【2】次に、逸失利益についておさらいします。
本件、最大の争点は、亡くなった女の子の将来の損害=逸失利益(うべかりし利益)です。逸失利益とは、「もし、障害がなければ、将来これだけの収入があったでしょう」を予想・計算するものです。 その計算式は以下の通りです。 事故前年の年収 × 喪失率 × ライプニッツ係数(喪失年数-中間利息)=逸失利益 詳しくは 👉 自動車保険の値上がりの言い訳・前編~まず、逸失利益を復習 6級の労働能力喪失率は67%です。 逸失利益の計算は、後遺障害と死亡の保険金算定に生じます。 Ⅰ.
どうしても取り上げなくてはいけない記事、判決です。 ニュース報道はこちら 👉 https://www.youtube.com/watch?v=-8aUxuCaEn8
これだけ交通事故相談が氾濫するネット社会です。どこも交通事故の専門家を謳いますが、やはり玉石混合は否めません。
よくある相談ですが、「靭帯損傷」との診断名から、「12級取れます!」と気勢を上げる弁護士・行政書士が少なくありません。靭帯損傷でも当然に程度の差があり、それに応じた後遺障害等級しか付きません。大事なことは医師の診断名に振り回されず、しっかり画像を観て、等級認定までの計画を立てることです。それができる事務所は少ないと思います。
本件、佐藤が被害者に着き添い、12級か14級か?そのハンドリングによって、無事に解決へ進めました。無駄な紛争なく望ましい解決へ、それには画像を観ること、適切な検査へ誘致すること、いずれも経験と技術が必要です。それが備わっている専門家か? 依頼の際は、疑いの目で接することが大事かもしれません。
あるべき着地点に
【事案】
自動車に同乗中、後続車に追突され受傷する。直後から左脚の痛みに悩まされる。
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先週、玄関先で父が転倒、額を3針縫いました。高齢者は転びやすく、大ケガにつながることもあります。切り傷程度で済んで幸いでした。
今日は、抜糸の為に埼玉県吉川市の病院へ。皮膚科の女医先生は親切に処置して下さいました。やはり、整形外科と違って優しい。私は業者ではなく患者家族なので、さらに優しいと感じた次第です。
高齢者の病院付き添いですが、かなりニーズは高いはず。秋葉事務所なら即、実戦可能と思います。事務所に戻って、佐藤に調べてもらうと、やはり、ダスキンさんがやっていました。
高齢者向けサービスは益々拡大する市場と思います。また、交通事故の被害・加害共に、統計上60歳以上は1/3件に及び、その比率は人口比率に沿って増加すると思います。
事務所から東京駅への足はもっぱら徒歩です。所要6分のバスも頻繁にでていますが、わりと遅れがちです。一番時間が読める手段は、およそ17分の徒歩なのです。
ご存知の通り、東京駅に八重洲ミッドタウンが完成しました。天空の芝生が注目ですが、ブルガリのホテルやビル内の飲食店の多くはまだオープン前のようです。地下のバスターミナルはすでに稼働、もう何度も利用しています。雨の日でも屋内バス停は大変に便利です。そして、なんと、バスタと東京駅に直結の駐輪場までできました。
料金は区営なので2時間まで無料、以降8時間ごと100円(最大72時間まで)と格安! 自転車なら、事務所からおよそ6分で駅地下にアクセスが可能なのです。都心の短距離移動は自転車が最も便利、今後、多用は間違いありません。ちなみに駐車場は3月10日オープンのようです。 しかも、駐輪場を出ると、オサレなスペース ↓ で時間調整、デスクワークも可能!!
厚労省からマスク着用について指針が発表されています。
「マスクをつけよう!」はもう3年前のことなのですね。当時はアベノマスクなんてものが配られました。今でも事務所のシバ君が着用したままです。故安倍元総理を思い出します。
しかしながら、巷の声を聞くと「当惑」が多くを占めるようです。なにせ、学生さんは入学以来付けたまま、今更マスクを外すことが「ハズイ」そうです。初めて素顔みられることになるからでしょうか。また、OLさんは「目だけばっちりメイクで済んだのにぃ~」との声もあるそうです。さらに現在、花粉の猛威にさらされている花粉症の方にとって、依然「マスクはマスト」です。今度は、「逆マスク警察」(マスクを外さない人を攻撃?)の登場すら懸念されています。
表題は「Behind the mask=マスクの裏」ですが、マスクの裏側に様々な事情があり、マスクを外すことにこれだけ喧々諤々となる国は日本だけではないでしょうか。
ちなみに、先日亡くなった高橋 ...
