交通事故被害者さん全般に言えますが、体のあらゆる部位に痛み・不具合を主張します。もちろん、受傷直後は治療の必要性から、余すことなくとなく丁寧に医師に伝えなければなりません。医師も骨折等を見逃さずに注意・観察するでしょう。

 しかし、打撲や捻挫、挫傷の類が何か月も続くことは医学的にありません。例外として、神経症状を発症、数か月~数年続く症状はあります。これは、後遺障害として評価を受け、賠償金につなげていけばよいことです。他方、症状固定時期になってまで、ほとんど改善している部位を、ことさらに主張すべきではありません。「あっちもこっちも痛い、全身痛い」では、訴えの信憑性が下がります。後遺症の診断に際しては、医師には今後長く続くであろう症状を限定して、診断して頂ければ足ります。

 神経症状14級9号の認定は信憑性が命です。たくさん症状を訴ることが、認定に近づくわけではありません。単に”大げさ”と思われてしまいます。私たちはこれを、「広げすぎた扇は倒れる」と表現しています。

主訴を絞り込むことこそ、正確な後遺障害診断につながります   

14級9号:腰椎捻挫(40代男性・埼玉県)

【事案】

バイクで走行中、信号のない交差点の出合い頭に一時停止無視の車に衝突される。数メートル投げ飛ばされ腰・肋骨・膝と全身を痛め通院していた。

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どーも、金澤 炭治郎です。 今日から大ヒット「鬼滅の刃」に便乗です!

 

最近少し珍しい膝の症状を見ました。

被害者様で、その方は膝の痛み、知覚異常を訴えています。

原因は交通事故により膝を強打してしまった事。

 

膝の内側のある一定の部分の知覚が薄れてしまい、ずっとぼんやり痺れるような症状と、触ってもあまり感じないと言う知覚異常。

ただ、膝をついたりすると激痛が走り、床に座ったりすることが怖くなってしまいました。

 

事故から相当月日が経ってもこの症状に悩まされており、

医師からも、治りますと前向きな言葉は出ません。

本人の気持ちになると非常に辛い。

 

症状はすぐには改善されずとも、なんとか補償を受け、心の面で少しでも楽になって頂きたい。

その一心で今は医証を集めております。

 

 

さて、初めてその方のお身体を見た時、自分が施術者だとしたら何ができただろうと考えました。

 

”膝内側の知覚異常”

 

ここで自分が考えられるものは

・L4のヘルニア等による神経障害

・強打した部分の末しょう神経が損傷し、知覚異常が起きている。

・強打した部分で血腫が出来て固まってしまい神経を圧迫している。

 

この3つ位でした。

ヘルニアなら神経誘発検査などで分かりますし、非常に限定的な場所での知覚異常だったので、可能性は低そう。

ならば施術として第一優先順位は末しょう神経に対するアプローチ

 

血腫が固まっているのであれば、固まった血腫を散らす為に全力を注ぐ。

大きい固まった血腫は手術で取る事が多いですが…

 

末しょう神経が損傷している場合は、神経の修復を早める為に刺激を与え、周りの筋肉を満遍なく緩めたり血流をよくするような施術。

 

こんなところでしょうか・・・

 

膝内側の知覚に係る神経は伏在神経という神経。

その後、伏在神経を調べていると、盲点が出てきてしまいました。

満遍なく筋肉を施術する事で盲点は補えはしますが、

 

伏在神経が絞扼しやすい部位がありました。

それは、大腿四頭筋内側部分に存在するハンター管と言う場所の存在でした。

昔勉強したきりすっかり忘れていました。

 

膝強打した際に、筋肉が強縮してしまい、ハンター管が狭くなったままなら?

もしも血腫がそのハンター管の方まで到達していて、小さな塊があったら?

 

効くかはわかりませんが、試す価値はあります。

 

 

ちなみに、伏在神経のような末しょう神経は、ちゃんと原因を取り除いてあげると、

例え損傷していてもちゃんと回復してくれます!

時間はかかりますが、頑張りましょう( ;∀;)  

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 昨日の実績投稿の解説に付随して、保険会社が定める治療期間について、意見を加えたいと思います。

 

90日後に打ち切られる被害者

   交通事故で被害者となりました。診断名は頚椎捻挫、いわゆる、むち打ちの類です。相手の保険会社は治療費を病院に直接払ってくれます。これを「一括払い」と呼んでいます。被害者さんは治療費の立替なく、安心して通院できます。そして、2か月を超えた頃、「症状はいかがですか?」⇒「そろそろ、治療は終わりませんか?」⇒「弊社としては3か月をもって治療費の対応を終わりたいと思います」・・このように、3か月の治療費打ち切りを徐々に切り出してきます。

 一方、被害者さんがそれまでに治れば、何ら問題はありません。しかし、中には神経症状がしつこく残り、理学療法を継続したい方もおります。そこで、「ふざけるな!治っていないのに打ち切りとは何事だ!」とケンカになります。治るまで治療費を払わせることは、被害者の当然の権利だと思っているのです。しかし、それは当然の権利ではありません。保険会社にしてみれば、便宜上、一括払いをしているに過ぎません。これは、裁判できっちり白黒ついています。保険会社は独自の判断で、いつ治療費を打ち切ってもなんら罪はないのです。

 もちろん、治療費支払いの継続を巡って争うことはできます。しかし、勝ち負け定かではなく、半年以上かかるかであろう裁判へ・・現実的ではありません(現実にやる被害者さんもおりますが)。その間、決着がつくまで、当然に治療費は自腹です。ここで、被害者さん達は、「100日後に死ぬワニ」ならぬ、「90日後に打ち切られる被害者」となります。

 

打撲捻挫は3か月間! ...