毎日、色々な被害者さんの相談がありますが、被害者さんのよくある勘違いを一つ挙げます。 長く治療すること 「私は完全に治るまで示談しない! 相手に最後まで治療費を支払わせる!」姿勢、その気持ちはわかりますが、損得勘定も必要です。 誤解の無きよう補足しますと、
適切な治療が済めば、速やかに症状固定 → 後遺障害申請 → 賠償交渉 → 解決 へ さっさと進めることです。打切り後の治療費は健保を使えばわずか、自己負担でよいのです。 様々な治療を試したい・・、リハビリに長く取り組みたい・・、交渉事は来年に・・など、 解決を先延ばしすることに利はありません。
とくに、後遺症が残るようなケガであれば、早めに症状固定して等級を取るべきです。なぜなら、時間が経てばたつほど、中途半端に治っていきますから、等級がどんどん薄まってしまうのです。一部の例外を除き、平均的な治療期間で治療の目途をつける方が良いのです。
後遺障害の賠償金は高額です。だらだら続けた治療費、それが健保なら、完全に後遺障害の賠償金を下回ります。後遺障害等級を取りこぼすことが最も損なのです。 一方、早期に治療費打ち切りや解決を迫る保険会社も、症状固定は大歓迎です。後遺障害の審査は別機関である自賠責保険の仕事、そこで何級がつこうが、担当者の責任ではありません。それが、賠償金の高騰につながったとしても、処理スピードこそ保険会社が望んでいることなのです。 何より、いつまでも交通事故を引きずる事こそ、被害者さんにとって人生の損害です。事故とは一早く決別し、仕事のキャリアを、生活の平穏を、取り戻すべきなのです。 このような情報を謳うネット情報は少ないと思います。 被害者さんは、交通事故で費やす時間の無駄を意識し、賢く実利ある解決を図るべきと思います。

(1)病態
気道確保の目的で気管切開を行い、気管カニューレ=通称Tチューブを挿管するのですが、稀に、肉芽の増殖、気管切開の位置や管理上の問題で抜去ができなくなることがあります。気管や咽頭を受傷しても、同様のことが考えられます。
傷病名は、気管カニューレ抜去困難症と診断されます。交通事故110番では1例を経験したのみで、極めて稀な傷病名です。 (2)治療
医学の進歩は目覚ましく、気管カニューレ抜去困難症であっても、オペで除去することができるようになっています。しかし、予後は、術後に誤嚥をきたすか、肉芽が再増殖してくるかの2つのリスクがあり、いつでも、このオペで成功するのではありません。 (3)後遺障害のポイント
Ⅰ.
舌骨骨折(ぜつこつこっせつ)
男性では、喉の外側から、喉仏=アダムのりんご、喉頭隆起の位置が分かります。喉仏を、手の親指と人差指で、挟むように触れると、上側に、喉仏より柔らかい正中甲状舌骨靭帯があり、その靭帯を上方に辿っていくと、V状の固い骨らしきものに触れます。それが、舌骨です。
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(4)後遺障害のポイント Ⅰ. 交通事故による口や咽頭の外傷で、かすれ声を除き、言語に機能障害を残した例を経験したことはありませんが、それはともかくとして、認定基準を解説しておきます。 ① 言語の機能を廃したものとは先の4種の語音のうち、3種以上の発音が不能になったものであり、3級2号が認定されます。
② 言語の機能に著しい障害を残すとは、4種の語音のうち2種が発音不能になったもの、または綴音機能に障害があり、言語では意思を疎通させることができないものであり、6級2号が認定されます。
③ 言語の機能に障害を残すものとは、4種の語音のうち1種の発音不能のものであり、10級3号が認定されます。
④ 声帯麻痺による著しいかすれ声は、12級相当となります。 そしゃくの機能の著しい障害=6級2号と言語機能の障害=10級2号の組み合わせは併合して5級相当となります。
そしゃく機能の用を廃したもの=3級2号と言語の機能の著しい障害=6級2号の組み合わせは併合すると1級になりますが、これでは序列を乱すことになり、2級相当が認定されます。 Ⅱ.