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 保険会社は無制限に治療費を払ってくれるわけではありません。被害者さんのケガの診断名や受傷機転(どのようにケガをしたのか)など、客観的な事実から、相当する治療期間を判断をしています。私は、この保険会社の姿勢を直ちに批判する気はありません。医者でもない保険会社社員こそ、平均値から判断せざるを得ないと思います。しかし、物事は平均的な基準では測れないことが多々あるものです。交通事故での典型例は、何と言っても「むち打ち」です。

 同じような受傷機転(どのように受傷したのか)、医師の下す同じ診断名でも、症状の個人差は絶大にあります。ある人はまったく病院に行くこともなく無症状です。また、仕事が忙しく通院できないと、湿布を貼って治す方もいます。そして、頚部の神経症状が惹起され、上肢~手指のしびれが収まらず、それこそ、半年から数年にわたって症状に悩まされる方も存在するのです。一方、大げさに症状を訴えて、慰謝料増額を期してか長期治療を画策する悪い人も少なくありません。そもそも、傷病そのものに対して、年齢、性別、体質、既往歴など、個人差があって当たり前です。

 このように千差万別の患者さんは、同じ程度の衝撃でも生まれるのですから、個々にその治療期間を断定するなど、端から難しいのです。

 それでも、治療費を払う側の保険会社は、むち打ち患者全員に一定の基準を押し付けてきます。打撲・捻挫の平均的な治療期間はおよそ3か月とみています(この3か月説に関するよもやま話は、明日の記事で追補しようと思います)。この治療費打ち切りの打診に、症状が残っている患者さんは大パニックです。でも、決して慌てる必要はないのです。本例のように、健保に切り替えて粛々と治療を続け、自賠責保険の後遺障害審査に付して、ここで症状を認めてもらい、後遺障害慰謝料と逸失利益(10年以上通えるほどの治療費に匹敵します)を確保すれば良いのです。

 さらに、14級認定となれば、途中から自腹だった治療費も取り戻すことが容易です。弁護士が、「後遺障害が認められたのに治療費を打ち切って・・保険会社(担当者)の判断ミスでしたね」と言えば足ります。まさに、大逆転の解決になります。

 治療費を巡って保険会社とケンカするなど、時間の無駄、愚の骨頂なのです。      治療費など些細な金額です。後の賠償金で取り返せばよいのです  

併合14級:頚椎・腰椎捻挫(50代男性・神奈川県)

【事案】

信号のない交差点で、一時停止無視の自動車と出会い頭衝突、首と腰を痛め通院するも、事故から三か月目に保険会社から治療の打切りをされる。

【問題点】

事故車の損傷度合いから、軽度な事故と判断されてもおかしくはなかった。保険会社から早めに治療の打切りを打診される予想から、早めに弁護士を介入する必要があり、契約を急ぐも、本人の都合が合わずになかなか弁護士介入が出来なかった。

そうこうしている内に、3ヶ月目で治療費一括対応の打切りを宣告され、ご本人から慌てて連絡が入った。

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 めまいと言えばヒッチコックの映画、そして、事務所の売上表を見る時でしょうか    交通事故などの外傷に限らず、めまいに悩まれている方は多いと思います。めまいの原因は様々で、眼神経そのものに原因がある場合、耳の三半規管の異常、脳神経の影響、自律神経の障害など・・それぞれ、受診科も違いますので、まず、原因部位を特定しなければなりません。まして、交通事故によるむち打ちで発症した場合、その立証は険しい道です。最初から医師と検査設備に恵まれることなど稀です。また、賠償上の理由からですと、本例のように医師が取り合ってくれません。    本件は「外側半規管耳石症(クプラ型)」が診断されたものです。運よく、検査や診断書が整ったので等級認定に至りました。秋葉事務所としても、事務所の経験則に大いに寄与する、貴重なケースとなりました。    続きを読む »

 事務所開設以来、何度も説明していますが、関節の可動域制限、つまり、上肢下肢の機能障害で12級や10級をとるためには、単に関節の可動域の数値が3/4や1/2になっているだけではダメです。そのような制限が起こる、物理的な理由が必要です。それは、まさに画像から判断されます。

 例外的に神経の断裂や絞扼(締め付けられている状態)から、関節の自動運動が制限されることがあります。そのような例外を除くと、骨折後の癒合状態に問題がなければ、「極端な可動域制限は起きない」ことが医学的な常識です。

 ネットで交通事故・後遺障害の情報が氾濫して以後、関節の計測を大げさに装う輩が少なからず発生しました。自賠責保険・調査事務所は当然に数値を疑います。名前はだせませんが、ある行政書士・弁護士事務所から、「あまり関節を曲げるな」との指示を受けた被害者さんもおりました。これは、立派な詐病教唆です。

 その点、私たちは事前にレントゲンやMRI画像を精査していますから、申請前から自賠責の判断を予想しています。常に、機能障害をとるべくギリギリまで詰めますが、結果的に正しい認定に誘導します。本件も、神経症状の14級を確実に取り込みました。

 ただし、画像からでは判断できないが、演技ではなく、リハビリをサボったわけでもなく、実際に曲がりの悪いケースも稀に存在します。原因を究明、審査側にその事情を伝える立証作業こそ、難易度は高くなりますが、私たちの挑戦すべきテーマとなります。   神経麻痺など難しい案件、どんと来い!  

14級9号:鎖骨遠位端骨折(50代男性・神奈川県)

【事案】

バイクで直進中、左方脇道よりの自動車と衝突、鎖骨骨折したもの。鎖骨は肩に近い方、遠位端であるが亀裂骨折レベル。治療は、クラビクルバンドを着用、保存療法とした。

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どんでん返し…

1.忍者屋敷の扉のからくり。 2.歌舞伎の強盗返のこと。 3.上から転じて、フィクションなどのストーリー展開技法の一つをいう。同様に、話や形勢、立場などが正反対にひっくり返って逆転したことにも用いられる。

 ストーリー展開におけるどんでん返し(どんでんがえし)は、小説や映画の中で用いられる技法のひとつである。

 大方の読者や視聴者の予想を大きく裏切ったり、一旦終結したかに見えたストーリーを大きく覆したりするような結末が用意されているものが典型である(この種の結末の付け方は、英語ではsurprise endingにあたる)。芝居を途切れさせることなく大規模な舞台転換を短時間で行う歌舞伎のどんでん返しから転じて名付けられた。どんでん返しはエンディングに限らず、次々に事態が変遷し、推測、推理が何度も覆されていく様態を意味する場合もある。 <出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』>    どんでん返しの一般的な意味は以上のようです。さらに、”大”がつくと、ものすごい急展開、大逆転の結末と、どんでん返しの程度を強調するだけでなく、ある昔のアニメにたどり着きます。   『巨人の星』の 大どんでん返し とは?    昭和の野球漫画・アニメ、スポ根ものの元祖です。主人公、星 飛雄馬は、父親によって幼少から野球の超英才教育を施され、巨人軍のエースに成長しました(この父、ちゃぶ台返しで有名な星 一徹は太平洋戦争従軍で肩を負傷し、プロ野球選手の夢を絶たれていました)。努力と根性を地で行く、野球漫画の草分けでしょうか。

 その英才教育で象徴的だったのは、左投げピッチャーにするための、右利きから左利きへの矯正です。野球はじめ、多くのスポーツでは左利きが有利とされています。したがって、左利投げ・左打ちへの矯正は、実はそう珍しいものではないのです。

 さすがに、ピッチャーで右利きの選手が左投げに変えるのは大変です。しかし、バッターでは右利きながら左打ちは普通に大勢います。大谷 翔平選手、イチロー選手、松井 秀喜選手、巨人の阿部 慎之助選手と一流どころが名を連ねます。

 さて、『巨人の星』の劇中、この左投げ矯正を「大どんでん返し」と呼んでいました(本来の意味とちょっと違うと思いますが)。さらに後の続編『新・巨人の星』では、(前作最終回で魔球によって酷使した左肩が壊れてしまい)引退した星 飛雄馬が、元々右利きであったことから、今度は右投げピッチャーで復活します。これもまた、「大どんでん返し」、しかも、リバース。    かなり、長い前置きですみません。言いたかったことは、上肢の後遺障害についてです。    今年は上腕・前腕のおケガ、等級認定必至の件を7件受任しています。上肢の障害では、圧倒的に肩関節が多く、手関節がそれに続きます。実は腕の後遺障害は珍しい部類に入るのです。私たちの業界では、同じ傷病名が重なるジンクスがありますが、腕のみにあらず、肩や手首・手指の件も加算すると、今年は上肢の当たり年と言えます。

 上肢・下肢の後遺障害において、利き腕のケガによる等級の差はありません。仕事や日常作業では、当然に利き腕のケガの方が不便が多いと思います。しかし、自賠責保険や労災に限らず、世の障害制度の評価では、左右差は関係ありません。そうなると、後の賠償交渉上で、利き腕の障害による困窮点を強調しなければなりません。これは、損害の個別具体的な事情になります。したがって、私達は医療調査や障害申請の段階で、利き腕を必ず聴取して、弁護士にその情報を引き継ぐことになります。等級に結びつかなくても、具体的な被害者独自の困窮点の調査も、私達にとって大事な業務なのです。単に手続きを担うだけでは片手落ちです(洒落?)。    さて、最近の被害者さんで、左腕にひどいケガを負った方がおりました。利き腕は左腕とのことです。しかし、ここで「大どんでん返し!」。実は、幼少期に親御さんから右利きに矯正されていたのです。これも珍しいことではなく、世の道具が圧倒的に右利き仕様になっていることから、親が子供の将来を思って、大どんでん返しをするのです。左利き専用の道具が増えた現在でも、ドアノブやボタンの配置を見れば・・右利き優先社会を実感しますよね。

 この被害者さん、お箸や筆記用具は両手が使えるそうです。前から気付いていましたが、左利きの人は器用で天才型が多い。ちょっと練習すれば両手使いにもなるのです。多くの右利きさんは両手使いができません。ちなみに、サッカー選手は両脚が使えると有利なので、左右どちらでも蹴れるように練習するそうです。優秀なストライカーは、左右どちらの脚でも得点しています。左利きの名手と言えば、メッシ、マラドーナ、中村 俊輔選手と、もはや挙げるまでもありません。ちなみに、格闘技でもその傾向は同じく、ボクサーの左利きは相手にとって超やりにくいそうです。    以上、本日の記事は「大どんでん返し」を知らない、うちの若い社員向けに書きました。

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金澤です。

 

今日は、たまたま昨日、ご飯を食べに近所の洋食屋さんに寄った時の話。

小学生くらいのお子さんを連れた家族がご飯を食べていました。

ハンバーグを食べていた子供は、貧乏ゆすりをしていたようで、お母さんに足をペシッと叩かれていました。

 

それを見ていて、自分も昔怒られたな~なんて懐かしく思っておりました。

ですが、お店など(外で)貧乏ゆすりをすることは良くないかもしれませんが、

家でゆする分には身体に良いのですよねこれが。

 

貧乏ゆすり。海外では”ジグリング”と言うんですが、

このジグリングは医療分野でも今はだいぶ浸透しました。

持続的他動運動としてCPM(Continuous Passive Motion)という概念があり、それを基に海外で作られたのがジグリング運動です。

 