反回神経麻痺(はんかいしんけいまひ)・・・言語の機能障害
← 秋葉の声帯
人の発声器官は咽頭です。咽頭には、左右の声帯があり、この間の声門が、筋肉の働きで狭くなって、呼気が十分な圧力で吹き出されると、声帯が振動し、声となるのです。
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咽頭外傷では、嚥下障害以外にも、呼吸障害や発声障害を残すことが予想されます。 呼吸障害の立証は、追って胸腹部臓器の後遺障害「気管・気管支断裂」で解説します。 Ⅲ.
Ⅱ. 外傷性食道破裂後に想定される後遺障害は、瘢痕性食道狭窄による嚥下(えんげ)障害です。

① 嚥下障害とは?
交通事故では、咽頭外傷で舌の異常や、食道の狭窄をきたしたとき、頭部外傷後の高次脳機能障害により咽頭支配神経が麻痺したこと、頚椎前方固定術後で、椎体後方の食道や気管を圧迫したときに、また、少数例ですが、外傷性食道破裂でも、複数例の嚥下障害を経験しています。
嚥下障害とは、飲食物の咀嚼や飲み込みが困難になることをいいます。咀嚼した食物は、舌により咽頭へ送り込まれて、飲み下すのですが、そのときは、軟口蓋が挙上して、口腔と鼻腔が遮断、喉頭蓋で気管に蓋をし、飲み込む瞬間だけに開き、食道へと送り込まれているのです。これらの複雑な運動に関わる神経や筋肉に障害が生じたときに、嚥下障害を発症します。
嚥下障害の原因、傷病名 👉 唐突ですが、嚥下障害
② 嚥下障害の立証
瘢痕性食道狭窄は、耳鼻咽喉科における喉頭ファイバー=内視鏡検査で明らかにします。
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咽頭外傷(いんとうがいしょう)・・・呼吸障害、嚥下障害、開口障害、嗄声、発声障害

ヒトの咽頭は、鼻・口から入った空気が、気管・肺へと向かう通り道と、口から入った食物が、食道から胃へと向かう通り道の交差点であり、空気と食物の通過仕分けをしています。
喉頭は気管の入り口にあり、喉頭蓋=喉頭の蓋や声帯を有しています。喉頭蓋や声帯は、呼吸では開放されており、物を呑み込むときには、かたく閉鎖され、瞬間的には、呼吸を停止させ、食物が喉頭や気管へ流入することを防止しています。声帯は、発声では、適度な強さで閉じられ、吐く息で振動しながら声を出しています。
喉頭は、① 呼吸する、② 食物を呑み込む、③ 声を出す、3つの重要な役目を果たしているのです。 (1)病態
咽頭外傷は、広い意味で、食道破裂のカテゴリーですが、交通事故では、受傷機転が異なります。そして、件数においては、圧倒的に咽頭外傷が多いので、ここで解説しておきます。
喉頭部に対する強い外力で、咽頭外傷が発生し、咽頭部の皮下血腫、皮下出血、喉頭軟骨脱臼・骨折などを発症します。プロレスの技で言えば、ラリアットをイメージしてください。交通事故で、大きな外力を前方向から喉頭に受けると、後方に脊椎があるため、前後から押しつぶされる形となり、多彩な損傷をきたし、呼吸、発声、嚥下の障害を引き起こすのです。 (2)症状
症状として、事故直後は、破裂した部位の疼痛を訴え、痛みで失神することもあります。2次的には、食道が破裂、損傷することにより、縦隔気腫、縦隔血腫を、食道内の食物が、縦隔内に散乱して、縦隔炎を合併し、それらに伴って、呼吸困難、咳、痰、発熱などの症状が出現します。
頚部や胸部の皮下に皮下気腫を認めることもあります。重症例では、食道からの出血に伴い貧血、出血性ショック症状を合併することもあり、要注意です。 ※ 縦隔気腫・縦隔血腫 縦隔の内部に空気が漏れ出したものを縦隔気腫、血液が溜まったものを縦隔血腫といい、どちらも胸部の外傷が原因で、気管、食道、血管などから空気や血液が漏れ出し、重篤な症状をもたらします。 (3)治療
まず交通事故による鈍的外傷では、なにより、呼吸路の確保が優先されます。呼吸困難では、必ず、気管を切開して気道を確保します。
軽いものでは、安静と、声帯浮腫を防止する必要から喉頭ネブライザーの併用ですが、通常は、呼吸が確保されていることを前提に、喉頭内視鏡検査、CTなどの画像診断、喉頭機能、呼吸、嚥下、発声を評価する各種検査が実施されます。骨折整復は、受傷後早期に行う必要があり、手術で軟骨の露出、喉頭を切開、損傷した部位の粘膜縫合や骨折整復の手術が行われています。
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外傷性食道破裂(しょくどうはれつ)

(1)病態
交通事故では、胸部に対する強い打撃、圧迫により、稀に発症しています。秋葉事務所では未だに受任例がありません。 ネットで食道破裂の外傷例を検索してみました。、 ① 交通事故による第3胸椎破裂骨折に合併したもの、 ② 樹木からの落下で胸部を打撲したもの、 ③ 野球でのヘッドスライディングによる胸部圧迫、 ④ 風呂場での転倒による胸部の打撲に伴う外傷性食道破裂が報告されています。 ⑤ 変わったところでは、食器を運搬中に転倒して、箸が右頚部から刺入し外傷性食道損傷となったものもあります。 >① 75歳男性、歩行中の交通事故により受傷⇒胸部CTとMRIにて右血胸、縦隔血腫、頚椎骨折、第3胸椎破裂骨折を認め、ICUで管理⇒受傷4日後、呼吸状態悪化、人工呼吸を開始、⇒右胸腔ドレーンより血性排液あり、翌日、膿性排液となり、CTで血胸の増悪と縦隔気腫を認める⇒受傷6日後の内視鏡検査で、食道穿孔を認め、外傷性食道破裂と診断、同日緊急手術、⇒食道部分切除、食道瘻造設、開腹下胃瘻、腸瘻造設術施行、⇒食道破裂は胸椎骨折の骨片による損傷が原因と診断されました。 >② 57歳女性、木から落下、翌日より、嚥下での胸部痛とつかえ感が出現、近医を受診、⇒食道内視鏡検査にて下部食道に約2cmの全周性の潰瘍と左右に深い粘膜裂傷を伴う狭窄を認める、⇒超音波内視鏡=EUS検査で食道壁は全層にわたり肥厚、壁構造は消失、⇒狭窄部が瘢痕化した後、バルーンによる食道拡張を施行し, 狭窄症状の改善を認める、保存的治療にて改善、狭窄瘢痕部位はバルーンによる食道拡張術で軽快、12カ月経過後も再狭窄は認められていません。 >③ 15歳,男性、野球でヘッドスライディングをしたあと、前胸部痛が出現、飲水後に,前胸部がしみる感じを訴える、⇒.胸部XP、CT検査で縦隔気腫と診断、⇒縦隔気腫の原因精査のため、上部消化管内視鏡検査を施行、⇒食道入口部に約3cmにわたる裂創を認める、
本日は数年ぶりですが愚痴の記事となります。コロナ禍のおよそ3年間、受任の減少が経営を圧迫した反面、日常の余裕は体形と健康の回復を図るに十分な時を得ました。禍福は糾える縄の如し、何事も一面だけでは判断できないものです。 さて、昨年秋から予兆はありましたが、今年に入って受任数が回復、目下、業務に追われる毎日です。本日も5時起きで朝から伊豆に病院同行、来週も沼津です。静岡方面だけではなく、一都三県にも頻繁に病院同行が計画されています。赤字経営から、かつての人手不足の復活・・まったく仕事と言うものはこちらの都合通りにいかないものです。
経営上、売上の回復には2年かかる計算です。したがって、安易に人件費をかける余裕がありません。社員・スタッフ一同、しばらくは体を壊さない程度の頑張りでしのぐしかありません。そのような中、今週は大阪のテレビの取材で半日つぶれ、土浦のセミナーもあり、土曜は横浜へ病院同行、もはや土日・休日は存在しません。ライフ・ワークバランス=0:100の復活、体力の低下と相談しながら、堅実に業務を遂行していくだけです。 ご依頼の皆さまには、少しご対応のスピードが遅くなりますが、いささかも手を抜くことはありませんので、ご容赦頂きたい次第です。 業務日誌も遅れを取り戻します。毎日upは14年目です。途絶えさせることはしません!