そう、下にCPMの説明を引用しますが、これを見てもらうと分かる通り、膝や股関節で行う場合はほぼ貧乏ゆすりと同じなんです。

 

 

持続的関節他動訓練器(じぞくてきかんせつたどうくんれんき)とは、関節における、リハビリに利用される器械である。CPM(Continuous Passive Motion)とも言う。 主に、人工膝関節置換術や続きを読む »

どーも、金澤です。

私は、TFCC損傷の患者を何人か施術したことがあります。

整形外科でMRIを撮影して、明らかにTFCC損傷で診断名が付き、整骨院に来た患者。

これはTFCCだろ。と言うことでMRIを撮らせた患者。

 

今は交通事故被害者救済の為に日々身体と向き合っているわけではありますが。

今日はTFCC損傷について掘り下げていこうと思います。

 

TFCC損傷とは何か(TFCC損傷=Triangular Fibrocartilage Complex injuries)

 

三角繊維軟骨複合体損傷です。

では、三角繊維軟骨複合体とは何か。

 

➀三角線維軟骨

②三角靱帯

③尺骨三角骨靭帯

④尺骨月状骨靭帯

⑤掌側橈尺靭帯

⑥尺側側副靱帯

⑦背側橈尺靭帯

 

主にこの7つの組織が複合して、尺骨と手根を支えています。

写真で見る通り、橈骨側は手首にピッタリ関節しているのですが、尺骨側は少し隙間が空いていますね。そこを、この4つの組織が支えているのです。

 

この三角繊維軟骨複合体(=以下TFCCと呼ぶ)は、意外と簡単に痛めます。

外傷型と変性型があります。

変性型はテニス等、手首を酷使するスポーツや年齢が上がるにつれて軟骨がすり減っていったり、靭帯が固くなり何かの拍子で炒めたりします。

 

外傷型は、交通事故や転倒して手をついた際に良くおこります。

 

 

TFCC損傷にも程度がある

 

同じTFCC損傷でも、受傷起点や痛めた場所により、完治までの期間や治療方法、損傷の程度が変わってきます。

 

一番重症なのが、やはり尺骨突き上げ症候群を合併したTFCC損傷です

尺骨突き上げ症候群とは、強い外力により、尺骨が手関節にめり込むように突き上げられ、その結果、手根骨と尺骨の隙間を埋める軟骨を壊してしまうのです。

この状態だと、手術になる事が多いです。

突き上げられた尺骨を短縮させるため、尺骨を切り、傷付いた組織を修復します。

ここまでの重篤なTFCC損傷であれば、12級か14級は付くでしょう。

 

 

TFCCの靭帯損傷の場合は保存療法・手術療法どちらの可能性もあり。

これは受傷起点や、痛みのレベルにもよりますが、

通常TFCC損傷の第一段階の治療は炎症を抑える飲み薬と固定による安静から始まり、痛みが酷い場合は直接ステロイド注射を打ち込みます。

ステロイド注射と固定の治療を続けると、通常であれば2~3ヶ月で収まります。

 

手首を動かした時に痛みが出るのがTFCC損傷ですが、急性期や、症状が酷い場合は安静にしていても痛みます。

ステロイドと固定を続けても安静時痛がひかない場合は、手術になる事が多いです。

 

つまり、もしもTFCC損傷で後遺症が付くとしたら、はっきりとした受傷起点(この衝撃なら靭帯もやられるな。軟骨もやられるな)とイメージできるだけの受傷起点。

身体なので、稀に軽微な受傷起点で重症化する事もありますが

治療内容は最低でもステロイド注射を定期的に打っていると、それだけ痛みがあるのかと、私なら思います。

手術をしているのも、非常に辛い状況なのだと分かりますね。

 

 

ちなみに整骨院でTFCCの施術は、靭帯などが炎症が起きていたら、超音波などで深部の血流をよくして炎症を早く収め、組織の修復を早める効果があります。

その後は硬くなった靭帯を柔らかくする施術。

関節液が足りなければ補い、多ければ吸収させる。

固定はピンポイントで必要最低限の固定で最大の効果を発揮できるようにします。

こうして関節の状態を常に良好に保つことで、回復は早くなり、治った後も良好です。

 

整形ではここまで時間をかける暇はないので、サブ的な役割で整骨院を利用するのがいいかなと思います!

 

今日はTFCCについてまとめてみました。

 

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どーも、金澤です。

 

今日は、先日YouTubeを見ていたら首の牽引は絶対ダメ!悪い!

と言う動画を目にしました。

 

そういえば、自分も整骨院時代に患者さんから、

首の牽引に通った方がいいの?

(当時働いていた整骨院には首牽引装置は無かった)

と聞かれることが結構ありました。

 

正直、近年の整形外科では首の牽引をするところは珍しいです。

昔ながらの整形では首牽引や腰の牽引は積極的に行う傾向です。

 

それも、近年の見解では、首の牽引によって、頚椎が良くなると言う医学的証拠が乏しいようです。

じゃあなんでそんなエビデンスの乏しい治療がいままで行われていたのか気になりますけど(笑)

 

 

首の牽引の理論は、皆さまお判りでしょうか?

主に、頚椎の椎間板ヘルニアに対する治療に使用されるのですが、

椎間板の中にある髄核が飛び出てしまい、その飛び出たゼリー状のものが神経に障る事で神経性疼痛などが起こると言うヘルニア。

 

治るには、その飛び出たゼリー状の髄核が身体に吸収される必要があります。

そしたら神経に触らなくなるので。

 

そして牽引をすることで、椎間(頚椎の骨と骨の間)は伸ばされます。

そうすると、椎間の圧力は下がり、陰圧となります。

つまり、陰圧にすることで、椎間の外に飛び出た髄核を引っ込めよう。とするのが牽引治療なのです。

 

理にかなってはいるのですが、はたして引っ込むのか。と言うところに対して証拠が欠けているようです。

それと、脊椎と言うのは通常、他の関節と連動して動くものですので、

生理的運動 以外の動きを、しかも頚椎だけに与えると言うのは、関節を痛める原因になると発表されています。

 

 

でも、個人的には牽引は気持ちいので、嫌いじゃありません。

家に牽引する機械があります。

首が痛くなったら、たまーに牽引するとスッキリするので、たまに使っています。

 

リスク等を分かったうえで、好きな人はやったらいいですね。   引っ張ったら首が抜けちゃうよ  

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 靭帯損傷による膝関節の動揺性の立証・・・今や交通事故を扱う弁護士・行政書士にとって、ストレスXPはおなじみの検査となっています。秋葉事務所でも30件を超える実例を経験してまいりました。    膝の主要4靭帯(前十字、後十字、内側側副、外側側副)が完全断裂しないまでも、部分断裂(靭帯繊維の一部が切れた)、深層断裂(組織内部の断裂)の場合、靭帯が伸びて、膝関節が「ぐにゃ」っと崩れるような、やっかいな機能障害となります。当然、歩行に支障きたすレベルでは手術適用、膝蓋腱から靭帯を移植したり、金属で補強するなど、いくつかの術式があります。それ程に深刻な動揺性がない場合は、周辺の筋肉(大腿4頭筋など)を鍛えて、関節をしっかり保持するリハビリ指導、運動療法も行われています。

 自賠責保険の後遺障害の立証では、膝が「ぐにゃ」としていることを「主張する」だけではダメです。他覚的・医学的に証明しなければなりません。「ぐにゃ」っとしている証拠が必要なのです。

 そこで、膝を前方に引っ張った、又は左右に折った状態のレントゲン写真を撮る必要があります。通常、医師は治療の過程でわざわざそんな検査はしません。損害賠償上の必要性があることを、こちらから医師に理解を促す必要があるのです。だからこそ、私たちの仕事の存在価値があると言えます。    前置きが長くなりましたが、関節に圧をかける機材として、テロスなるものがあります。(↓ 写真)

左右(外反・内半)はテロスが有効と思います

 テロスで膝関節をゆるんでいる方向に曲げます。この設備のある病院は大変貴重です。多くの被害者さんにとって、(検査できる)病院探しに苦労するはずです。しかし、稀に協力的な医師が存在するもので、テロスがなくても徒手で関節を引っ張って撮影して下さいます。そのような医師に何度か救われてきました。

 また、経験上、前十字靭帯の場合は、徒手による撮影の方が明確な画像になる傾向です。もちろん医師の徒手技術に左右されますが、私自身も前方引出し検査、ラックマン検査を励行していますから(医師の指導のもと)、ゆるんだ膝関節を前方に引き上げるコツみたいなものを、身をもって感じています。  断言します、テロスより徒手による撮影がベターです。機会あれば、依頼者さまのご許可を頂き、徒手によるストレス画像をお見せしたいと思います。   続きを読む »

 どの部位にも言えますが、後遺症や障害の種類は様々です。一口にあごの骨折と言っても、様々な障害を想定することになります。自賠責や労災で系統別に整理されている障害の種類について、症状を照らし合わせ、あてはめていく作業となります。

 本例では、痛み・しびれの神経症状、かみ合わせが悪くなった咬合障害やそしゃく障害、歯の欠損、傷が残った醜状障害・・・丁寧に拾い上げる必要がありました。  

個人賠償 併合11級:上下顎骨骨折・歯牙欠損(40代男性・神奈川県)

 

個人賠償 9級16号:顔面線状痕(下顎口唇挫創)(40代男性・神奈川県)

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どーも、金澤です。

 

今日は胸郭出口症候群について少し簡単にブログにしていこうと思います。

 

 

 

実際、交通事故で整形外科にかかると、その先生によっては割と簡単に胸郭出口症候群と診断名が付きます。

首のレントゲンで特に問題なく、手の方でシビレがあったら大体、下記診断名です。

 

頚椎捻挫

外傷性頚部症候群

胸郭出口症候群

外傷性胸郭出口症候群

あとは中心性頸髄損傷とかでしょうか(笑)

 

こんな感じで診断名が付き、ミオナールやメチコ、カロナール、湿布出されて終わりです。

 

 

が、実際は胸郭出口症候群と言うものは、診断が難しい症状。

しかも、外傷性でなるのか?と言うところ。

(鎖骨折れたりと、骨折を伴うような高エネルギー外傷ならあり得る)

 

胸郭出口症候群の症状・原因

 

症状

つり革につかまる時や、物干しの時のように腕を挙げる動作で上肢のシビレや肩や腕、肩甲骨周囲の痛み。

前腕尺側と手の小指側に沿っての感覚障害、手の握力低下、細かい動作がしにくいなどの運動麻痺の症状など。

手内筋の萎縮(いしゅく)により手の甲の骨の間がへこみ、手のひらの小指側のもりあがり(小指球筋)がやせてきます。

 

鎖骨下動脈が圧迫されると、上肢の血行が悪くなって腕は白っぽくなり、痛みが生じます。

鎖骨下静脈が圧迫されると、手・腕は静脈血のもどりが悪くなり青紫色になります。

日本整形外科学会 引用

 

原因

腕全体に行く神経が通る道の中で三カ所、圧迫されやすいトンネルがあります。

①前斜角筋と中斜角筋の間

②鎖骨と第1肋骨の間の肋鎖間隙

③小胸筋の肩甲骨烏口突起停止部の後ろ

 

これらトンネルで神経が圧迫されることが原因となります。

 

 

では、どうして圧迫されるのか!