味覚脱失(みかくだっしつ) (1)病態
味覚は、甘味、塩味、酸味、苦味の基本4要素が基本です。
最近では旨味を加えて基本5要素とも言います。ちなみに辛味は入りません。耳鼻科の先生に聞くと、辛味は、正確には舌の痛みだそうです。

味覚を感じる器官は、味蕾(みらい)と呼ばれ)、そのほとんどは舌の表面の乳頭、有郭乳頭、葉状乳頭、茸状乳頭という組織に存在しますが、咽頭粘膜などにも認められます。甘味、塩味、酸味、苦味の4要素では、感じ方にそれほどの差はなく、旨味のみ、舌の側面、付け根の部分で強く感じると報告されています。
味覚の脱失や減退は、舌の外傷、顎周辺組織の外傷を原因として発症しています。さらに、頭蓋底骨折や頭部外傷後の高次脳機能障害でも、味覚障害が認められています。
他覚的検査としては、濾紙ディスク法の最高濃度液検査を受けます。これは、甘味、塩味、酸味、苦味の4つの基本となる味のついた、濾紙を舌の上において味質の障害を見る検査法です。薄い味から濃い味へと5段階で検査が実施されています。
◆ 味覚と嗅覚は、風味といわれる通り、密接に関連していることが報告されており、嗅覚が低下することにより、味覚にも変化が生じています。嗅覚の異常によって味まで減退することを「風味障害」と呼びます。
味を感じる経路は、
① 味物質の味蕾への到達
② 味蕾での知覚
③ 中枢への伝達に分類されるのですが、交通事故においては、舌や顎周辺組織の損傷を原因とすることもあり得るのですが、圧倒的には、中枢への伝達障害が予想されます。 (2)治療
耳鼻咽喉科の受診を急ぎます。味覚の異常の多くは亜鉛が足りない、亜鉛欠乏症の疑いから治療がスタートします。亜鉛の服用は、抗潰瘍薬のポラプレジンク(プロマック)と、低亜鉛血症が保険適応病名の酢酸亜鉛製剤(ノベルジン)が代表的です。亜鉛の処方が続いても改善が無い場合、味覚減退・喪失は決定的になると思います。
何より早期からの治療実績がないと、因果関係から事故外傷による味覚や嗅覚の異常は否定される可能性があります。内在的な原因=病気の可能性もあるのです。風邪でも味覚・嗅覚の異常は起きます。最近では、コロナ罹患後の後遺症で「味がしなくなった」が記憶に新しいところでです。 ◆ 脳外傷は別として、そもそも、むち打ちはじめ打撲・捻挫程度の衝撃で「味がしなくなる?」など、まず信用されません。受傷直後からの治療実績と検査結果が無ければお手上げです。その立証は苦戦どころか敗戦必至です。かつての記録からも、嗅覚障害での逆転・認定例はありますが、味覚では全敗中です。
顎関節症・円板損傷(がくかんせつしょう・えんばんそんしょう)

(1)病態・症状
関節円板の位置のズレや変形があることで、開口・並行のときにカクンカクンのクリック音か出ること、変形が大きいと口が途中までしか開かない開口障害が出現しています。
関節円板は下顎頭の外側と内側には強く連結しているのですが、前後方向への連結は緩やかで、関節円板は前後へ大きく動くことが可能になっているのです。
関節円板障害は、正しい位置から前にずれることが大半で、関節円板前方転位といいます。つまり、下あごが、前に出っ張った状況となっているのです。原因として、ストレスからくる歯のくいしばり、歯ぎしりなどが指摘されています。 (2)治療
① あごを楽にするようなリハビリ運動
② マウスピースの装用
③ 噛み合わせの調整
歯科医における上記の治療・矯正で、改善が得られます。 (3)後遺障害のポイント
顎関節症は、時々相談を受けていますが、後遺障害の対象となる程の方はいませんでした。事故との因果関係に疑念があること、歯科の治療・矯正で改善が得られることの2つを理由としています。
上顎・下顎骨に骨折がないと、開口障害やそしゃく障害を訴えても、まず見向きもされません。骨折など、相当のダメージを前提に、上下顎関節の転位、あるいは円板損傷があれば信用されます。円板損傷はMRIで立証します。それでも、経験上、微妙な画像が多く、立証の難易度は高いと言えます。 次回 ⇒ 味覚障害