 

多くはなで肩の女性に多く、なで肩だと腕が牽引され、そのトンネルが狭くなります。

デスクワークで首のコリが酷くなると、斜角筋が緊張してそこでも圧迫されます。

旨の筋肉が強すぎる人も③番目のトンネルで圧迫されるし、

デスクワークで巻き込み肩になり胸の筋肉が緊張しても、なります。

 

そう、多くは外傷性ではなく、元々の体質だったり、筋肉が原因。

これが外傷でなると言う事は、鎖骨が骨折して変形治癒したとかではないと、なかなか考えられません。

 

ただし。

 

過去には事故で斜角筋の筋断裂が起こり、そこが瘢痕組織として治り、その部分で神経が圧迫されて、胸郭出口症候群になったと言う例もありますので

 

絶対ではありません。

 

ただし、お医者さんが軽く見て、あ~斜角筋症候群だね~

では、後遺症の等級はなかなか厳しいですよと言う事です。

 

ムチウチが治らず、途中から胸郭出口の症状が出て、造影検査等をして胸郭出口と診断があっても、

事故との因果関係を否定される可能性が高いです。

 

骨折の伴わない事故で斜角筋症候群による等級を取るには、初診時から数日以内に、皮下出血や筋肉の陥凹を認められてカルテに記載され、

かつ後遺障害診断書を作成してもらわないと難しいと私は考えます。

かりにそれらがあっても可能性は低い。

 

判例では、胸郭出口の手術をして患部を露出してみたら、確かに外傷後の瘢痕、癒着があったとの事で初めて外傷と認められたと言うケースがあります。

それくらい斜角筋症候群は難しいです。

 

 

最後にまとめますが、斜角筋症候群での等級はウチの事務所でも取ったことはありますが、

なにもそこにこだわる必要はありません。

事故当初からサポートが出来たら、間違った方向に行かずキチンと症状を証明できるように道しるべになれますので、

困ったことがあれば、ご相談ください。

 

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 数年前からの接骨院(以下、整骨院等を含む)と士業者の連携ブームですが、とうに下火になっています。当時、ホームページで弁護士と握手した写真をUPする位、躍起になっていた院ですが、それらの広告は鳴りを潜めたように感じます。おそらく弁護士から「あからさまに載せないで!」とでも言われたのでしょうか。

 理由は、あまりにも接骨院の不正が多く、とくに施術料を支払う保険会社に徹底的に嫌われていることも無縁ではないでしょう。弊所には接骨院勤務経験のある柔道整復師:金澤がおりますので、業界の内情を色々と聞いて呆れているところです。

 初めに言いますが、接骨院の施術効果を否定する気は毛頭ありません。むち打ちで難儀している患者さんの頚肩部の過緊張をほぐすなど、必要な技術があることもです。それでも色々と問題が生じるのは、賠償問題と経営が絡むからです。

 接骨院と弁護士事務所の連携関係は、交通事故の患者さんを相互に紹介する関係ですから、患者さんを接骨院に紹介すること=後遺障害の認定を難化させることになります。もちろん、端から症状の早期緩和を目指し、接骨院での施術が患者にとってベストと判断するなら問題ありません。ところが、症状が緩和されているはずなのに長期の通院となり、挙句、保険会社から「これ以上、治療費を払わないので後遺障害申請して」と言われ、混迷する被害者さんが後を絶ちません。ここに至って、士業と接骨院の連携が最悪の結果(治らないのに後遺障害も否定される)を生む事になります。

 自賠責保険・後遺障害の審査において、主たる治療先が病院・整形外科でなければ、患者さんの訴える症状の信憑性は相当下がります。建前であっても、自賠責や保険会社は「医師の判断」を重んじるからです。柔道整復師は医者でありません。少なくとも整形外科で理学療法を重ね、それでも接骨院の施術が必要な場合、サブ的に施術を追加する形なら問題ないでしょう。できれば、医師の指示を得ての施術にしたいところです。東京地裁でも、打撲・捻挫の類では、医師の指示のない施術料を全否定する傾向です。

 一時期、整形外科(月1診断)と接骨院(毎日)を併用させて、等級申請に望むスキームを推奨している士業者、経営コンサルが散見されました。しかし、これも自賠責や保険会社はお見通し、誰が裏で絵を書いているか察知しています。ホームページで堂々と連携を誇示していれば尚更です。彼らが思うほど、保険会社の目は節穴ではないのです。保険会社をなめた、誤った誘導では、本当に症状に苦しむ被害者さんの助けどころか、むしろ2次被害となります。

 以下、本例では、初期からしっかりと治療方針を整えて、審査側の疑いを払拭、余裕の認定となりました。

 被害者の皆様、解決までの船に乗船する場合(つまり、弁護士に委任)、船頭の舵が明暗を分けることをご承知下さい。

山梨の病院は任せて!  

併合14級:頚椎・腰椎捻挫(40代女性・山梨県)

【事案】

自動車にて信号待ち停止中、追突を受ける。直後から頚部痛等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

整骨院での治療が体に合っていたらしく、初期から症状固定まで整形外科との併用にて治療を継続していた。

【立証ポイント】

5台が絡む玉突き事故であり、前後の車に何度も衝突したため、修理費も高額となった。受傷直後からサポートしていたため、通院先を整形外科>整骨院にするよう説明。保険会社との関係が良好だったため、介入せずに指示のみで対応し、7ヶ月をもって症状固定した。

別の案件でもお世話になった主治医であったため、しっかりとした内容の後遺障害診断書を受領し、ちょうど40日間の審査で14級認定となった。  

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 近年、相談会で目立つ失敗例を紹介します。先日の相談会でも類似ケースがありました。

 肩関節や膝の関節に骨折があり、骨の癒合後、曲がりが悪くなる・・・可動域制限が残る後遺症があります。これは、機能障害として、○°以下なら○級、あるいはケガをしていない方の腕や膝と比べて3/4以下で12級、1/2以下で10級など、認定基準が定められています。それでは、計測値が1/2以下なら、直ちに10級が認定されるものでしょうか?  自賠責保険は、その後遺障害の審査上、診断書の計測値を必ずしも真に受けていません。必ず、関節が曲がらなくなる理由を画像に求めます。つまり、画像上、骨が曲がって癒合した、関節面に不整が残った、靭帯の断裂が影響したなど、物理的に曲がらないことが確認できなければ、可動域の数値を疑います。もしくは、神経麻痺で動かない場合も、筋電図検査で数値を確認できなければ認めません。関節の角度だけで判断してはいないのです。    詳しくは、7年前の記事をご覧下さい。⇒ 後遺障害認定結果の文例     たまたま、計測者がいい加減で1/2となってしまった場合もありますが、多くはあまり曲げないように装った(これも詐病の一種)と思います。自賠責保険は「演技したな!(怒)」と激おこになります。これは、被害者さんの責任ですから、仕方ありません。しかし、今回、この問題をあえて取り上げた理由は、すでに受任していた弁護士はじめ業者が、”不自然に曲がらない計測値のまま、後遺障害申請に提出してしまった被害”が増えているからです。  私達の場合、可動域制限の等級認定に対し、受任時や症状固定時に被害者さんの関節を実際に計測して、ある程度の見当をつけています。当然、その前提として、受傷時→手術時→抜釘後・症状固定時と、レントゲンやCT画像を経過的に確認した上で、計測値と照らし合わせています。そこに、不自然があってはダメです。癒合は問題なく、関節面もきれいで、靭帯損傷も軽微・・これで1/2の制限など起きるはずがありません。可動域性制限での後遺障害は、必ず、”曲がらなくなった”理由が必要なのです。

 その点、弊所では、整合性のある数値が記録された診断書と、それを裏付ける画像を整えてから審査に及びますから、間違った認定結果はほぼありません。

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 もう、何も言うことはありません。間違った解決のやり直しです。

 他の弁護士や行政書士はじめ、交通事故業務を生業とする皆様、本例を参考にして下さい。

   現在、”故人の後遺障害申請”、4件目を継続中です。  

8級相当:腰椎破裂骨折(70代女性・静岡県)

【事案】

高速道路を直進中、併走車が雨でスリップして衝突、次いでその反動で側壁に激突したもの。同乗者は衝撃で腰を受傷、診断名は腰椎破裂骨折となった。

【問題点】

本件は既に地元の弁護士により解決していた。解決の内容は、1、物損は相手損保の提示額が不服として、被害自動車の全損額請求の裁判で勝利、40万円ほどを獲得。2、人身は相手損保と交渉解決、入通院慰謝料と休業損害で約300万円で示談済み。その後、被害者さんも病気で逝去。それから2年が経過していた・・・。

これは、肝心の腰椎骨折の後遺障害が完全に無視された解決である。それに気づいた保険代理店さまより相談を受け、既に亡くなった被害者さんの名誉の為にも、事故解決のやり直しに挑戦した。秋葉事務所では3例目となる、”故人の後遺障害認定”のミッションとなった。

【立証ポイント】

まず、遺族となったご家族から契約を取り付ける為、代理店さまと説得に訪問した。先の弁護士により、(勝訴?)解決とされていたことから、「事故はとうに終わった」ものと戦意なく、これ以上、お金が入るなど半信半疑ではあったが、なんとか契約に漕ぎ着けた。

取り寄せたすべての画像を確認したところ、腰椎の圧壊は2椎体に及んでいる。11級どころか8級狙いに変更した。この画像を当時の主治医に読影頂き、後遺症診断の理解を促した。生前の退院日に遡って症状固定日を設定し、後遺障害診断書の確保に成功した。

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 耳鳴りは通常、難聴を伴うもので、自賠責保険・労災の耳鳴りにおける12級認定の基準上、オージオグラムで30db以上の難聴が必要です。

 本件は検査上、数値をクリア、なんら問題なく12級相当となるはずでした・・・しかし、結果は難聴の14級3号認定でした。耳の障害では認定上の序列があり、難聴と耳鳴りが併発した場合、上位等級が認定されます。14級の難聴は通常、耳鳴りに派生するものとして、耳鳴り12級に内包されることになるのです。認定票から、耳鳴りを否定する文面は見当たりません。耳鳴りが非該当とされたのではなく、単に審査からスルーされたようです。

 7級が併合6級となれば、自賠責保険金は245万円も上がります。後の損害賠償交渉によっては、さらに倍にも膨らむかもしれません。間違われては困るのです。

12級なら併合で等級が一つ繰り上げるので、絶対に見逃せません!  

14級3号⇒12級相当 異議申立:耳鳴り(60代女性・埼玉県)

【事案】

交差点で横断歩道を歩行中、右折自動車が進入し、衝突・受傷した。意識がなく、救急搬送され、急性硬膜外血腫、腎損傷、肋骨骨折の診断となる。

高次脳機能障害の諸症状に加え、難聴と耳鳴りに悩まされていた。

【問題点】

被害者請求をしたところ、高次脳機能障害で7級4号が認定された。

耳鳴りは事故当初から発症しており、ピッチマッチ、ラウドネスバランス検査も実施していた。被害者請求時にはすべての検査結果も添付していたが、何故か耳鳴りの12級相当ではなく、難聴の14級3号の認定となった。これは、認定ルール上おかしい。単純なミスなのか・・。

【立証ポイント】

念のため、症状固定した病院で同じ検査(ピッチマッチ、ラウドネスバランス)を再検査の上、異議申立書を急いで作成し、再申請をかけた。 続きを読む »

 これは、交通事故後遺障害の立証を生業としている者の格言です。    交通事故被害者の相談の中でも、後遺障害が取れるか否かは、賠償金の増減において重大な勝負所となります。誰が見ても明らかな骨折であれば、人体への”高エネルギー外傷”ですから、予後の機能障害や神経症状、付帯する靭帯損傷や軟骨損傷などは、高い信憑性をもって後遺障害の審査先(自賠責保険・調査事務所)に伝わります。問題は骨折等の器質的損傷が不明瞭ながら、関節が曲がらない、痛み・不具合が深刻なケースです    被害者さん側は、「医師が診断書で○○損傷と診断したのだから・・当然、等級は認められるはず!」と考えます。しかし、自賠責が診断名とそれに連なる症状を認めるには、厳格に証拠を必要とします。それが第一にレントゲンやCT、MRIなどの画像です。画像に明確な所見がなければ、医師の診断名も被害者の訴えも信じません。つまり、等級認定はありません。。

 秋葉事務所でも、明確な画像所見を見出す為にシビアに画像検査を繰り返す、重ねて別の専門医や放射線科医に読影を依頼します。画像所見が得られない場合でも、打撲・捻挫程度の非器質性の損傷や「○○損傷の疑い」に留まる診断名では、神経系の検査などを用いて医学的に証明する作業を行います。それらは、(賠償問題に関わりたくないであろう)医師の協力を取り付けることはもちろん、検査設備のある病院への誘致など、大変に難易度の高い作業になるのです。   その実例(画像は不明瞭だが) ⇒ 14級9号:第一肋骨亜脱臼?(50代男性・茨城県)   その実例(骨折はあるが、癒合後の変形を画像読影で立証) ⇒ 14級9号⇒12級13号:頬骨骨折 異議申立(70代女性・東京都)   その実例(筋電図で立証) ⇒ 14級9号⇒12級13号:外傷性頚部症候群 異議申立(40代男性・千葉県)    「せめてどこか骨が折れてくれれば、苦労はないのに・・」となります。交通事故被害者はその被害者意識も相まって、症状を重く主張しがちです。治療費を支払う加害者(側の保険会社)から「骨折がないのに大げさな!」と思われるのも無理はありません。だからこそ、骨折のない場合や骨折が不明瞭な場合の諸症状の立証こそ、請け負った事務所の力量と根性が問われると思うわけです。

 画像所見や検査結果を抑えて12級以上を取る、決定的な所見はないが症状の一貫性と信憑性から14級に収める・・・連日、苦労と工夫が続きます。  

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 追突されてむち打ちになった! その後遺障害認定を得る為には、症状の一貫性と信憑性が肝要です。堅実に治療実績を積み重ねる必要があります。それでも、整えようがないのは受傷機転です。どのような衝突でどのようにケガをしたのか・・被害車両を見ると、わずかなキズ、へこみ、せいぜいバンパー交換程度の場合です。これら軽微な損傷程度から後遺症を伴うような大ケガとなるわけない、と思われるのは必定です。本件は診断書の精度を高めることで補いましたが、通常は困難な認定だったと思います。

審査員に恵まれたのかな? 運が良かった?  

14級9号:頚椎捻挫(50代男性・東京都)

【事案】

自動車にて信号待ち停止中、追突を受ける。直後から頚部痛等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

修理費が安く、物損資料を確認しても、どこにぶつかったかもわからないような軽微な事故であった。そのため、保険会社から4ヶ月で打ち切られており、そこからは労災に切り替えて治療をしていたが、症状固定をしてから3ヶ月もの間なにもしておらず、治療も終了していた。

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 なぜなら、骨折の癒合さえ果たせば、わずかな変形など日常生活にほとんど支障がないからです。折れた部分が肩関節に近ければ、肩の可動域に影響がありますが、骨幹部(骨の中ほど)の亀裂骨折程度であれば影響少なく、粉砕骨折や開放骨折でもない限り深刻度は下がります。さらに、昔と違って現在はプレート固定術としますので、きれいに癒合しますから変形もわずかに抑えることができます。

 そんなことから、臨床上、医師は「鎖骨が変形してしまった」と認識しませんし、普通は診断書に記載するものでもありません。自賠責保険の認定基準では、裸体で変形が確認できることが条件です。それがわずかでも、視認できれば認定する傾向です。本件は医師に改めて記載を促して再申請で認定を得ましたが、鎖骨の認定漏れは、全国の鎖骨骨折者にとって常態的なものと思います。

 また、仮に変形なく治癒を果たしたとして、骨折ほどの高エネルーギー(外傷)が加わったのですから、癒合後も痛みや痺れ、なにかと不具合は残るものです。その残った症状は「神経症状」として14級9号「局部に神経症状を残すもの」の余地を残します。私達はそれを見逃さないので、過去10年、鎖骨骨折で100%の後遺障害認定実績を記録しています。  

 ⇒ 上肢・鎖骨の認定実績

 

 ⇒ 上肢・鎖骨の異議申立・認定実績

  継続治療のついでに膝の等級も上げときました  

12級5号:鎖骨骨折 異議申立(60代女性・埼玉県)

【事案】

原付搭乗中、交差点で左方から自動車が進入し、衝突した。救急搬送され、鎖骨骨折と上腕骨骨折、他に大腿骨折、膝蓋骨骨折の診断となった。

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